東京国際大 – 阪南大 / 全日本大学サッカー選手権2回戦


12月16日,筑波大学が東海学生サッカーリーグの雄,常葉大学浜松キャンパスを2-1で下した試合に続いて,関西第3代表の阪南大学が関東第6代表の東京国際大学との試合に臨みました。インカレの常連となっている阪南大学に対し,関東1部昇格1年目にしてインカレ初出場を勝ち取ったダークホース,東京国際大が挑む構図。両チームの大応援団からの声援で賑やかに試合は始まりました。

【全日本大学サッカー選手権2回戦 東京国際大 vs 阪南大】
12月16日(土)午後1時半キックオフ 夢の島競技場 晴れ

東国大の先発はGK21 古島圭人,DFは右から2 古川雅人,4 國井拓也,キャプテン5 楠本卓海,3 中村彰吾,ダブルボランチに23 條洋介,10 安東輝,右に14 川上翔平,左に6 石田勇大,2トップに11 進昂平,19 町田ブライト。

阪南大の先発はGK21 渡邉健太郎,DFは右から2 真瀬拓海,5 長谷川隼,16 大塚勇気,3 吹ヶ徳喜,ボランチにキャプテン14 脇坂泰斗,8 重廣卓也,右に6 藤原奏哉,左に7 林雄飛,トップ下に10 山口一真,1トップ気味に18 町田蘭次郎。

川崎フロンターレU18出身で,来季の川崎フロンターレ入りが決まっている阪南大の脇坂はこれが最後の全国大会。川崎フロンターレU18出身のCB長谷川と共に先発となりました。同じく川崎フロンターレU18出身のGK 名良橋拓真は怪我のためメンバー入りはなりませんでした。

快晴だった第1試合から少し雲が増え,時折肌寒い気候の中キックオフ。
まずチャンスを作ったのは東国大。4分,右サイドでボールをもった23 條から中央の10 安東へ。ペナルティエリア前の位置から安東はロングシュートを狙いますが,これはDFにブロックされます。
対して阪南大はその直後の5分,右サイドで組み立てを図っていた8 重廣から中央へするするっと上がってきた10 山口一真がこちらもペナルティエリア前から鋭いシュートを放ちますが,これはGK21 古島がキャッチし先制点とはなりません。

6分の東国大は左からのコーナーキック。安東の蹴ったボールはニアサイドで5 楠本の頭へ。ヘディングシュートはGKにブロックされますが,こぼれ球に11 進が詰めます。DFがブロックしますが,これが再び楠本の眼前へ。冷静にゴール上へ決め,先制点。早い時間の得点に選手はもちろん観客席も湧き上がります。

11分には阪南大。ディフェンスラインで3 吹ヶがボールキープすると,中盤の18 町田蘭次郎へ。町田蘭次郎はこれを山口一真に預けると猛然とゴール方向へ。ワンツーで抜け出すと,ペナルティエリア角あたりから左足を振り抜きますが,これはゴール上へ。同点とはなりません。

16分にも阪南大。左サイドで山口一真と7 林のボール交換から突破を試みますが,DFに阻まれうまくいかず。しかし両サイドの局面で阪南大がいい形を作り始めます。

19分の東国大。左サイドでボールをキープし,じりじりと攻め込んで行く19 町田ブライトから,左サイド3 中村へ。中村は時間をかけずアーリークロスを入れます。ゴール前でこのクロスをトラップした進はうまく捌いて後方の6 石田へ。ここで乱れDFにクリアされますが,このクリアはペナルティエリア外に居た條の足元へ。條は迷わず右足を振り抜くと,これが鋭い軌跡を描いてゴールまで一直線。GKも反応できず,スーパーゴールで東国大に得点が生まれます。
相手が調子を取り戻してきていた時間帯に貴重な追加点となりました。

24分の阪南大は,14 脇坂が相手陣内でボールを奪うと,縦に走った山口一真へ絶妙なタイミングの浮き球スルーパス。これをうまく旨でトラップしペナルティエリアに侵入します。シュート体勢に入った際,相手DFとの接触があったかに見えましたがファウルはなし。更にそのこぼれ球に町田蘭次郎が飛び込みますがシュートは打てず。

26分にも阪南大。阪南大のクリアボールへのトラップの瞬間を狙ってうまくボールを奪った町田蘭次郎から速攻。山口一真,林とつないでクロスを送るも合わず。こぼれ球に反応し拾ったのは脇坂。6 藤原にボールを預けますが,藤原のクロスはゴールラインを割り,チャンスとはならず。

32分,相手CKのこぼれ球を拾ったのは東国大14 川上。前線で張る町田ブライトへ鋭いパスを送ると,町田ブライトはこれを必死にキープ。右サイドに走り込んだ2 古川が中央へ折り返すと,走り込んだのは再び川上。遠い位置から勢いのあるシュートを放ちますが,これはゴール上へ。

34分には阪南大。小気味良いパスワークから前線へボールを運んだのち,左サイドで吹ヶから町田蘭次郎への短いクロス。しかしこれは合わず。

40分,ここで最初の選手交代。阪南大は18 町田蘭次郎に代えて15 山口拓真を投入。前線の活性化を図ります。直後の42分,山口拓真に早速チャンスが巡ってきます。右サイドでボールを受けると縦に仕掛け,CKを得ます。

44分にも阪南大。相手ゴールキックの跳ね返りをうまく重廣が前へすらして山口一真が抜け出そうとしますが,これはオフサイド。チャンスとはなりません。

ここで前半終了のホイッスル。両チームとも持ち味を出しチャンスを作りますが,点数には差が出てしまいました。

両チームとも前半から選手の交代はなく,後半のキックオフ。

4分,東国大は自陣深い位置で奪ったボールを相手陣内へロングフィード。走り込んだのは町田ブライト。一度は町田ブライトがキープしたかに見えましたが,阪南大16 大塚が素晴らしいタイミングでスライディングし,ボールを奪い返します。

続く5分,東国大は3 中村が痛みます。プレー続行が不可能との判断で,24 高橋和洋と交代します。プレー再開後,阪南大は右サイドでボールをキープした山口拓真に対してディフェンスに行った高橋の肘が山口拓真の顔に入り,高橋にイエローカード。

これで得たFK,山口一真のボールはGK古島に弾かれますが,跳ね返りを左サイドでキープした吹ヶから再度クロス。右サイドに流れた5 長谷川が足で合わせますが,これはサイドネット。得点とはなりません。

なかなか得点の奪えない阪南大は7 林に代わって13 和田凌を投入します。

10分,阪南大が獲得した右CK,山口一真のゴールから遠ざかっていく軌道のボールに合わせたのは,後方から猛烈な勢いで飛び込んできた大塚。ダイビングヘッドでゴールの枠を捉えますが,GK古島のスーパーセーブで掻き出され,得点には至らず。

更に12分にも阪南大。右サイドでボールをキープした重廣はGKの位置を確認してからループシュート。しかしこれはわずかに上に外れます。この時間帯,阪南大は持ち前のパスワークで相手陣内へ押し込むも,なかなか得点にはつながりません。

対して東国大は14分,右サイドでのビルドアップの隙をついてボールを奪った2 古川が強烈なシュート。これはGK渡邉がなんとか弾きます。ここで東国大は10 安東に代えて27 宇高魁人を投入します。

そして15分,ゴールキックのバウンドをよく見た町田ブライトは落下点で頭でファーストタッチすると,身の反転で2人のDFを置き去りにしGKと1対1。ここでGKも躱し,無人のゴールへボールを流し込みます。阪南大には重い重い3点目が東国大はに転がり込みます。

直後の16分,東国大の高橋に対して2枚目のイエローカード。退場となります。

19分には阪南大。長谷川から右サイド山口拓真へのロングフィード。山口拓真は中央へのアーリークロスを選択しますが,これはDFにブロックされます。その跳ね返りを脇坂がボレーシュートしますが,これはGK正面。

20分,東国大は11 進に代えて12 小木曽佑太を投入。

26分の東国大。自陣深い位置からのロングフィード,落下点を見誤った阪南DFの裏を取った町田ブライトがドリブルで独走。GK目前で並走していた宇高へ横パスを出すも,宇高のシュートは枠を捉えず。絶好のチャンスをものにできません。

28分には阪南大。CKくずれから脇坂のアーリークロスに合わせたのは長谷川。頭一つ抜け出たヘディングシュートを放ちますが,これはゴール上へ。続けて31分,脇坂から左へスルーパスに抜け出したのは吹ヶ。鋭いクロスを入れますが,これには誰も合わせられず。

直後の32分,右サイドでボールを受けた山口一真がアーリークロス。合わせたのは岡部。頭で合わせたシュートはポストに阻まれますが,自身の前に転がってきたボールにワンタッチでゴール。阪南大,ようやく待望の得点を手にします。

阪南大の攻勢は続きます。34分,左CKの崩れから脇坂のハイボールに合わせたのはまたも長谷川。しかしシュートに勢いはなく,得点には至りません。

更に37分,左サイド浅い位置から脇坂のアーリークロス,逆サイド深い位置で山口一真がボレーシュートで合わせますが,これはバーをかすめてゴール上へ。追加点とはなりません。

そして両チーム追加点のないまま5分間の後半アディショナルタイムへ。

アディショナルタイムに入った直後の阪南大。ゴールキックからの流れで岡部から右サイドに抜け出した重廣へのスルーパス。受けた重廣は落ち着いてGKの逆サイドをつき,ゴール左へ流し込み点差を1点とします。

しかしこれ以降得点は生まれず試合終了。関西の強豪を下した東国大がベスト8へ駒を進めることとなりました。

前半2-0 後半1-2 計3-2
得点:楠本卓海,條洋介,町田ブライト(東京国際大) 岡部拓実,重廣卓也(阪南大)

東京国際大の先発:21 古島圭人,2 古川雅人,4 國井拓也,5 楠本卓海(c),3 中村彰吾,23 條洋介,10 安東輝,14 川上翔平,6 石田勇大,11 進昂平,19 町田ブライト
交代:中村→24 高橋和洋 安東→27 宇高魁人 進→12 小木曽佑太 川上→18 池添勘太郎 町田→13 浅利航大
控え:41 宮本泰誠,7 柳園良太,8 桶谷亮太,9 音泉翔眞

阪南大の先発:21 渡邉健太郎,2 真瀬拓海,5 長谷川隼,16 大塚勇気,3 吹ヶ徳喜,14 脇坂泰斗,8 重廣卓也,6 藤原奏哉,7 林雄飛,10 山口一真,18 町田蘭次郎
交代:町田→15 山口拓真 林→13 和田凌 真瀬→12 岡部拓実
控え:31 坂本大地,27 白石健,19 金来遠,24 田多英照,25 川崎雄一郎,11 松尾雄斗

大学での4年間を終えた脇坂選手。試合後に見せた涙にはこの4年間に対するたくさんの想いが詰まっていたものと思います。最後に笑顔を見られなかったのは残念ですが,次のステージで存分に笑顔になれることを願っています。
また,長谷川選手,名良橋選手には,これからの阪南大で中心になって活躍する姿を見せてくれることを願っています。

写真はとめさんにいただきました。ありがとうございます!

阪南大イレブン
東国大イレブン
長谷川選手
先制点は当国大に

司令塔として
強靭なフィジカルで存在感抜群だった町田ブライト選手
脇坂選手
町田ブライト選手が得点
長谷川選手
重廣選手
脇坂選手
長谷川選手
重廣選手がゴールを決める

次のステージに期待

CC BY-NC-ND 4.0 This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.

コメントを残す