7月31日は前橋総合運動公園へ。柏レイソル戦に勝利した川崎フロンターレは日本クラブユース選手権準々決勝へ進出。対戦相手はサンフレッチェ広島ユース。2013年12月のJユースカップ準決勝以来の対戦。現在はトップチームの選手となった板倉滉や現・阪南大の脇坂泰斗らが出場したこの試合はフロンターレが2点先行するもサンフレッチェが7分間で3点を入れる怒濤の攻勢で逆転。しかし、フロンターレもキャプテン脇坂のゴールで追い付く粘りを見せて延長へもつれこみ、最後は3-4でサンフレッチェが勝者となりました。2年半をへた再戦ははたしてー。
【川崎フロンターレU-18 日本クラブユース選手権準々決勝vsサンフレッチェ広島ユース】
7月31日午前9時キックオフ 前橋総合運動公園 晴れ 45分ハーフ
フロンターレU-18の先発はGK16早坂勇希、DFは右から14小川真輝、34高吉正真、22新井秀明、3川崎晶弘、ボランチはキャプテン10田中碧、15池谷祐輔、右MF17大曽根広汰、左MF8栗脇拓人、トップ下18村田聖樹、FW26宮代大聖。レイソル戦で決勝点を決めたあと負傷交代した宮代も無事スタメンに名前をつらねました。
サンフレッチェはGK21大迫敬介、DFは右から2東野広太郎、キャプテン3イヨハ理ヘンリー、4里岡龍斗、右MF15川井歩、左MF18村山勘治、ボランチは7力安祥伍、17川村拓夢、二列目に19仙波大志、9満田誠、20明比友宏。仙波はU-17日本代表では村田のチームメート。
前橋市は朝から太陽が照りつけて、気温は上昇。そのため、同点で後半が終わった場合は延長戦は行わず、PK戦によって決着をつけることに。
「勝つぞ! 勝つぞ!」「行くぞ! 行くぞ!」。円陣で、そう声を掛け合って試合に臨んだ選手たち。フロンターレ、サンフレッチェ双方のサポーター、家族が声援を送るなか、試合は始まりました。
立ち上がりからペースを握ったのはサンフレッチェ。5分には里岡のフィードに左サイド、村山が抜け出してエリア左へ仕掛けて折り返すとこれにエリア内満田が反応。フロンターレにとってはいきなりのピンチでしたが、早坂がシュートを弾き出す好反応。得点を許しません。
さらに畳み掛けるのはサンフレッチェ。8分には仙波がエリア左を突破、折り返しに明比が合わせますがまたも早坂がこれを止める大きなプレー。
フロンターレは直後に左サイドからパス交換でサンフレッチェのゴールを目指しますが、シュートには至らず。延長戦を戦った疲れも残っているのか、エリア前でのパス回しなどでミスが多く、自らピンチを招いては何とかカバーをする場面が続いていきます。
15分にはサンフレッチェ、右クロスに村山が頭で合わせるもこれは上へ。さらに20分には左クロスに明比が頭で合わせるも早坂がこれに反応。またまた相手の得点の芽を摘んでいきます。
苦しい展開が続き、この日1回目の給水タイムには「声を出して、声を出して」「いつもの雰囲気を!」。早坂らが声を掛け合います。
しかし、給水タイム明けも押し込んだのはサンフレッチェ。仙波のスルーパスや満田の右からの折り返しなどでゴールへ迫っていき、これに高吉らが対応して何とかしのぐ場面が続いていきます。32分には池谷に代わり7桝谷岳良がボランチに。
34分には明比のリターンを受けた満田がエリア右からシュートを放つも右へ。フロンターレもようやく、小川や桝谷、大曽根がかかわってパスが回り始めますがシュートは打つことはできず。ロスタイムは1分。「このまま、前半耐えよう!」と村田ら。サンフレッチェの攻勢をしのいで0-0で前半は終了となります。
「やるぞ! やるぞ!」「行くぞ!」。声を張り上げて後半へ向かうフロンターレの選手たち。立ち上がりには宮代からボールを受けた村田のパスに右から桝谷が抜け出してGK大迫と1対1に。しかし、これはオフサイド。さらに中央から攻勢に出ると田中が最後はミドルシュートを打ちますがこれはGK大迫に。
フロンターレは相手ボール時には最終ラインに、大曽根や時には栗脇が下がってマンツーマン気味に集中した守りを見せて、前半と比べるとサンフレッチェに攻撃の糸口を与えず。ボールを中へ入れられても高吉や新井らがしっかり対応。22分にはコーナーキックから枠内へ決定的なシュートを打たれますが村田がこれをクリアする好守。ここで3分間の給水タイムに入ります。
ベンチへ下がってくる両チームには力を尽くして、顔は真っ赤に上気している選手も。フロンターレも「おい、しっかりしろ!」。そう何度も声をかける場面もありました。
給水タイムからの再開直後にはフロンターレ。カウンターから田中を起点に大曽根がエリア内右シュートを打つもブロックに阻まれると、こぼれ球を栗脇が拾いシュートを打ちますがこれはGK大迫が反応。惜しくもネットを揺らすには至らず。
27分にはサンフレッチェ、エリア前、川井のフリーキックを早坂がセーブすると、すばやく前線へスロー。これを受けた大曽根が一気にエリア内へ進入、シュートは阻まれて右コーナーキックに。
そして小川のコーナーキックは跳ね返されますが、これを自ら拾った小川が右クロスを入れると、最後はエリア内左足でシュートを打ったのは村田。ゴールネットがついに揺れます。1-0。先制したのはフロンターレ。ピッチ際に走っていく村田、そして、駆け寄る選手たち。
ここでサンフレッチェは明比に代わり10山根永遠がピッチへ。フロンターレは栗脇に代わり6小泉靖弥。宮代、村田、小泉が前へでて、4バックに加えて大曽根が引き気味になってサンフレッチェの攻勢に構えるような形に。
35分にはクロスのこぼれ球、満田がシュートを枠内へ打ちますが、これは新井がライン上でクリア。ここで村田に代わり11道本大飛がピッチへ。「ここから気合い入れていくぞ!」。田中の鼓舞する声が響きます。
サンフレッチェはクロスから山根がシュートに持ち込みますが、なかなか決定的なものとはならず。45分、早坂がシュートに対応したところから前線へボールを送ると、DFとGKの間あたりに落ちたボールをサンフレッチェはうまく処理できず、小泉がマイボールに。GK大迫を交わしてシュートを放つとこれが決まって2-0。大きな追加点。選手が次々に小泉に駆け寄って喜びを分かち合います。
サンフレッチェは里岡に代わり8藤原慶人。フロンターレはさらにエリア右、小泉がGK大迫が前へ出てきたところをみてループシュートを打ちますがこれは上へ。さらにカウンターから田中が放ったミドルシュートは上へ。
「最後まで行こう! 最後まで行こう!」。フロンターレの選手たちは口々に声を掛け合います。最後の交代は大曽根に代わり4伊従啓太郎。試合は2-0でタイムアップ。
ラウンド16までと同様、劣勢にも折れることのない粘り強さを見せて、フロンターレはこの大会初めての準決勝進出を果たしました。
次戦、2日午後4時キックオフの準決勝の試合会場は味の素フィールド西が丘。対戦相手はFC東京 U-18。公式戦では、等々力で三好康児、板倉滉、岸晃司(現・専修大)がゴールを重ね4-0で勝利した2014年のプリンスリーグ関東第17節以来の対戦となります。
時計の針が進むたびにチームとして、力がついてきているといった印象のフロンターレ、どんな戦いぶりを見せるのか、楽しみです。
前半0-0 後半2-0 計2-0
得点:村田聖樹、小泉靖弥(川崎)
フロンターレU-18の先発:16早坂勇希、14小川真輝、34高吉正真、22新井秀明、3川崎晶弘、10田中碧=cap、15池谷祐輔、17大曽根広汰、8栗脇拓人、18村田聖樹、26宮代大聖
交代:池谷→7桝谷岳良 栗脇→6小泉靖弥 村田聖樹→11道本大飛 大曽根→4伊従啓太郎
控え:21浅川将輝 31上野綜太 28山田新
サンフレッチェの先発:21大迫敬介、2東野広太郎、3イヨハ理ヘンリー=cap、4里岡龍斗、15川井歩、18村山勘治、7力安祥伍、17川村拓夢、19仙波大志、9満田誠、20明比友宏
交代:明比→10山根永遠 里岡→8藤原慶人
控え:31伊藤隆介 5堤耕一 13岡野周太 25根角裕基 29桂陸人
(文中敬称略)
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.
今日準決勝ですね。
転勤になって応援には行く事は出来なくなりましたが
九州から応援しています。皆頑張って。
遠いところからの声援ありがとうございます。
今日は大勢での応援ができると思うので,精一杯後押ししてきます!
読んでいただきありがとうございます! 遠くの方に少しでも様子が伝われば幸いです。残念ながら決勝へは行けませんでしたが、見事な戦いぶりでした。