川崎フロンターレがアウェーでのベガルタ仙台戦を0-0で引き分けた翌4月15日は、群馬県伊勢崎市のあずまサッカースタジアムへ。プリンスリーグ関東は第2節。第1節では山梨学院高校に2-3で敗れた川崎フロンターレU-18は、桐生第一との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第2節 vs 桐生第一】
4月15日(日)午前10時キックオフ あずまサッカースタジアム 曇り
先発は、GK21青山海、最終ラインは右から3島崎元、キャプテンの4高吉正真、2栗田悠巨、14古岡佑斗、ボランチは6小川達也、32山内日向汰、右MF11有田恵人、左MF18宮城天、FW9山田新、10宮代大聖。
前節メンバー外だった小川が初めての先発に入り、古岡が山梨学院高校戦の後半に続いて、左SBへ。また、宮代は4月13日に二種登録とプロ契約締結が発表されたばかり。
今季プリンスリーグ関東に昇格した桐生第一は、前節は大宮アルディージャユースに0-5で敗れての幕開け。先発はGK82吉田陸人、最終ラインは右から49本間啄朗、35角野寛太、キャプテンの47中野就斗、48細渕海、ボランチは31梅林幹、その前に45田中渉、15須藤礼智、右に52松下駿也、左に38楠大樹、FW34小澤謙登。
早朝の伊勢崎駅前では、しとしとと降っていた雨はやみ、雲のすき間からは時折青空も見えるあずまサッカースタジアム。強い風も吹き抜けるスタンドには多くの両チームの選手の家族らが集まり、仙台などから駆けつけたフロンターレのサポーターが声援を送るなか、試合は始まりました。
立ち上がりは一進一退の攻防へ。フロンターレは4分には栗田のフィードに山田が高い位置へ抜け出しボールを山内に戻すと、エリア右へ展開。島崎がエリア外右から仕掛けていきますが、ブロック。
一方の桐生第一も、右サイドから斜めにエリア前に入る動きで松下が、GKの吉田からもボールを引き出すなど、揺さぶりに。6分にはボールをカットし右へ展開すると、松下が高い位置へ仕掛けていきますが、栗田が粘り強く寄せていき、ラインを割りエリアには近づかせず。
サイドを狙った桐生第一の攻勢は続いて、7分には中盤でボールを受けた梅林が右サイドの裏を突くパス。再び松下が抜け出そうとしますが、栗田がクリア。さらに最終ラインの角野から左サイドの高い位置へ。楠が仕掛けて、楠を追い越した田中がクロスを入れるも精度を欠き、シュートにはつながらず。8分には角野がうまくエリア前に縦パスを入れ、小澤がゴールへ迫りますが、栗田がカット。
さらに前線でボールをおさめた小澤のリターンを受けた須藤が、エリア外正面からミドルシュートで狙いますが、うまくミートはせず。青山がボールを足元でおさめる落ち着いた対応を見せ、そこからフロンターレは小川や山内らがボールを動かしつつ、高吉に戻すなどしながら、組み立てを図りに。ラインを上げて、高吉が前線へ動き出す宮代に、浮き球を入れるなどしていきます。
14分には栗田のフィードに、エリア外右へ山田がうまく抜け出し、シュートを打つも上に。15分にはフロンターレのカウンターをしのいだ桐生第一、エリア外右へ松下が仕掛けていきますが、島崎が戻り、体を寄せ、ラインを割らす好対応。さらに17分には再び桐生第一が、フロンターレの人数をかけた攻めをしのいで、速攻へ。左から楠が折り返すと、エリア正面で須藤がシュート。枠をとらえますが、青山が好セーブ。こぼれ球を自ら拾った須藤のシュートもしっかり青山がキャッチ。
しのいだフロンターレも、島崎が右サイドで有田のリターンを受け、エリア前にスルーパス。山田が抜け出して、エリア右からシュートに持ち込みますが、ゴールのニアに転がったボールは本間がブロック。桐生第一も粘り強く守っていきます。
フロンターレは時には宮代が中盤に下り、島崎が高い位置に。小川がエリア右へ動き出す有田へ浮き球を入れたり、山内が右サイドの高い位置へ島崎を走らせるなど、さらにゴールをうかがいに。しかし、桐生第一も守りが堅く、ボールを持ってからの判断も速く、角野がフィードを入れたり、田中のスルーパスに、楠が左サイドからエリア前へ斜めの動きで抜け出そうとするなど、フロンターレのゴールをおびやかす一手を繰り出していきます。
26分には須藤がボールをカットし、エリア外右へパス。抜け出した松下がシュートを打つも左へ。さらに左に開いた楠がエリア前にボールを送ると、松下が抜け出しますが、青山が前へ出てボールはキャッチ。
苦しい時間が続いたフロンターレは、28分には高い位置でボールをカットした山内が、エリア外右へ仕掛けて、桐生第一のファールを受けると、古岡が左足で直接ゴールを狙いますが、左へ。
桐生第一が中盤の梅林や、前線の小澤からサイドに展開するなどし、ゴールをおびやかす時間は続き、34分には小澤からのパスにエリア右へ松下が抜け出すも、古岡が寄せ、最後は青山がボールをキャッチ。直後には、フロンターレのコーナーキックをしのいだ桐生第一がカウンターへ。エリア外右から松下がシュートに持ち込みますが、ニアをとらえたボールは青山がしっかりキャッチ。なおもサイドチェンジで揺さぶったり、本間のスルーパスにエリア右へ松下が抜け出すなどしていきますが、島崎や栗田らが粘り強く対応。
43分には縦パスを受けた須藤がエリア外からループシュートで狙いますが、クロスバーを叩いて決まらず。
ボールを失っても出足の良さで桐生第一が上回り、フロンターレとしては苦しい時間が続きましたが、前半はタイムアップ。0-0でハーフタイムとなります。
後半の立ち上がり、フロンターレは向かい風を受ける形に。青山のゴールキックが押し戻されるなどにして、そこから桐生第一の攻勢を受けることに。1分にはこぼれ球をエリア外正面で拾った梅林のミドルシュートが枠をとらえるも青山がキャッチ。
さらに梅林を起点に右へボールを振ったり、左サイドへ流れた小澤がクロスを入れるなど、桐生第一がゴールへ向かう時間は続いていきます。5分にはエリア外左からエリア前へ楠が仕掛けていこうとしますが、高吉が粘り強く対応し、最後は島崎がクリア。
7分にはようやくフロンターレ。山内が左サイドの高い位置へ上がり、ボールはエリア外左の宮代へ。リターンを受けた古岡がクロスを入れると、エリア右へ有田が抜け出しますが、桐生第一の寄せの前にシュートは打てず。しかし、ようやくゴールへ近づく形をつくることができるように。
左サイドからの楠のドリブルに対しては、高吉に加えて、島崎もよく戻り、粘り強く対抗していくフロンターレ。中盤では小川が宮城らと距離感よく、次第にボールを奪えるようになり、そこから攻撃へとつなげられるように。9分には左サイドからのフロンターレの攻勢。エリア外左から、山内がミドルシュートを打つも右へ。さらに山内が寄せてボールを奪い、左へ。宮城がドリブルで仕掛けて、エリア前へボールを送ると宮代のもとへボールが渡りそうになりますが、桐生第一のブロックに遭い、シュートとはならず。
さらに島崎が右サイドから縦パスを入れ、受けたエリア正面の山田は、エリア右の宮代へパスを出そうとしますが、カット。なおも小川が左サイドの高い位置の古岡へサイドチェンジを入れるなど、ピッチを広く使いながら、ゴールへ迫るフロンターレ。12分高吉の縦パスにうまくエリア正面へ抜け出したのは山田。シュートを放つとボールはゴールの中へ。1-0。
プリンスリーグでは、2016年9月の桐光学園戦以来となる山田の得点。選手だけではなく、スタンドで見守っていた家族や、ずっとずっとこの時を待ち望んできたサポーターにも、大きな喜びをもたらす形で、ついにフロンターレが先制します。
畳み掛けるフロンターレ。直後にはボールを高い位置でカットし宮代へ。エリア左から宮代がシュートを打つと、再びボールはゴールの中へ。2-0。立て続けのゴールで突き放します。
人をかけ、さらに攻勢に出るフロンターレ。直後には左サイドでボールを回し、エリア正面の山田へ。山田からエリア外右へパスが出ると、山内がシュートを打つもこれは決まらず。さらに小川の縦パスを受けた宮城からエリア右へ。山田が速く地を這うようなボールをゴール前に送りますが、飛び込んだ宮城は惜しくも触れず。17分には小川の縦パスを受けた宮代が、エリア外左で桐生第一の選手を引き付けながら、ゴールへ仕掛けて、パスを受けた宮城がエリア外右からシュートを打つも、ボールはクロスバーへ。
一方の桐生第一も、フロンターレのパスの乱れを突き、右から松下が仕掛けていきますが、有田が自陣まで戻って、切り替えよく対応。シュートには持ち込ませず。
桐生第一は、ここで選手を2人交代。細渕に代わり44田代裕紀がそのまま左SB、小澤に代わり26若月大和が入り、左に。左の楠が前線へ。
すると、桐生第一は左サイドから斜めに若月が仕掛けるなどして再びフロンターレのゴールへ迫り、20分にはエリア外正面でファールを受け、フリーキックを得ると、田中が左足で直接狙うとボールはゴール左へ入りそうになりますが、青山が横っ飛びですばらしい反応、好守で得点とはならず。
しかし、22分エリア前でボールを受けた楠から左サイドの高い位置へ展開。若月がゴールへ向かって仕掛け、エリア外左からシュートを打つと、ゴール右へ決まり、2-1。対戦相手ながらすばらしいゴールで桐生第一が追い上げます。
フロンターレも左サイドの高い位置で山内や宮代、古岡がかかわってボールを回すなど、前へ。高吉が右サイドの裏を狙ってパスを出し、有田が抜け出し、中盤に戻ったボールを小川がおさめ、右サイドの高い位置へ流れた宮城へ展開し、宮城がドリブルで仕掛けるなど、前線が流動的に動きながら、迫っていきます。
一方の桐生第一は、30分には左サイドの若月へボールが渡ると、若月が仕掛けて、エリア内へボールを入れると楠が抜け出しますが、フロンターレは山内が戻ってボールをカット。さらにうまくエリア前で須藤がボールを受け、前を向きますが、小川が寄せ、最後は高吉がクリア。しのいでいきます。
フロンターレは守りに入るのではなく、青山がエリア外に出て、高吉や栗田もボールを持ち上がり縦へパスをつけるなどし、ボールを失っても山田が戻って小川と挟み込むような形で再び取り返すなどしていきます。
36分には桐生第一は松下に代わり、40小池泰誠が入り、インサイドに。右に楠が移り、前線に須藤と入れ換え。
小池がうまくボールを受けてそこから桐生第一が須藤に縦パスを入れ、サイドへ展開するなどしていきます。
フロンターレは40分には有田に代わり8上野綜太が右MF。
41分には桐生第一。右から楠がクロスを入れると、エリア内で栗田がブロック。こぼれ球を拾った梅林のシュートは枠をとらえますが、青山がキャッチ。
フロンターレは、山田や宮城、宮代や上野が高い位置から連動してプレスをかけ、そこからマイボールに。すると、42分山内がエリア外正面で前を向いてゴールに向かっていくと、山内のパスにエリア左へ抜け出したのは宮城。シュートを打つと、ボールはゴールの中へ。3-1。貴重な追加点をものにします。
直後には桐生第一。左から若月がクロスを入れると、こぼれ球を拾った中野のエリア外正面からのシュートはまたもや枠をとらえますが、青山がセーブ。
桐生第一は、須藤に代えて39熊谷広夢を入れ、インサイドに。右に田中、再び前線に楠を戻し、打開を図りに。
ロスタイムは2分。フロンターレは宮城や山田も守備に戻ってそこから左へ展開。宮代や古岡らが左サイドの高い位置でボールを回し、山内が受けてエリア外左からエリア内へ仕掛けるなど、最後まで追加点も狙いにいく姿勢を見せていきます。
サポーターたちの歌うチャント「アバンテ」のなか、試合はタイムアップ。3-1。
前半0-0 後半3-1 計3-1
得点:山田新、宮代大聖、宮城天(川崎) 若月大和(桐生第一)
フロンターレの先発:21青山海、3島崎元、4高吉正真(c)、2栗田悠巨、14古岡佑斗、6小川達也、32山内日向汰、11有田恵人、18宮城天、9山田新、10宮代大聖
交代:有田→8上野綜太
控え:19川合我空 15道間雄生 20澤田泰大 22松永竜之介 30岡崎玄 13古屋雄帆 24鈴木大登 26平田流衣
桐生第一の先発:82吉田陸人、49本間啄朗、35角野寛太、47中野就斗(c)、48細渕海、31梅林幹、45田中渉、15須藤礼智、52松下駿也、38楠大樹、34小澤謙登
交代:細渕→44田代裕紀 小澤→26若月大和 松下→40小池泰誠 須藤→39熊谷広夢
前節では少しもったいない形での失点もあったフロンターレ。この日の桐生第一もなかなかの好チームで苦しい場面はありましたが、最後まで攻守に粘り強く好プレーを重ねての嬉しい初勝利となりました。
(文中敬称略)
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