9月16日はShonan BMWスタジアム平塚へ。第100回を迎えた天皇杯が開幕し、平塚では神奈川県代表の桐蔭横浜大と山梨県代表の山梨学院大ペガサスが対戦。フロンターレU-18出身のGK早坂勇希、FW山田新が試合に臨みました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予選は無観客で行われた天皇杯は、本選からは一部の会場を除いて、有観客に。平塚では、氏名や住所などを用紙に記入したうえ、観戦エリアも決めるなどしたうえでの開催となりました。
【天皇杯1回戦 桐蔭横浜大 vs 山梨学院大ペガサス】
9月16日(水)午後7時2分キックオフ Shonan BMWスタジアム平塚 くもり一時雨 246人
桐蔭横浜大学FCとの“桐蔭横浜ダービー”を制し、天皇杯出場権を得た桐蔭横浜。先発は、GK1早坂勇希、最終ラインは右から13上田駿斗、キャプテンの3遠藤凌、25中野就斗、5岩下航、中盤の底に7神垣陸、その前に32高木俊希、6橘田健人。右に15圓道将良、左に10鳥海芳樹、前線には24寺沼星文。
早坂やフロンターレ加入内定の橘田らが先発に名前をつらね、9月12日の関東大学サッカーリーグ第10節では、先発だった山田はベンチスタート。
山梨学院大ペガサスの先発は、GK21辻岡拓真、最終ラインは右から16小澤恭也、キャプテンの5児玉征哉、22大山輝士、17河辺壮瑠、ボランチは7樋口希望、15中野匠、右MF2丸山圭太、左MF8小野真稔、前線には10大塚創太郎、18本多啓佑。
日もとっぷりと暮れたShonan BMWスタジアム平塚は、選手たちがアップをしている最中に雨が降り始め、やがて合羽などがいるほどに。それでも開放されたメインスタンドのあちらこちらに観客の姿があり、キックオフ直前には桐蔭横浜大のメンバー外の選手たちも入ってくるなど、熱を帯びた様子のなか、試合は始まりました。
立ち上がり、桐蔭横浜は、早坂が前線の寺沼に正確なボールを入れ、ラインを高めながら、攻めの糸口を探り、2分には橘田のパスに、上田が右サイドの高い位置へ。遠いサイドを狙ったクロスには鳥海が合わせようとしますが、うまく当てることはできず。
前線に、本多を残して、構える山梨学院大ペガサスに対して、桐蔭横浜はときには、早坂もエリアの外に出て、遠藤や中野らとともにボールを動かし、左サイドでは、鳥海がきれのある動きで仕掛けるなどして、山梨学院大ペガサスのゴールを目指していきます。
3分には、遠藤が右サイドを突くパスを出すと、上田が高い位置へ。山梨学院大ペガサスにブロックされ、右コーナーキックに。神垣が右足でボールを入れると、エリア外左で拾った高木が遠いサイドへクロス。これはシュートまでは至らなかったものの、迫っていきます。
すると7分、桐蔭横浜は中野のフィードを右SBの上田が右サイドの高い位置でおさめ、クロスを上げると、シュートに持ち込んだのは寺沼。GK辻岡が反応したものの、ボールはゴールのなかへ。1-0。先制点は桐蔭横浜へ。
9分には、桐蔭横浜の後ろでの組み立てを突いて、山梨学院大ペガサスが高い位置で奪い取り、丸山がエリア左へ仕掛けていきますが、圓道が戻りシュートは打たせず。さらに中央でボールを奪い、左へ展開すると、エリア外左から河辺がシュートを打ちますが、早坂がセーブ。
桐蔭横浜は再びマイボールに。しっかりブロックを組んで構えてくる山梨学院大ペガサスに対して、遠藤の縦パスに左サイドを鳥海が仕掛け、コーナーキックを得ていきます。
山梨学院大ペガサスも、鋭いカウンターを見せ、14分には、コーナーキックをしのいだところからボールは中央の丸山へ。丸山はエリア右へ抜け出そうとする大塚へのパスを選択しますが、桐蔭横浜は戻りが速く、読みよくこのパスをカット。さらに河辺が左サイドからエリア右を突く浮き球を入れていきますが、早坂が対応。
17分には、さらに山梨学院大ペガサス、エリア前正面でファールを受け、フリーキックに。キッカーの大山は右足で直接巻いたような軌道の、ゴール右を狙ったシュートを打ちますが、これは左へ。ボールは全体的に桐蔭横浜が動かす時間が続いていきましたが、山梨学院大ペガサスも、ここぞというところでゴールをおびやかしていきます。
20分には、山梨学院大ペガサス、右からクロスを入れると、エリア左で小野が拾いますが、橘田が厳しく寄せる好カバー。再びマイボールにした桐蔭横浜は、右サイドに上田、左サイドに鳥海がそれぞれ高い位置へ開き、早坂が右の上田に正確なボールを配球。中央では橘田や圓道らがボールを動かしながら、攻めの糸口をさぐりにいきます。
飲水タイム明け、25分には、高木、鳥海とつなぎ、鳥海がエリア前に仕掛け、山梨学院大ペガサスを引きつけて、エリア外左にパスを送ると、岩下が抜け出し、シュートを打ちますが左へ。山梨学院大ペガサスも、桐蔭横浜のフィードが入ったところ、読みの良いカットを見せ、速攻に持ち込もうとしますが、遠藤が正面へ入ったパスをこちらも読み良くカットする好対応でそれをさせずに再び攻めへ。
27分には、桐蔭横浜が左からの攻めに。鳥海がエリア外左へ仕掛け、シュート。ポストをたたいて決まりませんでしたが、決定的な場面に。
さらに神垣が最終ラインの間に下り、両サイドを押し上げ、遠藤が持ち上がり、鳥海に鋭い縦パスを出すなどしながら、桐蔭横浜は山梨学院大ペガサス陣内で時間をつくっていきます。31分には、エリア外左、鳥海にボールが渡り、鳥海の左クロス、ニアで寺沼が合わせますが、上に。
さらに早坂が左サイドの鳥海にフィード。中央の高木につなぐなど、後ろから攻めへ。33分には、中野がボールをカットし、そのまま持ち上がり、鳥海に預けて一気にエリア外左へ。正面の鳥海はシュート。GK辻岡のセーブに阻まれたものの、ゴールへ向かうプレーをここでも続けていきます。
35分には、山梨学院大ペガサス、高い位置で本多がカット、エリア左から正面左へ大塚が仕掛けていきますが、中野が対応し、シュートは打たせず。
直後には桐蔭横浜、神垣から受けた橘田が右サイドを突くパスを出すと、上田が右クロス。遠いサイドで鳥海が折り返し、ボールはエリア内、圓道へ。圓道はシュートを打ちますが、辻岡がセーブ。拾った高木が立て続けにシュートを打ちますが、ここでも山梨学院大ペガサスの体を張った守備に遭い、右コーナーキックに。神垣が右足でボールを入れると、こぼれ球を正面で拾った高木がシュートを打ちますが、上に。
さらに38分には、桐蔭横浜、中野がボールをカット、そのまま正面へ持ち込んでエリア左、鳥海を狙ってパスを出しますが、辻岡がクリア。40分には、うまく橘田が間で受け、そのまま前に持ち出し、左へ。左サイド、岩下からエリア外左、鳥海と渡り、鳥海がいい折り返しのボールを入れますが、さわることはできず。
山梨学院大ペガサスも本多が高い位置でボールを奪い、攻めにつなげようとしますが、桐蔭横浜、中野が奪い返し、それをさせず。橘田がボールを奪ってすぐさま預けて、エリア外左で再び受け、クロスを上げるなど、切り替えの良さで上回っていきます。
ロスタイムには、早坂から右サイド、上田へつながり、上田はエリア内、寺沼を狙ったクロスを入れますが、ここは山梨学院大ペガサスの守備が阻み、シュートまではいけず。前半はタイムアップとなり、1-0でハーフタイムへ。
後半、桐蔭横浜は寺沼に代わり26山田新が入り前線へ。神垣に代わり28井出真太郎が入り右へ。圓道がインサイドへ。
山梨学院大ペガサスは、小澤に代わり26池澤飛輝が入り左SB、河辺が右SBに。
立ち上がりには、桐蔭横浜、上田が右サイドの高い位置へ。折り返すと、エリア右、井出に渡り、井出はシュートを打ちますが上に。一方の山梨学院大ペガサスも丸山からエリア外右、河辺に渡りますが、岩下が寄せ、最後は河辺のファールに。
桐蔭横浜は、山梨学院大ペガサスの辻岡がボールを持ったところ、山田が速い寄せを見せ、ブロックするなど、高い位置からプレスをかけ、右では井出、左では鳥海がきれのある動きで仕掛け、押し込みに。3分には、右サイドを抜け出した井出の右クロスに、鳥海が合わせますが枠はとらえられず。
さらにエリア右へ仕掛けた井出が後ろへ戻すと、ボールは正面の山田へ。山梨学院大ペガサスはクリアで逃れますが、さらにたたみかけるのは桐蔭横浜。エリア外右、拾った井出に対して、山梨学院大ペガサスがファール。
フリーキックとなり、キッカーの橘田は遠いサイドを狙ったボールを入れると、岩下が合わせますが、山梨学院大ペガサスはブロックし、左コーナーキックに。左コーナーキック、橘田がニアにボールを入れると、山田が後ろ向きになりながらもヒールで巧みにシュートを打ちますが、惜しくもポスト。ゴールへ迫っていきます。
一方の山梨学院大ペガサスも、10分には、小野、池澤とつないで池澤が左クロスを入れると、エリア右へ丸山が迫りますが、桐蔭横浜は岩下がこれに対応。
11分、山梨学院大ペガサスは大山に代わり33西雅人。丸山に代わり11増澤陸斗。直後には、桐蔭横浜、右サイドでのスローインから山田がエリア内へ。リターンを受けた圓道はシュートを打ちますが、山梨学院大ペガサスはブロック。
山梨学院大ペガサスも鋭いカウンターを見せていきますが、桐蔭横浜もエリア内で粘り強さを見せ、シュートまではいかせずにしのいでいきます。
14分には、桐蔭横浜、フィードに圓道が左サイドの高い位置へ飛び出し、鳥海へつなぎ、鳥海から中央へ寄った岩下、正面の橘田とつながり、橘田は右サイドを突くスルーパス。井出は縦に持ち込み、クロスを上げますが、ラインを割ったとの判定でシュートまではいけず。しかし、桐蔭横浜が人をかけた攻めを見せていきます。
15分には、ボールは正面の山田へ。山田は縦に仕掛けて、一気にエリア内やや右へ。GK辻岡が前に出たところ、ループ気味にシュートを打ちますが、わすかに右へ。しかし、スピードにのったプレーでゴールをおびやかしていきます。
さらに桐蔭横浜は中野が正確なサイドチェンジ。これをおさめた井出が右サイドを仕掛けて、マイナスにボールを送りますが、山梨学院大ペガサスはクリア。
20分には、高い位置で奪った鳥海がそのままエリア左へ仕掛けて、折り返すと山田が迫りますが、山梨学院大ペガサスはブロック。ここで桐蔭横浜は上田に代わり、右SBに2浅野嵩人。山梨学院大ペガサスは、中野に代わり34早坂卓巳。
両チーム交代直後、22分、最初のプレーは山梨学院大ペガサス。右に開いた河辺から中央の小野へボールは渡り、小野が正面へ縦パスを送ると、正面の樋口へ。山梨学院大ペガサスの選手が一人、左からエリア内へ動き出し、桐蔭横浜を引きつける動きを見せて、スペースが空いたところを、樋口がシュートを打つと、ボールはゴールのなかへ。1-1。山梨学院大ペガサスが好連係から同点のゴールを奪ったところで、試合は飲水タイムへ。
飲水タイム明け、桐蔭横浜は圓道に代わり9松本幹太。早坂のフィードを山田が競り、拾った井出が右サイドを仕掛けていき、再び攻めへ。フィードに山田が高い位置へスピードにのった動き出しを見せるなどしていきます。25分には、持ち上がった岩下の縦パスに、橘田がエリア左へ。折り返しはブロックされ、左コーナーキックになります。
26分、この左コーナーキック、橘田がボールを入れると、正面で高い打点のヘディングシュートを打ったのは遠藤。ゴールネットが揺れ、2-1。キャプテンのゴールで再び桐蔭横浜がリード。
さらに桐蔭横浜は、早坂が右サイドを突くフィードを入れ、井出が仕掛けていくなど、山梨学院大ペガサス陣内で時間をつくっていきます。
山梨学院大ペガサスは、28分、児玉に代わり20佐々木龍生が入り前線へ。早坂が最終ライン、小野がボランチ、大塚が左MFへ。
直後には桐蔭横浜、左へ展開すると、鳥海が左クロスに持ち込み、井出が頭で合わせますが上に。
山梨学院大ペガサスは、大塚が負傷し担架にのせられピッチの外へ。その直後には、桐蔭横浜、山田が正面に抜け出し、そのまま縦に突破。エリア内へ進入すると、リターンを受けた井出がエリア右へ。これは決まったか、と思われた場面でしたが、シュートは左へそれていきます。
さらに34分には、鳥海がカット、左に松本が開いてクロスを入れると、山田が飛び込みますが、GK辻岡と交錯、山田のファールに。
35分には、この日何度も好パスを供給していた中野が縦に速いボールを入れると、鳥海が前に持ち込みますが、山梨学院大ペガサスはブロック。直後には、山梨学院大ペガサス、エリア前へのルーズボール、本多が走り込みますが、浅野がカバー。浅野から受けた早坂は、すぐさま岩下へつけて、攻めに転じていきます。
36分には、鳥海から左へ展開すると、橘田がエリア左へ。巧みにかわして、GK辻岡が出てきたところを、ゴール右へ流しこもうとしますが、池澤がクリアする好守。
37分には、治療を終えた大塚が再びピッチへ。11人となりますが、ゴールへさらに迫るのは桐蔭横浜。
39分には、左からエリア内へ仕掛けた松本がシュート。しかし、GK辻岡がここでも反応し、ボールは左へ。左コーナーキックとなり、橘田がボールを入れると、正面へのこぼれ球を拾った井出が縦に速いボールを入れます。ボールはエリア内、山田の足元へ。山田は倒れ込みながらもシュートを打つと、これが決まり、3-1。ついに桐蔭横浜が突き放します。
桐蔭横浜は橘田に代わり8加々美登生。44分には、中野のフィードに、山田がエリア左へ。シュートを打ちますが、またもや辻岡がセーブし右コーナーキックに。松本が左足で入れた右コーナーキックを、山梨学院大ペガサスはしのぎますが、ワンタッチあり、左コーナーキックに。この間に第4の審判からロスタイムは3分と提示されます。
左コーナーキック、キッカーの井出が右足でボールを入れると、遠いサイド、頭で合わせたのは中野。ボールはゴールのなかへ。4-1。
48分には、山梨学院大ペガサス、エリア前正面で増澤がファールを受け、フリーキックに。キッカーの早坂が右足で直接シュートを打つと、これが決まり、4-2に。
しかし、試合はまもなくタイムアップとなり、4-2。桐蔭横浜が2回戦へ進むことになりました。
先発をリーグ戦とは少し入れ替えて、この試合に臨んだ桐蔭横浜。アシストを記録した上田や、攻守に何度も好プレーを見せた中野といった選手たちが活躍し、チームの力がさらに上がってきている、と感じさせられるものがありました。
正確なキックで何度も攻撃へつなげた早坂、そして、フロンターレU-18のころのように何度もスピードにのった仕掛けを見せ、ゴールも決めた山田のプレーもうれしくなるものがありました。
9月23日に行われる2回戦の対戦相手は、フロンターレU-18出身の池谷祐輔がいる筑波大。素晴らしい試合になることを願っています。
前半1-0 後半3-2 計4-2
得点:寺沼星文、遠藤凌、山田新、中野就斗(桐蔭横浜)
樋口希望、早坂卓巳(山梨学院大ペガサス)
桐蔭横浜の先発:GK1早坂勇希、13上田駿斗、3遠藤凌(c)、25中野就斗、5岩下航、7神垣陸、32高木俊希、6橘田健人。15圓道将良、10鳥海芳樹、24寺沼星文
交代:寺沼→26山田新 神垣→28井出真太郎 上田→2浅野嵩人 圓道→9松本幹太
控え:21古瀬圭佑 4鍋田純志
山梨学院大ペガサスの先発:21辻岡拓真、16小澤恭也、5児玉征哉(c)、22大山輝士、17河辺壮瑠、7樋口希望、15中野匠、2丸山圭太、8小野真稔、10大塚創太郎、18本多啓佑
交代:小澤→26池澤飛輝 大山→33西雅人 丸山→11増澤陸斗 中野→34早坂卓巳 児玉→20佐々木龍生
控え:1中村涼 9中瀬圭太郎
(文中敬称略)
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