9月18日、明治大八幡山グラウンドで行われたインディペンデンスリーグ関東1部Dブロック、慶應義塾大U-22A戦に先発したのは、川崎フロンターレU-18出身、明治大のDF柴田翔太郎。
右SBとして、フロンターレU-18時代と同様、ドリブルで仕掛け、クロスを入れるなど、攻撃の起点に。
セットプレーのキッカーも務め、1-0と明治大U-22がリードして迎えた前半44分には左コーナーキックから44分にはFW庄司啓太郎のゴールをアシスト。サイドに張るだけではなく、中央にも顔を出して組み立てにも加わり、フル出場。明治大U-22の勝利(3-2)に大きく貢献しました。

試合後に柴田翔太郎に大学1年目のこれまでとこれからについて、話を聞きました。

〇まずは今日の試合を振り返って、率直な感想をお願いします。
今日は新人戦と、前期のアミノ(「アミノバイタル®」カップ)の決定戦で敗れている慶應さんだったので。
3連敗はない、っていうところで入りましたし。
自分としても、個人的にIL(インディペンデンスリーグ)では圧倒的な力を示さないといけないと思っているので。
その中で、アシストできましたし。けっこう自分的にもプレーは良かったんですけど、最後の失点のところだったりまだまだ隙というのがあったので。
そこは改善していかないといけないと思います。
〇後半はだいぶ中に入ってのプレーが多かったように思うんですけど、それは工夫をしてですか?
けっこう今までは外のレーンを取って。上下動するタイプの選手だったと思うんですけど。
明治にいる選手というのはそういう選手が多いですし、やっぱり自分がその中で、どう自分の色を出していかないといけないかというのを考えたときに、フロンターレで6年間やった技術っていうところは、自信を持っていますし。
その中で自分が少し内側に入りながら、ゲームをつくったりビルドアップの前進を助けるようなポジショニングを取りながらっていうのは、この大学、明治の中で違う色を出せるのかなと思っているので。
そこを意識しているのもありますし。やっぱり自分が一番の武器としている上下動をしながら。
オーバーラップをして、クロスで終わるっていうところ。それをうまく混ぜながら。内側でビルドアップを前進させながら、最後のところまで出ていくっていう、それをうまくつなげながらやれているので、それはだんだん結果に出てきて、ポジティブにとらえられているかなと思います。
〇前のインディペンデンスリーグでは3アシストをしていましたけど(9月11日、順天堂大U-22B戦、〇5-1)。あれは流れの中でしていたんですか?
セットプレーふたつ。コーナーキックのところと、あとはシンプルにオーバーラップして、クロス上げてって、いつものようなかたちだったんですけど。
自分がどうやって生きていくかってなったら、やっぱりセットプレーのキックのところと、サイドバックとして出ていくところ。
そこは自分がこれからプロとして飯を食っていかないといけないって考えたときに、武器になると思うので。
入学して最初の頃はなかなか結果が出なかったんですけど。
最近はアシストという結果もついてきているので、そこはポジティブにやりながらっていうふうに思っています。
〇夏の定期戦(8月9日、関西大との定期戦、〇1-0、90分から出場)ではトップチームでプレーしましたけど、それはどうでしたか?
出場時間自体は短かったんですけど。ひとつトップの中で出たというのは、経験として持たないといけないですし。
練習はトップチームのほうに行かせてもらうこともしながらも、なかなか関東リーグにはメンバーに入れず。
ILで試合に出るっていう流れが多かったので。
後期は必ず関東リーグのピッチに立つっていうところ。ひとつ目標としてやっていきたいですし。
同期は関東リーグに出ているので、櫂大(土屋櫂大)もフロンターレで出ていたりするので。
そこは自分の中でいい刺激になりながら、「自分もいるぞ」っていうふうに思ってほしいですし。
明治は桒原さん(桒原陸人)と稲垣さん(稲垣篤志)っていう代表レベルの選手が2人いますけど。
自分はそれを食いに、ここに来たので。
「彼らがいるうちにポジション取りたい」と思っています。
〇濱﨑君(濱﨑知康)がこの前代表に選ばれたのも(AFC U23アジアカップ サウジアラビア2026予選に臨むU-23日本代表に選出) 刺激になったんじゃないですか?
そうですね。ハマがいたから明治に来たというのもありますし。
ハマだけじゃなくて、一緒にワールドカップ(U-17ワールドカップ)でやっていたような選手がやっぱり代表に入っていますし。
佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)はA代表にも行きましたし。
それは自分の中でけっこう悔しい、というか。けっこう同期にも「あいつ、代表入ったね」とかそういう話をされたりするんですけど。
心の中ではけっこう悔しい思いをしていて。
「まだ消えないぞ」というふうに自分の中では思っているので。
今すぐそういうふうに結果は出ないかもしれないですけど。
そういうところに対する熱というのは全然消えてはいないので。
いつの日かまた代表に入ってプレーしたい、と思っています。
〇大学で結果を残せば、見ている人がいると思うので、それがまた代表にもつながると思います。
そうですね。代表のスタッフともけっこうこのグラウンドで会いますし。
「元気にしているか」っていう声はいただくので。
そういうときに、自分が結果を残せるかっていうのもひとつありますし。
あとはフロンターレに帰りたいので。
フロンターレに帰るために何をすればいいのか、というのを整理しながら、やっていきたいと思っています。
〇今日は対戦相手に村瀬君(村瀬悠馬、フロンターレU-15→國學院久我山)がいてゴールも決めましたけど、それはどうでしたか?
悠馬が出てきて、やなポジショニングを相変わらずやってきて。相手のビルドアップ、前進していましたし。
それを悠馬が担っていたので。「やな選手だな」って思いましたし。
ゴール前に出てきて、決めるあたりも「厄介な選手だな」って思いましたし。
自分もゴールっていうところを取りたかったので。
今日は彼の勝ちかなっていうふうに思います。
〇アシストのあのキックは、本当にさわるだけっていう感じで良かったですね。
キックは自信を持って。「キックで生きていくんだ」というふうに、自分の技術を磨いてきましたし。
ヤスさん(フロンターレU-18の長橋康弘・前監督、現トップチームのヘッドコーチ)にも、「何か調子が悪かった時にもひとつ自分のキックで変えられるように」っていうのは、言われていたので。
自分のキックのところは自信を持ってやっているので。それが得点につながって良かったかなと思っています。
〇この前、等々力来ていましたよね?(8月31日、FC町田ゼルビア戦)
行きました。
〇ちょっとビジョンに映っているのが見えました。
最後、映りました、はい。
〇どうでした?
やっぱりシンプルにフロンターレが大好きなので。あそこに行くことで「自分もこのピッチに立ちたい」という刺激をくれますし。
シンプルにもう、フロンターレというクラブが大好きなので。
今年2回行きましたけど。
何か自分がちょっと悩んだりしたときに、ひとつ立ち返る場所が等々力でもあるので。
そこに行ったらもう1回、やる気を出させてもらえますし。
自分にとって大好きな場所です。
〇だいぶサポーターのみなさんにも歓迎されたんじゃないですか?
行くたびに声をかけてくれますし。全然まだプロでもなんでもないですけど。応援してくれているのは本当にありがたいので。
そういう方々にいい報告を届けたいですし。
何よりもフロンターレに帰ってきて「ただいま」というのを言いたいので。それに向けて毎日頑張っています。
〇この前、プレミアもヴェルディグラウンド、来ていましたよね?
行きました。
〇どうでした? 外から見てみて。
自分がユースにいたときにはなかなかゲームに絡んでいないような選手が出ていたり。
そういう選手たちも「力は持っているな」というのは感じてはいたので、ユースのころから。
シンプルに、寧生(廣瀬寧生)だったり。亘佑(長崎亘佑)だったりカツ(木下勝正)がゴールを決めたと思うんですけど、シンプルにうれしかったですし。
あとは恩田(恩田裕太郎)だったり涼太(柏村涼太)だったり林(林駿佑)もそうですけど。
出ていたような選手が引っ張ってくれているので。
「もっとやってほしいな」っていう思いもありますけど。
彼らならできると思うので。頑張ってほしいですし。ノリ(関德晴)もけがをしていて苦しんでいると思いますけど。
彼、本当にすごい選手なので。何も言わずともできると思うので。
最後ノリが復帰してくれば、もっと面白いサッカーができると思っています。
〇大学はどうですか? 楽しいですか?
楽しいです。楽しいですけど。やっぱり明治は環境も厳しい、やらなきゃいけないことも多いですけど。
全部自分のためになっているかなと思っています。
〇フロンターレのサポーターの方にメッセージをお願いします。
今こうやって明治でやらせていただいているのも、フロンターレでの積み重ねがあったからですし。
自分のSNSだったり。会った時もそうですけど。今でもメッセージをくれるので。
本当に自分の力になっていますし。誰が何と言おうと自分はフロンターレに帰りたいので。
今、フロンターレに帰ることしか考えていないですし。大好きなので。
4年後、等々力のピッチに帰ってきたときに「お帰り」って言ってもらえるように。
それまで待っていてください。

◇
話を聞いた翌日9月19日には、「2025 Seoul Earth On Us (EOU) International Football Championship」(9⽉19⽇〜29⽇、韓国・ソウル)に臨むU-19関東大学選抜に、フロンターレU-18の同期である桐蔭横浜大のFW加治佐海とともに選出。
大学でも、その右足を武器に、新たな姿も見せながら、ピッチの上で力を見せている柴田翔太郎。
フロンターレへの想いを胸に、時には等々力で、応援してくれる人たちに力をもらいながら、大好きな場所へ帰るために、日々を送っています。
フロンターレのアカデミーを愛する多くの人たちにとっても、等々力のピッチを駆け上がるその姿を見ることは、大きな願い。
「ただいま」「お帰り」
そう言い合える日を、待っています。
(文中敬称略)
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