「自分が復帰したらプレミアリーグだったりクラブユースに貢献してやろうっていう気持ちで、できることを一生懸命やってきました」 / DF山中大輝


6月30日プレミアリーグEAST第10節、青森山田戦。後半37分矢越幹都と交代で今季初出場したのは、DF山中大輝。

 

山中大輝選手

 

昨シーズンはプレミアリーグEAST開幕戦、前橋育英戦(〇3-0)で先発でリーグ戦デビューをすると、第11節のFC東京U-18戦(〇1-0)まですべての試合に先発。対人の強さやカバーリング、組み立ての部分でもチームを支える存在に。

しかし、昨年7月24日の日本クラブユース選手権グループステージ第2節、ヴァンフォーレ甲府U-18戦で負傷。

長いリハビリを経て、約11カ月ぶりに公式戦のピッチに帰ってきました。

 

◇試合の記事はフロンターレU18 – 青森山田 / プレミアリーグEAST第10節

 

試合後に山中大輝に話を聞きました。

 

山中大輝選手

 

〇まずは復帰おめでとうございます。

ありがとうございます。

〇この1年間、どんな思いでこの日までトレーニングを積んできましたか?

そうですね。去年のクラブユースで怪我をして。なかなか試合に絡めないという状況になって。ヤスさんとか佐原コーチからもすごい励ましの言葉をもらって。

自分が復帰したらチームに貢献して、プレミアリーグだったり来月のクラブユースに貢献してやろうっていう気持ちで、筋トレとかいろいろなステップだったり、怪我したなかでできることを一生懸命やってきました。

〇怪我というのは去年の甲府戦のときだったと思うんですけど、あれはどういう怪我だったんですか?

そうですね、甲府のFWの人と競り合って着地したときに、ちょっと前十字靭帯を切ってしまって。

〇右のほうですか?

左足で。

〇診断が出たときはなかなかつらかったと思うんですけど、どう思いました?

そうですね。自分、やったとき全然試合に戻れそうな感じがして。池田(善憲)トレーナーにも「試合戻ります」って言ったんですけど。

「膝だから」と止められて。そのまま群馬から神奈川帰ってきて。病院で受診したら手術と言われて。

想定外でしたね、すごく。想定外で。驚きました。

 

〇去年あれだけ、前半試合に出ていて、たぶんこのまま出続けてという気持ちだったと思うんですけど。

クラブユース、甲府戦出て。「やってやろう」っていう気持ちで出て。ああいったかたちで怪我をしちゃって。
後半戦もプレミアリーグ、出たいっていう気持ちがあったので。すごい悔しい気持ちがありましたね。

 

〇ボールを蹴れるようになったのは最近?

ボールを蹴れるようになったのは、1月の終わりぐらいから。ショートパスぐらいを蹴れるようになって。

2月ぐらいからロングキック、という感じになって。

4月ぐらいから部分合流して、今という感じですね。

 

〇試合から離れていて、今日戻ってきてギャップとか感じるものってありました?

今日の失点シーンも、自分の後ろのマークのところでやられてしまって。ほかの場面でも何個かミスが目立ったので。

佐原コーチからも「試合感覚が全然戻っていない」って言われたので。試合感覚を戻していきたいっていうところです。

 

〇試合離れている間、林君とか今年だったら楠田君だとか活躍していましたけど、それはどう見ていました?

そうですね。駿佑(林駿佑)なんかは去年から出ていて一緒に組んでいたこともあったので。

自分とか土屋がいないなか、すごいやれていた2人なので。すごく自分の刺激にもなりましたし。

見習うところとか、出ていない中で見たりしていて、学ぶ部分もありました。

 

〇今日ベンチ入りというのはいつ聞きました?

ベンチ入りというのは昨日、レイエス(東急SレイエスU-18)と試合をやったんですけど。

その時に30分試合が終わった後に、明日ベンチ入りというのを聞きました。

 

〇それを聞いてどうでした?

そうですね、ベンチ入りでもうれしかったですし。相手が山田というのもあったので。やっと帰ってこれたんだというのを感じました。

 

〇いきなり山田というのはなかなかハードだったと思うんですけど、それはどうでした?

ハード。そうですね。でも山田相手にベンチ入りできて出場もできたので。復帰戦としてはすごい刺激になった試合でした。

〇サポーターの人のいる前で、去年もプレーして今日は懐かしい感じもしたと思うんですけど、それはどうでしたか?

そうですね。去年のクラブユースにいた方もいて。「おかえり」という声も聞こえたので。うれしかったですし。

これからどんどん成長して。恩返しできるようにしたいと思います。

〇ここまで長かったですか?

そうですね、1年近くリハビリの期間があって。自分も悔しい思いをしながらリハビリをしていたので。すごく今日試合に出れて、うれしかったです。

〇ピッチに入っていく瞬間はドキドキしていました?

そうですね。なんかもう緊張がすごかったです。2-0だったですけど、絶対に失点しちゃいけなかったですし。1点決められたらあとないなって思って。

すごい難しい感じで入ったので。緊張はすごいしました。

〇勝利が決まった、タイムアップの瞬間ってどうでした?

そうですね。失点に絡んじゃったので。もう安心感が。すごかったです。

〇ロングスロー祭りみたいなのが続いていたもんね。

そうですね。最後も本当にどきどきでした。

〇まだスタートラインに立ったというイメージ?

そうですね、さっき佐原さんにも言われた通り、全然まだまだなので。動きの部分とかヘディングの部分とか、全然まだまだ。

プレミアに出続けられるレベルではないと思うので。これからどんどん鍛えていくしかないと思います。

〇サポーターの人に、今日も「おかえりなさい」という声もありましたけど。サポーターの人にメッセージなどをいただけますか?

今日も熱い応援ありがとうございました。

やっとこのプレミアリーグという舞台に帰ってこれて。すごくうれしく思いますし。

今日もサポーターの声援がなかったら勝てない試合だったと思うので。これからクラブユースも後半戦も始まりますが、どうか応援よろしくお願いします。

 

ピッチに立てない日々の悔しさ。復帰するまでのことなどを語ってくれた山中大輝。

サポーターの「おかえりなさい」という声に迎えられての復帰戦は、最後にはロングスローが飛び交うドキドキもあった、刺激的なもの。

青森山田というフロンターレが乗り越えるべき相手でメンバーに入り、そしてピッチに立てたことにはうれしさもありました。

 

その一方で、この日のプレーには、「まだまだプレミアに出続けられる選手ではない」。

昨年の前半戦、先発出場を続けていたころにはまだ及ばない。

今の自身の姿を冷静に見つめています。

 

インタビューの途中には佐原秀樹コーチが通りすがりに「まだまだ」と声をかける場面も。

その言葉の裏には、昨年の前半戦、ピッチに立ち続けた山中大輝だからこその、期待があるようにも思います。

 

これからプレミアリーグEAST、前半戦の最終戦となる第11節鹿島アントラーズユース戦を経て、フロンターレU-18は日本クラブユース選手権に臨みます。

トレーニングを重ねて、去年悔しい思いをしたあの舞台に戻ったときに、どんなプレーを見せるのか。

とても楽しみにしています。

 

 

(文中敬称略)

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