川崎フロンターレが味の素スタジアムにて、FC東京との多摩川クラシコに臨んだ4月11日、川崎フロンターレU-15は、関東ユース(U-15)サッカーリーグ第2節を迎えました。
昨年は新型コロナウイルスの影響を受け、1回戦のみ、昇降格はなく行われた関東ユース(U-15)サッカーリーグは、今季は本来の2回戦総当たりに戻り、1部の下位3チームが降格し、2ブロックある2部の1位2チームが1部へ自動昇格。それに加え、各ブロックの2位2チームによる昇格決定戦の勝者1チームが昇格となります。
今季は2部Aに振り分けられたフロンターレは、開幕戦は前橋FCと対戦し、村瀬悠馬がゴールを決め、1-1で引き分けてのスタート。第2節は茨城県日立市の折笠スポーツ広場で鹿島アントラーズノルテジュニアユースとの試合に臨みました。
なお、この記事は鹿島アントラーズに取材の許可をもらい、書かせていただきました。
【川崎フロンターレU-15 関東ユース(U-15)サッカーリーグ2部Aブロック第2節 vs 鹿島アントラーズノルテジュニアユース】
4月11日(日)午後2時キックオフ 日立市折笠スポーツ広場 晴れ 40分ハーフ
フロンターレの先発は、GK16太田陽彩、最終ラインは右から13加治佐海、3山中大輝、4土屋櫂大、27柏村涼太、ボランチはキャプテンの5田所莉旺、14齊名優太、右MF8知久陽輝、左MF6柴田翔太郎、前線には7香取武、11八田秀斗。
アントラーズノルテの先発は、GK1宮川大空、最終ラインは右から2宇野純平、20野内俊、3片桐大貴、6江幡恭太郎、ボランチは5畑中叶空、10砂押大翔、右MF14葛西元気、左MFキャプテンの8小笠原聖真、前線には7及川瑛太、9飛田晴琉。
好天に恵まれた折笠スポーツ広場。ピッチ際の丘には、散り際の桜も見える穏やかな天気。アントラーズの選手の家族らが選手たちの名前が記された幟旗などを立て、試合に懸ける意気込みを感じさせられるなか、キックオフとなりました。
立ち上がり、フロンターレは太田や山中、土屋や加治佐も加わり、後ろからボールを動かしに。アントラーズノルテは前からプレスをかけにいくも、フロンターレはうまくかわし、ボールの出しどころを探っていきます。
2分にはアントラーズが右サイドでボールを奪い、葛西のパスから飛田がエリア右へ仕掛けていきますが、土屋がブロック。コーナーキックとなり、砂押が左足で入れたボールに、ニアで畑中が合わせますが枠はとらえられず。しのいだフロンターレはアントラーズがエリア前に浮き球を入れ、揺さぶってくるのに対し、山中や田所がはさみこむようにして対応。田所の縦パスを呼び水に、齊名から中に寄った柴田、左サイドの高い位置へ上がった柏村へつなげ、アントラーズノルテ陣内で時間をつくっていきます。
5分には加治佐が右サイドの高い位置へ。エリア前に切れ込んでクロスを上げると、エリア内に飛び込んだ柴田が頭でとらえたボールはゴールに決まりますが、オフサイド。直後には、正面で柴田がボールをカット、地を這うようなシュートを打ちますが、宮川がセーブ。7分には、土屋から受けた柴田が柏村とのパス交換から左サイドの高い位置へ。折り返したボールに、知久が迫りますが、アントラーズノルテはクリア。フロンターレが迫る時間をつくっていきます。
一方のアントラーズノルテも8分には及川の浮き球に、正面へ飛田が抜け出しそうになりますが、土屋がうまく体を入れ、マイボールにしていきます。さらにアントラーズノルテ陣内でボールを何度も奪い取り、齊名がパス交換からエリア内をうかがうなど、テンポよく攻めていくフロンターレ。10分には山中のフィードに、香取が頭で合わせますが、宮川がセーブ。長いボールも交えて揺さぶっていきます。
なかなかフロンターレ陣内での時間をつくれなかったアントラーズノルテも、及川のプレスバックを起点に、エリア前での時間をつくり、12分には小笠原の浮き球に、飛田がエリア内へ飛び出しますが、さわることはできず。
さらにルーズボールを小笠原が拾い、エリア前の及川から左に展開。江幡がエリア内へ仕掛けていきますが、山中が粘り強く対応。さらにルーズボールを拾って縦に仕掛けてくる及川に対して、齊名、田所が囲い込むようにして対応、そこから縦にボールをつけ、前に飛び出すなど、フロンターレは流れをつかんでいきます。
すると16分、フロンターレは高い位置でマイボールにすると、柴田がドリブルで仕掛けて、エリア左へ。シュートを打つとこれが決まり、1-0。先制のゴールをついにものにします。
フロンターレはさらに田所や齊名が縦にパスを入れ、柴田や知久が中寄りに。八田が下がり目でおさめる一方で、柏村がタイミングよく上がり、齊名のパスから高い位置へ仕掛けていくなどしていきます。
飲水タイム直後には、アントラーズノルテ、左サイドのスローインから小笠原が高い位置へ。ゴール前に折り返していきますが、齊名がクリア。さらに中央から攻めていこうとするアントラーズノルテに対して、齊名がボールをカット、パスを受けた香取がうまく前を向いて、縦に仕掛けていくなど、守備から攻めへの切り替えの良さでアントラーズノルテを上回っていきます。
21分には、齊名から左に開いた柏村へ。柏村から受けた八田が柴田とのパス交換からエリア内へ進入しますが、オフサイド。直後には、右サイドに開いた香取がクロスを入れるとこぼれ球に柴田が迫りますが、野内がクリア。23分には、エリア外正面で知久がボールをカット。アントラーズノルテにファールがあり、フリーキックに。柴田が直接狙いますが、宮川がセーブ。
フロンターレはさらに、香取や八田がうまく間でボールを受け、ワンタッチでボールをはたきながら、テンポよくボールを動かし、前に選手たちが飛び出し、高い位置でアントラーズノルテがボールを奪っても、山中がしっかりボールをカットするなど、集中力を保っていきます。32分には、高い位置でアントラーズノルテがボールを奪い、左サイドを仕掛けた小笠原が折り返しますが、ここでも山中がエリア内で対応。
32分には、エリア外左でフリーキックを得たアントラーズノルテ、小笠原はエリア外左、フリーになっていた及川に預けると、及川はミドルシュートを打ちますが、右へ。
さらに中央に縦パスを入れてくるアントラーズノルテに対して、知久も戻りコンパクトにして対峙。シュートまではいかせずに、対応していくと34分、次の1点もフロンターレへ。間でうまくボールをおさめ、前を向いた香取を起点に攻めに転じ、左に展開。柴田が左から折り返すとダイレクトでシュートを打ったのは八田。ボールはゴール左へ決まり、2-0。フロンターレが突き放します。
田所の縦パスをエリア外正面でおさめ、前を向いた香取がミドルシュートを打つなど、さらに追加点を狙うフロンターレ。37分には、知久が右サイドでボールをカット、クロスを入れると柴田のヘディングシュートは枠をとらえますが、宮川がセーブ。
さらに相手陣内でボールをものにしていくフロンターレ。38分には、齊名から受けた香取が前に仕掛けると、アントラーズノルテはこれに対してファール。フロンターレがPKを得ます。キッカーは香取。ゴール左へのシュートは、宮川が反応したものの決まり、3-0。フロンターレのリードが広がります。
39分には、八田が間でボールをおさめ、左へ展開。柴田の折り返しに八田が迫りますが、宮川がセーブ。前半は3-0でタイムアップ。フロンターレがリードしてハーフタイムへ。
後半、フロンターレは交代なし。アントラーズノルテは葛西に代わり、12正木祐翔、飛田に代わり11土屋裕豊。
後半立ち上がりはアントラーズノルテ、土屋が仕掛けてクロスを入れると、太田がパンチング。こぼれ球を拾った宇野が正面でシュート。これは上にそれたものの、アントラーズノルテがチャンスをつくっていきます。
さらにカットしすぐさまフロンターレのエリア前に速いボールをつけてくるアントラーズノルテ。フロンターレは柏村がしぼって対応するなどしていきますが、なかなか前にいけない時間が続いていきます。
3分には、アントラーズノルテ、小笠原が左サイドを仕掛け、クロスを入れると、正木がヘディングシュート。これはフロンターレがブロックし、左コーナーキックに。左コーナーキック、土屋が右足でボールを入れると、ニアで合わせたのは野内。ボールはゴールネットを揺らし、3-1。アントラーズノルテが1点を返します。
左右に土屋や正木が流れ、次々に宇野や江幡が高い位置へ顔を出しながら、前に出ていくアントラーズノルテ。フロンターレはなかなか守備から攻めへのつながりを出せずに苦しい時間帯が続いていきます。
6分には、江幡の左クロスのこぼれ球を拾った及川が正面へ切れ込み、ミドルシュートを打ちますが左へ。
10分にはフロンターレ、柴田がボールをカット。預かった齊名がエリア右を突くパスを出すと、抜け出したのは知久。切り返してシュート。しかし、宮川がセーブ。それでもフロンターレはゴールへ迫る場面をつくっていきます。
うまく背後を突くボールを入れてくるアントラーズノルテ。フロンターレは前に抜け出しそうになるアントラーズノルテの土屋に対して、山中や土屋がはさみこむようにして対応するなどしていきますが、15分、次のゴールはアントラーズノルテへ。及川が右サイドを仕掛けて切り返し、クロスを入れると走り込んだ正木がダイレクトでシュート。これが決まり、3-2。試合は1点差に。
さらに裏を狙い、ボールを入れてくるアントラーズノルテに対して、コンパクトにして対抗していくフロンターレ。17分にはフロンターレ、田所が右サイドの高い位置へ展開。仕掛けた加治佐がファールを受け、エリア外へ右でのフリーキックに。柴田がボールを入れると遠いサイド、土屋が迫りますが、アントラーズノルテはクリア。
フロンターレは20分、山中、齊名、知久に代わり、31関徳晴、10矢越幹都、17村瀬悠馬。村瀬が前線、関、矢越がボランチ、田所がCBに。
交代を経たフロンターレは、中央で関がルーズボールをよく拾い、矢越や村瀬が中央でかかわりあいながら再び前に出られるように。24分にはエリア外正面やや距離のあるところで、八田がファールを受け、フリーキックを得ると、柴田がすらしたボール、田所がミドルシュートを打ちますが、宮川がセーブ。
28分には、矢越の縦パスをエリア内で香取がおさめ、最後はエリア内、村瀬がシュートを打ちますが、ボールはポスト。アントラーズも、間で砂押が受けて起点となろうとしていきますが、土屋と矢越の連係で対応し、それをさせず。距離感の良さを取り戻していきます。
32分には左に開いた八田から中央の矢越、矢越から右の加治佐へ。加治佐が切り返して、エリア内へ浮き球を入れると、柴田が飛び出しますが、さわることはできず。それでもゴールをおびやかしていきます。
35分にはアントラーズノルテも、宇野の精度の良いクロスがニアに入りますが、土屋がファールを受けながらも阻む好守。攻撃の芽を摘んでいきます。
フロンターレも37分には、左の柴田から正面の香取へ縦パスが入り、間で受けた八田がうまく前に持ち出して、シュートを打ちますが右へ。
アントラーズはここて片桐が痛めて外へ。18日比亜斗夢が入り前線へ。土屋がCBに。
フロンターレはここからサイドを突いて迫る時間をつくり、39分には柴田から左に開いた八田へ。八田のクロスに、香取が飛び込みますが、宮川がセーブ。さらに矢越から八田とつなぎ、八田のスルーパスに柴田がエリア左へ仕掛けていきますが、これはオフサイド。次々にゴールへ向かっていきます。
アントラーズノルテはここで小笠原に代わり27小豊納奏。
フロンターレはさらに41分、矢越のスルーパスに、エリア内へ柴田が飛び出しますが、宮川が粘りセーブ。アントラーズノルテも直後には、エリア外右でフリーキックを得ると、宇野が右足でエリア内へボールを入れていきますが、これを拾ったフロンターレは加治佐が縦に仕掛けて、ゴールへ向かう動きを見せ、これに対してアントラーズノルテはファール。流れを引き戻していきます。
フロンターレはここで加治佐に代わり15荒井颯太が入り左SB。柏村が右SBへ。直後にはフロンターレ、中央で村瀬から八田とつなぎ、八田のパスに柴田がエリア内へ。宮川が前に出てきたところ、シュートを打つと枠をとらえますが、ライン上で野内がクリアする好守を見せ、惜しくも得点とはならず。しかし、直後の左コーナーキック、柴田がゴールへ向かうボールを入れたところで試合はタイムアップ。3-2。
ペースをつかんだ前半は相手陣内で試合を進め、トップチームを彷彿とさせるサッカーを展開したことが印象的だったフロンターレ。一転して後半は苦しい時間もありましたが、のまれることなく、次第に最後には流れを引き戻し、勝利をおさめることになりました。
前半3-0 後半0-2 計3-2
得点:柴田翔太郎、八田秀斗、香取武=PK(フロンターレ) 野内俊、正木祐翔(アントラーズノルテ)
フロンターレの先発:16太田陽彩、13加治佐海、3山中大輝、4土屋櫂大、27柏村涼太、5田所莉旺(c)、14齊名優太、8知久陽輝、6柴田翔太郎、7香取武、11八田秀斗
交代:齊名→10矢越幹都 知久→17村瀬悠馬 山中→31関徳晴 加治佐→15荒井颯太
控え:19山本健翔 2岩坪瑛太 25林駿佑 20中西大晴 41小野口天
アントラーズノルテの先発:1宮川大空、2宇野純平、20野内俊、3片桐大貴、6江幡恭太郎、5畑中叶空、10砂押大翔、14葛西元気、8小笠原聖真(c)、7及川瑛太、9飛田晴琉
交代:飛田→11土屋裕豊 葛西→12正木祐翔 片桐→18日比亜斗夢 小笠原→27小豊納奏
控え:21須藤文太 22富田剣士 19中島叶夕 25庄司秦蔵 13秋山珀寧
(文中敬称略)
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