湘南ベルマーレが初めてのYBCルヴァンカップのタイトルを手にした翌10月28日は等々力陸上競技場へ。川崎市の六年生年代の選手たちが競う松村杯は、最終日を迎え、川崎フロンターレU-12はFCパーシモンとの決勝に臨みました。
【川崎フロンターレU-12 松村杯PUMAカップ争奪秋季少年少女サッカー大会少年の部決勝 vs FCパーシモン】
10月28日(日)午後2時1分キックオフ 等々力陸上競技場 晴れ 20分ハーフ 11人制
さぎぬまスワンズが南百合丘リリーズに5-0で勝利した少女の部3位決定戦、中野島FCが、かじがやFCに4-0で勝利した少年の部3位決定戦、AC等々力マーメイドがFC中原レジーナに1-0で勝利した少女の部決勝に続いての試合。
フロンターレの先発は、GK1太田陽彩、DFは右から20柏村涼太、3山中大輝、25林駿佑、7荒井颯太、ボランチはキャプテンの10齊名優太、5田所莉旺、右MF9加治佐海、左MF6五十嵐将、FW13新堀翔、11香取武。
少女の部や少年の部の3位決定戦が行われていたころには、空を覆っていた雲は去り、青空が広がった等々力陸上競技場。両チームの選手の家族らが見守り、フロンターレもパーシモンもそれぞれ下の学年の選手らがにぎやかに応援するなか、試合は始まりました。
立ち上がり、柏村が右サイドの加治佐へ縦パスを入れ、ラインを高めてコンパクトにしていこうとするフロンターレ。しかし、パーシモンも右サイドの高い位置へ11を走らせるなどして押し込みに。すると3分、左サイドからのクロスをエリア内で9が合わせ、ボールはゴールの中へ。0-1。先制点はパーシモンに入ります。
フロンターレは、直後には荒井がエリア左に抜け出し、シュートを放つも上。しかし、早々の失点にも揺れることなく、攻めに。柏村の縦パスを香取がやや中盤寄りに下りてさばき、前線へ動き出す新堀へのパスを狙うなど、攻めに出ようとしていきます。
パーシモンも追加点を狙い、6分には9がボールをキープし、エリア前に10が抜け出し、シュートを打つも上に。さらに前に人をかけて出てくるパーシモンに対して、フロンターレは、山中や林、柏村らが前線の香取、新堀らに向かい、ボールを入れ、攻撃へつなげようとしていきます。
8分には山中が前線へ送ったボールを香取が競ると、エリア右に新堀が抜け出し、シュート。ワンタッチあり、決まりませんでしたが、決定的な場面をつくっていきます。
10分にはパーシモン、エリア前やや左でうまくターンをした12が枠をとらえたシュート。しかし、これは太田がしっかりセーブ。
フロンターレは、最終ラインでボールを動かしにいくパーシモンに対して、前から連動してプレスをかけにいき、中盤では田所が厳しい寄せからボールをものにするなどして、次第にパーシモンの陣内でプレーする時間を増やしていきます。
13分には、五十嵐が高い位置でマイボールに。五十嵐からパスを受けた荒井がエリア前に折り返すと、こぼれ球を正面で拾った田所がミドルシュート。上に外れ、またエリア内でファールもあった場面でしたが、多くの選手がかかわってゴールに迫りに。
フロンターレは田所や齊名に加え、香取もパーシモンの中盤にアプローチにいき、そこからサイドに展開し、荒井が高い位置取りで縦へ仕掛けるなど、前に出ていきます。13分には左サイドのスローインから田所がエリア内左へ迫るもパーシモンはクリア。
直後にはパーシモン、9がエリア右へ迫るもフロンターレは林が寄せ、最後はパーシモンのファールに。
15分、パーシモンが攻めに出たところに対して、フロンターレは太田が前線へボールを送ると、香取がボールをおさめ、左に展開。荒井がエリア左へ抜け出し、シュート。ボールはゴールの中へ吸い込まれるようにして決まり、1-1。見事な連係から同点のゴールが生まれます。
17分にはパーシモンのパスを田所が阻んで右へ展開。エリア外右の香取へ渡り、香取が右クロスを上げるとエリア左で五十嵐が合わせるも、パーシモンのGK1がセーブ。さらに18分には、田所が香取とのパス交換からエリア外正面へ。ミドルシュートを打つも左に。
直後には、加治佐と交錯した田所がいったん外へ出て、フロンターレが10人になったところを、パーシモンが右から12が持ち込んで、エリア前に迫るも荒井がクリア。このボールを新堀が競り、エリア左で拾った香取が切り返してマークをはがしてシュート。上へ外れましたが、守備から攻撃へ、つながる場面をつくっていきます。
ロスタイムは1分。パーシモンも6が左サイドの高い位置へ上がり、最後は12がエリア内に飛び出すもこれはオフサイド。前半は1-1でタイムアップとなります。
後半フロンターレは立ち上がり、左サイドでスローインに。その流れから香取が前を向き、エリア内左にパスを出すとうまい動き出しから抜け出した田所がGKとの1対1に。田所かシュートを放つと、これが決まり、2-1。鮮やかな形でフロンターレが勝ち越しのゴールをものにします。
フロンターレは直後には、山中が送ったボールを香取が競り、右サイドで加治佐がボールをおさめ、エリア前に切れ込みシュート。しかし、GK1がセーブ。さらに林のフィードを新堀が競ったところを狙い、五十嵐がエリア前に顔を出し、連動してゴールに迫っていきます。
フロンターレは、5分には荒井が縦へ仕掛けて左コーナーキックに。左コーナーキック、齊名が右足でニアへ直接向かうボールを入れるもパーシモンはクリア。
さらに再びニアを狙った齊名の左コーナーキックがクリアされ、三たび左コーナーキックに。齊名がボールを入れるとエリア右で拾った加治佐がシュート。パーシモンがブロックで防いだところ、正面で田所がシュートを打つもここでもパーシモンの体を張った守備が上回り、追加点とはならず。
フロンターレは、中盤でボールを奪ったところから攻撃へつなげる場面をさらにつくりだし、7分にはエリア左へ抜け出した田所、ボールを拾った香取、さらにエリア左から五十嵐がシュート。ここでもパーシモンの守備に阻まれましたが、次々に決定的な場面をつくっていきます。
一方のパーシモンも10がうまく中盤でボールをおさめ、右に展開。14がゴールへ向かっていきますが、山中がカバー。ここでも香取へつながるようなボールを入れ、切り替えの良さを出していきます。
8分にはパーシモン、9の浮き球のパスにエリア左へ20が抜け出すも、林がカバー。9分にはエリア正面でフロンターレにファールがあり、6が左足で直接狙いますが、枠をとらえたシュートは太田がセーブ。さらにパーシモン、左サイドからエリア前にボールを入れると、9が迫るも林が体を入れ、最後は太田がセーブ。
さらにパーシモンは中盤の8がエリア左へ顔を出し、9がボールをおさめ、リターンを受けた10から左に展開するなど、厚みのある攻めに。フロンターレは柏村に加えて齊名もエリア近くに戻りカバーに。やや疲れも見え、うまく攻撃へうつれないなかで粘り強く耐えていきます。
14分には、最終ラインからパーシモン、4が持ち上がり、パスを受けた14がエリア右に仕掛けるとフロンターレはこれに対してファール。パーシモンにフリーキックが与えられます。キッカーは6。左足で直接狙うとゴール左をとらえますが、これには太田が見事に反応。好セーブで得点は許さず。
コーナーキックもしのいだフロンターレは、16分には田所が高い位置でボールを奪い、エリア左から折り返すとエリア正面で加治佐がシュート。しかし、わずかに左へ。
フロンターレはここで五十嵐に代わり15関徳晴。
フロンターレは再びマイボールの時間をつくり、林が最終ラインから持ち上がり、関に縦パスをつけ、そこから中盤の齊名を経由して前線へ香取が動き出すなど、パーシモンの陣内でプレーできるように。17分には高い位置で加治佐がボールをものに。エリア正面で新堀がシュートを打つもブロック。さらにエリア右でこぼれ球を拾った香取がシュート。しかし、ワンタッチあり、右へ。
コーナーキックをしのいだパーシモンはすばやく左へ展開してゴールに迫るもフロンターレは、柏村がカバー。最後はパーシモンにファールがあり、シュートにはつながらず。
19分には、中盤の10がフロンターレのプレスをかわして左にパスを出すと12が高い位置へ。ここは柏村が寄せ、左コーナーキックに。左から12が右足でボールを入れると、4が頭で合わせるもゴールへ向かったボールは太田がセーブ。
さらに6秒を超えてボールを保持したとして、エリア正面でパーシモンに間接フリーキックが与えられるも、10がすらしたボールから4が放ったシュートは左へ。
ロスタイムは2分。
フロンターレは、新堀に代わり18佐々木雄基がピッチへ。荒井の縦パスを受けた香取から左へ展開し、佐々木や関が高い位置へ仕掛けていくなど、パーシモン陣内でのプレーを続け、試合はタイムアップ。2-1。フロンターレは松村杯を制しました。
前半1-1 後半1-0 計2-1
得点:荒井颯太、田所莉旺
フロンターレの先発:1太田陽彩、20柏村涼太、3山中大輝、25林駿佑、7荒井颯太、10齊名優太(c)、5田所莉旺、9加治佐海、6五十嵐将、13新堀翔、11香取武
交代:五十嵐→15関徳晴 新堀→18佐々木雄基
逆転での勝利で優勝を果たしたフロンターレの選手たち。動きが洗練され、多彩な攻めでゴールへ迫れるようになり、たくましさも増しているように思います。11月下旬に行われる全日本U-12サッカー選手権大会神奈川県予選での躍進を楽しみにしています。
(文中敬称略)
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