新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、本来の7月から12月開催に延期となった日本クラブユースサッカー選手権。10月11日、その関東予選のノックアウトステージが始まり、川崎フロンターレU-18も1回戦に臨みました。
ノックアウトステージには、グループステージを勝ち上がった22チームと、プレミアリーグEASTの6チーム、プリンスリーグ関東の4チームの計32チームが出場。上位11チームに日本クラブユース選手権の出場権が与えられます
フロンターレは、等々力第一サッカー場に、東京杉並ソシオFC U-18を迎えました。東京杉並ソシオは、昨年までフロンターレU-18でプレーした常安澪(現・東海学園大)がU-15年代に所属したクラブ。グループステージを2勝1敗、2位でノックアウトステージに進出してきました。
なおこの記事はフロンターレに取材を依頼、了承をとり、一定の距離を保ちながらメモや写真をとったうえで、書かせていただいています。
【川崎フロンターレU-18 日本クラブユース選手権関東大会ノックアウトステージ1回戦 vs 東京杉並ソシオFC U-18】
10月11日(日)午後1時キックオフ 等々力第一サッカー場 くもり
フロンターレの先発は、GK1青山海、最終ラインは右から2高畠捷、ゲームキャプテンの3松永竜之介、13田鎖勇作、25松長根悠仁、ボランチは8田中慶汰、31大関友翔、右MF11鈴木大登、左MF7平田流衣、前線には18五十嵐太陽、9田中幹大。
前夜トップチームが等々力陸上競技場でベガルタ仙台戦に臨んだころにはピッチを濡らした雨雲は去り、心配された台風14号もそれた等々力第一サッカー場。曇り空の下、試合は始まりました。
立ち上がりから前に出ていくのはフロンターレ。エリア外右でファールを受け、フリーキックを得るとキッカーの高畠が入れたボール、松永が競り、エリア左にこぼれたボールに田中幹大が反応。シュートを打つとボールはポストに。さらに拾った五十嵐がシュートを打ちますが、これは左に。フロンターレはいいかたちで、立ち上がりからチャンスをつくっていきます。
フロンターレはさらに田鎖のフィードを鈴木がおさめ、追い越した高畠へつなげ、高畠が切り返して、左足でクロスを入れるなどしていき、ラインを高め、大関や高畠、鈴木が右サイドでテンポよくかかわりながら、ボールを回していき、五十嵐が下がり目でボールを受け、中へ寄った平田が前を向いて、右に流れた田中幹大につなげるなどして、ゴールをうかがっていきます。
6分には正面の大関が五十嵐に縦につけると、東京杉並ソシオはブロック。それでも五十嵐が粘り強くおさめ、そのパスに大関が正面へ抜け出しシュート。これは右へ。
フロンターレは、さらに田鎖や松永、高畠が左右に動かし、田中慶汰や大関がかかわり、ボールを動かしていきます。8分には大関から右サイド、高い位置の高畠へ。高畠がマイナスに折り返すと、正面で五十嵐がおさめますが、東京杉並ソシオはブロック。こぼれたボールを拾った五十嵐が後ろへ戻すと、松長根がミドルシュートを打ちますが、これは上に。
フロンターレはさらにセカンドボールを多くものにし、田中慶汰や大関、松永や田鎖がかかわり、左右にボールを動かし、左サイドでは松長根、右サイドでは高畠が高い位置へ開いて、ラインを高くして前に。
高畠が右サイドだけではなく、中央を使う動きを見せるなどして、ゴール前に迫っていくと、14分には右サイドで大関や鈴木、高畠がボールをテンポよく回して、エリア正面やや右に寄った平田が受け、最後はエリア外右、五十嵐がシュートを打つと、ゴール右へ決まり、1-0。フロンターレがついに先制。ここでこの日1回目の飲水タイムへ。
飲水タイム明けも、フロンターレがボールを後ろから動かし、ゴールをうかがう展開に。18分には松永の縦パスに鈴木が抜け出し、大関とのパス交換から右サイドの高い位置へ。マイナスに折り返すと、エリア外右、大関へつながり、大関がエリア内へ入れたボールは田中幹大へ渡りますが、東京杉並ソシオも粘り強く寄せ、シュートにはつながらず。それでもフロンターレはうまく連係して迫っていきます。
20分にはさらにフロンターレ、大関の縦パスに田中幹大がエリア右へ抜け出しますが、これはオフサイド。さらに高畠が右サイドから縦パスを入れると田中幹大がエリア右へ。折り返すことはできませんでしたが、フロンターレが相手エリア近くでのプレーを重ねていきます。
東京杉並ソシオもマイボールにすると、最終ラインの3や20、中盤の10がかかわり、プレスをかわし、つなぐ姿勢を見せていきますが、最後にはフロンターレが高い位置でマイボールにする時間帯が続いていきます。
26分には高い位置へ持ち上がった松永が縦パスを入れると、鈴木がエリア内へ。東京杉並ソシオも寄せの速さを見せ、ブロック、最後にはGK1がセーブ。27分には、右サイドで拾った鈴木のパスに大関が正面へ。シュートに持ち込むも、東京杉並ソシオの体を張った守備に遭い、枠へは飛ばせす。それでもフロンターレは、じれることなく、ボールをものにし、田鎖も最終ラインから鋭い縦パスを入れるなどして、ゴールを目指していきます。
32分には、東京杉並ソシオ、ボールを奪い、左へ展開。9が縦に仕掛けていきますが、田鎖がカバー。青山につなげ、再びマイボールに。さらに高い位置でボールを奪い取った9から田中幹大がすばやく戻り、ボールを奪い返し、フロンターレは流れを渡さずにプレーを重ねていきます。
35分には、高畠の右クロスを左サイドで拾った松長根から平田とつなぎ、平田はエリア左へ仕掛けてシュートを打ちますが、GK1がセーブ。
この日2回目の飲水タイムをはさんで、フロンターレはさらに右サイドでは、高畠、鈴木、左サイドでは松長根、平田がかかわり、五十嵐が下がり目に下り、ピッチの左右を使いながら、相手陣内で時間を重ねていきます。
41分には、東京杉並ソシオもエリア外右で、フロンターレにハンドがあり、フリーキックを得ると、7が直接右足でシュートを打ちますが、青山がセーブ。フロンターレはすばやくリスタート。左サイドの平田が中央へ斜めに仕掛け、エリア左、田中幹大へつなげようとしますが、うまくおさめることはできず。それでも切り替えの良さを見せて、攻めに転じていきます。
43分には、さらに大関の縦パスに鈴木がエリア右へ。切り返した鈴木は、中央へ持ち込みますが、東京杉並ソシオはブロック。そこからカウンターに持ち込み、左へ展開すると、9が左サイドの高い位置へ。クロスを上げていきますが、エリア内で田鎖がカバーしていきます。
フロンターレは44分には、松永から右サイドを突くパスが出ると、高畠がクロス。エリア正面、鈴木がシュートを打ちますが、GK1がセーブ。直後には、東京杉並ソシオ、左サイドに流れた9が折り返しますが、平田が自陣の低い位置へ戻りカバー。
そこから再び攻めに切り替えたフロンターレは、田鎖から左サイド、松長根に渡り、松長根が左サイドから正面へ縦パスを入れると、五十嵐が鋭いターンからシュート。これは東京杉並ソシオのブロックに遭い、最後はGK1がセーブ。前半は1-0でタイムアップとなります。
フロンターレは後半、田中幹大に代わり6岡崎玄、松長根に代わり5神橋良汰。岡崎が右MFに入り、鈴木が前線へ。今季公式戦初出場となった神橋は左SBに。
フロンターレは立ち上がりには、青山から中央の大関へ縦につないで、右に展開。右サイドに流れた鈴木のパスに岡崎がエリア右へ。シュートは上にそれたものの、いいかたちで試合に入っていくと、直後には、右サイドで高畠から岡崎へつながり、岡崎は正面へパス。田中慶汰がシュート。これも枠はとらえられなかったものの、フロンターレは人をかけ、厚みのある攻めを見せていきます。
後ろから組み立てを図る東京杉並ソシオに対して、五十嵐が前からプレスをかけ、それをさせないフロンターレ。神橋が高い位置をうかがい、高畠も岡崎を追い越す動きを見せるなど、両サイドを高く保ち、ボールを動かしていくと、6分には、エリア外右へ持ち上がった松永がミドルシュート。これがゴールネットを揺らして、2-0。フロンターレは意表を突くかたちで、追加点を挙げていきます。
7分には、右サイドへ開いた岡崎からエリア外右、五十嵐へ。切り返してマークを振り切った五十嵐がミドルシュートを打つとこれも決まり、3-0に。立て続けのゴールでリードを広げていくフロンターレ。
9分には、高畠とのパス交換から岡崎がエリア外右へ。東京杉並ソシオにファールがあり、フリーキックを得ると、キッカーの神橋は左足で直接シュート。GK1がセーブしたものの、フロンターレがシュートに持ち込む時間帯が続いていきます。
フロンターレはさらに前線の鈴木が左右に流れ、岡崎や平田が正面へ顔を出すなど、しながらゴール前に。後ろでは松永や田鎖、大関や田中慶汰が多くボールに触れ、左右に動かしていきます。
12分には、田中慶汰のパスに、平田が正面へ。平田のパスにエリア外右、抜け出した大関がシュートを打つも、東京杉並ソシオはブロックし、右コーナーキックに。高畠が右足で入れたボールはクリアされるも、ボールを拾った青山は、すぐさま高畠へつないで、再び攻めへ。
13分には、右サイドの高い位置で大関がカット、マイナスのボールをエリア外右、五十嵐へ送ると、五十嵐のパスに平田が正面へ。東京杉並ソシオの守備に阻まれたものの、ゴールの前に。
飲水タイムをはさんで、フロンターレは大関に代わり29浅岡飛夢。19分には、みぎさで岡崎がボールをカット、中央を経由していったん左に展開。左から中央へ入ったボール、走り込んだ岡崎がダイレクトでシュートを打つと、これが決まり、4-0。
さらにフロンターレは浅岡が厳しく寄せて、ボールも流れも渡さずに時間を重ねていくと、23分には田中慶汰の縦パスに、五十嵐が正面へ。シュートはブロックされ、右コーナーキックに。高畠が入れたボール、ニアで浅岡がヘディングシュート。ブロックされたところ、さらに岡崎がシュートを打ちますが、これもまたブロック。
24分には、田中慶汰、中央の平田から右へ。高畠が高い位置へ仕掛けて、上げたクロスはブロックされ、右コーナーキックに。高畠がボールを入れると、遠いサイド、田鎖が頭で合わせますが、左へ。
さらに26分には、東京杉並ソシオ、GK1から左に展開しようとしたところを、岡崎がカット。高畠から正面の平田、平田から左サイドの神橋へ渡り、神橋の入れたクロス、鈴木が頭で合わせますがこれはオフサイド。それでも高い位置からボールをものにして、決定的な場面をつくっていきます。
29分には、東京杉並ソシオもエリア外左、4が仕掛け、受けた3がミドルシュートを打つとワンタッチあり、右コーナーキックに。こぼれたボールを拾った東京杉並ソシオは、シュートを打ちますが、青山がセーブしていきます。
30分に取られた最後の飲水タイムをはさんで、フロンターレは33分、五十嵐に代わり15入江流星。
東京杉並ソシオがフロンターレ陣内にボールを入れる場面では、田鎖がカバーするなどして、そこから攻めに持ち込んでいくと、36分には右サイドの高い位置へ走り込んだ岡崎がボールを後ろに戻し、高畠がクロスを上げると、鈴木が頭で合わせたしシュートは枠をとらえますが、代わって入ったGK17がセーブ。
さらに38分には、高畠が右サイドから入れたボール、正面の入江へ。これを東京杉並ソシオが阻んだところ、エリア内で鈴木がボールを取り返すと、東京杉並ソシオにファールがあり、フロンターレはPKを得ます。キッカーは鈴木。これを決めて、5-0。
フロンターレはさらに40分には、浅岡の縦パスから右へ展開すると、高畠が折り返したボール、ニアで鈴木がシュートを打ちますが、これはブロックされ、右コーナーキックに。ここでフロンターレは田中慶汰に代わり、14秋葉拡人。
43分には、右サイド、岡崎からエリア外右、入江へ渡り、仕掛けた入江はシュートを打ちますが上に。さらにテンポよくボールを動かしていくフロンターレ、右に開いた高畠が斜めに入れたパスに岡崎が抜け出しそうになるなど、ゴールへ向かう動きを重ね、試合はロスタイムに入ります。
46分には、秋葉の縦パスを正面でおさめた鈴木のスルーパスに、右から斜めに動き出した入江が抜け出しますが、これはオフサイド。
さらに相手にボールが渡りそうになったところ、カバーした秋葉から右へ展開。受けた岡崎は左へ動き、ボールは平田へ。平田がスルーパスを出すと、エリア内へ抜け出したのは鈴木。GK17との1対1となり、ループシュートを打つとゴールネットを揺らして、6-0。
緩めないフロンターレは、さらに秋葉から右へ展開。岡崎から高畠へつながり、高畠の折り返し、エリア左で入江がシュートを打ちますが、これは上に。
試合はまもなくタイムアップとなり、6-0。
堅い守備と自分たちで後ろから組み立てる姿勢を見せた好チーム、東京杉並ソシオを相手に、後半は多くのゴールを重ねていったフロンターレ。神橋が今季公式戦に初めて出場し、プリンスリーグの開幕戦では、左SBとしてプレーした岡崎が、攻撃的なポジションで活躍するなどしたことも、これからにつながるものがあると思います。
日本クラブユース選手権関東予選のノックアウトステージは、18日に2回戦が行われ、フロンターレは東京ヴェルディユースと対戦。日本クラブユース選手権の出場権が懸かる試合に臨みます。
前半1-0 後半5-0 計6-0
得点:五十嵐太陽2、松永竜之介、岡崎玄、鈴木大登2=1PK
フロンターレの先発:1青山海、2高畠捷、3松永竜之介(c)、13田鎖勇作、25松長根悠仁、8田中慶汰、31大関友翔、11鈴木大登、7平田流衣、18五十嵐太陽、9田中幹大
交代:田中幹大→6岡崎玄 松長根→5神橋良汰 大関→29浅岡飛夢 五十嵐→15入江流星 田中慶汰→14秋葉拡人
控え:21宮地健輔 34吹田航晟
(文中敬称略)
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