神奈川県 – 山梨県 / 国体関東ブロック大会


8月12日は前橋フットボールセンターへ。愛媛県で開かれる国体の出場権を懸けた国民体育大会関東ブロック大会は2日目。前日の試合で千葉県に敗れた神奈川県は、栃木県を延長戦の末に下した山梨県を対戦相手に、勝てば国体出場が決まり、負ければその道が絶たれる決定戦に臨みました。

【国民体育大会関東ブロック大会サッカー少年男子 神奈川県 vs 山梨県】
8月12日(土)午前9時半キックオフ 前橋フットボールセンターA 曇りのち晴れ 35分ハーフ

神奈川県の先発はGK12山田怜於(鎌倉高校)、DFは右から2島崎元(川崎フロンターレU-18)、5小林夏生(横浜F・マリノスユース)、4岩井龍翔司(横浜F・マリノスユース)、13小林佑煕(湘南ベルマーレユース)、ボランチは7山本理仁(東京ヴェルディユース)、8柴田壮介(湘南ベルマーレユース)、右MF9松田詠太郎(横浜F・マリノスユース)、左MF6柴田徹(湘南ベルマーレユース)、トップ下15石井宏育(横浜F・マリノスユース)、FWはキャプテンの10斉藤光毅(横浜FCユース)。前日からメンバーの変更があり、川崎フロンターレU-18の11宮城天はベンチスタートに。

山梨県の先発はGK12田中大貴(山梨学院)、DFは右から2菊川千尋(甲府商業)、3具志寛太(山梨学院)、4井上樹(ヴァンフォーレ甲府U-18)、5伊藤真都(ヴァンフォーレ甲府U-18)、ボランチは6丸山友輝(山梨学院)、8塚越誠也(日本航空)、右MF14江井晋之助(日本航空)、左MF7名執龍一(韮崎高校)、FWは9石井莉空斗(ヴァンフォーレ甲府U-18)、キャプテンの10丹野健心(山梨学院)。

次第に青空が広がっていき、だんだんと気温が上がっていく前橋フットボールセンター。「がんばれよ」。両チームの選手たちの家族らが見守る中、試合は始まりました。

立ち上がり、前に出て行ったのは神奈川県。島崎の縦パスに松田がエリア外右へ抜け出して折り返すと、山本がエリア前にこぼれたボールを拾ってえリア内へパス。それに斉藤が抜け出しますが、GK田中が先に前に出てシュートにはつながらず。それでも、最終ラインの小林夏生が高い位置まで持ち上がって縦にパスを入れて、松田が石井とのパス交換からゴール前に迫るなど、いい形で神奈川県は試合に入っていきます。

山梨県もマイボールにすると、前線の丹野に浮き球のパスを入れて起点をつくろうとしますが、小林夏生がうまくこれに対応。3分には神奈川県、岩井の縦パスにエリア左へ柴田徹が抜け出し、折り返しますがこれには誰も触ることはできず。それでも、パスをカットされても山梨県の江井に対して、小林佑煕がうまくボールをカット。エリア前でマイボールにしようとする丹野にはまたも小林夏生がうまく体を入れて攻撃にはつなげさせず。右サイドから仕掛けてくる菊川のボールを岩井がカットし、クリアに逃げるのではなく、しっかり柴田につなげるなど切り替えよく、プレーを続けていきます。

6分には斉藤とのパス交換からエリア左へ柴田徹が進入するも山梨県の選手はクリア。7分には右サイドからの神奈川県の攻め、島崎がパス交換からエリア正面やや右へ。右足を振り抜くもシュートはやや左に。

神奈川県は石井が山本や柴田壮介と近い位置でプレーし中央から組み立て。島崎や小林佑煕が高い位置取りで、コンパクトにしながら前に出ていき、柴田壮介が中盤だけではなく、サイドの高い位置に上がるなど、攻撃に厚みを加えていきます。11分には左サイド、柴田徹のパスにエリア左へ柴田壮介が抜け出し、ダイレクトでシュートを打つもこれは右に。さらに小林佑煕の縦パスにエリア左へ柴田徹が抜け出して、最後は斉藤光毅がシュートを打ちますが、枠をとらえたシュートは山梨県のGK田中の好守に阻まれて決めることはできず。13分には左サイドのスローインを受けた斉藤がエリア前へ仕掛けてシュートを打ちますが右へ。

攻められていた山梨県でしたが、13分には神奈川県陣内のボール回しに対してプレスをかけてマイボールに。エリア左の丹野のシュートにつながりますが、これはワンタッチあり、決まらず。しかし、右から丹野が右足で蹴ったコーナーキックに井上が合わせて、ゴールネットを揺らします。0-1。最初の決定機をものにした形で先制点は山梨県へ。

追いかける展開となった神奈川県は、右サイドから仕掛けてくる江井に対して、岩井と小林佑煕がうまく連係して対応し、追加点にはつなげさせず。山本がよくセカンドボールを拾って攻撃につなげていきます。17分には左サイドの高い位置へ小林佑煕が上がり、エリア右へパスを出すと松田が抜け出しますがこれはオフサイドに。19分には山本のサイドチェンジを受けた柴田徹が左サイドから仕掛けて最後はミドルシュートで狙いますが、これは左に。ブロックを組んで構えてくる山梨県に対して、パスをつなぎながら神奈川県は同点を狙っていきます。

23分には神奈川県に交代。石井に代わって宮城天がFWへ。直後には山梨県。石井が右サイドへ流れて折り返すと、エリア外左へ塚越が抜け出しますが、島崎と山本が囲い込むようにこれに対処。

切り替えて攻撃につなげるパスを出していく神奈川県でしたが、山梨県も、柴田壮介の縦パスにエリア外左へ抜け出した宮城に対して、具志が体を入れてエリア内へ近づかせないなど、しっかりした守りを見せていきます。29分には岩井が縦パスを入れると宮城を経由してエリア内へ斉藤が抜け出しますが、山梨県はクリア。さらに島崎が右サイドから縦パスを入れ、宮城を経由して最後はエリア右、斉藤がシュートを打ちますが、これはGK田中が対応。さらに人数をかけてパスをまわしていき、33分には山本がミドルシュートを打ちますが、これは上に。34分にはエリア外左で山本がファールを受け、山本のフリーキックにエリア内、岩井が飛び込みますが山梨県の選手にブロックされて決めることはできず。ボールを保持し攻めながらもなかなかゴールネットを揺らせないまま、前半は0-1でタイムアップ。山梨県がリードし、ハーフタイムへ。

雲に隠れていた太陽が顔を出し、日差しが降り注いでこの季節の前橋らしい厳しい暑さのなか、始まった後半。山梨県は江井に代えて13能口岳斗(日本航空)を入れ右SBに。右SBだった菊川が右MFに。神奈川県にボールが渡ると、菊川や名執も自陣の低い位置まで下がって、5バック、あるいは6バックのようになって、同点を狙っていく神奈川県に対処。マイボールにすると丹野が積極的に仕掛けて追加点を狙ってきますが、神奈川県は小林夏生や小林佑煕、さらには山本がよくカバー。追いかける展開でもじれずにしっかりリスク管理をして攻撃へつなげていきます。

9分には島崎が縦へパスを入れ、エリア正面の山本に。山本のエリア右へのパスに宮城が抜け出し、山梨県の選手のプレッシャーを受けながらもシュートに持ち込みますがこれはサイドネットに。

山梨県はさらに選手を交代。名執に代えて16山内隆矢(山梨学院)が左MFに。11分には神奈川県もコーナーキックを得た直後に、小林佑煕に代えて、3和田昂士(横浜F・マリノスユース)をピッチへ。早速山本が左足で入れたボールに、和田が頭で合わせましたがこれは上に。神奈川県は最終ラインは右から島崎、和田、小林夏生、岩井。前日の千葉県との試合と同じ形となります。

山本や柴田がよくかかわり、斉藤や宮城も時には中盤まで下りてパスの出し手にもなっていく神奈川県はさらに攻勢に。12分には右クロスに斉藤が合わせますがこれはGK田中に阻まれ、こぼれ球に松田が詰めますが、田中がボールを抑えてさらなるシュートにはつなげられず。15分には松田に代えて14坂巻日向(東京ヴェルディユース)が右MFに。16分には宮城のパスに右へ坂巻が抜け出して、折り返しにエリア外左、柴田壮介が反応。シュートを打ちますが、ここは山梨県の選手がブロック。さらにセカンドボールを拾って押し込んでいく神奈川県。左の柴田徹へボールが渡ると、柴田徹がエリア内へ入れた速い弾道のクロスに坂巻が詰めますが、これはわずかに触ることはできず。17分、試合は給水タイムへ。

「行くんだぞ、おい!」。神奈川県のキャプテン、斉藤が声をかける中、試合は再開。神奈川県は柴田徹のパスにエリア左へ柴田壮介が抜け出すなどボランチも積極的に前に出ての厚みのある攻めに。島崎が右サイドに張るだけではなく、縦にパスを入れてパス交換から中央へ顔を出すなど変化をつけながら打開を図っていきます。

21分にはエリア前で人数をかけてパスを回し、最後は山本のパスを受けた宮城がエリア前からミドルシュートを打ちますがこれは左に。さらにテンポよく縦へパスを入れていく神奈川県。23分、パス交換から柴田壮介が右サイドの高い位置へ抜け出し、折り返すと、エリア外正面、島崎がミドルシュート。これがついにゴールネットを揺らして1-1。神奈川県が同点に。

山梨県はここで山内に代えて15小林佑企(ヴァンフォーレ甲府U-18)が入り、ボランチに。石井が左MF、塚越がトップ下へ。

和田がボールを預けて前線まで上がるなど、積極的に勝ち越しゴールを狙っていく神奈川県。ボールを失っても前に出ていた柴田壮介がすばやく自陣まで戻ってマイボールにし、そこから攻撃へつなげるパスを出すなど暑さの中、切り替えの良さを出していきます。26分には柴田壮介のパスに、左サイド高い位置へ上がった岩井がエリア前に切れ込んでミドルシュート。しかし、これは枠をとらえられず。さらにセカンドボールを拾ったところから宮城から左サイドへ展開。斉藤が抜け出し、リターンを受けた宮城がエリア外正面からミドルシュート。これはワンタッチあり、決まらず。続けてコーナーキックのこぼれ球を拾い、右へ柴田徹が抜け出して折り返すと、エリア内、坂巻が詰めますが山梨県の選手と接触してファールに。

30分には島崎の縦パスを受けた宮城がエリア右へ。リターンを受けた斉藤がえリア左でシュートを打つもここは山梨県の選手がブロック。神奈川県は和田や小林夏生がセンターライン付近の高い位置に。岩井や島崎が高い位置取りで押し込んでいきます。山梨県もボールを奪ったところから、塚越がエリア前へ仕掛けていこうとしますが、神奈川県は山本がこれに対応。さらに人数をかけて攻めに出る神奈川県の裏を突くように、丹野がドリブルで仕掛けて右サイドへ流れて神奈川県のゴールへ迫りますが、これは岩井が戻ってファールになりながらも止めて対応。これで得た山梨県のフリーキック、丹野がエリア内へボールを入れますが、神奈川県の選手も山梨県の選手も触ることはできず。スコアは1-1のまま、終盤へ。

山梨県のセットプレーをしのいだ神奈川県は再び前に。34分には柴田徹のパスを左サイドの高い位置で受けた斉藤が切り返して、エリア外左からミドルシュートで狙いますがこれは右に。ここから山梨県にボールが渡って、攻勢を受けますが、それをしのいだ神奈川県がカウンターに。斉藤が仕掛け、ボールはエリア外正面の宮城へ。宮城のエリア右へのパスに坂巻が抜け出すと、山梨県の選手はこれに対してファール。主審の判定はPKに。キッカーはキャプテンの斉藤。これをしっかりと決めて、2-1。勝ち越しゴールは神奈川県へ。

ロスタイムは3分。神奈川県は足をつりながらもプレーを続けていた山本に代えて16小倉陽太(横浜FCユース)を入れボランチに。山梨県はロングスローなどからゴールへ迫っていきますが、小林夏生や和田らを中心にしっかりこれを跳ね返していきます。試合はついにタイムアップ。2-1。逆転勝利で神奈川県は国体の出場権を得ることになりました。

前半0-1 後半2-0 計2-1
得点:島崎元、斉藤光毅=PK(神奈川県)井上樹(山梨県)

神奈川県の先発:12山田怜於(鎌倉高校)、2島崎元(川崎フロンターレU-18)、5小林夏生(横浜F・マリノスユース)、4岩井龍翔司(横浜F・マリノスユース)、13小林佑煕(湘南ベルマーレユース)、7山本理仁(東京ヴェルディユース)、8柴田壮介(湘南ベルマーレユース)、9松田詠太郎(横浜F・マリノスユース)、6柴田徹(湘南ベルマーレユース)、15石井宏育(横浜F・マリノスユース)、10斉藤光毅(横浜FCユース)=c
交代:石井→11宮城天(川崎フロンターレU-18)小林佑煕→3和田昂士(横浜F・マリノスユース)松田→14坂巻日向(東京ヴェルディユース)山本→16小倉陽太(横浜FCユース)
控え:1高山汐生(湘南ベルマーレユース)

山梨県の先発:12田中大貴(山梨学院)、2菊川千尋(甲府商業)、3具志寛太(山梨学院)、4井上樹(ヴァンフォーレ甲府U-18)、5伊藤真都(ヴァンフォーレ甲府U-18)、6丸山友輝(山梨学院)、8塚越誠也(日本航空)、14江井晋之助(日本航空)、7名執龍一(韮崎高校)、9石井莉空斗(ヴァンフォーレ甲府U-18)、10丹野健心(山梨学院)=c
交代:江井→13能口岳斗(日本航空) 名執→16山内隆矢(山梨学院)山内→15小林佑企(ヴァンフォーレ甲府U-18)
控え:1小林大知(甲府商業) 15深沢寛太(ヴァンフォーレ甲府U-18)

先制され苦しんだ末に逆転勝利で出場を決めた神奈川県。きっとそのことが、これからもっとチームが良くなるための糧になると思います。フロンターレU-18の選手である島崎や宮城はもちろんのこと、神奈川県の選手たちにとって実りのある国体になることを祈っています。

(文中敬称略)

円陣を組む選手やスタッフ

タッチをかわして試合へ
島崎元選手

 

湘南ベルマーレユースの柴田徹選手
井上樹選手が決めて山梨県が先制する
積極的に同点を狙いに行く神奈川県
島崎元選手
横浜F・マリノスユースの石井宏育選手に代わり、宮城天選手がピッチへ
横浜FCユースの斉藤光毅選手が仕掛けていく

攻勢に出るが前半は0-1
後半へ
ボールを奪い合う神奈川県の山本理仁選手(東京ヴェルディユース)と山梨県の丸山友輝選手(山梨学院)
横浜F・マリノスユースの松田詠太郎選手

東京ヴェルディユースの山本理仁選手
宮城天選手
横浜FCユースの斉藤光毅選手
途中から左SBにポジションを移した岩井龍翔司選手

島崎元選手
横浜F・マリノスユースの和田昂士選手は途中出場
後半は給水タイムがもうけられた
島崎元選手
湘南ベルマーレユースの柴田壮介選手
東京ヴェルディユースの坂巻日向選手
ついに神奈川県が同点に
ゴールを決めたのは島崎元選手
選手たちが駆け寄る

暑さや連戦のためか足をつる選手も

斉藤光毅選手
岩井龍翔司選手
宮城天選手
攻勢に出る神奈川県
PKのキッカーはキャプテンの斉藤光毅選手

勝ち越しゴールに

山梨県の反撃も体をはってしのいでいく
2-1でタイムアップ

国体出場を決めた

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