筑波大 – 専修大 / 関東大学サッカーリーグ1部第9節


6月10日は東京駅から高速バスに乗って、千葉県旭市のバス停「干潟」で下り、東総運動場へ。関東大学サッカーリーグは第9節。2-2で引き分けた東京国際大vs東洋大に続いて行われた第2試合では、ともに川崎フロンターレU-18出身の選手が在籍、首位に立つ筑波大と上位進出をうかがう専修大が対戦しました。

この競技場に訪れるのは、2012年10月21日、フロンターレU-15がジェフユナイテッド市原・千葉U-15と対戦した関東ユース(U-15)サッカーリーグ最終節以来。この試合では長谷川隼(現阪南大)のフリーキックで先制したフロンターレがいったんは追いつかれるも、島崎竜(現VCU)の2ゴールと岸晃司(現専修大)のゴールで4-1と大勝。4位でリーグ戦を終え、全国大会出場へつなげることに。

5年の歳月が流れて、当時は背番号10をつけていた三笘薫は筑波大の二年生に。背番号9をつけていた岸は専修大の二年生となりました。昨シーズンは前期は三笘が専修戦に出たものの、岸は筑波戦ではメンバー外。この日が初めての対戦となりました。

【関東大学サッカーリーグ1部第9節 筑波大 vs 専修大】
6月10日(土)午後2時キックオフ 東総運動場 晴れ

筑波大の先発はGK30阿部航斗、DFは右から14会津雄生、3小笠原佳祐、5鈴木大誠、7野口航、ボランチは6鈴木徳真、16高嶺朋樹、右MF15長澤皓祐、左MF25西澤健太、トップ下キャプテンの10北川柊斗、FW11中野誠也。9三笘薫はベンチスタート。

専修大の先発はGK21蔦颯、DFは右から3大西拓真、キャプテン4田口圭介、5鹿沼直生、ボランチは8葛谷将平、7三沢直人、右MF20古屋誠志郎、左MF15小林岩魚、FWは右に23氣田亮真、左に19中山克広、一番前に18岸晃司が入りました。

晴天に恵まれ、両大学のメンバー外の選手がチャントやコールでにぎやかに声援を送る中、試合は始まりました。

立ち上がりは前から圧力をかけてゴールへ迫っていく専修が、筑波の縦へのパスもうまくカットしてゴールへ迫っていく展開に。専修はマイボールにすると、最終ラインから前線の岸へボールを入れ、岸がそれをうまくキープし、中山や氣田らがそれに絡んでエリア前へ顔を出していきます。2分にはエリア前やや右で岸がファールを受けて、それで得たフリーキック、小林が左足で直接狙いますが、枠はとらえられず。それでも右に流れて起点になろうとする北川に対して、鹿沼がよく対応し、切り替えよく専修が前に。5分にはカウンターに持ち込み、中山から右の氣田に展開しクロスを入れますが、これは筑波のGK阿部がキャッチし、シュートにはつながらず。さらに大西のロングスローをエリア内、岸が胸で収め、エリア右へ進入した古屋がシュートを打つもこれはGK阿部が対応。エリア前での専修のプレーが続いていきます。

筑波も10分近くになると、鈴木徳真や高嶺がプレッシャーをかいくぐって、小笠原や鈴木大誠とかかわって後ろからボールを回せるように。15分には高嶺が左へ展開すると、中野が抜け出してエリア左へ。シュートを打つも枠はとらえられず。さらに高嶺がうまく専修のプレッシャーを外して前へ。右へ展開し、こぼれ球を拾った長澤がシュートを打ちますが、これも枠はとられられず。

専修もシンプルな攻めでさらにゴール前に。18分には大西の右クロスを中山が競り、最後はエリア左、岸が振り向きざまにシュートを打ちますがわずかに左へ。23分にはエリア外左からのフリーキック、三沢がエリア内へボールを入れるとファーで大西が合わせるも枠はとらえられず。しかし、25分左サイドへ中山が抜け出てエリア左へボールを送り、これに抜け出した岸が右足を振り抜くとゴールネットを揺らします。0-1。先制点は専修へ。

追いかける展開となった筑波は、最終ラインの鈴木大誠、小笠原に高嶺や鈴木徳真がかかわり、後ろからボールを回しつつ、会津や野口が高い位置へ。前に人をかけて同点ゴールを狙っていきます。会津らのクロスは中で田口や大西が対応し、シュートには結びつかず。しかし、28分、鈴木徳真のクロスのこぼれ球を、エリア右で拾った西澤が倒れ込みながらも粘り強く右足を振り抜くと、これがゴール左へ決まって1-1。筑波が追いつきます。

専修は筑波の人数をかけた攻めをしのぎ、前線へボールが出ると、中山から右の氣田へパスが出ますが、鈴木大誠がこれに対応。さらに左から小林がエリア内へボールを入れると、こぼれたボールをエリア内、三沢が拾いますが、筑波は小笠原がこれをクリア。35分にはサイドチェンジを受けた古屋が右サイドから折り返し、こぼれたボールを拾った葛谷がシュートを打つもワンタッチあり、枠へは飛ばせず。これでコーナーキックを得ると、左から三沢が精度の良いボールを入れますが、エリア内でファールがあり、シュートに結びつけることはできず。

筑波も北川がロングボールに競り勝って、エリア外左へ中野が抜け出して仕掛けていくも、折り返したボールは誰も触ることはできず。前半は1-1でタイムアップとなります。

後半、そのままのメンバーで臨んだ筑波大にたいして、専修大は氣田に代えて14岡本勇輝が入り、前線は岸と中山の2トップに。中盤の底に三沢が入り、その前に葛谷と岡本が並ぶ形に。中山や岸に岡本らが縦へパスを入れつつ、前に人数をかけ、勝ち越しゴールを狙っていきます。しかし、筑波も小笠原が岸へうまく対応するなど、前線に起点をつくらせずに切り替えよく前に。6分には会津がうまく前でボールを受けて右へパスを出すと北川が抜け出しますが、ここは田口がエリア内でボールをクリア。しかし、7分、西澤からエリア左へボールが出るとうまく専修の守備を振り切った中野がシュート。これが決まって、2-1。勝ち越しゴールは筑波大へ。

専修はサイドへボールをまずはつけて、エリア前の岸へボールを入れて打開を図っていきますが、筑波は小笠原が再三よく対応。14分には専修は岸に代えて16鈴木厚太をFWに。

リードした筑波が専修ボール時には、長澤が左サイドの低い位置に下がるなど、「まずは守備から」という構えになったのに対して、専修は大西が高い位置へ持ち上がり、岡本や三沢が中継役となって組み立てを図っていきますが、なかなか出し手と受け手が合わずに、ボールがラインを割ってしまうなど、もったいない場面が続いていきます。それでも人数をかけて専修が次第にゴール前に。21分にはエリア左で鈴木厚太がうまく前を向くも、筑波は野口が対応。さらに左へ流れた中山がボールをキープし、パスにエリア左へ三沢が抜け出しますが、シュートは上に。23分にはパスを回して最後はエリア外正面、岡本がシュートを打つも筑波のGK阿部を慌てさせるような場面にはならず。

筑波は28分、西澤に代えて9三笘薫が入り左MFに。入って早々に筑波がカウンターに出ると、左サイドから三笘はドリブルでうまく専修の選手をかわしてエリア前に。シュートにはつながりませんでしたが、筑波の攻撃を活性化させていきます。

岡本の縦へのパスに対して、鈴木大誠や小笠原がうまく対応しつつ切り替えよく攻勢に出ていく筑波。34分には三笘がうまく左からエリア前へ抜け専修の選手を引きつけてスルーパスを出すとエリア右へ抜け出したのは中野。シュートを放つとボールはゴール左へ決まり、3-1。筑波が突き放します。

34分には筑波は北川に代えて13松村遼が入り左MFに。三笘がトップ下に。専修は中山に代わって27蛭田拓海がFWに。筑波は専修ボール時には、最終ライン近くに長澤や松村も下がって5バック気味にして対応。37分には長澤からエリア左、三笘へ展開。三笘がうまく専修の選手をドリブルでかわし、筑波の応援の選手たちを沸かせながらシュートに持ち込みますがこれは専修のGK蔦がキャッチ。

一方まずは1点と鈴木厚太や蛭田へボールをつけてゴールを目指していく専修でしたが、37分には鹿沼が2回目の警告を受けて退場し10人に。

なおも筑波は三笘がドリブルで仕掛けるなどして、ゴールを狙いつつロスタイムに。最後は高嶺に代えて2浅岡大貴を中盤に入れ、エリア前でのセカンドボールをしっかり拾い、専修の反撃をしのいでいきます。試合は3-1でタイムアップ。首位の筑波が逆転で勝利を飾ることになりました。

前半1-1 後半2-0 計3-1
得点:西澤健太、中野誠也2(筑波)岸晃司(専修)

筑波大の先発:30阿部航斗、14会津雄生、3小笠原繋佳祐、5鈴木大誠、7野口航、6鈴木徳真、16高嶺朋樹、15長澤皓祐、25西澤健太、10北川柊斗(c)、11中野誠也
交代:西澤→9三笘薫 北川→13松村遼 高嶺→2浅岡大貴
控え:21大川圭為 4山川哲史 8戸嶋祥郎 27渡邊陽

専修大の先発:21蔦颯、3大西拓真、4田口圭介(c)、5鹿沼直生、8葛谷将平、7三沢直人、20古屋誠志郎、15小林岩魚、23氣田亮真、19中山克広、18岸晃司
交代:氣田→14岡本勇輝 岸→16鈴木厚太 中山→27蛭田拓海
控え:28上村侑大 35葛西恭平 40倉澤巧 24中杉雄貴

約5年ぶりに訪れた東総運動場。当時はチームメートとして勝利を目指した二人の中学生が大学生となり、一方があの日と同じようにゴールを見事に決め、もう一人は観客を沸かせるようなプレーを見せる選手となりつつあることにうれしさを感じました。

これから少なくとも5回対戦するチャンスのある三笘と岸。それぞれチームに欠かせない選手となって素晴らしい試合を重ねることを楽しみにしています。

(文中敬称略)

筑波の三笘薫選手はベンチスタート
先発に定着しつつある専修の岸晃司選手
筑波大の先発メンバー
専修大の先発メンバー

筑波大は中野誠也選手がチャンスを迎えるが決めることはできず
エリア左へうまく抜け出した岸晃司選手

シュートを決めて専修が先制する

喜ぶ専修大の選手たち
筑波大は西澤健太選手のゴールですぐさま同点に

ゴールへ迫る専修大だが勝ち越しには至らず
前半は1-1
中野誠也選手のゴールで筑波大が2-1とリード

岸晃司選手は鈴木厚太選手と交代となった

三笘薫
西澤健太選手と交代でピッチへ
ドリブルで仕掛けてチャンスメーク

この日2ゴールの中野誠也選手
アシストした三笘薫と中野誠也選手がタッチをかわす

よく仕掛けてゴールを狙った三笘薫選手
3-1でタイムアップ。筑波大が勝利
かつてはフロンターレの普及育成コーチなどを務めた専修の岩渕弘幹コーチと三笘薫選手が握手をかわす場面も
筑波大は首位をキープ
東総運動場で行われた2012年の関東ユース(U-15)サッカーリーグ1部最終節を伝えるヤンフロ通信。5年の歳月が流れた

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