「やりきるということをひとつ、目標としているので。最後までやり抜きたいと思っています」 / DF橋本結人


2024年大学サッカー最後のシーズンを送るフロンターレアカデミー出身の選手たち。

その一人が、國學院大のDF橋本結人。

ミキFCからフロンターレのアカデミーに入り、U-13、U-15と3年間プレー。松永竜之介(産業能率大)や神橋良汰(早稲田大、フロンターレ加入内定)らとともに主にCBとして、チームを支えた選手でした。

 

フロンターレU-15時代の橋本結人選手

 

フロンターレU-15を卒団後は高校では市立船橋でプレーし、國學院大では関東大学サッカーリーグ3部にも出場。

大学最後のシーズンの主にインディペンデンスリーグ関東の1部Bブロックを戦う國學院大U-22Aでプレー。キャプテンとして、多くの試合に出場しています。

 

10月13日、國學院大たまプラーザグラウンドで行われた専修大U-22戦は、國學院大U-22Aにとっては、インディペンデンスリーグの最終節。

この日も先発した橋本は、CBとしてフル出場。
ゴールの前で体を張るだけではなく、専修大の陣内でスローインを得ると、ロングスローで決定的な場面も演出。試合終了間際に専修大U-22が決勝ゴールを決め、敗戦とはなりましたが、攻守に最後まで力を尽くす姿が、心に残るものがありました。

 

 

國學院大のDF橋本結人選手

橋本結人選手とフロンターレU-18出身、國學院大のDF髙橋悠斗選手

 

試合後に橋本結人に、大学や高校でのこれまで、フロンターレに対する思いなどを聞きました。

 

橋本結人選手

 

〇フロンターレを卒団して、市船に進んで、その後もサッカーを続けてきて、ここまでどうでした?

(ユースに)入れなかったときには、フロンターレよりも上のカテゴリーのリーグに行こうということを決めていて。

それで市船というところを最初に決めて、入ったんですけど。

1年生のころはいい感じだったんですけど、なかなかうまくいかなくて。

最終的にはユースのみんなと戦いたいなっていう思いはあったんですけど、それはかなわなかったのは残念かなって思っています。

 

〇市船に行ってよかったなって思うことって何かあったりします?

自分たちの、フロンターレの時だったら、止める蹴るだったりとか、そういった技術的なところを主に教えてもらっていて。

それが高校に入ったとたんに、そういうところじゃないところの勝負が多くなってきて。

球際だったりとか、ベースの、チームとしての約束がやっぱり違って。走るところだったりとかそういうところが、学ぶことができたのが一番大きかったかなと思います。

中学校では技術を学んで、高校ではそういう戦うところ。学ぶことができたのは、ユースには上がれなかったんですけど。

そういった別の道で頑張るということはできたのかなと思っています。

 

〇市船のサッカーってすごい粘り強いというか、この前もフロンターレが対戦した時に、最後の最後に追いつかれたんですけど、ああいうところがすごいなって思うんですけど、実際になかでやっていてどうでした?

紅白戦とかでも最後にゲームが動いたりとかそういうことが多くて。中学校と比べることは難しいんですけど、やっぱり、その執念というか。

伝統が長い分、そういう最後まで、というところは3年間で、感じたかなって思います。

〇逆にフロンターレでやってきてよかったなって思うことって何かありますか?

やっぱり強い選手、走れる選手、戦う選手が多い中で、そういう自分の、中学校で学んできた、止める、蹴るというベースが今度は逆にそれが武器として、生かせたなっていうところが多かったので。

中学校で同じような戦い方をして市船に入るよりかは、やっぱり中学校でフロンターレという技術を重んじるというか、そういうところで学んで、今度は高校になって、止める蹴るというところだったりとか、技術的な部分を生かすことができたのは、自分の強みを結果的につくれたのかなと思います。

〇大学は4年間で今日が最終戦?

なる予定だったんですけど。

〇この後もまだ?

相手の結果次第なんですけど、入替戦があるので。会場はここなので、頑張りたいと思います。

 

※國學院大U-22Aはインディペンデンスリーグ関東1部Bブロックを10チーム中8位で終了。このまま全日程が終了すれば、2部のチームとのプレーオフ(入替戦)に臨むことになる。

〇大学は4年間どうでした?

高校で最後試合に出られなかったというところで、「どうしようかな」って悩んだんですけど。

やっぱり自分の目標である、プロになるっていうところだったりとか。

川崎に帰りたいなっていう思いがすごいあったので。

そこを目指すために4年間やったんですけど。

結果的には、できなかったということが結果ではあるんですけど、今引退ブログでも書いているんですけど、自分の過程を振り返ってみるとやっぱり、行った先々がすごい良かったところで。

良かったかなと思います。

 

〇大学4年間で、こういったところが伸びたなっていうものってあります?

大学は良くも悪くも自由なところが多かったので。高校と比べると、ルールだったりとか、緩いと言ったらあれですけど、自分で考えるというところが多かったので。

中学校高校でそういうところは学ぶことができたと思っているので。今度は自分を律することであったりとか、遊んでしまうというそういう誘惑があるなかで、自分は4年間、サッカーのために過ごすことができたのかなと思っています。

〇関東大学サッカーリーグも何試合かメンバーに入ったりしていましたけど、どうでした、実際立ってみて。

そうですね。本当は最終節が終わって、そっちのほうに行く予定だったんですけど、ちょっと今日の結果次第でまだわからないんですけど。

人。見てくれる人だったりとか、多さとかは圧倒的に違いますし。大学生はやっぱりそのリーグを目指して入っていると思うので。

そこに立つとか、メンバーに入ることは、自分の中で大きなことかなと思っていたので。

少し出れたということもあったので。本当はもっと継続的に出たかったんですけど、そこは自分の目指す場所でした。

 

〇大学残りの目標は、このU-22Aを(1部に)残すことと、リーグ戦出られたら、活躍することですかね?

そうですね。最後まで、同期の中でもサッカーから離れる人が多い中で、自分はやりきるということをひとつ、目標としているので。

最後はリーグ戦に出るであったりとか、このチームを残すというところは、最後までやり抜きたいと思っています。

〇U-15にいたメンバーって仲が良くて今も交友があるみたいですけど、それについてはどうですか?

この前も松永であったりとか、内海(内海太瑚、明治学院大)、あと大登(鈴木大登、日本体育大)とか松森創平(U-15→FC町田ゼルビアユース、その後は米国の大学でプレー)とか集まったりしていたんですけど。同期のつながりは多いかなと思います。慶應なら去年は茅野(茅野優希)と。あっちは試合に出なかったんですけど、最後に話したりとか、Iリーグも我空(川合我空)が2週ぐらい前に戦って。そういう続けていれば会えるんだなっていうところがすごく楽しさとか、うれしさがありました。

〇神橋君がフロンターレに戻ることになりましたけど、それは思うところってありますか?

一緒に中学校から入ったメンバーだったので。素直にうれしいですし、あいつのすごさというのは自分が一番わかっていると思うので。

若干の悔しさはあるんですけど、素直におめでとう、という。連絡もしましたし。頑張ってほしいなって思っています。

〇今でもフロンターレに対する思いって何かありますか?

そうですね。上がれなくて、高1ぐらいまでは、悔しさとか見たくないなとか、同期の仲間ともあんまり連絡を取らなかったりとか少しあったんですけど。

やっぱり目指すベクトルはそこじゃないなって高校時代に思ったので。トップの試合を見たりとか、学ばせてもらうものは多くあるので。

何か、すごい、自分の原点であると思うので。今後社会人になっても、そういうフロンターレとの縁というか、そういうのはなくならないのかな、と思います。

〇フロンターレのアカデミーを応援している人に、メッセージをいただいてもいいでしょうか?

もっとフロンターレに在籍したかったんですけど、3年間という短い間であったんですけど、こうやって、追いかけてくださったりとか、高校大学でツイッター上げてくださったりとか、そういったサポーターの方がユース、ジュニアユースにも目を向けてくれて。

あたたかさ、ブーイングがなかったりする、あたたかさがあるチームだと思うのので。

自分自身も誇りに思いますし。本当に感謝しかない、「ありがとうございます」という気持ちがあります。

 

筆者自身にとってはそのプレーを見るのは、2017年12月、すべての公式戦を終えたフロンターレU-15が、最後に行った横浜FCジュニアユースとの練習試合以来。

フロンターレU15 – 横浜FCジュニアユース / 最後の練習試合

7年の年月を経て、声援を送り、拍手やコールなどで鼓舞する多くのチームメートや、家族にも見守られ、プレーする姿を見られたことは、このうえもなく、うれしいものがありました。

まだ、少し続く、大学サッカーでの最後のシーズン。素晴らしいものになることを願っています。

(文中敬称略)

 

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