川崎フロンターレのトップチームが鹿島アントラーズとのルヴァンカップ準決勝第2戦を0-0で引き分け、5度目の決勝進出を決めた翌10月14日は、横浜国立大学フットボール場へ。関東ユース(U -15)サッカーリーグ1部は第21節。川崎フロンターレU-15は横浜F・マリノスジュニアユースとの試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-15 関東ユース(U-15)サッカーリーグ第21節 vs 横浜F・マリノスジュニアユース】
10月14日(月)午後3時45分キックオフ 雨 横浜国立大学フットボール場 40分ハーフ
本来は前日の13日に日産追浜総合グラウンドで行われる予定だったところを台風19号の影響を受けて、順延となった試合。残り2試合で、フロンターレは6勝4分け10敗、勝ち点22、得点16、失点26、得失点差-10で11位。マリノスは5勝7分け8敗、勝ち点22、得点25、失点30、得失点差-5で10位。
12チームで競われる関東ユース(U -15)サッカーリーグ1部は今季は9位から12位までの下位4チームが2部へ降格することになっており、12位の栃木SC U-15の降格がすでに決定。フロンターレとマリノスは、勝ち点27で7位につける横浜FCジュニアユース、同じく勝ち点27で8位の浦和レッズジュニアユースを上回らねば残留することはできず、ともに残り2試合をすべて勝たなければ、来季は2部で戦うことが決まるという状況でこの試合を迎えました。
フロンターレの先発は、GK16福田開人、最終ラインは右から2戸田将、10高井幸大、3松長根悠仁、20江原叡志、ボランチはキャプテンの5浅岡飛夢、6中村荘太、右MF29岡野一恭平、左MF32尾川丈、前線には11山下陽生、7松尾凜久。
マリノスの先発は、GK1髙橋太陽、最終ラインは右から2峯岸慧、15石井琉晟、4中井丈仁、5小野寺蓮、中盤は6西尾悠翔、その前には13島田春人、8細川楓、右に18磯ヶ谷佳心、左にキャプテンの10松村晃助、前線には17内野航太郎。
台風一過で晴天だった前日とは打って変わり、朝から細かい雨が降り続き、羽織るものが必要なような肌寒い横浜国立大学フットボール場。マリノスもフロンターレも多くの選手の家族らがピッチの脇に集まり、ともにゴール裏でメンバー外の選手たちが声援を送るなか、試合は始まりました。
立ち上がり前に迫るのはマリノス。2分には左サイド、松村がクロスを上げるも松長根がクリア。さらに正面でこぼれ球を拾い、縦パスを入れていきますが、中へしぼった江原がクリア。
さらにマリノスは最終ラインの中井が左サイドの松村へボールを入れ、小野寺が高い位置取りに。ラインを高めながらボールを動かしていきますが、フロンターレは山下も、マリノスの中盤へプレスをかけに戻りコンパクトに。右から中央を持ち上がった峯岸の縦パスを、中村がカットするなどして攻めの機会をうかがいに。
5分には島田のスルーパスにエリア内、内野が抜け出しますがフロンターレは人をかけて囲い込み、最後は松長根がクリア。7分にはマリノス、峯岸の右クロスを内野がエリア内でおさめてシュート。枠をとらえますが、福田が好セーブ。好守で引き締めていきます。
すると8分、フロンターレは中央へ寄った岡野一がマイボールに。右へ展開すると、ボールは右サイド高い位置の戸田へ。戸田のパスに山下がエリア外右へ。セカンドボールを拾い、松尾がエリア左へ。シュートを打つもボールはクロスバー。さらにエリア右、拾った岡野一がシュートを打つも左へ。決定的な場面をつくっていきます。
フロンターレは、ここからボールを後ろで回せるようになり、高井のフィードを山下がおさめ、右サイドの戸田へつなげるなどしていきます。
10分にはマリノス、左サイドからの攻めに。小野寺の縦パスに、エリア外左、松村がシュート。ニアをとらえますが福田がセーブ。さらに左サイド、高い位置へ小野寺が抜け出しますが中村、戸田が囲い込むようにして対応。
再びマイボールにしたフロンターレは、松長根のフィードを山下がおさめ、中央に戻したボールを浅岡が右サイド、高い位置の戸田へ正確につなげるなどして、前に。戸田が高い位置で粘り右コーナーキックを得て、しのいだマリノスが磯ヶ谷へ預けカウンターに持ち込もうとしても、江原や中村がこれを防ぐ切り替えの良さを見せていきます。
14分にはマリノス、磯ヶ谷の浮き球をエリア内で内野がおさめ右へ展開。峯岸が高い位置から折り返すと、正面へ走り込んだ細川がミドルシュートを打つも上に。
直後にはフロンターレ、福田が前線へ送ったボール、松尾が正面へ抜け出しますが、マリノスの守備に遭いシュートまではいけず。
マリノスのエリア前への浮き球を、松長根が浅岡へつながるようにして対応していくフロンターレ。15分には高井のフィードに、松尾がエリア左へ。しかし、オフサイドに。
すると16分、マリノスは島田が右サイドを仕掛けて、エリア前にボールを送ると、正面へ走り込んだ細川がシュート。福田は反応し、ボールに触れるもゴールのなかへ決まり、0-1。先制点はマリノスへ。
直後にはフロンターレ。中村が中央で粘りマイボールに。岡野一につなげて攻めに転じると、最後はエリア外右、岡野一がシュートを打つも髙橋がセーブ。浅岡が中央でボールをものにして、後ろに戻し、福田もエリア外に出てラインを高めながら前に出ていこうとするフロンターレ。江原が前へ動き出す松尾へ浮き球を入れ、揺さぶりにいきます。
しかし、シュートまで持ち込む場面をつくるのはマリノス。20分には右サイド、峯岸の縦パスに、島田がエリア右へ。鋭い切り返しからシュートを打つもボールはわずかに左へ。さらにマリノスは左サイドで松村がよくボールを受け、エリア前に低く斜めに浮き球を入れ、内野や細川、磯ヶ谷らがゴール前に走り込んでいきます。
磯ヶ谷が右から斜めに仕掛け、左の松村へつなげ、小野寺が高い位置へ。人をかけて攻めに出てくるマリノス。フロンターレは高井や松長根がよく跳ね返して対峙していきます。
25分にはマリノスのフリーキックをしのいだフロンターレ。中央の岡野一、尾川とつなげてカウンターに持ち込むと、山下がエリア左へ。山下のパスに松尾がエリア右へ迫り、松尾は切り返してシュートを打ちますが、ブロック。さらに拾った浅岡がミドルシュートを打つと、髙橋が弾いたボールに松尾が詰めますが、マリノスはクリア。
さらにフロンターレは、松長根のフィードのこぼれ球を左サイドで中村が拾い、右へ展開。戸田へつながり、山下が高い位置へ走り出し、さらに高井も山下へ縦パスを入れて、前に出ようとしていきます。
31分にはマリノス、島田がボールをカットし右へ展開。高い位置から峯岸がエリア前に折り返すも、さわることはできず。さらにボールをカットした内野がエリア前に。フロンターレは高井がこれに対応。松長根につなげてマイボールの時間をつくっていきます。
江原が左サイドの高い位置へ、尾川が中へ寄り、高井や松長根が後ろでボールに多くの触れながら前に出ていこうとするフロンターレ。福田も、左サイドの江原へボールを入れ、組み立てに加わっていきます。
しかし、マリノスも、松村がフロンターレが右へ展開しようとしたボールをカットしたり、中央では西尾が奪うなどして、そこから攻めに。36分には松村の左クロスに、磯ヶ谷がエリア右へ。人をかけてフロンターレは守りにいき、最後は正面で内野がシュートを打ちますが、福田がセーブ。
38分には小野寺のクロスに、島田が正面で合わせますが、ここでも福田がセーブ。さらに島田がエリア右を突くスルーパスを出すと、磯ヶ谷が迫りますが、江原がカバーし最後は福田がセーブ。前半は0-1でタイムアップとなります。
後半フロンターレは戸田に代わり18由井航太が右SBに。
立ち上がりには、フロンターレにファールがあり、エリア外右でマリノスがフリーキックを得るもこれをしのいで、後ろからボールを回していくと、3分には左サイドの裏を突くボールに、松尾が抜け出しますが、マリノスは髙橋がカバーしていきます。
尾川が中に寄り、中村、松長根とつなげてボールを動かしていくフロンターレ。一方のマリノスも左サイドの松村、小野寺がよくかかわり、松村のパスに小野寺がエリア左へ抜け出しますが、フロンターレは由井が寄せにいき、高井がうまく体を入れしのいでいきます。
尾川から左の江原、江原から中村、中村の戻したボールを受けた高井が縦に入れ、攻めにつなげようとしていくフロンターレ。マリノスは西尾がカットし右サイド裏を突くパスを出しますが、松長根がカバー。松長根は松尾を前に走らせるようなボールを入れ、切り替えの良さを見せていきます。
しかし、なかなかシュートまではいけないフロンターレ。その一方マリノスは左サイドの小野寺が中央を使い、石井を経由して右の峯岸に展開し、揺さぶりに。それでも、中井のパスを受けた松村が左サイドから仕掛けていく場面では、由井が粘り強く対応するなどしていき、福田が松尾を走らせるように、正確にフィードを入れ、機会をうかがっていきます。
ところが10分、マリノスは右サイドからの攻めに。島田の折り返しはフロンターレが防ぐも、こぼれ球を拾った島田がエリア右へボールを入れると、松村が流し込み、0-2。フロンターレは突き放されてしまいます。
直後にはフロンターレ。由井がエリア外正面やや右へ持ち上がり、左足でエリア内へ浮き球を入れると、松尾がエリア内へ。マリノスの守備が阻んだところを、拾った山下がエリア内へ。しかし、厳しい守備に遭い、シュートは打てず。攻めに転じたマリノスは、左クロスを遠いサイドで折り返し、正面へ走り込んだ松村がシュートを打つも松長根がブロック。右コーナーキックとなり、松尾が入れたボール、ニアで島田が合わせますが左へ。
うまく間でボールを受けたマリノスの島田から中村がボールを奪い取るなどしていくフロンターレ。しかし、なかなか攻めにはつなげられないでいると、17分、マリノスは左コーナーキック、小野寺が左足で入れたボール、島田が合わせてボールはゴールへ。0-3。フロンターレは突き放されてしまいます。
ここでフロンターレは松尾に代わり36岡崎寅太郎。
フロンターレは福田が前に出て、高井、松長根が開いて松長根のフィードに、浅岡が前に走り出すなどしながら前に。20分には高井のフィードに岡崎がエリア外正面へ。岡崎に対してマリノスのファールがあり、フロンターレはフリーキックを得ます。キッカーは浅岡、直接シュートを放つとボールはゴール左へ。髙橋がこれを阻んで左コーナーキックに。
左コーナーキック、尾川が右足でボールを入れると、高井がヒールで合わせたボールはゴールのなかへ。1-3。フロンターレに反撃のゴールが入ります。
フロンターレは岡崎がボールをおさめ、岡崎の左サイドを突くパスに山下が前に出る場面をつくり、高井の縦パスを中へ寄った岡野一が受け、岡野一のパスに由井が高い位置へ上がり、攻めにつなげ、尾川の左サイドを突くパスに、江原が高い位置へ。クロスを上げて、ゴールを狙いに。
25分にはマリノス左へ流れた内野がボールをキープ。内野のパスに、松村が正面へ。最後は中央、西尾がミドルシュートを打つも左へ。
フロンターレは27分、山下に代わり34岡田泰輝、岡野一に代わり28名賀海月。
左サイドから中央へ持ち込む松村から松長根がボールを奪い、岡崎を走らせ、高い位置でボールをカットした高井が右サイド、名賀へつなげ、エリア前に出ていくフロンターレ。マリノスは29分、内野に代わり9野澤勇飛が前線へ。
30分にはマリノス、左サイドの高い位置でフリーキックを得ると、松村が直接シュートを打つも福田がセーブ。さらに西尾の縦パスをおさめた野澤を経由して、松村が左サイドの高い位置へ。しかし、由井が対応。しのいだフロンターレは、尾川、浅岡とつないで右の名賀へ。名賀のパスに岡崎がエリア内へ仕掛けていくも、マリノスの守備も堅くシュートは打てず。
35分には尾川の正面への縦パスを岡田がスルー、エリア左へ岡崎が迫るも髙橋がセーブ。
マリノスも左へ開いた松村のパスに、エリア右、峯岸が迫るもフロンターレは岡田も戻りコンパクトに。粘り強く体を入れゴールキックにしていきます。マリノスは細川に代わり7松田統史が入り左へ。松村が中盤の前に。
浅岡が前線へ上がり、前に起点をつくろうとしていくフロンターレ。38分には中村のパスに、岡崎がエリア右へ。しかし、髙橋が阻んでシュートは打てず。
高井、尾川、松長根と後ろで動かし、松長根がフィードを入れていくフロンターレ。しかし、ボールは雨のため止まらず。マリノスも高い位置でのプレーを試み、左サイドの高い位置に抜け出した小野寺に対して、名賀がうまく寄せてマイボールにしていくも、そこから前には出られず。試合はタイムアップ。1-3。
この結果、フロンターレは、リーグ戦の9位以下が決まりました。
しかし、リーグ戦後半10試合で4つの白星を挙げるなど、試行錯誤を重ねながら、成長し結果も残したことは、揺らぐことのないものだと思います。最終節のFC東京U-15深川戦、さらには冬の全国大会へつながる高円宮杯の予選も残されています。残り1試合をいいかたちで終え、さらに多くの試合を、今季のフロンターレU-15が重ねていくことを願っています。
前半0-1 後半1-2 計1-3
得点:高井幸大(フロンターレ) 細川楓、松村晃助、島田春人(マリノス)
フロンターレの先発:16福田開人、2戸田将、10高井幸大、3松長根悠仁、20江原叡志、5浅岡飛夢(c)、6中村荘太、29岡野一恭平、32尾川丈、11山下陽生、7松尾凜久
交代:戸田→18由井航太 松尾→36岡崎寅太郎 岡野一→28名賀海月 山下→34岡田泰輝
マリノスの先発:1髙橋太陽、2峯岸慧、15石井琉晟、4中井丈仁、5小野寺蓮、6西尾悠翔、13島田春人、8細川楓、18磯ヶ谷佳心、10松村晃助(c)、17内野航太郎
交代:内野→9野澤勇飛 細川→7松田統史
(文中敬称略)
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