7月14日、川崎フロンターレが味の素スタジアムに乗り込み、首位FC東京との多摩川クラシコに臨むのを前に、麻生グラウンドへ。プリンスリーグ関東は第10節。川崎フロンターレU-18は、東京ヴェルディユースとの試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第10節 vs 東京ヴェルディユース】
7月14日(日)午後4時キックオフ 麻生グラウンド くもり一時雨
日本クラブユース選手権前、最後の試合。フロンターレの先発は、GK33青山海、最終ラインは右から31高畠捷、3道間雄生、4栗田悠巨、5森璃太、ボランチはゲームキャプテンの18戸水利紀、8山内日向汰、右MF11有田恵人、左MF20鈴木大登、前線には10宮城天、29田中幹大。
ヴェルディの先発は、GK12小原諒万、最終ラインは右から4山下柊飛、5馬場晴也、15佐古真礼、右に13三枝新汰、左に11遠藤海斗、ボランチは8石浦大雅、キャプテンの6石川拓磨、前線には20権田陽大、37根本鼓太郎、14阿野真拓。
雲が広がり、時折雨も降る梅雨空の麻生グラウンド。蒸し暑さも感じるなかで、ピッチを見下ろすスタンドには多くの両チームの選手の家族やサポーターらが集まり、ヴェルディ側が柵にチームののぼりを立て、フロンターレ側も幕を出すなか、試合は始まりました。
立ち上がり、ラインを高め、サイドを突くパスでフロンターレのゴールへ迫るのはヴェルディ。2分には右サイド、三枝が中央へ戻すと石浦のパスに遠藤が左サイド、高い位置へ。フロンターレはこれをブロックし、左コーナーキックに。遠藤が左足でボールを入れると、遠いサイドで折り返し、最後は正面でこぼれ球に反応した馬場がシュートを打つも上に。
フロンターレはマイボールにすると有田、高畠が右サイドでパス交換から打開を図り、田中幹大を高い位置へ走らせ、ヴェルディ陣内でのプレーを試みに。ヴェルディのパスをカットした道間が宮城へつながるようなかたちで対応するなど、守備から流れをつかもうとしていきます。
ヴェルディの攻勢は続き、7分には、エリア外右、権田がミドルシュートを打つも青山がセーブ。さらに左へ開いた遠藤から根本とつながり、エリア外右、石浦がミドルシュートを打つも枠外。
ボールを回される場面は多いながらも決定的なものとはさせないフロンターレは、9分には有田がボールを奪い、中央、宮城へつながり、宮城のパスに田中幹大がエリア右へ。シュートはブロックされましたが、速い攻めで迫り、ヴェルディが右サイド、三枝の折り返しからエリア内へボールを入れても高畠が中へしぼり、クリア。集中した良い守りを見せていきます。
12分には、ヴェルディ、高い位置で石浦がカットすると正面へ走り込んだ石川がミドルシュート。ワンタッチあり、軌道が変わる難しいボールとなりますが、青山が弾きながらも阻み、最後は森がクリア。
フロンターレも、次第にボールを持てる場面をつくれるようになり、13分には戸水、山内と中央でつなぎ、左へ流れた宮城へ展開し、リターンを受けた戸水がエリア右へ動き出す有田を狙いパスを入れるも遠藤がカット。
さらに道間のフィードを森が左サイドの高い位置で受けるなど、ピッチの幅を使って攻めていこうとするフロンターレ。18分には、左サイド、森から右サイド、有田へ展開。宮城がボールを拾い、そのパスに正面へ抜け出した田中幹大がシュート。枠をとらえるもヴェルディの小原が弾きながらも防ぎ、得点とはならず。
左コーナーキック、戸水が右足でボールを入れ、右へ流れたボールを、田中幹大がキープを図り、攻め急がずに後ろへ戻し、機会をうかがっていくフロンターレ。21分にはヴェルディ、佐古のパスに、遠藤が左サイドからエリア内へ仕掛けていきますが栗田がクリア。
さらにサイドに起点をつくりにいこうとするヴェルディに対して、鈴木が厳しく寄せて、フロンターレボールのスローインにするなどしていきます。
栗田、中へ寄った鈴木から左サイドの森に展開するなど縦パスも入れていくと、25分には山内のパスを正面で受けた宮城がエリア外正面へ持ち込み、ミドルシュートを打つも左へ。
直後にはヴェルディ、石浦から左へ。遠藤につなげ、リターンを受けた石川、石浦と回し、石浦の浮き球のパスに反応した権田がエリア外正面へ。ミドルシュートは枠をとらえるも青山がセーブ。好守で盛り立てていきます。
フロンターレも27分には栗田、鈴木と縦へ入れ、鈴木のパスに森が左サイド高い位置へ。クロスを入れると、正面へのこぼれ球に走り込んだ戸水がミドルシュート。枠はとらえられませんでしたが、いいかたちをつくっていきます。
そして28分、フロンターレは右サイド、高畠がエリア外右を突くスルーパスを送ると、これに抜け出したのは有田。エリア右へ進入。小原が前に出て防ごうとしたところで、シュートを放つとボールはゴールの中へ。1-0。出し手と受け手の見事な連係で、フロンターレが先制します。
ところが直後に右サイドから攻めに持ち込んだのはヴェルディ。エリア外右、三枝がファールを受けてフリーキックに。これを石浦が左足で直接決めて、1-1。
鈴木が自陣のエリア近くでヴェルディの攻めに対応するなど、コンパクトに守っていくフロンターレ。32分には、高畠、宮城とつなぎ、宮城のパスに、有田がエリア外右へ。仕掛けて折り返すと、ボールはエリア内、田中幹大のもとへ。田中幹大はこれをスルーすると、宮城がシュートを打つもワンタッチあり、左コーナーキックに。
コーナーキックのセカンドボールを山内が拾い、左へ展開。森がエリア内へボールを入れると、田中幹大が抜け出しますがオフサイド。直後には宮城のスルーパスに、田中幹大が正面へ。シュートがブロックされたところをさらに拾った山内がエリア内へ進入。しかし、ヴェルディの守備も粘り強さを見せ、得点とはならず。
39分にはヴェルディ、阿野から右サイドへ。権田の浮き球に、エリア内、三枝が抜け出しますが栗田が阻み、右コーナーキックに。コーナーキックで入ってきたボール、青山が触り、セカンドボールを鈴木が粘り、右へ展開。高畠のパスに、有田が仕掛け、右サイド高い位置へ。エリア内、宮城を狙い折り返すもブロック。シュートまではいけませんでしたが、ゴールをおびやかしていきます。
ところが42分、勝ち越しのゴールはヴェルディへ。右コーナーキック、遠藤が入れたボール、馬場が合わせると、最後は遠いサイドで阿野が押し込み、1-2。
ヴェルディは三枝を左、遠藤が中央と、位置を入れ替えながらさらに迫っていくと44分には、権田がエリア外右へ。グラウンダーのシュートを打つも青山がセーブ。前半はタイムアップ。1-2でハーフタイムへ。
後半、フロンターレは道間に代わり34田鎖勇作。ヴェルディは根本に代わり18家坂葉光、佐古に代わり21酒井優希。最終ラインは右から三枝、馬場、酒井、遠藤、ボランチは石川、山下、右に阿野、左に家坂、権田、石浦が前に。
立ち上がりから左へ流れた山下がエリア内へ浮き球を入れたり、石川が右サイドを突くスルーパスを入れたりしてくるヴェルディ。フロンターレは森が中へしぼりマイボールにするなどしていきます。
栗田が鈴木を走らせるように縦へボールを入れ、ラインを高めていくフロンターレ。5分には栗田、宮城と縦へつながり、宮城のスルーパスに、田中幹大がエリア内へ。しかし、前に出た小原が交錯しながらも阻み惜しくもシュートは打てず。6分には、エリア外正面でヴェルディにハンドがあり、フリーキックに。宮城が直接狙うも左へ。
一方のヴェルディも7分には、石川から右へ。三枝がクロスを入れると、家坂が頭で合わせるもワンタッチあり、ゴールにはならず。三枝が右サイドから中央へ持ち込み、山下を経由して左の遠藤へ展開し、攻めていこうとするヴェルディ。それでもフロンターレはコンパクトによく守り、決定的な場面はつくらせず。
14分には、鈴木が中央でボールを奪い、山内が持ち上がり、右へ展開。田中幹大から受けた有田が正面へ折り返すと、山内がミドルシュートを打つもワンタッチあり、左コーナーキックに。戸水が入れたボール、ニアで反応。最後はエリア内、栗田が合わせ、ボールはゴールの中へ。2-2。フロンターレがついに同点に。
攻勢に出るフロンターレ。17分には、森がエリア内、鈴木を狙い浮き球を入れ、エリア外左へのボールをおさめた森がファールを受けてフリーキックに。戸水がボールを入れると、遠いサイドで栗田が合わせるも右へ。
ヴェルディの三枝の右からの折り返し、栗田が鈴木へつながるかたちで対応していくフロンターレ。20分、鈴木のスルーパスに、有田がエリア外左へうまく抜け出すと、有田がエリア左へ仕掛けて折り返すとボールはゴール正面、宮城のもとへ。宮城が体ごとねじ込むように、倒れ込みながらも押し込んでボールはゴールの中へ。3-2。ついに再びリードしたのはフロンターレ。
ヴェルディは22分、権田に代わり23安藤如飛。
ボールを後ろで回しながら、右の三枝や左の遠藤に入れてくるヴェルディ。フロンターレは左サイド、遠藤に高畠が粘り強く対応するなどして縦へ入れさせず。ボールを奪うと、高畠から戸水、鈴木と中央へつながり、左サイドへ流れた有田、森と渡り、森が折り返すなど、追加点を狙う姿勢も見せていきます。
27分にはヴェルディ、石浦から左へ。遠藤が折り返すも田鎖がクリア。左サイドからのスローインとなり、こぼれ球を拾った山下が正面でミドルシュートを打つも青山がセーブ。
さらに後ろへボールを戻しながらも山下が左サイド、遠藤へつなげようとするなどしてくるヴェルディ。フロンターレは宮城がヴェルディの中盤へプレスにいくなど、よく対応していきます。
32分には、フロンターレは田中幹大に代わり26五十嵐太陽。ヴェルディが最終ラインでボールを回していこうとする場面では、五十嵐や宮城、鈴木や山内も寄せにいき、高い位置からプレスをかけにいき攻めにつながらせず。
37分には、フロンターレは栗田が担架で退き、15松永竜之介がピッチへ。ヴェルディは遠藤に代わり27堀内泰雅が入り、前線へ。ヴェルディの三枝が右サイドから中央へ持ち込み、入れた浮き球を青山がしっかりキャッチしたり、左サイドからの攻めにも松永のカバーでシュートは打たせないなどしていくフロンターレ。41分には鈴木がボールを奪い、五十嵐へ縦パスを入れ、五十嵐は左へ展開。エリア左、持ち込んだのは宮城。シュートを放つも右へ。追加点とはならずとも、攻めへつなげる姿勢を保っていきます。
43分には、ヴェルディ、エリア外正面やや左でファールを受け、フリーキックとなるもこれを体を張り、フロンターレは阻み、決定機とはさせず。
ロスタイムに入り、46分には有田が左サイド高い位置へ。有田のパスに山内が正面へ。ヴェルディの守備に阻まれるもおびやかしていきます。
47分、フロンターレは五十嵐に代わり2神橋良汰が入り、最終ラインは右から高畠、松永、田鎖、神橋、森に。サイドからゴールを目指すヴェルディに対して、鈴木も自陣のエリア近くで構えるなど、粘り強く対応していきます。
48分には浮き球にエリア内へ、堀内が抜け出るも神橋がカバー。シュートは打たせず。試合はタイムアップとなり、3-2。
フロンターレはリーグ戦今季初めての連勝。初めての逆転勝利、初めてのホームゲームでの勝利。多くの初めてが重なる、今後にもつながっていきそうなうれしい試合となりました。
7月21日から始まる日本クラブユース選手権。連戦もあるなかで、どんな試合を見せ、チームや選手がどう進化していくのか、とても楽しみにしています。
前半1-2 後半2-0 計3-2
得点:有田恵人、栗田悠巨、宮城天(フロンターレ)石浦大雅、阿野真拓(ヴェルディ)
フロンターレの先発:33青山海、31高畠捷、3道間雄生、4栗田悠巨、5森璃太、18戸水利紀(c)、8山内日向汰、11有田恵人、20鈴木大登、10宮城天、29田中幹大
交代:道間→34田鎖勇作 田中幹大→26五十嵐太陽 栗田→15松永竜之介 五十嵐→2神橋良汰
控え:19藤田航大 6澤田泰大 13常安澪 7中島大成 9宮本ディアウ勇守歩
ヴェルディの先発:12小原諒万、4山下柊飛、5馬場晴也、15佐古真礼、13三枝新汰、11遠藤海斗、8石浦大雅、6石川拓磨(c)、20権田陽大、37根本鼓太郎、14阿野真拓
交代:根本→18家坂葉光 佐古→21酒井優希 権田→23安藤如飛 遠藤→27堀内泰雅
(文中敬称略)
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