9月15日、前橋育英高崎グラウンドで行われたプレミアリーグEAST第14節、前橋育英戦を0-1で終えた川崎フロンターレU-18。試合後に長橋康弘監督と、プレミアリーグ初出場初先発の藤田明日翔、キャプテンの土屋櫂大に話を聞きました。
試合の記事は◇フロンターレU18 – 前橋育英 / プレミアリーグEAST第14節
「チームとしてネガティブにならずに、このタイミングで『自分の出番だ』って目をぎらぎらさせて。来週からも来てほしいです」
長橋康弘監督
〇率直にどういう印象ですか?
うーん。まあ、正直選手たち、気持ちがあったかなあって。前半から相手のほうが戦えていたし。
何かこう、ちょっと気持ちのないプレーが、多かったかなっていう。
自分たちのサッカーをやる以前の問題なのかなっていう。
できるようになっていないので、私に原因があると思いましたね。そんなことを感じながら、今日ゲームを見ていました。
〇失点シーンもあっさり取られてしまった印象がありましたけど。どういうふうに思われました?
ああいうヘディングの後。一番気を付けなければならない。それも彼らは知っている。知っているのにやらない。
今日初めて出た藤田明日翔。そこで8番(オノノジュ慶吏)に入れ替わられて。果たして1年生が初めてやっているなかで、あのボールに対して、カバーを入れられていたか、とか。
あの彼は初めての試合なのに、唯一ですかね、本当に頑張っていたという印象がある。彼を責めることはできないですし。
むしろ、すごくやってくれたかなと。ただ、何せ安い失点。F東(FC東京戦)から。もっと前からあったんですけど。
ちょっと今年は多いかな、と。そんな印象ですね。
〇藤田君はとっても良かったと思うんですけど、どんなところを評価しています?
前にも強く行ける。スピードがすごくあって。これまでなかなか試合に絡めなかったですけど。彼は地道に努力をして、筋トレ含めてですね。
やってきた効果というのが最近すごく出てきてですね。
スピードもあるし。当たり負けもしない。そのへんで素晴らしい成長かなっていう話は、私以外のスタッフからもそういう声が上がっていて。
ここはチャンスだと。自信をもって、使ったんですけどね。
〇楠田君をセンターバックとかいろんな選択肢があったと思うんですけど、自信をもって、送り出した?
はい。「今の藤田明日翔なら十分やれる」っていうような気持で送り出しましたけどね。
十分やってくれたと思います。
〇失点には絡んでしまいましたけど、これからが楽しみかなあと思うんですけど、それについては?
多分あの失点は彼の中で残ると思うんですけれども。ただ、この先の成長につなげることが大事で。
個人的には藤田に関しては、下を向かず。素晴らしい出来だったので。良かったなあっていう。
もっともっと成長できると思うので。引き続きまた来週やってほしいなって思いますね。
〇連敗というこの結果については、率直にどう思います?
選手たちも連敗しているようだと、ちょっと優勝は厳しいと。上がかなり、試合数というのはあるんですけど、離れているなかで、ちょっとここはポイントになるようなゲームだと、選手たちも感じながらやっていたと思うんですよね。
先ほど、私は気持ちはないように見えたと。気持ちはあったんだろうけど。何ていうんでしょうね、そういったときに、もうひとつ、ふたつ個人として、チームとして、何かやれるものが足りなかったかなっていうふうに思いますね。
〇次から土屋君が2試合抜ける中で (※U-19日本代表として9月21日から29日にかけてAFC U20アジアカップの予選に臨む) ほかの選手たちのリバウンドメンタリティーみたいなものも問われるんじゃないかと思うんですけど。そういう意味ではどうですか、これから改めてリーグ戦に向かう気持ちというのは?
こういう代表の選手が抜けて、出てきた選手がものすごく活躍してくれて、これまで上位の成績をおさめてくれたと思うんですよね。
だからそういうところも、チームとしてネガティブにならずに、このタイミングで「自分の出番だ」って目をぎらぎらさせて。
来週からも来てほしいですし。必ずそういうタイミングで、新しい戦力、ですかね。必ず出てくるタイミングなので。そこはポジティブにというか、前向きに取り組んでいきたいと思いますね。
〇また今日もたくさんのサポーターが来ていました。そういったサポーターの方にメッセージをいただいてもいいですか?
朝早く、本当にありがとうございます。ちょっと私としては、勝敗とかではなくて、気持ちのあるっていうんですかね。
そういう試合を見せたかったんですけど、ちょっとそのへんができなくて、ものすごく申し訳ないなっていう気持ちでいっぱいです。
フロンターレらしいサッカーを、アカデミーも目指しているんですけど、まずその前に目の前の相手に勝つ、と。
走り負けないと。球際絶対勝つんだと。もう一回そういうところをできるようにしていきたいと思いますので、また来週から応援のほうをよろしくお願いします。
「自信がついたので、そこをどんどん伸ばしていって、修正点はまだいっぱいあるので。
そこを修正して、できるようにしていきたいと思います」
DF29 藤田明日翔
〇率直にゲームを振り返っていかがですか?
前節もそうなんですけど、決めれるところを決めれないというのと、僕のところで前節もあった必要のない失点をしてしまって。
それが続くと勝利することは難しいと思うので、そこを次の試合は絶対修正していかないといけないと思います。
〇ちょっと申し訳ないですけど、あの失点のシーンを振り返ってもらっていいですか?
相手が追い付いて、体のある選手だったので。チャレンジするのもいいですけど、入れ替わらないことが大事なので。
それが入れ替わったらああいう失点につながると思うので、そこは相手の長所を受け入れながら、対処していけば、問題なく対処できると思うので。
次に生かしたいと思います。
〇失点した後も、全然折れずにプレーしていたと思うんですけど、そのへんのメンタルについてはどうですか?
失点にかかわってしまったので。自分が取りに行くというか、絶対入れてやるって勝利に行けるようにと思っていたんですけど、入らなかったので悔しいです。
〇失点以外の自分のプレーについての印象は?
今日デビューだったんですけど、外で見ると中で見ると違って、相手も大きいですし。レベルも高いですけど。
自分も通用するところがあると思って。そこは自信にして、次の試合もしっかり取り組んでいきたいと思います。
〇具体的に感じた、今日通用した部分というのは?
スピードの部分や、失点以外のところは、体の強さとか、そういう部分は通用したと思います。
〇逆にプレミアのこういうところがすごいなって感じるものってありました?
フォワードがおさめられるところはおさめられるので。そこを自分なりにどう対処するか。
みんな、よく走れるので。そこの部分で負けたら試合も勝てないと思うので。そこはしっかり自分たちで勝てるようにしたいと思います。
〇代表で林君がいないことはけっこう前から分かっていて、この試合に自分が出ようというモチベーションはどのくらい高めてきました?
最初のころから出れない時期があって。そのころからずっと出れる準備はしてきたので。
あとは自分の良さを出して、やるだけだと思いました。
〇ちなみにどのぐらい前から今日スタメンかも、っていうのはわかっていました?
林選手が代表入るって聞いたとき。
〇準備はできていた?
はい。
〇昨日とかってけっこう緊張しました?
昨日はしなくて、今日もそんなにしなかったですね。
〇プレミア1試合出るともっともっと出たいと思うと思うんだけど、そういう意味での自分のモチベーションなどは?
自信がついたので、そこをどんどん伸ばしていって、修正点はまだいっぱいあるので。
そこを修正して、できるようにしていきたいと思います。
〇ユースの1年目、入るにあたってなにか目標などは立てていました?
1年生からプレミアに出るっていうのはずっと思っていて。やっと出れたので。
そこでチームの勝利に貢献できれば、と思っていました。
〇ユース1年目で、こういうところが伸びたなっていうところは何かありますか?
ユースに入って、練習のレベルも上がったので。そこの強度というか、そこのレベルは中学のころに比べると、一気に上がったと思います。
〇こういうところを直していこうというのを具体的に教えてもらってもいいですか?
リスク管理ということと、いらない失点をなくすということ、チームとしては最後決めきる。しっかり日々の練習から意識していけばいいと思います。
〇セットプレーの得点力もけっこう武器なのかなって思うんですけど、それについてはどうでしょう?
セットプレーは今日何回もあったんですけど、決められなかったので。そこが長所だと思っているので。
セットプレー決めることによって、つらい時間帯も乗り越えていけると思うので。セットプレーは大事になるので。
そこも日々しっかり決めきるということを意識して、練習していきたいと思います。
〇それこそ次から土屋君が代表でいないなかで、より自分の存在を示したいものがあるんじゃないですか?
試合とか関係なく、自分がチームを勝たせるっていう思いで、やりたいと思います。
〇プレミアデビューして、残りのシーズンはどういうことを目標にして過ごしていきたいですか?
残りの試合は全勝して、ファイナル行けるように、チームとして、高い意識で日々の練習からやっていきたいと思います。
〇そこに自分はどういうかたちで貢献していきたい?
自分の長所を生かして、一緒に高めあっていくことで、勝利につながると思うので。頑張りたいと思います。
〇サポーターの方にメッセージをいただいてもいいでしょうか?
群馬まで。遠いと思うんですけど、サポーターの声援が力になるので。
サポーターの応援に応えられるように、日々チームの勝利に、勝たせられるように頑張りたいと思います。
「同じ現象が続いているので。練習からもっとしっかりやっていかないといけないと思いますし。
ちょっと詰めが甘かったのかなと思います」
DF5 土屋櫂大
〇ゲーム全体の印象としてはどうですか?
前節の反省を生かして、リスク管理だったり、安い失点をしないっていうことが前半できていたところもありましたし。
でもやっぱり詰めが甘いというか、最後、後半ああいったかたちで失点してしまったので。
あれもカウンターでしたし。もっともっと。同じ現象が続いているので。練習からもっとしっかりやっていかないといけないと思いますし。
ちょっと詰めが甘かったのかなと思います。
〇チャンスもつくりながら、結果無得点だったということに関しては?
決めるチャンスはあったんですけど、そこで決めきれないというのもそうですし。
あれだけセットプレーがあったなかで、セットプレーで決めきれないというのは自分たちの課題であるので。
セットプレーから点を取るという、こういう試合、スコアレスの展開になって、点が動かないときにセットプレーは大事になってくると思うので。
やっぱりそこで決めきれるように、セットプレーに目を向けてやっていかないとと思いますし。
本当に大事になるので、今日みたいな試合は。セットプレーで決めきれなかったというのは、今日の敗因かなと思います。
〇連敗という状況に関してはどう思います?
負けが続いている中で、そういう「負けが続いている」っていう雰囲気で練習が行えているかっていうと、今週振り返ってみて。
チームの中のそういう雰囲気も足りなかったところでありましたし。
今、3連敗しているなかで、もっと一人一人が変わっていかないと、連敗止められないと思うので。
来週から、チーム、チーム全体もそうですけど。一人一人がもっとやらないと、という意識を出さないと結果というのもついてこないと思います。
〇林君が代表でいなくて、パートナーが藤田君で失点には絡みましたけど、長橋さんはパフォーマンスはよかったと言っていた。土屋君から見てどうでしょう?
練習から明日翔とは何回もやっているので。彼のいいところは本当に。対人も強いですし。足も速いですし、クレバーなので。
「そういうところを試合で出してくれ」って入って。本当に前半からいいプレーをしてくれましたし。
やっぱり自分も隣にいて、頼もしいところもあったので。デビュー戦ということもあって、勝たせてあげたい気持ちもあったんですけど。
ああいうところで、最後失点のシーンもそうですけど、もっともっと自分がカバーできる範囲を増やしていかないと。
明日翔に関しては、今日デビュー戦を勝たせてあげられなかったので。そこは本当に申し訳ないな、っていう気持ちです。
〇土屋君も1年生からプレミア出ていたと思うんですけど、どうですか?土屋君から見ると?
本当に自分の隣にいて、声も出せるので。周りを動かす力も。自分が声をかけられない範囲を、明日翔が声をかけてくれましたし。
本当に全体的にレベルが、なんでもできるセンターバックだと思うので。足元もありますし。本当に自分が1年生の時よりもレベルが高いって思います。
〇土屋君は2試合代表でいなくなりますけど、チームをどう方向づけていきますか?
このまま代表でチームを離れるというのは、悔しいですけど。自分もあっちで経験積んでいかないといけないと思っていますし。
その間にチームで、一日一日の練習からもっと危機感もって練習していって、ベンチの選手も含めて、競争、ポジション争いしてくれたらいいなと思います。
〇代表での経験をフロンターレU-18に還元するのも土屋君の役割なのかなと思うんですけど、代表での目標などを教えてもらってもいいですか?
やっぱりキャプテンとしてチームを離れるので、その責任はもってしっかり代表活動でチームを離れるぶん、ちゃんとプレーしないといけないと思っていますし。
帰ってきて、こっちの結果がどうなっているかわからないですけど、勝っていても負けていても、チームをもっともっと底上げできるように、自分がこのチームを離れるという責任と、覚悟をもって代表活動に臨めたらと思います。
〇今日もたくさんサポーターの方が来ていました。そういったサポーターの方にメッセージをいただいてもいいでしょうか?
勝てていない状況が続いているなかで、今日もこうやって足を運んでくださって応援してくれるというのが本当に当たり前じゃないですし。
応援に感謝をもっていかないといけないと思っているので。自分たちも一戦一戦戦って、しっかり勝って、価値をサポーターに届けたいという気持ちはあるので。
これからも引き続き、応援していただけたらありがたいです。
〇改めて(トップチームに)昇格が内定したということに関してはどう思います?
フロンターレにジュニアユースから入って。そこだけを目指してやってきたので、素直にうれしい気持ちはありますけど。
来年から今よりもっともっと厳しい世界になると思うので、そこはベテランの選手だったり、試合出ている選手もですけど、年齢関係なく、自分からガツガツ、物おじせず、やっていけたらと思います。
〇改めてフロンターレのトップチームで成し遂げたいことは?
まず試合に出ることもそうですし。練習からタイトル獲得に向けて、自分が少しでもチームに貢献できるように、練習からやっていきたいです。
〇フロンターレの、こういうセンターバックになりたいっていうものは何かありますか?
そうですね、やっぱり谷口選手だったり。今日本代表で活躍している選手もそうですけど。やっぱり日本代表で活躍している選手がどんどんフロンターレから出ているので。
やっぱりまずはチームを勝たせる選手にというのを目標にして、来年からやっていきたいなと思います。
◇
攻守に課題を払拭しきれない試合が続き、中断前の第11節から3連敗となった川崎フロンターレU-18。次節からの2試合はキャプテンの土屋櫂大が不在の試合ともなります。
しかし、そういった状況だからこそ、ピッチに立った選手が結果を残せば、これからのチームの巻き返し、さらにはその選手自身のこれからにもつながっていくはずです。
またAnker フロンタウン生田での一日一日を大切に、次の試合に挑むフロンターレU-18の姿をとても楽しみにしています。
次節:プレミアリーグEAST第15節 vs 市立船橋
9月22日(日) 午後4時キックオフ 千葉県フットボールセンター(人工芝)
(文中敬称略)
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