フロンターレU18 – 流通経済大柏 / プレミアリーグEAST第3節(監督・選手インタビュー)


 

4月20日麻生グラウンドで行われたプレミアリーグEAST第3節、流通経済大柏戦を1-1で終えた川崎フロンターレU-18。

試合後に森勇介監督と、開幕から先発で出場を続けるペイシェンス海翔、プレミアリーグ初ゴールとなる同点ゴールを決めた小川尋斗、U-17アジアカップに臨んだU-17日本代表としての活動を終え、プレミアリーグでは今季初出場となった藤田明日翔の3選手に話を聞きました。

 

試合の記事は◇フロンターレU18 – 流通経済大柏 / プレミアリーグEAST第3節

 

「『自分たちが何をしなきゃいけない』っていうのを、こういう強い相手の中でできなかったら、本当の技術じゃないというところは本当に感じています」

森勇介監督

 

森勇介監督

 

〇まずは今日の試合について、率直な感想などを聞いてもいいでしょうか?

3試合とも言っているんですけど、自分たちの時間に持ってくるのが遅いし、失点してからとか逆転されてから目覚めても代償が大きすぎるし、パワーがかかるので。

やっぱりゲーム運びとか、「自分たちが何をしなきゃいけない」っていうのを、こういう強い相手の中でできなかったら、本当の技術じゃないかな、というところは本当に感じています。

〇前回市船戦のあと、ちょっとトレーニングを変えてみようということを言っていたと思うんですけど、何か変えたりはしましたか?

フォーメーションは違うけど、狙っているところの、流経さんも市船さんも一緒だったので。

狭いところから広いところに持っていく判断だったり、目を養う。どこを見るとかっていうところのトレーニングは増やしました。

〇後半はだいぶ左サイドの柏村君が高い位置で上がって、というような場面も多かったと思うんですけど、前半と後半で何か変えた部分ってあるんですか?

前半は左サイドはわざと幅をなくしていたので。明日翔(藤田明日翔)というのもあって。後半は相手のフォーメーション上そこが空くというのは分かっていたので。

駿佑(林駿佑)がけがをしたのもあって、柏村は前に出ていけるので。そこを使うと中が空いてくる。

本当に中、外、中、外の繰り返しです。ただ、それだけです。大して変えていないのです。

〇だいぶ後半はボランチもさわれるようになって、そこでだいぶ中も使えるようになったのかなと思うんですけど、どうですか?

相手のシステム上そこが空くのは分かっていたし。ボランチとトップ下の10番の子の脇がずっと空くのが分かっていましたし。空かなかったら奥が空くというのは分かっていましたし。それは練習で叩き込んだんですけど、まだまだ。

こういう公式戦だったり、こんなにいい芝で、水をまいてプレスが速いと、目を切る時間が少ない。顔が下がる時間が長くなってしまうかなと思います。

 

〇ここまで平内君ずっとサイドバックで出ていますけど、だいぶサイドバックらしくなってきたのかなと思うんですけど、プレーについてはどうですか?

彼はやっぱりスピードがあるし、1対1の、ただの「ヨーイ、ドン」は負けないので。

ですけど、まだまだ、全然。最後の質。シュートのところだったり。そこまで彼の力で持って行っているんですけど、最後のクロスの質だったり、キックの質っていうところは、結局3人、4人抜いてもキックが悪かったら意味がないし。

キックの質が良かったら、もしかしたら抜かなくても、アシストになったりゴールになったりするので。

キックの質というところは求めてやらせているんですけど、まだまだです。

 

〇ペイシェンス君は、失点のところでマークを外してしまったということも言っていましたけど、それ以外はけっこう良かったんじゃないかなと思うんですけど。

彼は、本当に今試合に出ていないやつがお手本にしなきゃいけない選手かなって思います。

去年まで、2年生までは1回も高円(プレミアリーグ)で登録されていないんじゃないかなというところで。

でもコツコツやってきて。これぐらい、プレミアの舞台であれだけ堂々とプレーして。いいフォワードも抑えるし。

まだまだ賢さだったり。技術だったりまだまだなところはありますけど。

お手本になるような人間性も持っていますし。素晴らしいかなと今のところ思っています。

 

〇出るたびに自信が深まっているのかなという感じがします。

そうですね。これがもっともっと速かったり大きかったりってなったときには、「あの対応じゃ行かれるよ」っていうところは言っているんですけど。

まだ力任せっていうか、今相手にしている選手だったらああいう抑え方でいけるけど、もっと速い選手だったりもっと強い選手が来たら、あれじゃ行かれちゃうから、「そこの対処はしようね」というのはずっと言っています。

 

〇次は浦和戦になりますけど、それに向けては?

特別何か対策とかはないし。何かやろうということもないんですけど、まずは前半失点しないことと、試合運び。

ロングボールに付き合わないということと。あとはもう場慣れですよね。

もちろん場慣れだから、試合経験をいっぱい積まなきゃいけないということもあるんですけど。

練習の中でどれだけ強度出してやれるか、ですよね。その緊張感の中で。

だからもっともっと緊張感ある雰囲気をつくります、俺が。

 

〇またサポーターの方にメッセージをお願いします。

本当にこんないい麻生の環境で試合をやらしてもらったのに引き分けで本当に申し訳なかったんですけど。

もっともっと精度上げて、もっともっとゴールに迫れるようなサッカーを目指しますので、また応援よろしくお願いします。

 

 

「セットプレーで自分が得点にかかわるという部分ももっと出してきたいですし。

競り合いでももっと自分が全部勝てば、チームも安心して攻撃に行けると思う。

そういう面でしっかりプレーできたらなと思います」

DF15 ペイシェンス海翔

 

ペイシェンス海翔選手

 

〇まずは試合を振り返ってみて、いかがですか?

最初、前半は相手のペースというか、ちょっと苦しい時間が続いたんですけど。

そのなかでも自分たちがしっかり跳ね返していて。最後自分のマークで失点してしまったんですけど。

そのあとは責任をもって、守備からしっかりできたかなと思います。

 

〇失点以外の、相手のフォワードの選手に対しての対応だったりとか、カバーリングだったりとかは良かったのかなと思うんですけど、そのプレーについてはどう考えていますか?

自分の強みではしっかりやれていたので。味方にも声をかけてカバーしてもらいながらっていうのは、うまく連係ではまって。

しっかり相手を抑えられたかなと思います。

〇これでプレミアは3試合続けてのスタメンですけど、だいぶピッチの上で自分のプレーを出せるようになってきました?

そうですね、はい。今までよりは自信を持ってできているっていうのは、自分も思っています。

〇課題にしていたのは、裏への対応という話だったと思うんですけど、そういう部分もだいぶできてきたのかなと思ったんですけど、それについてはどうでしょう?

自分から味方を動かすことで、相手のパスコースを限定することができると予測して動けるので。

それでスピードという部分では相手よりも速く反応してできたので。

そういうところで補えたかなって思います。

〇前半はだいぶ流通経済大柏に押されていて、後半はフロンターレらしいサッカーができていたと思うんですけど、それについてはどう受け止めていますか?

後半はしっかり自分たちがボランチを起点に、前向き、前向きでボールを運んでいけたので。

相手もけっこういやがっていたので。そこは自分たちペースで試合運びというのをできたのかなと思います。

〇これで1勝2分けというスタートになりましたけど、自分なりにこの結果についてはどう受け止めています?

もう少し勝利が積み重ねることができれば良かったですけど。

個人的には前向きなスタートができているというイメージで。

チーム的には、しっかり勝ち切れるところで、もう少し勝ち点を積んでいければ、どんどん流れにのっていけるかなというイメージです。

〇チームとしての課題は、前半から力を出せないということですか?

そうです。はい。

〇それを解消するためには何が必要だと思いますか?

まず前半からしっかり気持ちを入れるのと、後ろがしっかり跳ね返せば、前もしっかり付いてくるので。

そこで自分たちが基準となって引っ張っていけたら、自然とフォワード陣も頑張ってくれるかなと思います。

〇フォワード、けっこう信頼できる選手たちですもんね?

そうですね。信頼しています。

〇次の浦和戦に向けて、意気込みなどを教えてもらってもいいでしょうか?

今1勝2分けなので。まだ負けなしなのでここから勝ちをどんどん積み重ねて、1位で終われるようにこれから頑張っていきます。

〇自分のプレーで次こういったものを出したいというのがあれば、教えてください。

セットプレーとかで自分が得点にかかわるという部分ももっと出してきたいですし。

競り合いの部分でももっと自分が全部勝てば、チームも安心して攻撃に行けると思うので。

そういう面でしっかりプレーできたらなと思います。

〇またサポーターの方にメッセージをいただいてもいいでしょうか?

今日は応援ありがとうございました。

自分の名前を呼ぶ声が何回か聞こえて、すごく元気が出たり。「苦しいな」っていうときに頑張れたので、次の試合も応援よろしくお願いします。

 

「自分の中でもプレミアで早く点を決めたいというのは目標でしたし。

今後波に乗って、次節も点を決めたりアシストしたりというのがしたいです」

MF14 小川尋斗

 

小川尋斗選手

 

〇まずは今日の試合の感想などをお願いします。

最初1失点して。後半のところでギアが上がったというのは良かったことではあるんですけど。

最初からもっと。前半の開始からギアを上げていかないと、今日の試合みたいに引き分けで終わってしまって、勝てない試合になってしまうと思うので。

もっと最初からギアを上げて、やっていかないとなというふうに思いました。

〇市船戦のときもそうでしたけど、前半からフロンターレらしいサッカーができない要因ってどういうところにあると思います?

前半、試合には入れていない選手が、自分も含めているというのは感じていて。チームとしても感じていて。

最初慌ててしまって、前に蹴って、蹴って、ていうのが多くなって、という部分はあると思います。

〇後半はだいぶフロンターレらしいサッカーができていて、センターバックからボランチにボールが何度も入って、そこからというようなことができていたと思うんですけど、それができた要因というのは?

遅かったですけど、試合に全員入れていたというのがあって。森さんもハーフタイムの時に活を入れてくれて。

「もっとやんないと」というのは言われたので。

それで全員ギアが上がったというのはあると思います。

〇これで3試合連続でスタメンになりましたけど、3試合自分のプレーを振り返ってみて、どうですか?

前半自分のせいで失点してっていうのが、3試合含めて多くて。

後半は慣れていって、いいかたちでプレーできるのは多いですけど、前半からもっとギアを上げて試合に入っていかないとというのはあります。

〇同点ゴールを決めましたけど、ゴールシーンについて振り返ってもらってもいいですか?

正直、ボールは全然見えなくて。見えたときにはもう体に当てたという感じで。

体に当たってゴールできたので良かったです。

〇U-15のときからけっこうセットプレーでも点を取っていたイメージがあるんですけど、セットプレーは得意だったりするんですか?

比較的センターバックとか大きい選手に相手がついてくるので。

そこそこの身長の人が自分にマークしてくるので。

それだったら勝てる自信はあるので。

今日も得点になったので良かったです。

〇得点をひとつしたことがこれからの自信にもつながるのかなと思うんですけど、それはどうですか?

自分の中でもプレミアで早く点を決めたいというのは目標でしたし。

今後波に乗って、次節も点を決めたりアシストしたりというのがしたいですね。

〇またフロンターレのサポーターの方にメッセージをいただいてもいいでしょうか?

前回もインタビューに出て「次節は絶対勝つ」って言って、今日引き分けてしまって。

まずは申し訳ないという気持ちと、次節は同じことになってしまうんですけど、絶対勝っていきたいなというのはあるので。

また応援よろしくお願いします。

 

「練習から意識して、今日みたいなゲームをちゃんと勝ち切れるようにしていきたい」

DF3 藤田明日翔

 

藤田明日翔選手

〇プレミアリーグ今季初出場になりましたけど、まずは試合について振り返ってもらってもいいでしょうか?

今日はホームで麻生ということもあって、ピッチが良くて、「自分たちのサッカーができる」と思って勝利は絶対に取りたかったんですけど。

前半の失点が、自分の戻りが遅かったりとか。セットプレーからの失点だったので。

「すごいもったいない」と思っていて。

後半も何とか追いつくことができたんですけど、絶対、もっと点を取れたと思いますし。

次の週から、練習からそういうところを意識して、今日みたいなゲームをちゃんと勝ち切れるようにしていきたいと思いました。

 

〇今日は最初は左サイドバックでの出場でしたけど、監督からはどんなことを求められていました?

守備では負けないで、攻撃でも「行けるときがあったらどんどん行っていい」という声はもらっていました。

〇やってみてどうでした?

思ったより運べたり。守備はセンターバックと違う光景だったので、難しいものがあったんですけど。

これからもやれることがあると思うので。

今日の経験を無駄にせず、やっていきたいです。

〇前半と後半ではフロンターレとしてはだいぶ変わった試合だったと思うんですけど、後ろで見ていて感じるものは何かありました?

ゴール前に行く回数が増えたり。セカンドボールを回収できたり。自分たちにいいふうに後半は向いていたので。

そういった自分たちのサッカーを、前半でできるようにというのをみんなで話ました。

〇自分なりにプレミアに臨むにあたって、目標は何かありますか?

やっぱりチームが勝つためには後ろが無失点だったり。少ない失点で抑えないといけないと思うので。

そういうところはセンターバックとしても常に心掛けているのと。

攻撃とかでもセットプレーで自分がどんどん点を取ったり。点の部分でも勝利に貢献できたらと思います。

 

〇U-17アジアカップではゴールも決めたりしましたけど、U-17アジアカップは行ってみて、どうでした?

やっぱり日本のほうが技術とかは高かったですけど。

戦う気持ちだったり覚悟とかは、向こうのほうが高いなって感じていて。

そういうものをフロンターレでも、自分だけじゃなくて、チームにもたらせるようにしていきたいなって思います。

〇印象に残った対戦相手はいたりしますか?

UAEのフォワードの9番(Mayed Mubarak)とオーストラリアの10番(Quinn MacNicol)は印象に残っています。

〇どういったところが?

UAEの9番は大きくて、速くて、「ザ・ストライカー」っていう選手だったので。

自分も何回も映像を見たりして吸収できたものだったり、勝てた部分が多かったので。そこは良かったと思うのと。

オーストラリアの10番は後半から入ってきたんですけど、チャンスメークとかそういったものがうまくて。

186センチあって。身長もあるので。インパクトは大きかったです。

〇彼らに対峙できるようにもっと練習しないとという感じですかね。

はい。

〇またサポーターの方にメッセージをいただいてもいいでしょうか?

今日トップチームも試合がある中、来てくれたり。

ずっと応援してくれているので、自分たちも勝利という形でサポーターの皆さんに恩返しできればなと思っているので。

これからの試合は全部勝つ気持ちで行きたいと思います。

 

 

開幕からの3試合を1勝2分けの川崎フロンターレU-18。

まだまだ前半から力を発揮できることは少ない一方で、昨季までの出場時間が少なかった選手たちが、経験を積み、徐々に持ち味を発揮する時間をのばしてつつあることは、光明のように思えます。これからさらにプレミアリーグEASTという公式戦での経験を積んで、それぞれの持つものを発揮できる時間をのばしていくことができますように。

次節は浦和レッズユースとのアウェイゲーム。どんな試合になるのか、選手それぞれがどんなプレーを見せていくのか。とても楽しみにしています。

 

 

次節:プレミアリーグEAST第4節 vs 浦和レッズユース

4月26日(土) 午後2時キックオフ 埼玉スタジアム2002第4グラウンド

 

 

 

 

(文中敬称略)

 

 

 

 

 

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