台風7号が関東に接近し駆け抜けていった8月17日、山梨県昭和町の押原公園へ。国民体育大会(岩手県、10月)サッカー少年男子の関東の代表4チームを決める国民体育大会関東ブロック大会が始まりました。
フロンターレU-18の選手では昨年の国体では神奈川県の代表として村田聖樹が出場、得点王となり、福岡県との同点優勝に貢献。一昨年は田中碧がやはり神奈川県の一員として優勝を経験しています。この日はフロンターレU-18から4選手が勝てば国体出場が決まる試合に出場しました。
【国民体育大会関東ブロック大会サッカー少年男子 東京都vs千葉県】
8月17日午前9時キックオフ 押原公園天然芝グラウンド 晴れ 35分ハーフ
まず最初の試合は東京都vs千葉県。東京はGKは横浜FCの1大内和生、DFは右からFC東京8草住晃之介、駒大高15齋藤我空、キャプテンの三菱養和2佐々木陸生、川崎フロンターレ3新井秀明、中盤の底に東京ヴェルディ6松浦理玖、その前にいずれもFC東京、5杉山怜央、9天野悠貴、右に成立学園の11米津天、左に桐光学園4山本蒼也、FWは横浜F・マリノス10棚橋尭士。フロンターレの新井はU-18でプレーしているCBではなくU-15のころのポジションだった左SBでの先発。フロンターレU-15から横浜FCユースへ進んだ13安永玲央は控え。
千葉はGK1小久保玲央ブライアン(柏レイソル)、DFは右から3堀博昭(ジェフユナイテッド市原・千葉)、5関川郁万(流通経済大柏)、キャプテン4杉井颯(柏レイソル)、2岡井駿典(市立船橋)、ボランチはいずれも柏レイソル、6山下雄大、7小野寺巧、トップ下に山田雄士(柏レイソル)、右MF堀健太(柏レイソル)、左MF14井上怜、FW16森海渡(柏レイソル)
試合は早々に東京が山本のゴールで先制しますが、その後は一進一退の攻防。千葉は山下が両CBの間に下りて組み立てに関わり、両SBが高い位置にとって、攻め上がりますが、東京はなかでしっかり守り対応。新井も1対1で強さを見せていきます。
攻勢をしのいだ東京も山本や米津らを起点にゴールへ迫り、天野や棚橋らのシュートで追加点を狙いますが、ネットを揺らすには至らず。前半は1-0でタイムアップとなります。
後半は千葉が岡井に代えて15佐藤輝(流通経済大柏)を入れて右SBに。堀が左SB、小野寺に代えて11郡司篤也(市立船橋)を入れてのスタート。立ち上がりから前半と同様に両SBが高い位置まで上がり。押し込んでいきます。3分には郡司が右から仕掛けて左へボールが渡り、井上がゴールへ迫りますが、ここはクリア。5分には郡司のスルーパスにエリア内右、森が抜け出しますがここは大内が前へ出てこれを止める好プレー。
東京は攻勢をしのぐと、両MFの積極的な仕掛けなどから相手陣内へ。新井もここぞというところでオーバーラップ。持ち前の攻撃力でチームへ貢献しようとしていきます。
7分にはエリア外左でボールを受けた棚橋がシュートを放つもこれは上へ。9分には立て続けにコーナーキックを得てゴールを狙いますが、千葉も小久保を中心にこれをしのいで追加点は許さず。
14分には千葉、井上のスルーパスに森が抜け出しますがシュートは再び大内が止める好守。
千葉はその後もコーナーキックから山下が左足でよいボールを入れてゴールへ迫りますが、東京も齋藤や佐々木が1対1の強さを見せてシュートは打たせず。
32分には千葉は杉井のフィードから森が抜け出てゴールへ迫りますが新井がしっかり対応。GK大内と連係してシュートは打たせず。
気温が上がり、6分と長くなったロスタイムも攻勢に出る千葉に対して、齋藤らが好守を見せた東京が守りきり、試合は1-0でタイムアップ。東京都が国体の出場権をつかみとりました。
前半1-0 後半0-0 計1-0
得点:山本蒼也(東京都、桐光学園)
【国民体育大会関東ブロック大会サッカー少年男子 神奈川県vs茨城県】
午前11時キックオフ
続いての対戦は国体3連覇を狙う神奈川県と茨城県。神奈川県の先発はGK12丸山拓郎(桐光学園)、DFは右から川崎フロンターレの5島崎元、三菱養和の3遠藤光、横浜F・マリノスの4遠藤駿之介、桐光学園の2金子開研、ボランチは川崎フロンターレ14桝谷岳良、東京ヴェルディの6武眞大、右MFは横浜FCの9川野太壱、左MF湘南ベルマーレの15柴田徹、トップ下は横浜F・マリノスの8榊原慧悟、FWは横浜F・マリノスの10栗原秀輔。フロンターレの16山田新はサブ。キャプテンを務めた桝谷は昨年も国体のメンバーに名前をつらねており、個人としては二年連続の出場を目指すことに。
茨城県はGK1木村謙一、DFは右から16結城将貴、3森島陸、5増崎大虎、15佐々木翔悟、ボランチは14小沼樹輝、6有馬幸太郎、右MF8袴塚孝介、左MFキャプテンの11前田泰良、トップ下7佐藤響、FW10永井宏典。このうち、結城、増崎、佐々木、小沼、有馬、前田は鹿島アントラーズユース。木村は明秀学園日立、森島は鹿島高、袴塚は水戸菱陵、佐藤と永井が水戸啓明。
立ち上がりにチャンスをつかんだのは茨城。右から袴塚が抜け出し一気にシュートへ持ち込みますがこれはGK丸山が対応。さらに3分にも袴塚が右からゴールへ迫りますがここは神奈川の守備陣がうまく体を入れてシュートは打たせず。
しかし、リズムをつかんだ茨城はこのあとも攻勢に。袴塚や前田が両サイドの裏を取って次々にゴールへ迫っていきます。10分には前田の仕掛けから最後は有馬がエリア内へ進入しシュートを打ちますがこれはGKに。
14分にはようやく神奈川も桝谷がボールを前へ運んで左裏へボールを出すと、これを受けた柴田がエリア外左からシュートを打ちますがこれは左へ。
神奈川は桝谷と武がボールによくさわって組み立てていきますが、茨城の出足がよくなかなかゴールへは迫れず。茨城は鹿島アントラーズユースの選手たちの連係もよく、ボールを保持する場面が目立っていきます。
16分には茨城、佐藤が左から中へ仕掛けてシュートを打つもこれはGK丸山がキャッチ。神奈川も17分島崎がクロスを上げ栗原が競りエリア内へ。しかし、シュートには至らず。さらに遠藤が相手陣内まで持ち上がりミドルシュートを打つもこれは左へ。
給水タイムを挟んで30分には神奈川、川野のスルーパスに栗原が抜け出しますが、ここは茨城の守備陣が体を入れてシュートは打たせず。その後もセットプレーからゴールを狙う茨城に対して、神奈川も栗原と柴田のパス交換などからゴールを狙いますがともに得点には至らず。前半は0-0でタイムアップとなります。
後半は神奈川が前半よりも裏へ対処できる場面が目立つようになりやや盛り返してのスタート。4分には前線で栗原が起点となって最後はエリア外からボールを受けた桝谷がミドルシュートを打つもこれは上へ。茨城も直後にはエリア内、前田が進入し混戦となりますが、神奈川の選手たちは必死にブロック。7分にも前田がエリア右からシュートを放つもこれは上へ。
神奈川は直後には右から桝谷と島崎がパスでつないで、最後は川野がエリア内へ進入。しかし、茨城の力強い守備に対応され、シュートを打つことはできず。
それでも先に得点のチャンスをつかんだのは神奈川。12分、栗原の折り返しを榊原がエリア内で受けるとこれを茨城の選手が倒してPKを得ます。キッカーは桝谷。しかし、ゴール左を狙ったシュートは相手が上回り、決めることはできず。スコアは0-0のままに。
直後には茨城は永井に代えて水戸ホーリーホックの13渡辺裕也。神奈川も柴田に代えて16山田新。
17分には神奈川、榊原の縦パスを受けた桝谷がエリア前からシュートを打つもこれは上へ。
給水タイムを挟んでさらに神奈川はワンツーから島崎がエリア前へ進入しますが茨城の選手のブロックにあいネットを揺らすには至らず。
茨城はここで袴塚に代わり明秀学園日立の9及川央泰。
神奈川は川野のクロスに栗原が合わすもこれは決定的なものとはならず。
次にチャンスをつかんだのは茨城、右からクロスを入れるとこれがエリア内ハンドを誘いPKを得ます。キッカーは前田。これを決めて0-1。すでにロスタイムに差し掛かった頃に先制点は茨城へ。
茨城は前田に代えて明秀学園日立の2篠崎圭人、神奈川は榊原に代えて桐光学園の13望月駿介。175センチとやや高さのあるDFの望月にボールを競らせてボールのこぼれたところから栗原や山田を走らせてゴールを狙いますが、茨城もさらに佐藤に代えて明秀学園日立の4高嶋修也を入れて逃げ切りに。試合は0-1。国体の出場権をこの試合で得たのは茨城となりました。
前半0-0 後半0-1 計0-1
得点:前田泰良=PK(茨城県、鹿島アントラーズユース)
翌18日、神奈川県は代表決定戦で埼玉県を2-0で下して国体出場を決めました。同年代の好選手が集まる場である国体へ出るチャンスを4選手がつかんだことをとても良かった、と思います。
10月、フロンターレの選手たちがほかのチームの選手たちと切磋琢磨しながら、いい経験をして、それがさらに大きく成長するきっかけになることを願っています。
(文中敬称略)
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