6月16日は山梨県昭和町、JR身延線国母駅から徒歩20分ほどの押原公園へ。U-15年代の夏の全国大会、日本クラブユース選手権の関東予選、関東クラブユース選手権が始まり、川崎フロンターレU-15もFC多摩ジュニアユースとの1回戦に臨みました。この大会には、各都県の予選を勝ち抜いた40チームと関東ユース(U-15)サッカーリーグに所属する20チームの計64チームが出場。上位15チームが日本クラブユース選手権の出場権、16位から19位までがインターシティカップEASTに出場します。
【川崎フロンターレU-15 日本クラブユース選手権関東予選1回戦 vs FC多摩ジュニアユース】
6月16日(土)午後1時15分キックオフ 押原公園人工芝グラウンド 曇り一時晴れ 40分ハーフ
フロンターレの先発はGK21青山海、DFは右から2高畠捷、3田鎖勇作、6田中慶汰、28浅岡飛夢、ボランチはキャプテンの10小室愛樹、8秋葉拡人、右MF7甲斐翔大、左MF18入江流星、FW11五十嵐太陽、9田中幹大。
第1試合、ヴァンフォーレ甲府が後半ロスタイムに追い付き、PK戦の末にFCファイターズを下したのに続いての試合。心配された雨は上がり、時折日差しも照らす押原公園には、両チームの選手の家族や電車などで駆けつけたFC多摩の選手らが集まるなか、試合は始まりました。
立ち上がり、ゴールに迫ったのはFC多摩。2分にはエリア前でファールを受けると、10が地を這うようなボールを入れ、直接ゴールを狙いますが、青山がしっかりキャッチ。さらにFWの11が左へ流れ、エリアへ向かい仕掛けていくも、高畠がスライディングでクリア。なおもマイボールにすると、サイドへ振って攻勢に出るFC多摩。右MFの18がクロスを上げますが、青山がセーブ。
しのいだフロンターレは5分、浅岡が自陣から前線へボールを入れると、田中幹大がエリア外左へ流れ、いったんはFC多摩にボールが渡るも、左サイドの高い位置で五十嵐がカット。五十嵐のミドルシュートは左へ。さらに高畠が右サイドから中へ切れ込み、エリア前の五十嵐へ縦パス。五十嵐から右へ展開し、甲斐の右クロスに田中幹大が飛び込みますが、GK1が対応。
フロンターレは、さらに田中慶汰や田鎖に小室や秋葉がかかわり後ろでボールを回し、甲斐らに預けたところから前に出ていこうとしますが、FC多摩の寄せも速く、そこからゴールに迫られる展開に。FC多摩がファールを受けて、10のフリーキックから得点を狙いにいく場面をつくっていきますが、青山がしっかり対応し、しのいでいきます。
10分には高い位置でFC多摩がボールをカット。エリア右へ18が抜け出し、うまく切り返しシュート。枠をとらえますが、青山がセーブ。直後にはフロンターレ、小室の縦パスを受けた秋葉から右へ。高畠が高い位置からクロスを上げると、エリア左で田中幹大が競るもこぼれ球はクリアされ、シュートには結びつかず。
フロンターレは、さらにFC多摩の出足の良さになかなか前へ運べず、サイドからの攻めを受ける時間が続きますが、田中慶汰がシュートをブロックしたり、田鎖もしっかりエリア内に入ったボールをクリア。枠をとらえたシュートは青山がポジショニング良くキャッチし、決定的な場面はつくらせず。ボールを受けた小室がFC多摩の選手の寄せをうまくかいくぐり、田中幹大とのパス交換から前に出るなどして打開を図っていきます。
15分にはFC多摩、中盤の10から右へ。5の右クロスからエリア内へボールが入るも高畠がクリア。さらにFC多摩がボールをものにする場面は続き、16分には8が左クロスを入れるも、入江が自陣まで戻って対応。FC多摩はトップ下の7がボールを多く受け、そこから前を向いて起点になっていきますが、エリア内へ動き出す11を狙ったパスは田中慶汰が読みよくカット。しのいでいきます。
19分にはフロンターレ、高畠が右サイドから斜めに仕掛け、FC多摩の選手を振りきり、秋葉にボールをつけると、秋葉、田中幹大と縦につながり、ボールは右に。五十嵐がエリア外右へ抜け出しますが、3がうまく体を入れ、シュートは打てず。直後にはFC多摩、7がまたもうまくボールを受け、エリア右から18がシュートを打つも青山がここでも落ち着いてセーブ。22分には11が左サイドから縦へ仕掛け、シュートを打つも左へ。さらに7がエリア前で前を向いて、エリア右の18へパスを出すも田中慶汰がカバー。
25分にはフロンターレ、入江の左サイドからの浮き球を田中幹大が競り、エリア外から五十嵐がシュートを打つもGK1の正面。そこからフロンターレは前に次第に出られるようになり、26分には小室から左へ。入江から高い位置の浅岡とつながり、五十嵐とのパス交換からエリア外左で浅岡がミドルシュートを打つも右へ。さらに小室から右へ展開すると、甲斐との連係から高畠のクロスへつなげるなど、FC多摩陣内での場面をつくっていきます。
入江が時折中盤まで下り縦パスを受けるなどコンパクトにしていくフロンターレ。31分には甲斐の縦パスを受けた田中幹大から右へ。五十嵐にボールが渡り、最後はエリア右から田中幹大がシュート。ニアをとらえますがGK1が足で止める好守。さらにたたみかけていくフロンターレ、右サイドからのスローインの流れから最後は五十嵐がエリア正面でシュート。FC多摩のブロックに阻まれましたが、シュートに持ち込めるようになっていきます。
田鎖や田中慶汰に小室がかかわり、両サイドを高くして押し込んでいくフロンターレ。35分にはそれを突くようにボールをものにしたFC多摩が右サイドからの攻めに。クロスのクリアボールをエリア内で拾った8がシュートを打ちますが、青山がセーブ。フロンターレも好守で応戦していきます。
しのいだフロンターレは36分には田鎖のフィードを田中幹大がおさめ、右へ。甲斐とのパス交換からエリア外右へ田中幹大が抜けるもFC多摩の選手にファールを受け、シュートを打つことはできず。これで得たフリーキック、甲斐が左足で直接狙いますが、枠をとらえたシュートはGK1がキャッチ。
ラインを上げ、コンパクトにして攻撃へとつなげていくフロンターレ。38分左サイドで浅岡が縦へパスを出すと、五十嵐がうまく前を向いてFC多摩の選手を振りきり、入江がエリア前左へ抜け出しシュート。ボールはゴール右へ決まり、1-0。先制点はフロンターレへ。
フロンターレはさらに高い位置で田中幹大がボールをおさめ、コーナーキックを得るなどしていき、FC多摩陣内でのプレーを続けて前半はタイムアップ。1-0でハーフタイムとなります。
後半立ち上がりからラインを上げ、小室や浅岡がうまくFC多摩のプレスを外しながら攻撃を試みていくフロンターレ。しかし、3分、田中幹大がボールを競り合った際に負傷し、ピッチの外へ。5分15南暖が交代で入ります。
FC多摩はファールやフロンターレのハンドから立て続けにフリーキックを得ますが、フロンターレは青山を中心にエリア内でしっかり守って、ゴールは許さず。
11分には小室が入江とのパス交換から前へエリア外左へ。折り返しをエリア内で南がおさめ、五十嵐のフォローを経て、エリア右で甲斐がシュート。枠をとらえますが、GK1がわずかに触り、惜しくも追加点とはならず。
コーナーキックとなり、右から甲斐が左足でボールを入れ、こぼれ球をエリア外左で拾った五十嵐がエリア内へ仕掛けていくと、FC多摩の選手のハンドがあり、エリア外左、ラインぎりぎりでフリーキックに。秋葉が右足で入れたボールに、高畠がエリア内で合わせますが、ボールは右へ。
FC多摩も直後にはエリア外右でファールを受け、フリーキックとなりますが、ここでも青山がしっかりボールをキャッチ。さらにサイドチェンジを受けた9が右サイドから仕掛けていきますが、浅岡が粘り強く対峙していき、エリア内へは近づかせず。
なおも9の右からの仕掛けからゴールへ迫ってくるFC多摩でしたが、浅岡に加えて小室もカバー。次第にFC多摩はロングボールを入れる場面をつくっていきますが、田鎖や田中慶汰、高畠がそれぞれカバーし合い、しのいでいきます。
20分にはフロンターレ、五十嵐が中盤まで下り、マイボールにすると、秋葉のスルーパスにエリア右へ、南が抜け出そうとしますが、FC多摩の選手も読みよくこれをカット。惜しくもシュートにはつなげられず。
21分にはフロンターレ、浅岡に代わり13山田新己が入り右MF。甲斐は左SBに。直後には高い位置でマイボールにしたフロンターレ。エリア外右から山田が折り返しますが、FC多摩も戻りが速くクリア。
25分にはFC多摩、エリア外右でフリーキックを得ると、エリア内で折り返しますが、五十嵐がエリア右へこぼれたボールをクリア。
FC多摩は5に代わり後半20分に入った右SBの19のロングスローからゴールを狙いに。フロンターレは南や五十嵐もエリア前に下がり、応戦。マイボール時にはサイドからの攻めを強めていくFC多摩に対し、田中慶汰や田鎖のカバーリングなどでしのぐ時間が続いていきます。
32分にはFC多摩が右サイドからの攻めに。9との連係から高い位置へ上がった19がクロスを上げ、左へ流れたボールを拾った2のクロスがエリア右にこぼれるも、甲斐がカバー。
フロンターレは、なかなか前線でボールをキープできず、FC多摩がフロンターレの陣内でプレーする時間帯がさらに続きますが、田中慶汰のカバーや青山のセービング、甲斐が中へ絞ってうまくボールをクリアするなど、それぞれ集中した対応を見せ、試合はロスタイムへ。
しかし、ロスタイムが4分に差し掛かったころ、19のロングスローはしのいだものの、こぼれ球を拾った19のクロスがエリア内に。遠いサイドで折り返したボールを押し込まれ、1-1。FC多摩が同点に。
試合はタイムアップとなり、PK戦へ。
先攻はフロンターレ、後攻はFC多摩で行われたPK戦は、青山が2度止める好守を見せるも、FC多摩のGK1も2度止め、対戦相手ながら素晴らしいプレーを見せるなどし、4-5で決着。フロンターレの関東予選はここで終わることになりました。
前半1-0 後半0-1 計1-1
得点:入江流星
フロンターレの先発:21青山海、2高畠捷、3田鎖勇作、6田中慶汰、28浅岡飛夢、10小室愛樹(c)、8秋葉拡人、7甲斐翔大、18入江流星、11五十嵐太陽、9田中幹大
交代:田中幹大→15南暖 浅岡→13山田新己
このチームが全国大会で戦い、さらに強くなっていくところを見たかった-。それがかなわなかったことをとても残念に思います。しかし、まだまだシーズンは続いていきます。この経験を通して、立ち上がっていくチームや選手たちの姿を見ることをとても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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