7月4日はヤンマーフィールド長居へ。夏の大学サッカー日本一を決める総理大臣杯の予選、関西学生サッカー選手権の準決勝があり、準々決勝を勝利し、総理大臣杯の出場権を獲得した阪南大と、大阪体育大が対戦。川崎フロンターレU-18出身の2選手も試合に臨みました。
【関西学生サッカー選手権準決勝 阪南大 vs 大阪体育大】
7月4日(水)午後2時半キックオフ ヤンマーフィールド長居 雨のち晴れ
阪南大の先発はGK1名良橋拓真、DFは右から2真瀬拓海、5長谷川隼、キャプテンの4大野佑哉、23岸元海、ボランチは34藤原音哉、14江口稜馬、右MF11中村亮、左MF19永野雄大、FW10濱野雄太、9草野侑己。フロンターレU-18出身の名良橋、長谷川の2選手が先発。
阪南は関西学生サッカーリーグ1部の前半戦を4勝2分け5敗、7位と苦戦しての折り返し。それでも連覇を狙う関西学生サッカー選手権では、準々決勝で関西学院大を1-0で下し、準決勝まで駒を進めてきました。
大阪体育大はゲームキャプテンのGK1立川小太郎、DFは右から12有働周平、4菊池流帆、5田中駿汰、3小川明、ボランチは8堀内颯人、6平田健人、右MF19君垣隆義、左MF7浅野雄也、FW11大田賢生、13古城優。
大阪体育大は関西学生サッカーリーグ1部を10勝1敗、勝ち点30。2位関西学院大に勝ち点差7をつけ、首位で前半戦を終えています。
台風7号の影響を受けて雨が時折降るなか、始まった試合。立ち上がりは大阪体育大が右からのスローインを大田や君垣らが受け、じりじりと前へ。GK立川の入れたボールを古城が競り、エリア前に大田が抜け出すなどして、ゴールをうかがっていきます。
阪南大は名良橋や長谷川、大野に江口も加わり後ろからの組み立てを図りに。しかし、大阪体育大が高い位置からうまくプレスをかけていき、5分には浅野が左サイドの高い位置でボールを奪うと、ファールがあり、大阪体育大にフリーキックが与えられます。キッカーの堀内が右足で入れたボールはうまくゴールの前に入りますが、大阪体育大の選手は反応できず。ボールはラインを割っていきますが、阪南としてはひやりとする場面に。
阪南は濱野が自陣に戻り、中村もエリア内に入ったボールをクリアするなど、コンパクトにして大阪体育大の攻めに対応。大阪体育大は古城との連係からエリア内に浅野が進入するなど、ゴールに迫りますが、阪南の粘り強い守りの前になかなかシュートまではいけない場面が続いていきます。
11分にはようやく阪南も、左サイドのスローインを高い位置で受けた草野がファールを受け、エリア外左でのフリーキックに。長谷川がニアを狙ってボールを入れますが、クリア。直後には大阪体育大、左サイドの高い位置へ、うまく抜け出した浅野がクロスを入れると、古城が飛び込みますが、触ることはできず。
なおも阪南は、名良橋も古城のプレスをうまくかわして、左サイドの岸元に配球、長谷川や大野が開いて江口や藤原が間に下り、後ろから組み立て。それに対して大阪体育大がうまく連動してボールを奪うも、阪南は、大野や長谷川が大田らに粘り強く対峙していき、中村も中央に寄ってボールをカットするなどし、ともにチャンスはつくれず。
それでも、次第に阪南がサイドをうまく突けるようになり、20分には大野のパスに、永野が高い位置へ抜け出し、左クロスを上げ、22分には名良橋が左サイドの岸元にボールをつけ、中盤を経て、右サイドの高い位置の真瀬にボールが渡り、一気にエリア右に仕掛けていくなど、ゴールをおびやかしに。
大阪体育大も、24分には小川のフィードに、エリア外左へうまく大田が流れるも、長谷川が厳しく寄せていき、前を向かせず。26分には堀内のスルーパスが通り、大田がエリア前へ抜け出しますが、名良橋が前に出てシュートは打たせず。阪南が、うまく大阪体育大の前線に対処し、長谷川のパスに高い位置へ真瀬が上がったり、フィードのセカンドボールを真瀬が拾い、中村の右クロスにつなげるなど、切り替えの良さが目立つ場面が続いていきます。
しかし、34分先制点を奪ったのは大阪体育大。左サイドの高い位置でスローインを得ると、小川のロングスローがエリア内に。大田のシュートは、名良橋が足で止めたもののこぼれ球を古城が押し込み、0-1に。
追いかける展開となった阪南は、長谷川や大野が開いて、江口が間に下りて、両サイドを押し上げに。39分、高い位置で真瀬がボールを奪い、右サイドの高い位置へ抜け出した中村がクロスを上げ、遠いサイドで濱野が合わせると、ボールはゴールへ吸い込まれ、1-1。阪南が追い付きます。
追い付かれた大阪体育大は左サイドの浅野がうまくボールを持ち上がるなどして、起点に。長谷川が中村に縦パスを入れたところを、平田がカットするなど、ボールの奪いどころを定め、そこから攻勢にに出ていきます。44分には、大田のリターンを受けた堀内がエリア正面でミドルシュート。しかし、ワンタッチあり、枠へは飛ばせず。
ロスタイムに入り、47分には阪南も左クロスを真瀬が高い位置で競り、エリア内に濱野が抜け出すも、GK立川の前にシュートは打てず。前半は1-1でタイムアップとなります。
雨がやみ、雲間から日差しもそそいで、次第に蒸し暑さが増し、台風の影響なのか、時折強い風も吹くなか、始まった後半。大阪体育大は頭から古城に代わり9林大地が前線へ。浅野が右MF、君垣が左MFに。
立ち上がりには、阪南が左サイドで濱野や岸元、永野がかかわってボールを回し、エリア前に。中村がシュートを打つもブロック。さらに中村が中央で前を向いて、スルーパスを狙うも、大阪体育大は平田や堀内がうまく対応。そこから林へボールをつけ、林のリターンを、右サイドで受けた有働が高い位置へ上がるなどし、阪南の左サイド、永野の仕掛けには、有働がうまく対応するなど、流れを引き寄せに。
6分、右から君垣が仕掛け、エリア内右にうまく抜け出した大田にパスが通ると、大田の左足で放ったシュートは、阪南の選手に当たり、軌道が変わる形でゴール右に決まり、1-2。勝ち越し点は大阪体育大へ。
さらに直後にも、大阪体育大、堀内のスルーパスに林が抜け出しますが、これには名良橋がしっかり対応。7分には阪南、右サイドから攻めに出ると、中村の右クロスに、ニアで草野が反応するも、ワンタッチあり、決まらず。直後には大阪体育大。田中のフィードをうまくエリア前で大田がおさめ、エリア内に浮き球を入れるも、名良橋が前に出てシュートは打たせず。
阪南は、岸元や永野がかかわり、サイドからの攻勢を図っていくのに対し、大阪体育大は、林が高い位置でボールを奪い、有働の右クロスにつなげるなど、前線の選手の守備が、攻撃へつながる場面をつくっていきます。
13分には、カウンターに持ち込んだ大阪体育大。君垣がエリア外左に上がり、エリア前にボールを送ると、林がシュートを打ちますが、GK名良橋の正面。
14分、阪南は左MFの永野に代わり、22三木健太、ボランチの江口に代わり、8吉森海斗。さらに15分には左SB岸元に代わり、37佐藤瑠己安。次々に交代カードを切りますが、大阪体育大は、林がプレスバックや最終ラインへのプレスからボールを奪うなどして、流れを渡さず。
18分には、大阪体育大は浅野に代わり、20西田恵、君垣に代わり、10末吉塁。21分には吉森の縦パスをうまくエリア正面で林がおさめ、ファールを誘い、フリーキックを得ると、菊池が直接狙うも枠はとらえられず。
23分には阪南、長谷川の浮き球が右サイドの高い位置へ流れ、中村の右クロスに三木が合わせるも、大阪体育大は有働がカバーし、左コーナーキックに。長谷川が近いサイドにボールを入れると、草野が反応するも、ボールは左へ。
気温が上がったため、取られた給水タイム明け、阪南は藤原がエリア前に草野を走らせにいきますが、大阪体育大は菊池がカバー。27分には阪南のエリア前での組み立てを狙い、西田がボールを奪ってスルーパスにエリア前で林が反応するも、シュートは上に。追加点とはなりませんでしたが、守備から攻撃へつなげていします。
阪南も、長谷川のサイドチェンジを高い位置で三木が受け、そのパスにうまく前に向いた草野がゴールへ仕掛けていくも、菊池がクリア。さらに平田や堀内がうまく濱野に寄せてボールを奪うなど、攻撃の芽を摘んでいきます。
33分には右サイドでボールを回した大阪体育大。エリア右に西田が抜け出し、ゴールの前にクロスを入れるも、長谷川がクリア。さらに右サイドでスローインをうまく受けた林が、エリア前に仕掛け、こぼれ球を拾った西田がニアを狙い、クロスを入れるも佐藤がブロック。追加点にはつながりませんでしたが、大阪体育大がゴールをおびやかしていきます。
阪南は37分、濱野に代わり44山本弥彦、中村に代わり16町田蘭次郎。大阪体育大は負傷して担架で退いた有働に代わり15大崎航詩が入り左SB、小川が右SB。
阪南は草野や山本にボールを入れ、前線に起点をつくろうとしていきますが、菊池や田中、平田もうまくセカンドボールを拾うなど、なかなか攻撃へはつながらず。43分には長谷川のフィードに右へ流れた草野のリターンを受けた藤原がエリア外正面でミドルシュートを打ちますが、うまくミートできず、立川がキャッチ。
ロスタイムに入り、林や西田の連係から高い位置でボールキープを図る大阪体育大。阪南は、大野を前線へ上げ、パワープレーに持ち込もうとしますが、大阪体育大は大田に代わり2江郷下奨を入れ、中盤を厚くしてこれに対峙。阪南はなかなかいい形をつくれずに、試合はタイムアップ。1-2。大阪体育大が決勝へ進み、阪南は3位決定戦へ回ることになりました。
前半1-1 後半0-1 計1-2
得点:濱野雄太(阪南大) 古城優、大田賢生(大阪体育大)
阪南大の先発:1名良橋拓真、2真瀬拓海、5長谷川隼、4大野佑哉(c)、23岸元海、34藤原音哉、14江口稜馬、11中村亮、19永野雄大、10濱野雄太、9草野侑己
交代:永野→22三木健太 江口→8吉森海斗 岸元→37佐藤瑠己安 濱野→44山本弥彦 中村→16町田蘭次郎
控え:21小笠姫馬 12川崎雄一郎 49白石健 7林雄飛
大阪体育大の先発:1立川小太郎(c)、12有働周平、4菊池流帆、5田中駿汰、3小川明、8堀内颯人、6平田健人、19君垣隆義、左MF7浅野雄也、11大田賢生、13古城優
交代:古城→9林大地 浅野→20西田恵 永野→10末吉塁 有働→15大崎航詩 大田→2江郷下奨
控え:21矢田貝壮貴 28アフラギ マハディ 32疋田優人 33小塚祐基
この日は残念ながら勝利とはなりませんでしたが、リーグ戦の苦戦を跳ね返して総理大臣杯の出場権を得た阪南大。さまざまな強豪が集まる全国大会で、ほかのフロンターレU-18で育った選手たちのシュートに、名良橋が好セーブを見せたり、プレスをうまくかわして、長谷川が前線へ縦パスを入れる-。そんな場面を見られたら幸せなことです。
総理大臣杯を通して、阪南大がさらにいいチームになって、冬の大学サッカー日本一を決める全日本大学サッカー選手権の舞台に帰ってくることも願っています。
(文中敬称略)
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