12月11日は、国立競技場へ。
昇格1年目で、プレミアリーグEAST初優勝を飾った川崎フロンターレU-18。
プレミアリーグWESTの王者サガン鳥栖U-18と、日本一を懸けた一戦、プレミアリーグファイナルに臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プレミアリーグファイナル vs サガン鳥栖U-18】
12月11日(日) 午後1時4分キックオフ 国立競技場 晴れのちくもり 8572人
新型コロナウイルスの影響を受け、2シーズンにわたり中止となり、3年ぶり、そして初めての新国立競技場での開催となったプレミアリーグファイナル。
フロンターレの先発は、GK21濱﨑知康、最終ラインは右から22江原叡志、4高井幸大、3松長根悠仁、35土屋櫂大、ボランチは14大瀧螢、18由井航太、右MF17尾川丈、左MF25志村海里、トップ下ゲームキャプテンの10大関友翔、前線には9五木田季晋。
鳥栖の先発は、GK1栗林颯、最終ラインは右から2山本楓大、4坂井駿也、3竹内諒太郎、5今村元紀、ボランチはキャプテンの10福井太智、その前に13松岡響祈、7楢原慶輝、右MF9堺屋佳介、左MF17増崎康清、前線に11大里皇馬。
風もなく、穏やかな気候の国立競技場。
多くのフロンターレのサポーター、鳥栖のサポーターらが並び、会場とともにそれぞれのエリアを埋め、幕などを出す熱のこもった雰囲気に。
キックオフの前には、日本サッカー協会名誉総裁の高円宮妃久子殿下からフロンターレのゲームキャプテン大関、鳥栖のキャプテン福井に優勝盾が贈られるセレモニーも行われ、両チームに、拍手が送られました。
フロンターレも、鳥栖もサポーターらが、チャントや手拍子などで選手の後押しをするなか、試合は始まりました。
立ち上がりには鳥栖、右サイドでのスローインの流れから、エリア外右で堺屋がファーストシュート。これは枠をとらえられず。
さらに長いボールを入れる時間が少し続いたあと、次第にフロンターレは、細かくボールを動かす場面をつくっていき、2分には、大関から左サイドへ。
志村につながり、志村のクロスは鳥栖がクリアし、左コーナーキックに。
キッカー、大関は右足でニアに入れていき、セカンドボールを江原が拾ったフロンターレは、後ろにボールを戻し、組み立てを図っていきます。
これに対して、鳥栖は、右サイドで山本がボールをカット。フロンターレは前にいかせず、右サイドでのスローインに。
その流れから、右サイド、高い位置へ持ち込んだ鳥栖は、右からの折り返し、エリア外正面で受けた福井が、強烈なミドルシュート。枠右をとらえますが、濱﨑がセーブ。
右コーナーキックとなり、キッカーの今村が左足でニアにボールを入れると、フロンターレが跳ね返したところ、セカンドボールを拾った鳥栖は、正面へ浮き球のパス。
これを福井が受け、前に持ち込もうとしていきますが、フロンターレはしっかり寄せ、最後は濱﨑がセーブしていきます。
フロンターレが、後ろから組み立てを図るのに対し、鳥栖も中盤で福井が起点となり、そこからサイドに展開するなどして、互いに持ち味を出そうとしていきます。
鳥栖がボールを持つ場面では、コンパクトに対応し、左サイドでボールをカットした志村が、大関とのパス交換から高い位置をうかがうなどしていくフロンターレ。
高井、松長根が開き、間に大瀧、大関も下り、組み立てを図り、そこを狙い、鳥栖が中央でボールを奪う場面では、江原が奪い返し、前には行かせず。
失っても、いい対応を続けていきます。
鳥栖も、時にはGKの栗林がエリア外に出て、組み立てに加わり、右サイドに正確なボールを供給。そこから中央の福井を経由して、左サイドに展開。
今村が高い位置でクロスを入れていきますが、フロンターレはこれを跳ね返し、ボールをおさめた五木田がキープ。しっかり、つなげるかたちをつくっていき、ボールを保持する場面につなげていきます。
18分には鳥栖、左サイド、増崎へつながり、増崎は仕掛けていきますが、江原が前に行かせず。
19分にはフロンターレ、大関が中盤やや右に顔を出した尾川へ、うまくつなげ、尾川から再び大関が受け、大瀧につながり、大瀧は左サイドへパス。
高い位置へ上がった土屋がクロスを入れていきますが、栗林がセーブ。シュートにはつながらず。
フロンターレは、最終ラインの松長根、高井に大関、大瀧、由井、間に尾川も顔を出しながら、前に出ようとする時間は続いていき、鳥栖にいったん渡ったボールを由井が奪い返し、その縦パスに、大瀧が高い位置へ動き出すなど、切り替えの速さを見せていきます。
鳥栖も22分には、GKの栗林が中央の福井へ好パス。福井の左サイドを突くパスに、今村が上がっていき、前に持ち出す姿勢を見せ、そこから正面の福井へ。
しかし、由井が奪い、前に行かせず。
24分には、さらに鳥栖が、最終ラインの竹内、坂井に間に福井が下り、組み立てを図ろうとするところ、由井がカット。その縦パスに、五木田が正面へ動き出しますが、今村が粘り強く寄せていき、ゴールキックに。
互いに、球際でしっかりプレーを重ね、決定機には至らない場面が続いていきます。
26分には鳥栖、福井のスルーパスに、増崎が正面へうまく抜け出し、ミドルシュート。枠はとらえられませんでしたが、好パスと素晴らしい動き出しから、フロンターレのゴールへ迫っていきます。
フロンターレは、27分、松長根が、前線、五木田へフィード。こぼれ球を大関が拾い、左サイド、開いた志村へパス。志村は仕掛けていきますが、山本が前に行かせず。そこから、ボールを動かし時間をつくる鳥栖。
それでも、フロンターレは再びボールを取り返し、大関のパスに、五木田が前に動き出すなどしていきます。
28分には、右サイドでスローインを得たフロンターレ、大関が右サイドを突くパス。これをおさめた江原のパスに、尾川がエリア右へ。しかし、鳥栖は体を張ってブロック。
右コーナーキックに。大関がボールを入れると、セカンドボールを拾ったフロンターレは、エリア外左、尾川へ。
これに対して、鳥栖はファール。フロンターレのフリーキックに。
キッカーの大関がニアに入れると、土屋が迫りますが、鳥栖の守りに遭い、枠へは飛ばせず。
さらにコーナーキック、セカンドボールを拾い、フロンターレが迫っていきますが、決定的なものにはならず。
32分には、高井の縦パスが大瀧に入り、大瀧がダイレクトでスルーパス、大関がうまく入れ替わり、エリア内へ。ゴール左、五木田を狙い、パスを出しますが、山本がしぼってカバーする好守。こぼれたボール、エリア正面、尾川が迫りますが、鳥栖の厳しい守りが阻み、さらに速い寄せから土屋がエリア外正面でミドルシュートを打ちますが、ここでも鳥栖の体を張った守備が阻んでいきます。
34分には、鳥栖、右サイド、山本から高い位置の堺屋へ。堺屋は前に持ち出し、クロスを入れていきますが、エリア内、松長根がクリア。
右サイドでのスローインとなり、その流れから堺屋が仕掛けていきますが、大瀧が体を入れ、前に行かせず。ゴールキックにしていきます。
35分にはフロンターレ、松長根のフィードが、左サイド、志村へつながり、志村から中央の大関へ。
大関から右サイドの江原へ。江原が高い位置でクロスを入れると、エリア内へ由井が飛び出しますが、鳥栖はクリア。
フロンターレはセカンドボールを大瀧がものに。細かくボールを動かしていき、人をかけて迫っていきますが、鳥栖も守りが堅く、シュートにはつながらず。
さらに間で由井が受け、由井の左サイドを突くパスが、志村へつながり、寿村が仕掛ける姿勢を見せていきますが、ここでも鳥栖が1対1の強さを見せ、前には行けず。
それでもフロンターレは、最終ラインの高井が高い位置へ上がり、そこから右サイド、江原へつなげるなど、ラインを高めながら、前に出ていきます。
すると42分、フロンターレは、大関から由井につながり、由井から右サイドの江原へ。
江原が高いクロスを入れると、GKの栗林がセーブしきれなかったところ、エリア内でボールをものにしたのは五木田。これに対して、栗林がファール。
フロンターレはPKを得ます。
キッカーは松長根。栗林が右へ飛んだところ、真ん中へ決め、1-0。フロンターレが先制します。
フロンターレサポーターのゴールを喜ぶバスケットケース、そして拍子のなか、再開される試合。
試合はアディショナルタイムへ。
45+1分、厳しい競り合いを制した鳥栖は、正面の福井から右サイド、山本へ。
山本がクロスを入れると、左へ流れたボールに、増崎がうまく抜け出し、エリア内、1対1に。ゴール右へ決めて、1-1。
最後の最後に鳥栖が追いつき、前半は1-1でタイムアップとなります。
後半、立ち上がりは鳥栖、左サイドで増崎や今村、福井らが関わり合ってボールを動かし、そこから右へ。大里から堺屋とつながり、下がり目で受けた山本がクロス。
しかし、ワンタッチあり、右コーナーキックに。
今村がボールを入れると、堺屋がシュートを打ちますが、上に。
さらに鳥栖は、大里が左サイドでボールをキープ。オーバーラップした今村につながり、今村が前に持ち出していきますが、江原が体を入れ、前には行かせず。
鳥栖が攻勢に出る中で、フロンターレも体を張って、これに対抗していきます。
6分には、フロンターレ、右サイドからの攻めに。由井がスルーパスを出すと、江原がエリア右へ。しかし、鳥栖の守りに遭い、シュートにはつながらず。
さらに鳥栖は、フロンターレが後ろから組み立てを図ろうとするところ、高い位置で連動し、奪いにきますが、フロンターレはこれをうまく剝がし、大関がサイドチェンジ。
左サイド、志村へつながり、志村のパスに、大関が正面へ。
しかし、ここでも鳥栖の体を張った守りに遭い、シュートはブロック。
逆に鳥栖がカウンターに持ち込み、大里から楢原とつながり、楢原から受けた今村が左サイドの高い位置へ。ニアにクロスを入れていきますが、高井がクリア。
左コーナーキックとなりますが、福井が入れたボールは濱﨑がセーブ。
フロンターレも集中した守りを見せていきます。
松長根、大瀧に下がり目で大関がボールを受け、その浮き球に五木田がエリア内へ動き出すなど、前に向かう姿勢を見せていくフロンターレ。
鳥栖に奪われても、中央に寄った尾川がカット。そこから左の土屋へつなげるなどしていきます。
11分には、志村、土屋の連係で左サイドで動かし、下がり目で受けた大瀧は、正面へ縦パス。エリア正面、尾川が抜け出し、そのパスに大関がエリア内へ。
しかし、鳥栖の厳しい守りに遭い、シュートには至らず。
12分には、鳥栖の縦パスを自陣で大瀧がカット。高井から松長根とつながり、松長根から左サイド、土屋、下がり目の大関へ。
大関は正面へ浮き球のパス。これに尾川が反応しますが、栗林がセーブ。
パスワークでフロンターレが揺さぶる一方で、鳥栖も集中した守りを見せていきます。
13分には、鳥栖、GKの栗林から山本へ。
山本の縦パスをうまく間で松岡が受け、右からクロスを入れていきますが、松長根がカバー。
15分には、坂井が左サイドを突くフィード。増崎が抜け出し、仕掛けていきますが、江原が厳しい寄せで前に行かせず。
しかし、さらに前に出てくるのは鳥栖。16分、左サイドでボールをカット。増崎から楢原、中央の福井へつながると、福井のスルーパスに、楢原がエリア外左へ抜け出し、クロス。
これを大里が決めて、1-2。勝ち越しのゴールは鳥栖へ。フロンターレ、追いかける展開に。
フロンターレはここで、32柴田翔太郎、20岡崎寅太郎が出場に備え、ライン際へ。
しかし、さらに突き放したのは鳥栖。フロンターレのエリア外正面での組み立てを狙い、福井がカット。正面やや右へ持ち込み、シュートを打つとこれが決まり、1-3。
試合は2点差に。
フロンターレはここで大瀧に代わり20岡崎寅太郎、志村に代わり32柴田翔太郎。
22分にはなおも鳥栖、エリア外左でフリーキックを得ると、福井が精度の良いボールを入れていきますが、松長根がクリア。
右コーナーキックとなり、今村が左足でボールを入れると、遠いサイドで合わせますが、ワンタッチあり、左コーナーキックに。
今度は福井がボールを入れていきますが、これをしのいだフロンターレ、
濱﨑がすばやいリスタート、そこから左へ。柴田から土屋とつながり、土屋はクロスを入れていきますが、栗林がセーブ。
後ろでボールを動かしていこうとする鳥栖に対し、前から奪いにいくフロンターレ。
24分、正面、高い位置で岡崎が体をうまく入れ、ボールを奪い、いったん五木田に預け、エリア内へ。シュートを打つとこれが決まり、2-3。
サポーターを大いに沸かせる追撃のゴール。試合は1点差に。
直後には、フロンターレ、土屋のパスに、柴田が高い位置へ。仕掛けて折り返すと、岡崎がエリア内へ。シュートを打ちますが、鳥栖が体を張り、最後は栗林がセーブ。
フロンターレは、さらにラインを高め、松長根が裏を狙った縦パスを入れるも、これはシュートにはつながらず。
鳥栖も28分には右サイドでテンポよく動かし、中央を経由して、左へ。今村が高い位置からクロスを入れていきますが、これはシュートにはつながらず。
高井や松長根、間に由井が下り、大関から受けた柴田が仕掛ける場面をつくるなど、フロンターレは高い位置での時間を増やしていきます。
30分には、大関から松長根とつながり、左サイドに開いて受けた柴田が、切り返して正面へ。
ミドルシュートを試みるも、鳥栖は体を張ってブロック。
鳥栖は32分、堺屋に代わり16林奏太朗。
33分にはフロンターレ、大関の縦パスに柴田が左サイドの高い位置へ。しかし、その仕掛けは、鳥栖の山本が体を張って、阻んでいきます。
鳥栖も、立ち位置を変えながら、高い位置で時間をつくり、35分には、エリア外左でフロンターレがファール。
キッカーの福井が右足でボールを入れると、セカンドボールを拾った鳥栖は、福井が左サイドからエリア内へ浮き球。
しかし、濱﨑がセーブ。
37分には、フロンターレ、左サイド、土屋、柴田と動かし、下がり目の大関、松長根とつながり、松長根から左サイド、高い位置へ抜け出した大関へ。
大関が左クロスを入れると、エリア内、飛び出した岡崎がヘディングシュート。しかし、わずかに上。
フロンターレは、さらにテンポを出し、右サイド、江原や左サイド、柴田が高い位置で受ける場面をつくりますが、鳥栖も最後のところではやらせず。
40分には江原に代わり13信澤孝亮、由井に代わり5浅岡飛夢。
前線へ高井を上げ、浅岡のロングスローからゴールを狙いにいきますが、シュートにはつながらず。
鳥栖は43分、増崎に代わり6鬼木健太。
最終ラインでボールを動かしながら、信澤のフィードを浅岡や高井が競るなど、力のある攻めを見せていくフロンターレ。
45分には、中央で鳥栖にファールがあり、フロンターレはリスタートから柴田が高い位置へ。柴田がクロスを上げると、エリア右、松長根がヘディングシュートを打つも右に。
アディショナルタイムは6分。
46分には、信澤から右サイド、受けた尾川がクロス。うまくゴールの前に飛び出した高井が頭で合わせますが、わずかに左。
鳥栖は、松岡に代わり19先田颯成。
高い位置へ鬼木が持ち込み、フロンターレ陣内で時間をつかおとする鳥栖に対し、粘り強く厳しい寄せを見せていくフロンターレ。
48分には、大関の浮き球を正面で高井が競り、エリア内へ五木田が飛び出しますが、栗林が交錯しながらも、これを阻む体を張った好守。
高い位置でプレーを重ねようとする鳥栖に対して、チャントや手拍子のサポーターの後押しも受け、ボールを奪いにいくフロンターレ。
しかし、さらなるチャンスは生まれず。
試合はタイムアップとなり、2-3。プレミアリーグファイナルを制したのは鳥栖。
フロンターレの1年目での日本一は、なりませんでした。
前半1-1 後半1-2 計2-3
得点:松長根悠仁=PK 岡崎寅太郎(フロンターレ) 増崎康清、大里皇馬、福井太智(鳥栖)
フロンターレの先発:21濱﨑知康 22江原叡志 4高井幸大 3松長根悠仁 35土屋櫂大 14大瀧螢 18由井航太 17尾川丈 25志村海里 10大関友翔(c) 9五木田季晋
交代:大瀧→20岡崎寅太郎 志村→32柴田翔太郎 江原→13信澤孝亮 由井→5浅岡飛夢
控え:19菊池悠斗 29元木湊大 6吹田航晟
鳥栖の先発:1栗林颯 2山本楓大 4坂井駿也 3竹内諒太郎 5今村元紀 10福井太智(c) 13松岡響祈 7楢原慶輝 9堺屋佳介 17増崎康清 11大里皇馬
交代:堺屋→16林奏太朗 増崎→6鬼木健太 松岡→19先田颯成
控え:40井本航太 8木戸晴之輔 26山﨑遥稀 35鈴木大馳
試合後、長橋康弘監督、高井幸大、岡崎寅太郎に話を聞きました。
〇最初に一言、お願いします。
本当に素晴らしい環境でやらせていただいたこと、これだけのみなさんが見に来てくれて、こういった環境の中でさせていただいて、本当にありがとうございます。
対戦した鳥栖は、やはり強かったです。
〇ひとつ前の青森山田戦で、入りが固くなってしまったというのがあったんですが、今回はそれを踏まえて、選手をどのように送り出しましたか?
まずはこの素晴らしい環境で試合をさせていただく権利を、1年を通して選手たちはつかみました。なので今回、青森山田さんとやったときの前半のような戦いだけは絶対にやめようということで話をしてきました。
選手たちは非常によくやってくれました。
〇本当に悔いのないように、走っていた姿が印象出来でした。そして悔しい結果になってしまったんですが、このゲームを選手それぞれにどのようなものにしてほしいですか?
まず1年で優勝できた、ということはこの先も自信につなげてほしいですし、三年生が一、二年生を引っ張って、この場所まで連れてきてくれた、引き上げてくれたと。
アカデミーをこの価値まで引き上げてくれた三年生に本当に感謝しています。
やはりここからが大事だと思うんですよね。やはり日本一にはなれなかった、もう少しのところだったんですけど、もう少しというところがですね、だいぶ距離を感じました。
まだまだだな、ということをすごく感じながら試合を見ていました。
〇トップチームとの練習などでアカデミーの選手が意識が上がったと思います。結果にもつながったんですけど、もう少しというのは具体的にどのようなところでしょうか?
今日の鳥栖さんは私たちの想定していた戦い方とは少し違いました。
今のワールドカップもそうですけど、対戦相手の良さを消しながら、自分たちの強みを出していくというところでですね、鳥栖さんはああいう戦い方をできるんだなと感じたということと、ゲームの流れを読む力がすごくこう、例えば少しのところかもしれないですけど、流れが悪いときにコーナーであえて時間を使ったり、大人に近い試合の進め方をするチームだなというのは試合をやりながら、見習うべきだな、と思いながらやっていました。
やはりゲームをコントロールする力が、ベンチにも選手にもあったかな、というふうに感じました。
〇差を感じたというのは改めてどういった部分で感じましたか?
ラストの精度が高いというのは試合の前から分かっていたことではあるんですけど、少ないチャンスを決めきる力、これも素晴らしいものがあるということと、前半私たちが先制点を取りながら、あの時間帯で追いつくたくましさというのと、ゲームを進めていく上でこの時間帯が肝になるというのを選手たちは感じながらやっているのが、すごく伝わったんですね。
非常に素晴らしいチームだな、素晴らしい選手だな、というのを感じました。
〇失点の場面はボールを失って、奪われて、というかたちだったと思うんですけど、そこについては?
リーグ戦の後半、同じような課題があって、なかなか相手が私たちの良さを消してくるというところで、ブロックをつくってくるチームがあったんですけど。
どうしても焦れてしまって。無理に差し込んだりとか、奪われてというのを頭に入れてチャンスをつくっていくというゲームの進め方を、私も含め、まだまだ未熟だなというふうに感じました。
〇鳥栖の攻撃というところでは福井君をつぶしたかったと思うんですが?
最初は守備のところでは4-4-2で構えていたんですけど、前半で福井君を自由にさせると危険だなというところで選手はちょっとそういうところを感じながら、FWの五木田と大関が縦関係になりながらはっきりと分担しながらやってくれたと思います。
そのへんは選手たちも手ごたえを感じていたと思うので、後半もそういうふうにやってくれたらな、というのはありました。
〇監督の指示ではなく、選手たちがピッチの上で判断した?
そうですね、リーグ戦を通して、そういうふうな戦い方をしてきたので、ちょっと難しいという判断で、選手たちが変えてくれた。
彼らが成長したな、というふうに思いました。
〇試合が終わった後、ほとんどの選手は泣いていたと思います。プレミア1年目でこの舞台に来て、負けた後に選手たちが泣くというあの感情について、長橋さんはどう思われましたか?
本当に悔しい気持ちで、選手たちはああいう涙になったと思うんですけど。
私は三年生は、中学から見てきたんですけど、日本一になれなくて、敗れてああいう姿になるということは、私は「ものすごい成長したな」というふうに思います。
ただ、負けは負けなので、この先につなげていってほしいな、と思います。
この悔しさを忘れずに、次につなげていってほしいということと、成長したな、という感じでいました。
〇今日、サポーターがこれだけ詰めかけていて、プレミアでトップチームのようにこれだけのサポーターが応援してくれるというのはなかなかなかった光景だと思うんですけど、それについてはどう感じましたか?
これはですね、リーグ戦を通してサポーターの皆さんがものすごく応援してくださる。声だったり、青森山田にもアウェーにも来てくれたというのがあったり、本当にありがたい限りで、選手たちは「絶対にこれが当たり前になっちゃいけない」「感謝の気持ちを君たちで返せるものがあるんじゃないか」ということで「日々のトレーニングと、内容と勝利で応えていこう」ということで一年やってきました。
本当にサポーターの力で勝てた試合が何試合もあって、「サポーターの力って本当にすごいな」と改めて感じた一年でした。
〇一年間フロンターレとして、プレミアを戦ってきました。クラブとしてプレミアに対する思いがあるのではないかと思います。クラブとしてプレミアというものをU-18の監督である長橋さんはどう思われますか?
やはりプリンスで戦ってきたときから、トップが優勝しているなか、アカデミーも日本の最高峰のリーグの中で戦わないと、一年を通して成長できないんじゃないか、ということでやってきました。
去年の選手たちがその夢をかなえてくれて、今年初めて日本の最高峰のリーグ戦で戦うことができた。
それはクラブとして目指してきたところなので、またリーグ戦を戦う上でも、本当に1週間おきにすばらしいチームと戦える。
やはり一年通して感じたのは、相手から学ぶことが絶対にあったんですね。プレミアでやる意味を戦いながら感じたところも、すごく感じます。
〇三年生は今日で最後になりましたけど、彼らに言いたいことは?
三年生は「お疲れさま」って心の底から言いたいんですけど、彼らはなかなかこれまで結果を出せないところがあって、選手たちは成長して「自分たちで何か成し遂げたい」という想いで三年生たちはやってきました。
初参戦で優勝できたということは間違いなく、三年生の努力の成果だと思いますし、「本当に一年間よくやった、成長した」というふうに伝えたいです。
ただ、日本一になれていない、その悔しさを忘れずに、それぞれの道へ進んで成長につなげていってほしいな、と思います。
〇ファンやサポーターに。
一年間応援していただいて、最後に日本一になることで感謝の気落ちを伝えたかったんですけど、そこは至らなくて、私の力不足ではあるんですけど、引き続きフロンターレのアカデミーからトップに、ワールドカップに出て活躍するような選手を育てていきたいと思いますので、引き続きアカデミーを、応援を、よろしくお願いします。
〇お疲れさまでした。残念な結果になりましたけど、まず、率直な感想をお願いします。
前半のところからちょっと、相手の10番の太智(福井太智)のところをちょっとうまくはめられなくて、ポジションを変えながらもう少し対応できればよかったなと。
みんな気持ちで頑張っていたし、いい試合だったと思うんですけど、勝てなかったです。
〇福井君にやられた感じがやはりあったんでしょうか。
まあ、そうですね。
〇それに対してこうどういう風に対抗して、というのはあったんでしょうか?
マンツーマンで行こうか、FWのところに中盤を当てていくかいう感じですね。
〇その中で先制できて、展開としてはよかったのかなとお思うんですが。
前半は、アディショナルのところで失点してしまったので、良くなかったですね。
〇後半になるところで巻き直さなきゃいけなかったですけど、何をこう意識しましたか?
前半の最後の方からは、自分たちのサッカーができて、結構ボールもつなげていたんで、後半も、と思ったんですけど。
結構ミスもありましたし、もうちょっと自信を持って、自分たちのサッカーができれば良かったかな、と思います。
〇最後1点返して、もう1点ってところで、ちょっと仕掛けましたけど、あのあたりはどうでしたか?
まあ、絶対に負けたくなかったですし、まあ、自分も最後パワープレーで上がって、でも結果にはつながらなくて。
〇三年生、ラストゲームでした。改めてアカデミーの生活はどうでしたか?
小学校五年生から入って、まあ結構いろんなことがありましたし、感謝して、恩返しできるように頑張りたいと、思います。
〇1年前、プレミアのプレーオフで昇格が決まって、こういう一年になると想像していましたか?
実際、優勝目指しましたし、自分たちで勝ち取ったこのファイナルの舞台で、素晴らしい環境の中できて、本当に楽しかったですし、まあ、とてもいい経験ができたなと思って。
〇プレミアリーグで一年間やってみてどうでしたか? 苦しかったというよりも、やっぱり楽しかった?
まあ、そうですね、自分的には、苦しかった部分もありますし。
自分がこのトップとかで出てない試合の時にみんなが頑張って勝ってくれて、そういう結果っていうのはすごくうれしかったし、「自分が出た時はもっともっと圧倒してやろう」っていう気持ちで毎回やってました。
〇今日はすごいたくさんサポーターの人が、いつもに増していい雰囲気をつくっていましたけど、実際にピッチに立ってどうでしたか?
そうですね。今まで自分たちがやってきたなかで、1番大きいぐらいの声援のなかでやって、とてもいい雰囲気で。楽しかったですし。 勝ちを届けられればよかったですけど、最後まで諦めない気持ちっていうのは、見せられたのかな、と思います。
〇来年トップの選手になって、目標などはありますか?
来年、自分は開幕スタメン、狙っているので。
来年、どんな感じになるかわかんないですけど。自分は本当に ワールドカップを見て、すごく心を動かされたし、あそこに立ちたいな、と思っていて。海外に行って、もっともっと大きくなりたいな、と思います。
〇今日は途中出場でした。どういうことを感じながら、試合を見て、入りましたか?
自分が入る段階で、相手が1点入れていたと思うんですけど、もう1点入ってしまって、自分が点を取るしかない、という状況だったのでボールを持ったらやってやろうという気持ちで入りました。
〇得点シーンについて振り返ってもらえますか?
自分が前からプレスをかけて、鳥栖の選手がトラップをミスしたのが見えたので、それでカットして五木田選手につないで。
今年一年、五木田選手とはコンビを組んできたので、自分がもう一回受けたら必ず出してくれると思っていたので、あとはキーパーがファーにずれていたのでニアに打ちました。
〇鳥栖とやってみて、どうでしたか? 今までの相手と違うところなどは?
プレスとか球際の強さはもちろんなんですけど、セカンドボールを拾った後の展開力とか、ボールを落ち着かせる、こう一回自分たちの攻撃にするところが本当にうまかったですし、福井君のところでだいぶ回された部分はあったので、そこはどうにかしなきゃなと思っていたんですけど、やっぱりそこは一枚上手でした。
〇今日はたくさんのサポーターが来てました。ピッチでやってみて、どうでしたか?
もうピッチに入った瞬間からホームのような雰囲気で、応援とか声援を送ってくださって。
本当にやりやすかったですし、心強くて。決めたときにも一緒に盛り上がってくれて、「まだまだいける」という雰囲気を出してくれたので、本当にありがたいです。
〇今年一年間戦ってみて、怪我もありましたけど、こういうところが成長したというところは?
最初のころはなかなか試合に出ることができなくて、練習から考えてやっていたんですけど、ボールを受けるポジションとか、受けた後の判断の部分とかけっこう工夫して、練習でも繰り返してボールに触れて自信をつけられるようになって、それが仕上がってきたんですけど、怪我をしてしまって。
手術をして戻ってきたんですけど、それでもうまくいかないときに、仲間たちが温かい寛容の目で見てくれて、それが自分の武器を取り戻すのにつながって。
今年一年を通して、よく言えばサッカー脳、サッカーIQが高まった、と前よりは自信がつけられたかな、というふうに思います。
「自分と大関、高井は試合に出ていたので。3人で引っ張って。来年プレミア1年目で優勝して、日本一になりたい」
松長根悠仁が試合後にそう語った2021年12月12日のプレミアリーグプレーオフから、1年。
フロンターレU-18は、トレーニングを積み、選手たちが切磋琢磨し、素晴らしい対戦相手との試合を重ね、成長を続けてきました。
そして、多くのサポーターの声援を力に変え、日本一を懸けた、最高の舞台に立つことができました。
「日本一になる」という強い信念のもと、チャレンジし続け、積み重ねた日々、日本一に届かなかった悔しさも、これからのフロンターレU-18に、未来のフロンターレに、そして、選手自身の今後へ、必ずつながるものになると思います。
これからも、川崎そだちは、チャレンジしていくフロンターレU-18を、選手たちを、見守り続けていきたいと思います。
(文中敬称略)
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