7月25日は前橋フットボールセンターへ。日本クラブユース選手権はノックアウトステージのラウンド16。予選リーグを2勝1敗、2位で終えた川崎フロンターレU-18はセレッソ大阪U-18との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 日本クラブユース選手権ラウンド16 vs セレッソ大阪U-18】
7月25日(木)午前9時半キックオフ 前橋フットボールセンターB 晴れ 40分ハーフ
予選リーグまでは、35分ハーフで行われていた試合は、ノックアウトステージからは40分ハーフに。
フロンターレの先発は、GK33青山海、最終ラインは右から31高畠捷、15松永竜之介、ゲームキャプテンの4栗田悠巨、5森璃太、ボランチは8山内日向汰、18戸水利紀、右MF11有田恵人、左MF20鈴木大登、前線には29田中幹大、10宮城天。
セレッソの先発は、GK21折口輝樹、最終ラインは右から17佐々木斗夢、48阿部綜一郎、3小澤希海、16下川太陽、ボランチはキャプテンの7桃李理永、8松本凪生、右MF10奥村仁、左MF45前田龍大、前線には23吉田有志、20三渡洲海鈴。
予選リーグ最終戦が行われた7月24日からこの季節の前橋らしい蒸し暑さがやってきた日本クラブユース選手権。この日の前橋フットボールセンターも朝から太陽が顔を出し、汗ばむような陽気。ピッチ脇に設けられた観戦者向けのスペースには、両チームの選手の家族らがあつまり、フロンターレもセレッソもサポーターたちが幕やチャントで選手たちを励ますなか、試合は始まりました。
立ち上がり、前に出てきたのはセレッソ。前線の吉田や三渡洲が前に動き出し、最終ラインの小澤や阿部もセンターライン付近まで出てコンパクトにしてうかがっていくと、1分には吉田がボールを競り、左サイドの前田へ。最後は左へ流れた吉田が折り返しますが、フロンターレはエリア内でクリア。さらに下川も高い位置へ上がり、前田がエリア内、三渡洲を狙いスルーパスを入れていきますが、フロンターレは最後のところではシュートを打たせず。
しのいだフロンターレも、栗田や松永、戸水が縦へつけながら前に出られるように。3分には栗田のフィードをエリア左で有田がおさめ、エリア外左、リターンを受けた森がミドルシュート。折口のセーブに阻まれましたが、決定的な場面に。
さらにラインを高くして、栗田、松永が多くボールに触れ、松永、森と左へ渡し、森から中央の山内へ戻し、右サイドでうまくフリーとなった有田へ展開しようとするなど、ピッチを広く使い、フロンターレはボールを回し、宮城が中盤へ下りたり、有田も中へ寄りボールを受けるなど多くの選手がかかわりながら機会をうかがっていきます。
セレッソも出し手と受け手がうまく合わさって揺さぶりに。8分には下川のパスに、前田がエリア左へ。縦へ仕掛けていったところを高畠が粘り強く寄せにいき、左コーナーキックに。松本が右足で入れると、遠いサイドで阿部が合わせますが、松永が寄せて、枠はとらえず。
フロンターレも9分には栗田から右へ。高畠へ渡り、高畠から受けた有田が切り返して中央へ。ボールは山内へ渡り、山内のスルーパスに、田中幹大がエリア左へ。決定的な場面となりましたが、シュートは惜しくも左へ。
青山や松永、栗田が後ろでボールを回し、セレッソにボールが渡ってもコンパクトにして、よく守りにいくフロンターレ。ラインを高めて自分たちでボールを動かす時間をつくっていきます。
11分には鈴木、森と左で回し、中央へ向いた森から右サイドの有田へ。有田のパスにエリア外右、高畠が抜け出すと、高畠があまり角度のないところでシュート。折口のパンチングに阻まれましたが、迫っていきます。
セレッソも直後には小澤のフィードに、奥村が右サイドの高い位置へ。エリア内へ折り返しますが、戸水がしっかり対応。再びマイボールにしていきます。
13分には、フロンターレ、有田が右サイドから中央へ斜めに運び、左へ。山内、宮城と回していき、最後はエリア外正面で山内がミドルシュート。折口がはじきながらもセーブし、ゴールとはなりませんでしたが、おびやかしていきます。
セレッソの攻めに対しても左サイドでは鈴木や森が囲い込むように対応し、前にいかせないフロンターレ。16分には松永の縦パスを鈴木がおさめ、宮城を経由して左へ。森が高い位置からクロスを入れると、有田が飛び込むも惜しくもさわれず。セレッソは中央へ展開し、前に出ていこうとしますが、栗田がセンターラインを越えて、寄せにいき、フロンターレボールのスローインにしていきます。
セレッソも直後には左サイドから攻めに出ていくと最後は吉田がエリア正面へ。しかし、栗田がクリア。さらに最終ラインからフィードを入れ、吉田を走らせていきますが、栗田がここでも粘り強く対応。
さらにセレッソは前田も中に寄りマイボールにしていこうとしますが、フロンターレは田中幹大も中央へ戻りマイボールに。そこから右サイド、有田へ展開し、切り替えよく奪ったところから攻めにつなげていきます。
気温が上がったために20分に取られた給水タイムを挟んで、21分にはセレッソ。折口のフィードに、左サイド、前田が抜け出し、エリア内へ向かい仕掛けていこうとしますが、高畠が寄せ、フロンターレのゴールキックに。集中した好対応を続けていきます。
戸水が松永、栗田の間に下り、時には山内も後ろへ下がり、高畠や森が高い位置取りで前に出ていこうとするフロンターレ。山内がうまく右サイドの高い位置へ運び、リターンを受けた有田から中央の戸水と渡り、戸水から左サイドの森へ展開するなどしていきます。
24分には、栗田のパスに森が左サイド高い位置へ。森がクロスを上げると宮城がエリア内、反応するも惜しくもさわれず。
直後にはセレッソ、うまくエリア外左へ前田が抜け出し、エリア内へ折り返し、三渡洲、吉田が飛び込みますが、さわることはできず。さらに26分には、小澤のフィードにエリア正面へうまく吉田が抜け出し、シュートを打ちますが、松永、栗田が寄せにいき、左コーナーキックに。松本が入れたボール、ニアで桃李が合わせるも枠はとらえられず。
30分にはセレッソ、左サイドから下川が斜めに仕掛けると、最後は正面で吉田がシュートを打つも戸水がブロック。
セレッソが後ろでボールを動かしていこうとする場面では鈴木や宮城が厳しく寄せて、前から奪いにいき、田中幹大も中央へ下り、セレッソの中盤からボールを奪っていきます。
33分には、山内から受けた有田が左サイドへ運び、森とのパス交換から左サイド高い位置へ。有田はエリア内へ動き出す山内を狙い、スルーパスを出しますが惜しくも通らず。
セレッソも38分には松本から右へ。奥村が高い位置で折り返すと、吉田が迫りますが山内が戻り、最後は吉田のファールに。守備でも切り替えの良さを出していきます。
ロスタイムは2分。41分にはフロンターレ。山内がエリア外右へ持ち込み、浮き球を入れると、エリア正面で田中幹大がシュート、枠をとらえるも折口がセーブ。
さらに山内から宮城と中央でつなぎ、右サイドの有田へ渡し、ラインを高めながら前に出ていくフロンターレ。42分、栗田の縦パスをうまく間で鈴木が受け攻めていくと、鈴木のパスに有田がエリア右へ。最後は山内が正面でシュートを打つとボールはゴールの中へ。1-0。前半はここでタイムアップ。山内の4試合連続のゴールでフロンターレは先制。そしてハーフタイムとなります。
後半セレッソは、松本に代わり5岩崎英次が入り右SB、佐々木がボランチに。1分には、吉田が下がり目で受け、奥村から左へ。前田が折り返すと、正面で拾った奥村がシュート。しかし、松永が体を張りブロック。
さらにセレッソが人をかけて前に出てくる場面は続き、4分には岩崎の右クロスからエリア外でシュートを打っていきますが、これも体を張り阻んだフロンターレは、カウンターへ。中央の宮城から右へ。有田が仕掛け、エリア外右へ。最後は正面へ走り込んだ山内がミドルシュートを打つも上に。
追加点こそなりませんでしたが、ここからフロンターレは再び自分たちでボールを動かせすように。栗田から受けた戸水がうまく前に持ち出したり、青山も左サイド、鈴木へ正確にボールをつけるなどしていきます。
8分には、栗田から左へ。森が仕掛けてクロスを上げると、宮城が正面で頭で合わせるも折口がセーブ。直後にはセレッソ、左サイド仕掛けた前田が折り返しますが、ここでも戸水がエリア内でクリア。さらに縦パスに、エリア左へ奥村が抜け出すも栗田がカバー、マイボールにして山内へつなげていきます。
10分には、有田から右へ流れた宮城へ。宮城が高い位置から折り返すと正面に田中幹大、鈴木が迫るもミートしきれず。しかし、追加点こそならずともいいかたちをつくっていきます。
セレッソも、12分には右サイドで岩崎や奥村、桃李がボールを動かしていくと、エリア外左へ展開。下川が高い位置で折り返しますが、青山がセーブ。しっかり対応していきます。
そして、14分、フロンターレは有田が高い位置でボールをカット。エリア右へ仕掛け、正面へパスを送るとボールは田中幹大へ。田中幹大のシュートは、セレッソの守備がブロック、さらにこぼれたボール、有田がシュートを打ち折口が阻むも、こぼれ球に詰めた宮城が決めて、2-0。大きな追加点がフロンターレに入ります。
セレッソは三渡洲に代わり9藤尾翔太、吉田に代わり28安岡佳毅。
直後には、セレッソが前に出てきたところをボールを奪った松永が鈴木へつなげ、鈴木が前に持ち出し、右サイドへ上がった山内へ。田中幹大にいったん預けた山内はエリア右へ進入するもセレッソの守備に阻まれ、そこからセレッソはカウンターに。正面へ藤尾が抜け出しそうになりますが、栗田が粘り強く寄せにいき、最後は青山がセーブ。直後にはセレッソ、右サイドへ抜け出した桃李が折り返しますが、エリア左へ入ったボールは戸水がさわりカバー。さらに桃李から右へ。岩崎がクロスを上げるも松永が対応。右サイド、宮城へつなげていきます。
さらに迫るのはセレッソ。19分には奥村のスルーパスに、安岡がエリア内へ。1対1となりますが青山が好セーブ。試合はここで給水タイムへ。
「やろうぜやろうぜ!」「切らすな切らすな!」。控えの選手たちが声をかけ、鼓舞するなか、再びピッチに入っていくフロンターレの選手たち。
21分にはセレッソ、桃李の浮き球に、藤尾がエリア内へ抜け出すもさわることはできず。
直後にはフロンターレ、栗田、山内、宮城と縦パスを入れ右へ。有田、中央の戸水、左の森と回して、森のパスに宮城がエリア右へ。最後は正面の田中幹大へ渡りますが、セレッソも人をかけて守り、シュートには至らず。
さらにセレッソのボールに対して、松永が戸水へつながるようにして対応し、マイボールの時間をつくっていくフロンターレ。戸水、田中幹大と縦へつなげ、テンポよく右の有田へ展開。中央の戸水へ戻し、前へ。26分には、左へ展開。鈴木、森とつなぎ、森のパスに鈴木がエリア正面へ。しかし、セレッソも粘り強く守り、シュートにはいけず。
セレッソも直後には奥村の縦パスにエリア内へ、藤尾が仕掛けていきますが、栗田が寄せ、最後は藤尾のファールに。
さらに藤尾へボールを入れ、起点にしようとしていくセレッソ。フロンターレは戸水が奪い取り、右へ展開。有田が右サイドから中央へ切れ込み、ボールは正面の鈴木へ。シュートを打つも上に。
セレッソも28分には桃李がエリア右へ。フリーでシュートを打ちますが左へ。さらに安岡がおさめ、左へ。前田が高い位置で折り返しますが、戸水がクリア。
鈴木が左サイドでうまくボールをおさめ、戸水、山内がさわり、森が高い位置をうかがう姿勢を見せながら、ボールを回していくフロンターレ。30分にはセレッソ、小澤のフィードを安岡がおさめ左へ。前田の折り返しに、正面で佐々木がシュートを打つも栗田がブロック。
セレッソは前田に代わり50近藤蔵波。
岩崎が安岡にボールを預けたところから右サイド高い位置へ上がろうとしていくのはセレッソ。フロンターレは田中幹大も下り、コンパクトに。宮城も高い位置からプレスをかけていきます。
32分には、下川が近藤へボールを預けて左サイド高い位置へ。しかし、折り返しは鈴木がクリア。
直後にはさらにセレッソが迫るも、有田のクリアボールを田中幹大がおさめて右へ。宮城が仕掛け、エリア右へ。エリア内へ走り込んだ田中幹大を狙い折り返しますが、折口がセーブ。
37分には、藤尾がボールをおさめたところからセレッソがエリア前に人をかけた攻めに。最後は正面で佐々木がミドルシュートを打つとエリア内でハンドがあったとして、セレッソがPKを得ます。
セレッソは、下川から27東根輝季へここで交代。キッカーの藤尾のシュートは右へ決まり、2-1。1点差に。
フロンターレもここでこの日初めての交代。田中幹大に代わり今大会初めて控えに入った9宮本ディアウ勇守歩。
さらに39分には鈴木に代わり13常安澪。
セレッソが正面へ迫る場面でも、松永が有田へつなけるなど、相手陣内でのプレーを試みていくフロンターレ。ロスタイムは3分。
常安が中央へしぼり、前にプレスをかけ、宮本が寄せたところから山内がボールをおさめるなどしていきます。
42分には右へ展開し、有田が高い位置へ仕掛けて右コーナーキックとなり、キープを図りに。これをセレッソが取り返し、マイボールに。藤尾へボールが渡り、左サイド、近藤へ展開しようとしますが、宮本がカットし、試合はついにタイムアップ。2-1。
フロンターレは厳しい連戦を見事に戦い抜いて、準々決勝への進出を果たしました。
「あとひとつ、あとひとつ」。勝利にわきながらもフロンターレの選手たちは、準決勝が行われる味の素フィールド西が丘でのプレーを見据えて、気持ちを新たにしているように思えました。
準々決勝は7月27日午前9時半、敷島公園サッカー・ラグビー場にて。フロンターレは京都サンガと対戦します。
前半1-0 後半1-1 計2-1
得点:山内日向汰、宮城天(フロンターレ) 藤尾翔太=PK(セレッソ)
フロンターレの先発:33青山海、31高畠捷、15松永竜之介、4栗田悠巨(c)、5森璃太、8山内日向汰、18戸水利紀、11有田恵人、20鈴木大登、29田中幹大、10宮城天
交代:田中→9宮本ディアウ勇守歩 鈴木→13常安澪
控え:21川合我空 3道間雄生 6澤田泰大 34田鎖勇作 26五十嵐太陽
セレッソの先発:21折口輝樹、17佐々木斗夢、48阿部綜一郎、3小澤希海、16下川太陽、7桃李理永(c)、8松本凪生、10奥村仁、45前田龍大、23吉田有志、20三渡洲海鈴
交代:松本→5岩崎英次 三渡洲→9藤尾翔太 吉田→28安岡佳毅 前田→50近藤蔵波 下川→27東根輝季
控え:22湯田友 6土浦直瑠
(文中敬称略)
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