2月20日、埼玉スタジアム2002で行われたFUJI XEROX SUPER CUP、川崎フロンターレ vs ガンバ大阪。それに先立つ前座試合、日本高校サッカー選抜とのNEXT GENERATION MATCHに川崎フロンターレU-18が臨みました。
【川崎フロンターレU-18 NEXT GENERATION MATCH vs 日本高校サッカー選抜】
2月20日(土)午前10時20分キックオフ 埼玉スタジアム2002 晴れ 40分ハーフ
川崎フロンターレU-18の先発は、GKキャプテンの1青山海、最終ラインは右から2高畠捷、15高井幸大、17浅岡飛夢、20松長根悠仁、ボランチは5田鎖勇作、6田中慶汰、右MF9田中幹大、左MF7入江流星、前線には18大関友翔、10五十嵐太陽。
全国高校サッカー選手権の優秀選手を中心とした日本高校サッカー選抜。先発は、GKキャプテンの1熊倉匠(山梨学院高校)、最終ラインは右から20内田陽介(青森山田)、3一瀬太寿(山梨学院高校)、4井上太聖(堀越)、5小澤亮太(昌平)、ボランチは8川上航立(帝京長岡)、22宇野禅斗(青森山田)、右MF7新井爽太(山梨学院高校)、左MF21吉田陣平(佐賀東)、前線には9崎山友太(米子北)、10安斎颯馬(青森山田)。
控えも含め、フロンターレにとってはプリンスリーグ関東で対戦した山梨学院高校、昌平、矢板中央の選手たちも多く名前を連ねる構成に。
雲ひとつなく、青空が広がった埼玉スタジアム2002。多くのフロンターレやガンバのサポーター、さらにはサッカーファンらが見つめるいい雰囲気のなか、試合は始まりました。
立ち上がり、1分にチャンスをつくったのは日本高校サッカー選抜。右サイドの新井が高い位置へ抜け出しクロスを入れるとボールはエリア内、遠いサイドへ。ここに吉田がうまく入り込んだものの、うまくシュートは打てず。
立ち上がりこそピンチがあったものの、フロンターレは、田鎖や田中慶汰がボールに多く触れ、最終ラインの浅岡もサイドに正確なボールをつけるなど、丁寧に動かしながら機会をうかがっていきます。
3分には、下がり目で前を向いた五十嵐のスルーパスに、入江がエリア正面へ抜け出しそうになりますが、日本高校サッカー選抜の熊倉が前に出て、カバー。シュートには結びつかなかったものの、フロンターレは揺さぶっていきます。
相手陣内でファールを受けても、リスタートから丁寧な組み立てを試みていくフロンターレ。大関が前線だけでなく、田鎖や田中慶汰とのパス交換にも顔を出し、五十嵐が右サイドに流れて、ドリブルで仕掛け、また、青山のフィードを田中幹大がよくおさめるなどし、ラインを高く保ちながらプレーを重ねていきます。
日本高校サッカー選抜も、5分には、エリア前に抜け出そうとする崎山へパスが通りますが、浅岡がこれに対応。6分にはすばやいリスタートから田中慶汰がスルーパスを送ると、エリア右へ五十嵐が抜け出しシュートを打ちますが、これは上に。ゴールをおびやかしていきます。
日本高校サッカー選抜も熊倉や井上、一瀬に川上や宇野がかかわり、ボールを保持し、小澤が高い位置へ開くなどして、攻撃を試み、8分にはフロンターレがボールを失ったところを突いて、崎山がエリア右へ仕掛けていきますが、高井が好カバーを見せていきます。
失ってもすぐさま田鎖が取り返すなど、いい距離感でプレーを重ねていくフロンターレ。日本高校サッカー選抜も切り替えの速さを見せ、11分にはボールをカットした井上が前に持ち出し、前線の崎山へフィードを通しますが、これはオフサイドに。14分には、左サイド、小澤にボールが通り仕掛けていきますが、高畠が1対1の強さを見せ、奪っていきます。
15分にはフロンターレ、松長根のパスがエリア右へ通り、五十嵐の折り返しがブロックされたところを田中慶汰が拾い、左サイドの入江へ展開。入江のクロスにエリア右へ抜け出した田中幹大がシュートを打ちますが、枠はとらえられず。それでも、連動した攻撃で迫っていきます。
一方の日本高校サッカー選抜も17分にはエリア外右で受けた安斎が切り返して、左足でミドルシュート。これには青山がセーブ。意表を突くような攻めにも、しっかり対応していきます。
日本高校サッカー選抜は直後にはカウンターに持ち込み、安斎のパスに、崎山がエリア外左へ。鋭いターンからシュートを打つと枠をとらえますが、青山が反応。日本高校サッカー選抜のコーナーキックもフロンターレは最後にはクリア。23分にはさらに日本高校サッカー選抜、左の小澤から右へサイドチェンジ。内田から受けた宇野がエリア外右へ。ミドルシュートを試みますが、フロンターレは体を張ってブロック。
すると24分、フロンターレは田中幹大が正面やや右、入江へパスを入れ、エリア右へ動き出し、入江が相手のプレスを受けながらも、ボールは田中幹大へ渡り、GK熊倉と1対1となった田中幹大はシュート。熊倉の股下を通る形で決まり、1-0。先制点はフロンターレへ。
飲水タイムをはさんで、さらにフロンターレは前からのプレスと読みのよいボールカットを見せ、田鎖や田中慶汰がボールを動かし、浅岡や高井がラインを高めながら、相手陣内で時間をつくっていきます。
28分には日本高校サッカー選抜、新井がエリア外右へ。クロスを入れると崎山がエリア内へ走り込みますが、青山が阻み、得点とはさせず。コーナーキックをしのいだフロンターレはカウンターへ。大関、五十嵐とつなぎ、右サイドに上がった田中慶汰へ。田中慶汰のスルーパスに、五十嵐が正面へ抜け出しますが、熊倉がここも好カバーを見せ、シュートには至らず。
日本高校サッカー選抜の攻めにも、高井や浅岡が強さと読みの良さを見せ、起点をつくらせずに時間を重ねていくフロンターレ。32分には、右サイドでマイボールにした大関のパスに田中幹大が右サイドの高い位置へ。折り返しはブロックされ、右コーナーキックに。高畠が右足で入れたボール、松長根が頭でシュートを打ちますが、熊倉がセーブ。
直後には、日本高校サッカー選抜、浮き球のパスに崎山が正面へ抜け出しそうになりますが、高井がここでも1対1で上回り、阻み、さらにボールを奪い取り、川上が正面へ仕掛けていきますが、松長根がしぼり、カバー。35分には、またも日本高校サッカー選抜、内田のクロスに、遠いサイド、吉田がシュートを打ちますが、わずかに左。
テンポよくボールを回していくフロンターレに対して、日本高校サッカー選抜もゴールへ迫る場面をつくり、37分には、正面へ崎山が仕掛けていきますが、ここでも松長根が好カバー。38分には内田の右クロスに、安斎が頭で合わせますが、青山がセーブ。
ロスタイムに入り、41分には新井の右クロスに遠いサイド、吉田がシュートを打ちますが、枠外。前半は1-0。フロンターレがリードしてタイムアップとなります。
後半は日本高校サッカー選抜が4人を交代。小澤に代わり左SBに19木内拓海(市立船橋)、新井に代わり14野田武瑠(山梨学院高校)、吉田に代わり12青木俊輔(東福岡)が入り、野田が左MF、青木が右MF、崎山に代わり前線に18福田師王(神村学園)。
後半立ち上がりは日本高校サッカー選抜。後ろからの組み立てを図るフロンターレに対して、前からボールを奪いにくると、高い位置でマイボールにした安斎がエリア右へ。シュートを打つとゴール左へ決まり、1-1。試合は振り出しへ。
なおもフロンターレに対して、中盤や最終ラインへうまくプレスをかけてくる日本高校サッカー選抜。フロンターレも、エリア右へ抜け出そうとする宇野に対して、松長根がカバー、シュートは打たせずに対応するなど、よく向き合っていきます。
すると5分、フロンターレはエリア外右、コーナー付近で連動してプレスをかけにいき、ボールを奪ったのは大関。そのまま、仕掛けていき、エリア内へ。角度のないところからシュートを打つと、左ポストに当たりながらボールはゴールのなかへ。2-1。再びリードをしたのはフロンターレ。
さらに6分には、左サイドからの折り返し、正面やや右へ抜け出した田中幹大が枠をとらえたシュートを打ちますが、熊倉がセーブしていきます。
日本高校サッカー選抜が攻める場面では、田中幹大も自陣の右サイドに戻り、五十嵐もプレスバックにいくなど、コンパクトにして対応していくフロンターレ。10分には、自陣の田中幹大から大関とつなぎ、大関から左へ展開。入江が仕掛けていき、日本高校サッカー選抜はこれに対して、ファール。エリア外左でのフリーキックに。キッカーの高畠が入れたボール、遠いサイドに浅岡が飛び込みますが、惜しくもさわることはできず。
フロンターレは、さらに高井や浅岡が前に持ち出し、縦パスを入れていき、うまく間で大関や五十嵐が受け、ときにはパス回しから田中慶汰が前に飛び出すなど、位置を入れ替えながらゴールをうかがっていきます。
17分には日本高校サッカー選抜、青木から木内と左サイドからの攻めに。青木が高い位置からエリア内へ折り返しますが、田鎖がクリア。左コーナーキックとなり、安斎が右足で入れたボールは、遠いサイドに抜けていきますが、井上はさわれず。さらに20分には、右サイドからのクロスに安斎が正面へ。しかし、高井が体を張ってブロック。さらに木内がシュートを打ちますが、ここもブロック。枠へは飛ばせず。フロンターレはやや押し込まれながらも、最後のところで落ち着いた対応を見せていきます。
やや足が止まるなかで、22分には、フロンターレ、カウンターに持ち込み、五十嵐とのパス交換から大関がエリア内へ抜け出しますが、日本高校サッカー選抜も強さを見せ、シュートは打てず。24分には今度は日本高校サッカー選抜、野田の浮き球をエリア内で安斎が折り返しますが、正面で田鎖がクリアしていきます。
後半の飲水タイム明け、フロンターレは入江に代わり25五木田季晋、大関に代わり8秋葉拡人。
フロンターレはややパスがつながらず、日本高校サッカー選抜がボールを保持していく時間をつくり、28分には、内田のロングスローのこぼれ球を宇野が拾い、内田の右クロスにエリア内へ安斎が抜け出しますが、高井がカバー。さらに内田が高い位置から仕掛け、折り返しますが、ここでもクリア。
日本高校サッカー選抜は、最終ラインからも好ボールを配給し、30分には、井上から高い位置の木内へ。木内は仕掛けていきますが、高畠が最後にはブロック。31分には、一瀬のパスに内田が右サイドの高い位置へ。しかし、クロスに抜け出した安斎には浅岡が対応。さらに、内田のロングスローから日本高校サッカー選抜はゴールを目指していきますが、フロンターレはエリア内でしっかり対応。32分には、日本高校サッカー選抜、安斎の左クロスのこぼれ球を拾った川上がミドルシュートを打ちますが、枠外。
すると34分、フロンターレは高い位置でマイボールに。左に開いた五十嵐へ展開。五十嵐のスルーパスはエリア右へ通り、田中幹大が1対1の場面に。熊倉が前に出たところ、シュートを打ちますが、上へ。追加点とはなりませんでしたが、決定機をここぞとつくっていきます。
直後には、日本高校サッカー選抜、左サイドの高い位置へ安斎が抜け出し、折り返しますが、田中慶汰がカバー。ここで日本高校サッカー選抜は川上に代わり23永吉飛翔(神村学園)。
日本高校サッカー選抜に対して、五木田や田中幹大も自陣に戻りコンパクトにして向き合うフロンターレ。
37分には、高井が持ち上がり、右へ展開。高畠のパスに、田中幹大が右サイドの高い位置へ抜け出し、クロスを入れると正面で五十嵐がシュートを打ちますが、その前にオフサイド。さらにボールをカットした高畠が前に持ち出し、スルーパス。正面へ五十嵐が抜け出しますが、ここもオフサイド。しかし、守りに入るのではなく、追加点を狙う姿勢を見せていきます。
ロスタイムは2分。41分には、左サイド、五木田から五十嵐、五十嵐から受けた秋葉がエリア外左へ。ミドルシュートを打ちますが、わずかに右へ。
フロンターレは、日本高校サッカー選抜の攻めにも浅岡や高井が好対応を見せ、福田のキープから左サイドを仕掛けてくる野田にも田中幹大が粘り強く対応。試合はタイムアップとなり、2-1。大きな舞台で行われた一戦で、勝利を飾ることになりました。
昨年はボランチとして主軸を担った大関、前線で出場を重ねた田中幹大が、異なるポジションで得点を挙げ、CBとして出場を重ねた田鎖が、プリンスリーグの最終節、矢板中央戦で務めたボランチとしてフル出場するなど、昨年から積み重ねてきたものも見せたフロンターレ。結果にもつなげ、トップチームと同様、新シーズンが楽しみになる試合となりました。
前半1-0 後半1-1 計2-1
得点:田中幹大、大関友翔(フロンターレ) 安斎颯馬(日本高校サッカー選抜、青森山田)
川崎フロンターレU-18の先発:1青山海、2高畠捷、15高井幸大、17浅岡飛夢、20松長根悠仁、5田鎖勇作、6田中慶汰、9田中幹大、7入江流星、18大関友翔、10五十嵐太陽
交代:大関→8秋葉拡人 入江→25五木田季晋
控え:16宮地健輔 3徳久湧大 11小野寺瑠 14大瀧螢 13久保田大吉
日本高校サッカー選抜の先発:1熊倉匠(山梨学院高校)、20内田陽介(青森山田)、3一瀬太寿(山梨学院高校)、4井上太聖(堀越)、5小澤亮太(昌平)、8川上航立(帝京長岡)、22宇野禅斗(青森山田)、7新井爽太(山梨学院高校)、21吉田陣平(佐賀東)、9崎山友太(米子北)、10安斎颯馬(青森山田)
交代:小澤→19木内拓海(市立船橋) 吉田→12青木俊輔(東福岡)
新井→14野田武瑠(山梨学院高校)
崎山→18福田師王(神村学園) 川上→23永吉飛翔(神村学園)
控え:17藤井陽登(矢板中央) 13板倉健太(山梨学院高校)
(文中敬称略)
写真はかんちさん、あんざいさんからも多くをいただきました。ありがとうございます!
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