10月25日Anker フロンタウン生田で行われたJユースカップ2ndラウンド第2節、ジュビロ磐田戦を1-1。
11月2日にJヴィレッジで行われるノックアウトラウンド、準々決勝進出を決めた川崎フロンターレU-18。
試合後に梶田隼渡コーチ、キャプテンを務めたMF小川尋斗、同点ゴールを決めたFW廣瀬寧生、右SBとしてフル出場したDF川西悠太の3選手に話を聞きました。
試合の記事は◇フロンターレU-18 – ジュビロ磐田U18 / Jユースカップ2ndラウンド第2節
「貴重な公式戦の場ではあると思うので。
そこは楽しみながら、自分たちの成長の場として、向き合ってやっていこうという話はしているので。
来週から一戦一戦、今日出た課題を、大きな違いに変えて、臨めたらいいかなと思います」
梶田隼渡コーチ

〇試合を振り返ってみて、率直な感想などお願いします。
しっかり引いてブロックをつくってくる相手に対してなかなかうまくいかずに。外回しが多くなっちゃったので。
なかなか自分たちのやりたいことができなくて。
ミスから失点してしまったのもあって、「より消極的になっちゃったかな」というのが前半あったので。
後半はそういうのも含めて、もう1回リセットして。「ちょっと積極的に」っていう話をして。
いいかたちは多く。同点だったんですけど、1点しか取れなかったんですけど、いいかたちはつくれたかな、と思うので。
「後半のゲームがスタートからやれていれば良かったよね」というような感じですね。
〇引き分けでも上に行くことが決まるというゲームだったとは思うんですけど、選手たちには試合前にはどういったことを話しました?
引き分けでもっていう話は選手たちもわかっていたんですけど。
次につなげるためにも、「やっぱり圧倒して勝とう」という話と。
あとは目標がJユースもそうですけど、プレミアっていうところもあるので。
やっぱり高いところを選手たちに意識してもらいたいので。「圧倒して勝とう」という話はしたんですけど、なかなか難しかったですね。
〇ハーフタイムには、選手たちに1回リセットして、もうちょっと真ん中を使えるといいよねというようなことを話しました?
そうですね。真ん中使うところと、サイドでクロスを上げることができるところと。中と外でまずはやりきるということ。
チャレンジするっていうところは選手には伝えました。
〇後半から武内君(武内勇人)を入れましたけど、どういう狙いで?
中央で崩すという狙いをもうちょっと選手たちに明確に伝えたかったというところと、あとは彼のトレーニングの最近のパフォーマンスを含めて、チャンスというか。
彼が浮上のきっかけになってくれればいいな、というのがあったので。
〇武内君、去年までは真ん中の選手という印象が強くて、だいぶサイドでもいいプレーを出せるようになってきたのかなという感じがしたんですけど、どうですか?
真ん中だとゲームメークというイメージが強くなっちゃうと思うので、彼自身が。
より、こう、ゲームメークというよりはチャンスメークという、サイドから中央と外と、自由に。ちょっとフリーマンじゃないですけど。
そういうタスクを与えて、より彼の良さが。キックが魅力なので。そういうのがより多く出ればいいなと思っていました。
〇Jユースに出ていた選手がだいぶプレミアにも絡んできているという印象があるんですけど、選手たちの成長は感じますか?
そうですね。チーム事情もあって、けが人も多くて。いろんな選手がチャンスをいただけているのは、Bチームというか、Jユース組もポジティブなところがあると思うので。
すごく、プレミアリーグを経験してもそうですし。普段Aチームと一緒にトレーニングをやれているというのも含めてより、この夏明けぐらいから一気に成長しているといううのは実感していますね。
〇今日はキャプテンが小川尋斗君で。プレミアに出ているメンバーもだいぶ出ていましたけど、そういった選手たちには違いを見せてもらいたい、というのもありますか?
そうですね。彼らが入ることで相乗効果じゃないですけど。
プレミアの基準を示してもらうというところと。あとは一緒に出ている選手たちが、それでそれぞれの特長がさらに出ていくっていうところも含めて。
プレミアに常時出ているような選手たちが、ゲームをより活性化させてもらえるのを期待はして、起用はしましたけど。
〇1週間後には決勝トーナメントが始まりますけど、それに向けては?
あと三つ(準々決勝、準決勝、決勝)。彼らの中では貴重な公式戦の場ではあると思うので。
そこは楽しみながら、しっかり自分たちの成長の場として、しっかり向き合ってやっていこうという話はしているので。
来週から一戦一戦、今日出た課題を、何かしら大きな違いに変えて、臨めたらいいかなと思います。
〇一発勝負の場を体験できるということはなかなかないことで。それを体験できるというのも大きいのかなと思うんですけど、どうですか?
最近Jユース組も含めてですけど、練習試合ですごくいいゲームが続いていたので。
ちょっと期待はしていたんですけど。
やっぱり公式戦という緊張感から普段と違うプレーをしていた選手も何人かいたので。
そういうのも含めて、また来週、固さはあるかなと思うんですけど。そこは彼らの経験値として。
そういうのを少しでも経験して、いいパフォーマンスができるようにやっていければなと思います。
〇またフロンターレのサポーターの方に。Jヴィレッジにもたくさん来ると思うんですけど、そういったサポーターの方にメッセージをお願いします。
今日は雨の中、内容も含めてちょっと、寒い感じの内容になってしまったんですけど。
次のノックアウトラウンドではしっかりと見に来ていただいている方、応援していただいている方が楽しくなるような、見ていて面白いサッカーが展開できるように、選手とともに頑張っていきますので、応援、引き続きよろしくお願いします。
「今日のような試合をやっていたら絶対勝てないと思うので。
来週の練習から質を高めて、次に向けられたらと思っています」
MF14 小川尋斗

〇試合の率直な感想などをお願いします。
次のラウンドに進めるっていう観点ではうれしいんですけど。
今日みたいな試合をやったら次絶対負けちゃうと思うので。
もっともっと。前半の部分でアクション起こして、ゴールに迫っていかないとだめだなっていうのは感じていて。
自分の中では今日の試合は「もっとやれたんじゃないか」っていうのがあります。
〇もっと相手を圧倒できるような試合をやりたかった?
そうですね。
〇それができなかった理由はどんなところにあると思いますか?
前半の入りでひるんでしまう選手。自分の特長を理解して、サイドバックやサイドハーフだったら縦への推進力を前半のうちに見せていけなかったっていうのがあって。
自分はボランチの選手なんですけど。前向いてもっと、真ん中のフォワードの選手にさすっていうボールが、前半は全然できていなかったので。
ゴールにつながるシーンっていうのが少なかったんじゃないかって思います。
〇後半で変えてみようと思ったことはありました?
梶田コーチからサイドハーフとか、もっと縦に。ブロックをつくられている中で、サイドからの起点で、縦突破というのを、ゴールに迫る手段のひとつとしてあるっていうのを言われていて。
それ以外にもっと、前半なんかは「真ん中につけろ」「もっと崩していけ」っていうのが。活を入れられたので。
それでみんな変わったんじゃないかって思います。
〇ずっとプレミアで出続けて、自分の成長も感じている部分があると思うんですけど、それはどうですか?
前育(前橋育英)戦で前半で交代になって。自分の中では本当に、けっこう悔しくて。
その中での横浜FC戦で。前半なんかは受ける回数が少なくて。森さん(森勇介監督)からたくさん言われていたんですけど。
後半はもっと自分で受けるっていうのを意識したら、けっこうゴールにつながるシーンが増えていったので。良かったと思うんですけど。
もっともっと前半の最初からギアを上げていくっていうのは、自分の中での課題ではあって。
そこを改善していったら、もっといいゲームになるんじゃないかっていうのはあります。
〇森さんはだいぶボールを取る部分で評価をしているというような話をしていて。そういった部分ではどうですか?
自分の特長はボールを取り切る。ボール奪取力だと、自分は思っているので。
そこのスキルはもっともっと上げていかないといけないっていうのは思っていますし。
それにプラスして攻撃の部分で、チャンスメークだったりゲームをつくるっていうのは、もっともっと自分の力にしていかないとなっていうのはあります。
〇自分の理想のボランチ像は攻守にかかわれるような感じですかね。
はい。田中碧選手なんかは、本当に守備でも取ったり。守備で取った後の攻撃へつながるパスだったり。
ハードワークがすごい選手なので、っていうのがあります。
〇来週から決勝トーナメントですけど、それに向けてどういったことをやっていきます?
次からは負けたら終わりという中で試合をやっていくので。
もっともっと緊張感は出てくると思うんですけど。
今日のような試合をやっていたら絶対勝てないと思うので。来週の練習から質を高めて、次に向けられたらと思っています。
〇前半から自分たちの良さを出せないようにしないとだめですよね。
そうですね。プレミアもそうですけど。前半で失点してしまうっていうのが多いので。
そこで失点ではなく、1点、2点、自分たちが取ってギアを上げていくっていうのが理想ですけど。
そこをやっていかないといけないというのは思います。
〇今日は相手に奥田君(奥田悠真)がいましたけど、やってみてどうでした?
悠真は小4からずっとやっている仲なので。一緒にできなくなったっていうのはけっこう悲しかったんですけど。
プロをどっちも目指して、ライバルとしてやっていく中で。悠真の特長であるドリブルであったりターンであったり。
今日前半ですごいうまいシーンだったり。あったので。「負けてられないな」っていうのはあります。
〇フロンターレのサポーターの方にメッセージをお願いします。
寒いなか、応援に来てくださり、ありがとうございます。
今プレミア中断期間で、Jユースが主体になっていくんですけど。
サポーターのみなさんの応援を力にして、Jユース優勝。そしてそのあとのプレミアにつなげていけたらなと思います。
ありがとうございました。
「前半消極的なプレーが多くて。後半になってからチャレンジとかできるようになっていたので。
やっぱり前半からそれをやることが大事だなって思いました」
FW17 廣瀬寧生

〇試合を振り返って率直な感想をお願いします。
今日は「圧倒して勝つ」っていうところでは全然うまくいっていなくて。
やっぱり課題が残ったゲームかなって思います。
〇自分のプレーについてはどうですか?
前半消極的なプレーが多くて。後半になってからチャレンジとかできるようになっていたので。
やっぱり前半からそれをやることが大事だなって思いました。
〇ゴールも取りましたけど、その場面について振り返ってもらってもいいですか?
こぼれてきたので。それをきちんと押し込むだけでした。
〇ああいうふうにこぼれ球にきちんと反応することって大事なのかなと思うんですけど、自分ではどう感じていますか?
やっぱりあそこに入っていくことで、サイドハーフでもフィニッシャーになれると思うので。
ゴールへの嗅覚っていうのは自分でも持っていると思います。
〇今はフォワードよりもサイドハーフのほうが主な感じですか?
そうですね。最近はそうなってきています。
〇フォワードよりもサイドハーフのほうがやりやすかったりします?
そうですね。両方やりやすいんですけど。やっぱりどっちにも良さがあって。
両方楽しいです。
〇サイドハーフの楽しさはどういうところですか?
やっぱり仕掛けたりクロスを上げたり。クロスに入っていくところだったり。
そこらへんが楽しいです。
〇イメージとしては逆サイドからクロスが来て、自分が押し込むという?
そうですね。
〇プレミアでもだいぶ出場の機会が増えていると思うんですけど、成長を感じています?
そうですね。前期たまにスタメンで出ていたんですけど、後期はまだ1回もスタメンで出たことがなくて。
ベンチスタートが多くて。自主練とかも増やして、技術面で。自分やっぱり技術が足りていないと思うので。
そこに目を向けて自主練とか増やしました。
〇スタメンで出たい気持ちがすごいあると思うんですけど、どうですか?
やっぱり同じポジションにはルカさん(ステンパールカ大翔)とか、うまい選手がいて。
それを超えて。勝たないといけないので。それを超えるには、やっぱりJユースとかで結果を出さないといけないと思うので。
結果を出していけたらいいと思います。
〇今フロンターレは攻撃陣が好調でそこに食い込んでいくことはなかなか大変なことなのかなとも思うんですけど。
そうですね。難しいとは思うんですけど。自分の特長を生かしてどんどん結果を出せたらいいと思いますね。
〇残りプレミアは4試合ですけど、そこでスタメンで出たいという気持ちも?
ありますね。やっぱりプレミアでまだ1点しか取れていないので。
そこで点を取るためにはスタメンでより長い出場時間を得ないといけないと思うので。
これからの練習からよりしっかりとやっていきたいと思います。
〇次から決勝トーナメントで。それへ向けての意気込みなどをお願いします。
今日のような試合をしていたら決勝トーナメントでは絶対勝てないと思うので。
練習からしっかりやって。来週のゲームにつなげられたらいいと思います。
〇フロンターレのサポーターの方にメッセージをお願いします。
今日はふがいない試合をしてしまったので、来週はしっかり勝てるようにするので応援よろしくお願いします。
「『ミスしてもいい。仕掛けろ』って言われていたので。『仕掛ける』『クロスを上げきる』っていうことを意識してやっていました」
DF30 川西悠太

〇今日の試合の率直な感想などをお願いします。
今日はまず、初めてスタメンというところで。すごい緊張感があったんですけど。
前半は自分のプレーがすごい消極的になってしまって。
すごいコーチ陣にも言われることがあって。
でも、そこから後半の頭からしっかり気持ちを入れ直して臨めたので。
前半よりも後半のほうがまだ良かったのかなって思います。
〇自分の特長はどういうところだと思いますか?
特長は右足のキックで。今日の試合でいったら右サイドバックなので。
外からのクロスだったりっていうのが武器です。
〇後半はだいぶクロスを上げる場面も多かったと思うんですけど、何か工夫をしていました?
もう「ミスしてもいい。仕掛けろ」って言われていたので。「仕掛ける」「クロスを上げきる」っていうことを意識してやっていました。
〇今日前半でなかなか良さが出せなかった原因は?
緊張感もあって。消極的なプレーになってしまったところが原因かなって思います。
〇レイエス(東急SレイエスFC U-15)からフロンターレに入って、ここまで振り返ってどうですか?
すごいいいチームメートとも出会えて。すばらしいコーチ陣の方からも教わって。
今まではレイエスのサッカーっていうのをやっていたんですけど。
「徐々にフロンターレのサッカーに自分が染まっていきたい」っていう気持ちで日々やっています。
〇自分のこういうところが成長したと思う部分は?
やっぱりレイエスにいるときはチームの中心としてやっていたので。
試合に出れていて、多少浮かれているところがあったと思うんですけど。
フロンターレに入って、試合に出られなくて。
悔しさを日々の練習にぶつけていかないとなっていう向上心が最近はすごいあります。
〇フロンターレのサイドバック、一聖君(平内一聖)とか、いい選手がいるなっていう印象もあると思うんですけど、見ていてどうですか?
一聖君はすごい速いし、うまいし、走れるので。見ていて「負けていられない」っていう気持ちが強いです。
〇サイドバックとしてお手本にしている選手はいるんですか?
ベン・ホワイト選手(アーセナルFC)。攻守ともに、技術もあってすごいなって思います。
〇自分も守備でも攻撃でもという選手に?
はい。そうですね。
〇フロンターレのサポーターの前でプレーすることはどうですか?
すごいひとつひとつのプレー。プレーが切れた後にも歓声とか聞こえて。
すごい励みになりますし。
後ろから背中を押していただいて、すごいありがたいです。
〇次から決勝トーナメントになりますけど、それに向けて意気込みをお願いします。
自分が試合に出るか、出られないか、まだ分からないんですけど。
出れたとしても出れなかったとしてもできることを全力でして。
まずは試合に向けてはしっかり出られるように火曜日からの練習、全力でやっていきたいと思います。
〇フロンターレのサポーターの方にメッセージをお願いします。
今年から入って1年目なんですけど。練習日々頑張っていって。
もっとプレミアだったり、クラブユース。いろいろ、スタメンの座を勝ち取って頑張りたいと思うので。応援よろしくお願いします。
◇
ノックアウトラウンド進出にも、試合後は笑顔が少なかったフロンターレU-18の選手たち。
試合後のコメントからも「今日のような試合をやっていてはいけない」という気持ちが強くあるように思いました。
そうした危機感のようなものも、今のフロンターレU-18は必ず次の試合への力に変えるはず、とも感じさせられます。
準々決勝は、11月2日午前10時半、Jヴィレッジにて。
1週間トレーニングを積んで、キックオフの笛が鳴った瞬間から、チームの力を、選手たちが持っているそれぞれの力を見せ、相手を上回るような試合になりますように。
そして、さらなる成長の場を得られる大会になることを願っています。
(文中敬称略)
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