川崎フロンターレが等々力陸上競技場でファン感謝デーを行った6月30日は矢板中央高校の東泉グラウンドへ。プリンスリーグ関東は第7節。前節横浜F・マリノスユースに2-1で勝利した川崎フロンターレU-18は、6戦全勝で首位に立つ矢板中央との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第7節vs矢板中央】
6月30日(土)午前11時キックオフ 矢板中央東泉グラウンド 晴れ
フロンターレの先発はGK21青山海、DFは右から17宮本ディアウ勇守歩、キャプテンの4高吉正真、2栗田悠巨、14古岡佑斗、ボランチは6小川達也、32山内日向汰、右MF11有田恵人、左MF9山田新、FW24鈴木大登、10宮代大聖。
矢板中央の先発は、GK1安西駿、DFは右から2後藤裕二、15五十嵐磨於、キャプテンの4白井陽貴、5内田航太郎、ボランチは16池田隼人、6土谷大晟、右MF17伊藤恵亮、左MF8木村泰晟、FW18久永武蔵、11望月謙。
前日これまでにない早さで、梅雨明けが宣言されたばかりの関東甲信地方。朝から今年の夏が厳しいものになると感じさせる日差しがそそぐ矢板中央東泉グラウンドには、多くの両チームの家族やサポーターらが集まり、フロンターレのサポーターがチャントを歌えば、矢板中央側も拍手で選手たちを励ますなか、試合は始まりました。
立ち上がり、ハイボールを入れ、そこからうまいコンビネーションでゴールに迫るのは矢板中央。4分にはエリア前で望月謙が競ったボールを拾い、久永がシュートに持ち込むも上に。フロンターレは高吉や栗田が競り、小川や山内がうまくカバーししのいでいきます。
5分にはエリア前で矢板中央にボールをカットされ、エリア右へ久永が抜け出しますが、シュートは青山が足でブロックする好セーブ。
フロンターレも、次第に矢板中央の前からのプレスをうまく外しながら次第にボールを運べるように。山内や小川が、高吉や栗田とかかわり、宮本や古岡が機を見て、高い位置取りに。しかし、矢板中央は望月や久永前線の選手も自陣に戻りコンパクトに。なかなかエリア内へフロンターレは入っていくことはできず。
11分には右サイドでスローインを得た矢板中央。後藤のロングスローをエリア前で再び望月が競り、エリア内に入ったボールを久永が拾うも栗田がクリア。続けて、左サイドの裏を突くパスで望月を走らせる矢板中央。しかし、高吉がうまくカバー。直後にはフロンターレ、高吉が宮代にフィードを入れ、宮代とのパス交換からエリア外左から山田がシュートを打つもブロック。決定的なものとはなりませんでしたが、守備から攻撃へつながるようなプレーを見せていきます。
フロンターレはなおも栗田がフィードを入れたり、高吉が中盤まで受けに戻る鈴木に縦パスを入れ、そこから右サイドで宮本や有田、鈴木がうまくかかわり合いながらボールを持つ時間帯をつくりに。矢板中央の浮き球やクロスからエリア内に入るボールに対しては、高吉や栗田がよく対応し、サイドに流れてくる選手に対しては、宮本がうまくカバー。
しかし、17分矢板中央は、左コーナーキックのこぼれ球を拾った池田のシュートが決まり、0-1。フロンターレは先制を許すことに。
フロンターレは、小川が右サイドからエリア前に斜めに動き出す有田を狙い、浮き球のパスを入れたり、高吉の縦パスを受けた鈴木がうまく前を向いて、そこから右へ展開し、有田が高い位置へ抜け出そうとするなどしていきますが、なかなかシュートを打つには至らず。
24分には矢板中央、白井のボールカットから左サイドの高い位置へ久永が上がり、折り返したボールがエリア内に入りますが、栗田がクリア。
再びボールをものにしたフロンターレは、山内がパス交換からエリア前に迫ったり、小川が左サイド、高い位置の山田へ正確なサイドチェンジを通るなどして揺さぶりにいきますが、なかなかエリア内までは近づけず。
27分に取られたこの日最初の給水タイムを挟み、小川がよくフォローしながら、ボールに多くの選手がかかわりながら前に出ていくフロンターレ。宮代が右サイドでスローインを受け、パス交換から左へ流れ目先を変え、小川が有田を右サイドの高い位置へ走らせるなどしていきます。
矢板中央は31分、久永に代わり10飯島翼がピッチに。矢板中央は、飯島がサイドに流れるなどして、木村らとかかわり、巧みにボールをキープ。フロンターレは小川や高吉が厳しく寄せ、前を向かせないようにしていきます。
37分には高吉の縦パスをワンタッチで宮代が右へさばいて、有田がエリア右へ抜け出しますが、矢板中央の戻りが速くシュートを打つことはできず。なおも宮本が有田との連係から高い位置へ抜け出し、クロスを上げるなどしていくフロンターレ。40分には古岡が浮き球のパスをエリア左に入れると、宮代が前を向いてシュートを打ちますが、シュートはGK安西の正面。
44分には古岡の縦パスをエリア左で受けた宮代が、高い位置へ山田を走らせ、折り返しのボールをエリア内に入れるもオフサイドがあり、決定的なものとはならず。
ロングスローから追加点を狙いに来る矢板中央には、高吉や栗田ら青山がしっかり対応しながら、なかなか攻撃面では矢板中央のゴールをおびやかすことはできず。
終了間際には飯島のボール奪取から伊藤がエリア外右に迫ったり、後藤のロングスローから矢板中央が追加点を狙いにくる場面が続きますが、フロンターレは落ち着いて対峙し、前半は0-1でタイムアップとなります。
暑さが厳しさを増すなか、始まった後半。立ち上がりには望月に代わり入った14大塚尋斗が高い位置でうまくスローインを受け、飯島翼を右サイドの高い位置へ走らせますが、高吉が粘り強くカバー。さらにセットプレーからゴールに迫る矢板中央に対し、宮本がクリアボールを正確に宮代へつなげ、しのいでいきます。
3分にはフロンターレ、高い位置で小川がボールをカットし、エリア左へパス。山内が抜け出しますが、シュートはブロック。
矢板中央の攻めに対して、山田が中に寄り、小川が巧みに体を入れるなどして対応していくフロンターレ。6分には矢板中央、伊藤がエリア正面へ顔を出し、ミドルシュートを打ちますが、青山がしっかりボールをセーブ。
フロンターレは鈴木が中盤まで下り、有田を右サイドの高い位置へ走らせたり、古岡のサイドチェンジからエリア外左へ山田が迫るなどしていきますが、矢板中央は土谷や後藤がうまくカバー。なかなか決定的な場面には至らず。
10分フロンターレは鈴木に代わり、前節怪我のため欠場した18宮城天が入り、左MF、山田がFWへ。11分にはファールを左サイドの高い位置で受けていたフロンターレ、古岡がすばやくリスタート。宮代や古岡、宮城がエリア外左でボールを回すと再びファールを受け、フリーキックに。宮城がエリア内へ右足でボールを入れるとこぼれ球にエリア右へ小川が迫りますが、最後はファールとなり、シュートにはならず。
直後には矢板中央、右サイドでスローインを得ると、大塚が競ったボールを土谷が拾い、ミドルシュートを打つも右へ。13分にはフロンターレ、宮代がボールを競ると右へ有田が上がり、そのスルーパスにエリア内へ山田が抜け出しますが、GKの安西の前にシュートを打つことはできず。
フロンターレはさらに宮本が自陣からエリア前にボールを入れたり、小川も浮き球のパスを入れたりし、前線の山田を走らせたところからゴールを狙いに。15分には山田が左サイドに流れ、リターンを宮城が左サイドで受け、古岡とのパス交換からエリア左へ。折り返したボールにエリア右で有田が合わせますが、ミートしきれず。惜しくもゴールとはならず。
フロンターレは宮城が時折中央に顔を出し、山内や小川とかかわりに。宮城が宮代を狙い、スルーパスを送ったり、山内がエリア内に顔を出したりするなどして、矢板中央のエリア前に迫っていきます。16分にはエリア左へ山内が抜け出し、折り返すと宮代がエリア前に進入、シュートに持ち込むも矢板中央の寄せも速く枠へは飛ばせず。
矢板中央はここで伊藤に代わり7山下純平が右MFに。18分には左サイドから攻勢に出る矢板中央。クロスをエリア内に入れると、ゴール右へ山下が飛び込みますが、枠はとらえられず。矢板中央はさらに大塚が競ったボールをエリア前で飯島が拾い、飯島のパスにエリア右へ抜け出した大塚がシュートを打ちますが右へ。
フロンターレはなかなかセカンドボールを拾えない場面が続いていきますが、20分には宮城が中央に寄り、マイボールに。スルーパスにエリア左へ山田が抜け出し、GK安西を引き付け、リターンを受けた宮城がエリア外左からミドルシュートを打つも左へ。
矢板中央も21分にはセンターライン付近からのフリーキックのこぼれ球を右サイドで飯島が拾い、右クロスを入れるとニアで池田が反応しますが、宮本がエリア内に絞ってうまくカバー。そこからフロンターレはボールをつなげ、左へ展開。宮城がサイドを右に変え、有田が高い位置へ上がり、エリア前に送ったボールに山内が詰め、ミドルシュートを打つもブロック。
この日2回目の給水タイムを挟んで、26分には大塚が競ったボールに木村が詰め、エリア内に迫ってくる矢板中央。しかし、フロンターレはエリア内で宮本が対応し、決定的な場面をつくらせず。コーナーキックとなりますが、しっかり対峙していき、右サイドの宮城へボールが渡り、切り替えよく攻撃へ移ろうとしていきます。
31分には再び矢板中央。大塚からボールを受けた木村のパスにエリア内へ土谷が抜け出すもフロンターレはクリア。しのいで中央へボールをつけると前を向いた宮城の右サイドへのパスを宮代がスルーし、山内がエリア外右の高い位置へ。右からクロスを上げると、エリア内、宮城が頭で合わせたボールはゴールの中へ。1-1。フロンターレが追い付きます。
フロンターレはここで古岡に代わり8上野綜太が左SBに。直後には宮城が再びエリア外正面で前を向き、スルーパスを送ると宮代が抜け出しますが、シュートはGK安西がセーブ。惜しくも勝ち越しゴールとはならず。
小川がセカンドボールをよくものにしつつ、宮城を山内が追い越し、人をかけた攻めに持ち込んでいくフロンターレ。40分には高吉の縦パスを受けた宮代のスルーパスにエリア内へ山内が抜け出すもシュートはブロック。さらに左サイドから上野の縦パスを受けた宮城のリターンを受けた上野が矢板中央の選手の股を抜くボールを通してエリア左へ顔を出すも矢板中央はここでも粘り強く守り、シュートは打てず。
矢板中央も、木村に代わり入った9板橋幸大が左サイドの高い位置へ抜け出すなどして攻勢に。44分には大塚のヒールパスにエリア左へ板橋が抜けるも、宮本がここでも粘り強く寄せていき、エリア前で前を向いた土谷のスルーパスには青山が対応。さらに板橋が左サイドから斜めに仕掛けてエリア内へ迫っていきますが、高吉がクリア。
フロンターレはここで有田に代わり22松永竜之介が右MFに。ロスタイムは3分。46分には右コーナーキック、板橋がエリア内へボールを入れると、ゴールの前で混戦となり、矢板中央があとは押し込むだけという場面になりますが、フロンターレも粘り強く何とかこれをしのぎ、勝ち越しのゴールは許さず。試合はタイムアップとなり、1-1。矢板中央の連勝は6で止まり、フロンターレは勝ち点1を得ることになりました。
前半0-1 後半1-0 計1-1
得点:宮城天(川崎) 池田隼人(矢板中央)
フロンターレの先発:21青山海、17宮本ディアウ勇守歩、4高吉正真(c)、2栗田悠巨、14古岡佑斗、6小川達也、32山内日向汰、11有田恵人、9山田新、24鈴木大登、10宮代大聖
交代:鈴木→18宮城天 古岡→8上野綜太 有田→22松永竜之介
控え:19川合我空 15道間雄生 20澤田泰大 30岡崎玄 23常安澪 34田中慶汰
矢板中央の先発:1安西駿、2後藤裕二、15五十嵐磨於、4白井陽貴(c)、5内田航太郎、16池田隼人、6土谷大晟、17伊藤恵亮、8木村泰晟、18久永武蔵、11望月謙
交代:久永→10飯島翼 望月→14大塚尋斗 伊藤→7山下純平 木村→9板橋幸大
矢板中央の強みが多く出るなかで、粘り強く対峙していき、同点まで持ち込んでいったフロンターレ。夏の厳しい暑さのなかでも最後まで動きを落とさずに戦い抜いたことは、プリンスリーグはもちろん日本クラブユース選手権にもつながるものになると思います。
(文中敬称略)
写真はかんちさんのものも使わせていただきました。ありがとうございます。
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