5月11日は、栃木県矢板市の矢板中央高校の東泉グラウンドへ。プリンスリーグ関東は第6節。ここまで3分け2敗の川崎フロンターレU-18は、矢板中央との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第6節vs矢板中央】
5月11日(土)午前11時キックオフ 矢板中央東泉サッカーグラウンド 晴れ
フロンターレの先発は、GK21川合我空、最終ラインは右から5森璃太、3道間雄生、4栗田悠巨、2神橋良汰、ボランチは8山内日向汰、18戸水利紀、右MFゲームキャプテン11有田恵人、左MF20鈴木大登、前線には26五十嵐太陽、10宮城天。
矢板中央は、GK1溝口陽日、最終ラインは右から23坂本龍汰、キャプテンの4長江皓亮、3矢野息吹、5加藤蒼大、ボランチは、7靍見拳士朗、13新倉礼偉、右MF10多田圭佑、左MF8内海歩夢、前線は19大貫翔平、11久永武蔵。
好天の矢板中央東泉グラウンドは、じりじりとした日差しが照りつけ、やや厳しい暑さ。ピッチの脇には多くの矢板中央やフロンターレの選手たちの家族が集まり、今季初勝利を目指すフロンターレの選手たちを、サポーターたちがチャントやコールで励ますなか、試合は始まりました。
立ち上がり、左サイドへ大貫を走らせ、フロンターレの陣内でのプレーを試みにいく矢板中央。フロンターレは自陣のエリア近くに有田が下り、森との連係からゴールキックにし、しのいでいくと、道間の縦パスを五十嵐がおさめ、右に展開。そこから山内がエリア正面へ顔を出すなど、矢板中央のゴール前に迫る場面をつくっていきます。
攻め急がず、道間がサイドチェンジから右サイド、高い位置の森につなげ、森から受けた有田が左へ運び、神橋のクロスにつなげ、両サイドを広く使いながら、フロンターレは前に出ていきます。
戸水の右サイドを突くパスに有田がエリア外右へ迫り、矢板中央の寄せに遭っても粘り強くキープを図り、ファールを受け、フリーキックを得るなどしていくフロンターレ。
6分には矢板中央も中盤での競り合いからセカンドボールを拾った靍見がミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
山内、戸水が交互に最終ラインに下り、後ろから組み立てを図りつつ、戸水の浮き球を宮城が競り、左サイドの高い位置のスローインにつなげるなど、矢板中央の陣内でプレーする時間が続いていくフロンターレ。五十嵐が右サイドへ流れてつくったスペースを有田が仕掛けたり、森の右クロスから左サイドへ流れたボールを、鈴木が粘り強く残したりし、流れを渡さず。
11分には有田の浮き球のパスに五十嵐がエリア外右へ抜け出し、リターンを受けた有田が中央からエリア左へ持ち込むなど、ゴールをおびやかす場面をつくっていきます。
12分、フロンターレは有田がエリア右へ抜け出し、有田のパスから森がエリア右へ。仕掛けていったところを矢板中央がブロックして、右コーナーキックに。宮城が右足でボールを入れると、エリア内でこぼれ球を拾った山内のシュートがハンドを誘い、フロンターレはPKを得ます。キッカーは宮城。ゴール左へ決め、1-0。今季リーグ戦で初めての先制点。フロンターレがリード。
フロンターレは、矢板中央の攻勢にも粘り強く対応。戸水が宮城へ縦パスを入れ、宮城からリターンを受けた山内が左に展開し、守備から攻撃へ、切り替えよくつなげていきます。
15分には左サイドでのパス回しからゴールへ迫ったフロンターレ。エリア外左でリターンを受けた山内がミドルシュートを打つもGK溝口がセーブ。追加点を狙っていくと、17分、道間のフィードに、宮城がエリア外右へ抜け出し、切り返してゴールへ、エリア内へ仕掛けて溝口を引き付け、ゴール左へパスを出すと、山内がシュート。これが決まり、2-0。見事な連係でフロンターレは追加点をものにします。
矢板中央も直後にはセンターライン手前でファールを受け、フリーキックを得ると、靍見が右足で蹴ったボールは、枠内上をとらえますが、川合が弾きながらも防ぐ好守で阻んでいきます。
フロンターレは川合のボールを、宮城がおさめ、高い位置へ五十嵐が仕掛けていき、相手陣内でのスローインにつなげるなどしていくと、22分には森、有田と右サイドからの攻めに。森のクロスに遠いサイドで鈴木が飛び込むも惜しくも触れず。さらにここで止まらず、左サイドで粘りコーナーキックを得るなど、高い位置でプレーを重ねていきます。
24分には山内、五十嵐、宮城と中央で縦パスを続け、左に展開。再び中央で受けた宮城のパスに、エリア左へ山内が抜け出るも、ここはGK溝口が前へ出て、山内のファールに。しかし、選手が多くかかわり、迫っていきます。
26分には矢板中央、エリア外右でファールを受けると、靍見が入れたボール、エリア内で矢野が拾うもシュートはブロック。さらにエリア内へ浮き球を入れてくるもフロンターレは体を張り、しのいでいきます。
27分に取られた給水タイムを挟んで、川合がボールをキャッチし、すばやく前に送り、宮城がボールを競ったところから鈴木が左サイド高い位置へ仕掛けていくなど、攻撃へつなげていくフロンターレ。29分には左コーナーキック、宮城が入れたボールを、遠いサイドで鈴木が折り返すと、ゴール左へ道間が迫るも惜しくも触れず。
さらに30分には山内のパスから鈴木が左サイド、高い位置で粘り左コーナーキックに。宮城が入れたボール、ニアで栗田が合わせるも枠はとらえられず。
一方の矢板中央も、久永が正面でボールをおさめたところから、多田が右サイドを仕掛けていくも、神橋がブロック。右サイドでのスローインとなり、坂本がロングスローを入れていきますが、シュートにはつながらず。さらに左サイドでの内海、加藤、靍見がかかわった攻めからゴールへ迫ろうとしていく矢板中央。しかし、フロンターレは有田がエリア近くでボールをものにし、五十嵐も矢板中央の左サイドへ入ったボールを奪い取るなど、コンパクトに粘り強く守っていきます。
34分には有田が自陣の右サイドでボールをカット。左サイドの高い位置へ動き出した宮城につなげると、宮城が仕掛けて左コーナーキックに。宮城が入れたボール、五十嵐が頭で合わせますが、溝口がセーブ。
矢板中央のフリーキックやロングスローをしのぎ、ボールをおさめた森が縦へ急がすに栗田に戻したり、神橋が五十嵐へつながるようなボールを入れたり、マイボールの時間を増やしていこうとするフロンターレ。矢板中央にボールを奪われても、有田がすばやく寄せ、取り返すなど、うまくカバーしていきます。
41分には宮城が正面へ持ち上がり、エリア左へパスを出すと、鈴木がシュートを打つも上に。さらに43分には山内のスルーパスから有田がエリア右でシュート。ブロックされたところを拾った森がさらにシュートを打つもブロック。追加点とはならずとも、フロンターレはたたみかけるように、攻撃の手を繰り出していきます。
矢板中央も、ロスタイムに入り、47分には久永がボールをおさめ、坂本を高い位置へ走らせるようなパスを出していきますが、フロンターレは鈴木や山内が粘り強く寄せにいき、スローインに。坂本がロングスローを入れてくるも栗田がクリア。こぼれ球を拾った久永はミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。前半はタイムアップ。2-0。フロンターレがリードして、ハーフタイムとなります。
後半矢板中央は2人交代。立ち上がりからラインを高め、クロスを積極的に入れ、セカンドボールもよくものにして、フロンターレ陣内でプレーする時間をつくっていきます。
フロンターレは4分、鈴木が接触プレーで頭を打ってピッチの外へ。7中島大成が左MFに。
6分には、後半から出場の矢板中央15島崎勝也が入れたロングスローを、神橋がクリアし、有田が縦へ仕掛け、右へ流れた宮城のパスを受けた山内が正面へ。山内のパスに中島がエリア右へ仕掛ていき、右コーナーキックに。宮城がボールを入れると、正面で戸水が拾い、再び右へ展開。宮城がクロスを試みるもブロックされ、シュートにはつながらず。
多田がエリア右へ迫るなど、前半と比べるとフロンターレ陣内でプレーする時間が増えていく矢板中央。フロンターレはそれでも戻りが速く、エリア右に顔を出した多田に栗田が対応し、神橋が五十嵐を走らせるようなボールを入れ、セカンドボールを中島がおさめるなどしていきます。
12分にはエリア右、多田がシュート。ニアをとらえるも川合がセーブ。しかし、13分、エリア外から靍見がミドルシュートを打つと、川合が弾いて防ぐも大貫が押し込み、2-1。
攻勢に出る矢板中央はスローインを得ると、盛んに島崎がロングスローを入れ、少しずつ前に運びながらフロンターレのゴールへ迫っていきます。15分には、ロングスローからエリア右へ大貫が持ち込みシュートを打つも、川合がセーブ。さらに前線で激しくプレスをかけ、攻めにつなげていく矢板中央。17分には、またもロングスローからエリア左、内海がシュートを打つも川合がセーブ。
フロンターレは、川合がボールをキャッチし、受けた神橋が高い位置へ五十嵐を走らせるようなボールを入れるなど、流れを引き寄せようとしていきますが、なかなかボールを回す場面にはつなげられず。21分には、靍見からエリア右、多田へ。多田が折り返すと、エリア内で混戦となるも、シュートはまたも川合がセーブ。さらに矢野のフィードを久永がエリア内で折り返すも、川合がまたもやセーブ。苦しい時間を好守でもり立てていきます。
給水タイムを挟んでさらに25分には中央でのパス交換から大貫が正面へ。シュートを打つも川合がセーブ。
フロンターレは、26分、五十嵐に代わり15松永竜之介が入り、矢板中央のボール時には神橋、森がそれぞれのサイドの低い位置まで下がり、最終ラインの道間、栗田、松永とともに5バックのようなかたちとなり、攻勢に向き合おうとしていきます。
前線へポジションを移した有田が、右サイドからエリア左へ持ち込み、ようやく前へ出られるようになっていったフロンターレ。ところが31分、矢板中央は久永がエリア外右へ入ったボールを競りにいくと、フロンターレにファールがあったとしてフリーキックを得ます。靍見がボールを入れると、遠いサイドで大貫が合わせたボールはゴールの中へ。2-2。矢板中央が同点に。
さらにロングスローを入れ、セカンドボールも靍見らがよくものにして、ラインを高め浮き球を入れるなどしてくる矢板中央。フロンターレも、戸水が中島へ縦パスを入れたところからエリア内へ抜け出すなど、攻撃のスイッチを入れにいきますが、シュートまではいけず苦しい時間が続いていきます。
40分、フロンターレは神橋に代わり13常安澪。中島が守備時には自陣の左サイド低い位置に。常安が宮城や有田とともに、やや前に。
するとフロンターレは、宮城からボールを受けた有田が前に運び、右へ展開し、宮城が高い位置へ仕掛けるなど前に出る場面をつくりに。42分には中島が左サイドの高い位置へ流れ、いったん右へ展開。森から中央の戸水とつながり、再びエリア外左で受けた中島がミドルシュート。枠はとらえませんでしたが、決定的な場面をつくることができるように。
矢板中央は大貫に代わり9左合修土。
矢板中央の攻めを栗田が止め、そこから常安が中央を仕掛け、森や有田が右サイドを仕掛けるなど、守備から攻撃へつなげようとしていくフロンターレ。
ロスタイムは5分。46分には左サイドから持ち込んだ矢板中央。右へ展開し、左合がシュートを打つも上に。
フロンターレも山内が高い位置へ動き出す有田へパスを入れたり、川合がサイドにボールを付けようとするなど、勝ち越しのゴールを狙いにいきます。
48分には矢板中央がコーナーキックを得て、それをフロンターレがしのぐと、矢板中央は右からの攻めに持ち込むも、フロンターレは中島から山内へつながり、カウンターに。山内の縦パスに宮城がエリア正面へ。宮城のパスからエリア右、山内がシュートを放つとボールはゴールの中へ。3-2。
試合はここでタイムアップ。ラストワンプレーでゴールをものにしたフロンターレ。同点とされながらも、粘り強く戦い抜いたことが最後には実を結び、ついにプリンスリーグ今季初勝利を挙げることになりました。
前半2-0 後半1-2 計3-2
得点:宮城天=PK、山内日向汰2(フロンターレ) 大貫翔平2(矢板中央)
フロンターレの先発:21川合我空、5森璃太、3道間雄生、4栗田悠巨、2神橋良汰、8山内日向汰、18戸水利紀、11有田恵人(c)、20鈴木大登、26五十嵐太陽、10宮城天
交代:鈴木→7中島大成 五十嵐→15松永竜之介 神橋→13常安澪
控え:33青山海 17内海太瑚 22岡崎玄 6澤田泰大 28小室愛樹 9宮本ディアウ勇守歩
プリンスリーグはここでいったん中断となり、日本クラブユース選手権の関東予選が始まります。フロンターレは5月18日午後1時半、等々力第一サッカー場でブリオベッカ浦安U-18との試合に臨みます。
(文中敬称略)
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.