4月4日は等々力陸上競技場へ。プリンスリーグ関東は開幕戦を迎え、川崎フロンターレU-18は桐生第一との一戦に臨みました。
昨年は新型コロナウイルスの影響を受け、開幕は9月、1回戦総当たり、昇降格なしで行われたプリンスリーグ関東は、今季は本来のホーム・アンド・アウェー方式に戻り、上位3チームはプレミアリーグ参入戦の出場権を獲得。また、下位チームは来季から復活するプリンスリーグ関東2部へ降格することになります。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第1節 vs 桐生第一】
4月4日(日)午後1時キックオフ 等々力陸上競技場 475人 くもり
フロンターレの先発は、GKキャプテンの1青山海、最終ラインは右から2高畠捷、15高井幸大、5田鎖勇作、20松長根悠仁、ボランチは6田中慶汰、18大関友翔、右MF9田中幹大、左MF7入江流星、前線には8秋葉拡人、10五十嵐太陽。
桐生第一の先発は、GK51竹田大希、最終ラインは右から34梅崎拓弥、59椋野眞澄、58丸山璃空、42倉上忍、ボランチは30浅田陽太、キャプテンの39金沢康太、右MF53寶船月斗、左MF29青木暖、前線には45小林凌大、26吉田遥汰。
曇り空に青空も垣間見える等々力は、帽子を飛ばすほどのやや強い風が時折吹きつけ、天気がこれから変わっていくことを感じさせられるコンディション。
昨年フロンターレ主催の試合は無観客、オンラインで配信するというかたちで行われたのに対して、この日はバックスタンドの1階席を開放、2019年のホーム最終戦、帝京戦以来の有観客での開催となり、家族やサポーターがつどい、幕や太鼓、手拍子で選手を力づけるなか、試合は始まりました。
立ち上がり、フロンターレはラインを高め、五十嵐や田中幹大へボールを入れていき相手陣内で時間をつくろうとしていきますが、なかなかシュートまではいけず。すばやい攻めから桐生第一がフロンターレのゴールに迫り、さらに高い位置からの連動したプレスをかけてきて、フロンターレはやや前に運べない場面が続いていきます。
7分には桐生第一、高い位置でボールを奪い、エリア右へ小林が進入。しかし、田鎖がスライディングで阻む好守。さらに左サイドを駆け上がった倉上がエリア内へ仕掛けていきますが、高井がクリア。桐生第一は立て続けにコーナーキックを得ていきますが、10分の右コーナーキック、倉上が左足で入れたボール、遠いサイドフリーで合わせようとした椋野はミートしきれず。
さらに青山のセーブやエリア内で田鎖らがしっかり対応していき、しのいでいきます。
するとフロンターレも次第に両サイドと中央を使いながら、前に出る時間をつくることができるように。五十嵐が下がり目で受けてうまく前を向き、秋葉や入江が田中慶汰や大関とともに中央でボールに触る一方で、田中幹大が前線へ動き出し、松長根や高畠もそれぞれのサイドの高い位置へ顔を出しながら、テンポよくボールを動かしていきます。
11分には、右サイドのスローイン、高畠から大関を経由して左に開いた松長根へ。松長根のスルーパスに田中幹大がエリア内へ抜け出しそうになりますが、これはわずかに合わず。さらに14分には、大関が縦につけたボールを、田中幹大が正面でおさめると、エリア内へ秋葉が飛び出しますが、シュートまではいけず。次第にゴール前での時間を増やしていきます。
一方の桐生第一も、15分には竹田のフィードに右サイドから斜めに動き出した寶船がエリア内へ飛び出しますが、シュートは青山がセーブ。
直後にはフロンターレ、中央の大関がエリア右を突くパスを入れると、入江が抜け出しますが、これは桐生第一、竹田が飛び出し、セーブ。互いに息のあったプレーで揺さぶっていきますが、それぞれしっかり対応していきます。
16分にはさらに桐生第一、中央でボールを回し、左へ展開。高い位置へ上がった倉上がエリア外から狙いますが、枠はとらえられず。17分には右コーナーキックを得ると、こぼれ球をエリア正面で拾い、枠左をとらえたシュートを放ちますが、青山が手を伸ばして、弾きだす好セーブ。さらに拾って打ったシュートは枠外に。好守でフロンターレはしのいでいきます。
ピンチをしのいだフロンターレは直後のフロンターレ。左サイドでのスローインから五十嵐が高い位置へ仕掛け、一気にエリア左へ。マイナスに折り返すと、中央で反応したのは秋葉。ボレーシュートを放つと、ボールはゴールのなかへ。1-0。先制点はフロンターレへ。
歓声は出せずとも、大きな拍手を送ったサポーターの後押しも受けて、さらに前に出ていくのはフロンターレ。中央で田中慶汰や大関、秋葉や入江がかかわり、奪われても、田中幹大がすぐさま取り返すなど、切り替えの良さを出していきます。
飲水タイムをはさんで、田鎖や高井もうまく前に持ち出しながら、フロンターレはボールを動かしていき、26分には、田中慶汰から左サイド、松長根へ展開。松長根のパスから田中幹大がエリア外左へ。田中幹大のパスにエリア正面右、飛び出した入江がシュートを打ちますが、上に。
最後のところで枠はとらえられなかったものの、テンポよくボールを動かしながら迫っていくフロンターレ。うまく間に五十嵐が飛び出し、球際でも田中慶汰が粘り強くボールをものにするなどしながら、さらに時間をつくっていきます。
30分には、中央で縦パスを入れていき、大関が縦につけたボールをエリア左、五十嵐がダイレクトではたくと、ボールは正面へ。田中慶汰のミドルシュートは枠をとらえますが、竹田がセーブ。なかなか前に出られなかった桐生第一も、直後には中央から左へ展開。倉上が縦に仕掛けていきますが、高畠が粘り、さらに入江も戻り、コンパクトにして対応していきます。
再び攻めに転じたフロンターレは、35分には右サイド、高畠のクロスに田中慶汰がエリア前に。スルーパスに五十嵐がエリア右へ飛び出しますが、竹田がセーブ。36分には高畠の浮き球に、田中幹大がエリア右へ飛び出し、折り返すと正面へ五十嵐が走り込みますが、わずかにさわることはできず。次々に選手たちがエリア内へ飛び出し、桐生第一のゴールを目指していきます。
桐生第一も38分には、エリア外右、受けた寶船がミドルシュートを打ちますが、青山がセーブ。さらに一昨年、昨年とフロンターレとの試合で、いずれも2ゴールを決めている寶船にボールは渡り、前への仕掛けから起点をつくろうとしていきますが、松長根が粘り強く対峙していき、それをさせず。フロンターレが中央でテンポよくボールを動かしながら、中盤から前線への飛び出しで、迫る時間をつくっていきます。
40分には大関、五十嵐と縦につながり、右へ展開。高畠が高い位置から折り返すと、エリア内、大関がシュートを打ちますが、桐生第一の守備に阻まれ、得点とはならず。
さらにセカンドボールを拾い、たたみかけていくのはフロンターレ。中央で細かくパスを回して、入江から左へ展開。松長根がエリア外左、高い位置へ。正面へ折り返すとシュートを打ったのは田中幹大。ボールはゴールのなかへ。2-0。選手たちのプレーの積み重ねが結びついて、フロンターレは追加点をものにします。
直後には、桐生第一、中央から最終ライン前へ際どい浮き球を入れていきますが、青山が頭でクリアする好守。さらに桐生第一は後ろでボールを動かし、打開を図りにいきますが、フロンターレは五十嵐や秋葉、田中幹大らが前から連動してプレス。
アディショナルタイムに入り、エリア近くでファールがあり、桐生第一がフリーキックを得たものの、入江もしっかりエリア近くでプレスに行き、大関が攻めにつながるようなボールを前に配球したところで前半はタイムアップ。2-0。フロンターレリードでハーフタイムとなります。
ともにメンバーの入れ替わりはなく始まった後半。
立ち上がりは桐生第一、サイドに展開してフロンターレのゴールの前に。左サイド、倉上が精度の良いクロスを入れていきますが、フロンターレはコンパクトに、エリア内で田中慶汰がクリアするなど、向き合っていきます。
前半の終わり際と同様に、エリア近くでフロンターレにファールがあり、桐生第一がフリーキックを得る場面が続きますが、高井らが体を張り、青山もしっかりパンチングで逃れるなどして、しのいでいきます。
フロンターレは田鎖や高井がフィードを入れ、田中幹大が前線へ動き出し、次第に再び前に出られるように。大関や田中慶汰がボールにさわる場面も増えていきます。7分には、左サイドからつないで、左に開いた田中慶汰がエリア外正面へボールを送ると、走り込んだ高井がミドルシュート。これは上にそれたものの、機を見てゴールを狙う姿勢を見せるフロンターレ。フロンターレボールのコーナーキックの場面でも、秋葉が高い位置で桐生第一のカウンターを阻止、田中慶汰も中央でパスカットを見せるなど、相手陣内で時間をつくれるように、プレーを重ねていきます。
ところが10分、桐生第一は中央で小林がボールをカット、すぐさまエリア右へスルーパスを送ると、抜け出したのは寶船。1対1となり、シュートを打つとこれが決まり、2-1。寶船の3年連続のフロンターレ戦でのゴールで1点差となってしまいます。
桐生第一はさらに、左サイドからの浮き球にエリア内へ吉田遥汰が飛び出していきますが、田鎖がカバーし、最後は青山がセーブ。12分には、さらにフロンターレの組み立てを突いて、正面でボールを奪うと吉田遥汰がシュートを打ちますが、青山がセーブ。直後にはセカンドボールを拾い、右クロスを入れると、こぼれ球を正面やや左で拾った浅田がシュートを打ちますが、わずかに左。
続く苦しい時間帯、体を張った守備でしのいでいくフロンターレ。連動したプレスといい位置取りでのボール奪取で次第に流れを引き戻し、田中慶汰が右サイドの高い位置へ開く一方で、高畠が中央へ仕掛けていくなど、位置を入れ替えながら前に出ていけるように。五十嵐が田中幹大とのパス交換からエリア内へ仕掛けていくなど、追加点を狙う姿勢を見せていきます。
21分には中央のパス交換から大関がエリア内へ。シュートを打ちますが、竹田がセーブ。さらに秋葉のパスから再びエリア内で大関がシュートを打ちますが、ここでも桐生第一のブロックに阻まれ、得点とはならず。しかし、フロンターレがペースを引き戻して、後半の飲水タイムへ。
飲水タイム明け、松長根が左サイドの高い位置へ開き、田中幹大がエリアへ仕掛ける動きを見せるなどしていくフロンターレ。田鎖や高井、田中慶汰や大関がボールに多く触れながら、前をうかがっていきます。
27分には、フロンターレのバッグパスを桐生第一が高い位置でカットしますが、高畠がカバーし、シュートまではいかせず。相手の攻撃の芽をつんでいくと、29分、中央の大関のスルーパスにエリア内やや右へ抜け出したのは入江。シュートを打つと、これが決まり、3-1。大きな追加点をフロンターレはものにします。
桐生第一はここで吉田遥汰に代わり35大隅斗星、青木暖に代わり56東幸輝。東が前線、大隅が左SB、倉上が左MFに。
フロンターレも31分には、大関が担架でピッチの外へ。代わって17浅岡飛夢が入り、左のCBへ。田鎖がボランチに。桐生第一のサイドを突く攻めに、高畠が粘り強く対応していくなどしていきます。
34分にはフロンターレ、中央でボールを奪った秋葉がそのまま持ち上がり、左へ展開。受けた田中幹大が中央へ切れ込み、シュートを打ちますが、枠はとらえられず。さらに中央、入江のパスから五十嵐が正面へ。シュートを打ちますが、左へ。フロンターレはさらに追加点を狙う姿勢を示していきます。
36分にはフロンターレは入江に代わり、25五木田季晋が左MFへ。田鎖、田中慶汰に、秋葉も加わり、ボールを回していこうとするフロンターレでしたが、39分にはエリア外右でファールがあり、桐生第一のフリーキックに。小林が遠いサイドへボールを入れると、フリーで頭で合わせたのは倉上。3-2。試合は再び1点差となります。
桐生第一は42分、浅田に代わり、25吉田光希。
中盤で球際に厳しくボールを奪い合うフロンターレと桐生第一。44分には、正面で桐生第一、金沢がミドルシュートを打ちますが、これは上に。
アディショナルタイムは5分、桐生第一のフリーキックをしのいだフロンターレは、田中慶汰や田鎖がセカンドボールをよくものに。桐生第一は倉上に代わり、55原嶋飛翔を入れていきますが、フロンターレは五十嵐が中央の下がり目に下り、コンパクトにして対応。田中慶汰のスルーパスに、田中幹大が左サイドの高い位置へ仕掛け、コーナーキックを得てボールをキープ。
最後は勝利にこだわる姿勢を見せたフロンターレ。試合は、タイムアップとなり、3-2。プリンスリーグの開幕戦を勝利で飾ることになりました。
この日の得点は多くの選手がかかわった見事なもの。これからの試合に向けて、きっと大きな弾みになるのではないか、と感じさせられます。
そんな選手たちの姿を見られたことは、昨年はオンラインでの観戦を強いられ、この日を待ちわびていたサポーターにとっても大きな喜びとなったはずです。
2021年のシーズン、選手たちがスタッフとともにより良いチームをつくりあげ、そんな姿を家族やサポーターが見守ることができるものになりますように。
そして、シーズンの終わりに大きな喜びを分かち合えますように
前半2-0 後半1-2 計3-2
得点:秋葉拡人、田中幹大、入江流星(フロンターレ) 寶船月斗、倉上忍(桐生第一)
フロンターレの先発:1青山海(c)、2高畠捷、15高井幸大、5田鎖勇作、20松長根悠仁、6田中慶汰、18大関友翔、9田中幹大、7入江流星、8秋葉拡人、10五十嵐太陽
交代:大関→17浅岡飛夢 入江→25五木田季晋
控え:16宮地健輔 3徳久湧大 11小野寺瑠 14大瀧螢 24吹田航晟 30由井航太 31尾川丈
桐生第一の先発:51竹田大希、34梅崎拓弥、59椋野眞澄、58丸山璃空、42倉上忍、30浅田陽太、39金沢康太(c)、53寶船月斗、29青木暖、45小林凌大、26吉田遥汰
交代:青木→56東幸輝 吉田遥汰→35大隅斗星 浅田→25吉田光希 倉上→55原嶋飛翔
控え:GK31横坂龍馬 57深津葵生 28青木架流 54中西晟那 76重冨昴成
(文中敬称略)
写真はかんちさんや、とめさんからもいただきました。ありがとうございます。
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