12月12日、大学サッカーの冬の日本一を決める全日本大学サッカー選手権大会(通称インカレ)が始まりました。川崎フロンターレU-18出身の選手では、早稲田大のFW10岡田優希、筑波大のMF7三笘薫、MF15池谷祐輔、順天堂大のMF25小川真輝、静岡産業大のDF5諏訪部徹の5人が出場選手として登録されています。
この日は熊谷スポーツ文化公園陸上競技場へ。大学4年目、最後の大会を迎えた諏訪部徹が、昨年に続いて静岡産業大のキャプテンとして1回戦に臨みました。
【全日本大学サッカー選手権1回戦 静岡産業大 vs 松山大】
12月12日(水)午前11時2分キックオフ 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場 くもり時々晴れ
東海学生サッカーリーグ1部2位の静岡産業大の先発は、GK16稲葉亜我志、最終ラインは右から15宮田和哉、キャプテンの5諏訪部徹、2光澤和人、4原田大雅、ボランチは12山本拳士、6井上諒、右MF14佐藤友哉、左MF23原科勇我、トップ下10遠山拓民、FW9山本榛真。
四国地区の第2代表、松山大の先発は、GK1平尾汰地、最終ラインは右からキャプテンの2兵頭俊昭、3濱口俊介、4筑波柊、22上村雅幸、ボランチは8片上柊人、6髙橋京太郎、右MF14藤本卓也、左MF10日野貴登、トップ下7谷口想、FW9佐伯雄斗。
早朝には降っていた雨はやんだものの空には雲が残り、師走らしい冷たい空気に包まれた熊谷スポーツ文化公園。スタンドには両チームの選手の家族らが集まり、静岡産業大のメンバー外の選手たちがにぎやかに応援するなか、試合は始まりました。
立ち上がり、フリーキックのセカンドボールを拾い、谷口がエリア左から浮き球を入れるなどしていく松山大。しかし、静岡産業大は井上がしっかりクリア、そこから前につなげて松山大の陣内へ。原科がプレスを受けながらもボールをキープ、佐藤の高い位置への仕掛けにつなげるなどしていきます。
山本榛真や遠山も、前線で巧みに体を使いながらボールをおさめ、佐藤、原科の両サイドもよく絡んでゴール前に迫りに。7分には右サイドで佐藤とのパス交換から、山本榛真がエリア右へ。シュートを打ちますが、松山大の守備に阻まれ、ゴールとはならず。
さらに静岡産業大は、ラインを高め、諏訪部が時折フィードを入れるなど、長いボールも交え、井上や山本拳士とともに佐藤もセカンドボールをよくものにして、山本榛真のパスにエリア右へ佐藤が飛び出すなどしていきます。
松山大は、日野が高い位置でボールを奪い、右サイドでの兵頭のロングスローにつなげに。しかし、エリア内で静岡産業大は、諏訪部がしっかり跳ね返し、こぼれ球もものにして二次攻撃を許さず。序盤は静岡産業大がボールを握る時間が続いていきます。
しかし、松山大も20分近くになると、佐伯が時折下がり目の位置に下り、パスの出し手に。18分には右へ展開し藤本から高い位置の兵頭へ。エリア外右に持ち込みますが、静岡産業大は原科が戻りこれをブロック。コーナーキックとなり、セカンドボールを拾った松山大はエリア正面でシュート。ゴール右をとらえますが、GK稲葉がボールを弾きながらも最後はおさめ、得点とはならず。
なおも松山大は、谷口のプレスバックでボールをものにしようとしますが、静岡産業大は井上や山本が囲い込むようにして対応。エリア内への浮き球に対しては諏訪部が、前線の遠山らにつながるようにして、クリアにいき、しのいでいきます。
井上が諏訪部や光澤の間に下り、宮田や原田を上げ、押し込んでいく静岡産業大。32分には左サイドから攻勢に出ると、エリア外左でボールを拾った原田がシュートを打つもブロック。ゴールをおびやかしに。
松山大も35分にはエリア右に兵頭が進入。折り返しに反応した佐伯のシュートはニアをとらえますが、ここでも稲葉がセーブ。
なおもフリーキックを得るなどする松山大の攻めをしのいだ静岡産業大。42分左サイドからのフリーキックのセカンドボールを拾い、右から原田がエリア内へボールを送ると、走り込んだ井上が倒れながらもシュート。ボールはゴールネットを揺らして、1-0。先制点は静岡産業大へ。
たたみかける静岡産業大は、諏訪部のフィードを山本が競り、エリア左へ原田が進入するなど、攻勢に。
松山大もロスタイムにはカウンターへ持ち込み、日野のパスを受けた上村がエリア外左へ迫りますが、宮田がボールをうまく奪い、攻撃の芽を摘みに。前半は1-0でタイムアップとなります。
次第に晴れ間も見え始めるなか、始まった後半。静岡産業大は、井上や山本拳士らがボールを動かし、ラインを高めに。松山大もボールをカットし、前に残っていた佐伯につなげようとしていきますが、諏訪部がうまくカバー。兵頭の右クロスもGK稲葉がキャッチするなど糸口を与えず。前半と同様に井上、山本拳士がエリア前でうまくボールをものに。
9分には松山大、兵頭がエリア外右へ。折り返すもエリア内へ入ったボールは諏訪部がクリアし、シュートは打たせず。
10分静岡産業大は、原科に代わり11東山達稀が左MFへ。一方の松山大は藤本に代わり20山西恭平。
ともに交代カードを切ったなかで試合を動かしたのは静岡産業大。エリア横右で井上がファールを受け、得たフリーキック、遠山が右足で直接ゴールを狙うとこぼれ球を井上が押し込み、2-0。
さらに19分には左サイド、東山が高い位置へ仕掛け、エリア内へボールを入れると、遠山のシュートがゴールネットを揺らし、3-0。思いきりのよい東山の突破が見事に結び付いた形で、さらに突き放します。
ここで松山大は、谷口に代わり18石井隆之介。打開を図りにいきますが、静岡産業大は、井上、山本拳士、佐藤が中央でよくボールを動かし、流れは渡さず。
21分には静岡産業大は山本榛真に代わり19藤池翼が入り右MF。佐藤がトップ下、遠山がFWへ。
松山大は25分、上村に代わりDFの5岡林仁。前線へ入れ、最終ラインは右から兵頭、濱口、髙橋、筑波、ボランチは日野と片上、右に石井、左に山西としていきますが、なかなか決定的な場面はつくることはできず。
静岡産業大は、33分佐藤に代わり8大木竜平。なおもラインを高め、押し込んでいくと35分には右サイドでの東山のフリーキックのこぼれ球から遠山がこの日2点目のゴールを決め、4-0。
静岡産業大は、諏訪部が右サイドの高い位置へ動き出す藤池を狙いフィードを入れたり、大木とのパス交換からエリア正面へ東山が持ち込むなど、さらにゴールを狙いにいきます。守備に回っても、諏訪部が折り返しからエリア内へ入ったボールをしっかりクリアするなど隙を見せず。
41分には遠山に代わり19西口亮城、42分には山本拳士に代わり13廣田雄哉。廣田が左SB、原田がCB、諏訪部はボランチに。
なおもエリア外の距離のある位置から西口がクロスバーを叩くロングシュートを打つなど、最後まで得点を求め続けた静岡産業大。試合はタイムアップとなり、4-0。静岡産業大が2回戦へ駒を進めました。
前半1-0 後半3-0 計4-0
得点:井上諒、山本拳士、遠山拓民2(静岡産業大)
静岡産業大の先発:16稲葉亜我志、15宮田和哉、5諏訪部徹(c)、2光澤和人、4原田大雅、12山本拳士、6井上諒、14佐藤友哉、23原科勇我、10遠山拓民、9山本榛真
交代:原科→11東山達稀 山本榛真→19藤池翼 佐藤→8大木竜平 遠山→18西口亮城 山本拳士→13廣田雄哉
控え:1今野清春 17高林剛士 20安立大輝 21栗田マーク
松山大の先発:1平尾汰地、2兵頭俊昭(c)、3濱口俊介、4筑波柊、22上村雅幸、8片上柊人、6髙橋京太郎、14藤本卓也、10日野貴登、7谷口想、9佐伯雄斗
交代:藤本→20山西恭平 谷口→18石井隆之介 上村→5岡林仁
控え:12前田拓真 13田中綜太郎 24神岡敦士 11宗光翔太 17小山太三 19串部太一
静岡産業大は、12月15日午前11時、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行われる2回戦では大阪体育大と対戦します。
関西学生サッカーリーグ1部を制し、全日本大学サッカー選手権での優勝経験を持つ大体大との試合は、この日にも増して諏訪部や稲葉ら、最終ラインの選手たちの活躍が欠かせないものになると思います。
昨年の全日本大学サッカー選手権を経験した選手たちが多く残り、攻守に充実しているように思える静岡産業大の選手たち。いいプレーを重ね、スタンドから見守る家族や選手たちが再び喜びを分かち合えるような結果につながっていくことを願っています。
(文中敬称略)
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