8月26日は山梨県甲府市、JR酒折駅から徒歩15分ほどの山梨学院和戸サッカー場へ。プリンスリーグ関東は、再開初戦。6勝2分け1敗、首位で前半戦を終えた川崎フロンターレU-18は、山梨学院高校との試合に臨みました。山梨学院高校とは開幕戦で対戦し、4-0で勝利しています。例年山梨学院和戸サッカー場での試合では暑さに悩まされて苦戦しており、勝利をしたのは2014年が最後。果たして、今回はー。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第10節 vs 山梨学院高校】
8月26日(土)午前11時キックオフ 山梨学院和戸サッカー場 晴れ
U-17日本代表のチェコ遠征参加のため、18宮代大聖が不在のフロンターレ。先発は、GK1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、ボランチはゲームキャプテンの15池谷祐輔、10村田聖樹、右MF27森璃太、左MF7桝谷岳良、トップ下13大曽根広汰、FW24宮城天。
山梨学院の先発は、GK1大嶌宏汰、DFは右から2天野祐介、12西澤俊、3山田恵大、5森田和樹、中盤の底に7増村有哉が入り、その前に8大塚創太郎、6天野菖梧、右サイドに10宮崎純真、左サイドに11野村海、FWはキャプテンの9加藤拓己。
両チームの選手の家族らに加えて、翌27日に山梨中銀スタジアムでのヴァンフォーレ甲府戦をフロンターレのトップチームが控えていることもあり、多くのサポーターも集まった和戸サッカー場。上空には太陽が顔を見せて、非常に厳しい日差しが降り注ぐ中、試合は始まりました。
立ち上がり、山梨学院は前線の加藤にボールを入れて起点をつくりに。1分には左サイドの高い位置で大塚が激しく体を寄せてマイボールにし、最後は野村がシュートを打ちますがこれは右に。フロンターレも直後には小川真輝のパスに、エリア右へ宮城が抜け出しますが、山田にクリアをされてシュートを打つことはできず。
前線へボールを入れてサイドへ展開してくる山梨学院に対して、フロンターレはデュークや村田、桝谷らが囲い込むようにして対処。マイボールにして、5分には大曽根が中盤まで下りて前を向いてボールを持ち上がって左サイドへ展開。長い距離をデュークが駆け上がってクロスを入れますが、これはシュートにはつながらず。
フロンターレは、山梨学院の加藤が中盤まで下りてボールを受けにいこうとするのに対して、高吉がねばり強く寄せていき、前を向かせないなど、体を張った守備を見せて前にボールを入れさせず。村田や池谷がよくかかわってボールを回せるようになっていきます。しかし、最初の1点は山梨学院へ。後ろから組み立てていこうと、エリア前でパスを回していたところに、宮崎がボールをカット。そのまま、エリア内右からシュートを打たれると、ゴールネットを揺らされて、0-1。少しもったいない形で、フロンターレが追いかける展開になってしまいます。
直後にも山梨学院は加藤から右へ展開。宮崎がクロスを入れると、エリア左へ野村が抜け出しますが、ここは早坂がキャッチ。さらに野村が左サイドから仕掛けてエリア内へボールを入れるも、エリア前に森璃太が戻って加藤からボールを奪い取る好守を見せ、さらに山梨学院がマイボールにして、野村がクロスを入れてきますが、新井がブロック。こぼれ球を大曽根が拾い、苦しい時間帯の中、コンパクトないい守りをフロンターレを見せていきます。
山梨学院の攻めをしのいだフロンターレも、11分には村田が前を向いて、右へ展開。森璃太が高い位置へ仕掛けてクロスを入れると、エリア左の桝谷へ。しかし、山梨学院の選手がブロック。シュートを打つことはできず。それでもドリブルで仕掛けてくる野村に対して、小川真輝がねばり強く対応するなど、うまく守っていくフロンターレ。13分には小川真輝の浮き球のパスにエリア内、宮城が抜け出してシュートを打ちますが、これはオフサイドに。笛が鳴ったあとにシュートを打った宮城に対してはイエローカードが提示されます。
山梨学院も14分には右コーナーキック、森田が左足でニアにいいボールを入れてきますが、宮城がクリア。こぼれ球をエリア右で拾った西澤がシュートを打ちますが。早坂がしっかりキャッチ。さらに加藤が左サイドからドリブルで仕掛けて、エリア外左から枠をとらえたミドルシュートを打ちますが、早坂がこれを弾き出す好セーブを見せて、追加点にはつなげさせず。フロンターレも16分には中盤でパスを回して大曽根のスルーパスに宮城が抜け出しますがこれはオフサイド。さらに右サイドで村田が森璃太とパス交換をしてエリア右へ。エリア左へ浮き球を入れると、デュークが抜け出しシュート性の速いボールをゴール前に入れ、これに大曽根が詰めますが、大嶌の好守の前に決めることはできず。さらに桝谷がエリア内でボールを拾うもオフサイドとなり、同点にすることはできず。
畳みかけるフロンターレは、21分には小川真輝のパスに森璃太が右サイドの高い位置へ。エリア前にパスを出すと、宮城が抜け出しますがここも大嶌が前に出てシュートを打つには至らず。さらに24分には村田のパスにエリア外左へ抜け出した宮城がファールを受けて、フリーキックを得ると、小川真輝が直接狙いますが、これはわずかに上に。
フロンターレは池谷や村田が中盤でよくボールをさわって、新井や高吉がセンターラインよりも前に出て高い位置でパスを回していき、いい距離感に。28分には山梨学院のコーナーキックをしのいだところから、フロンターレがカウンターに。早坂がクリアしたボールを大曽根がエリア外で拾って、村田に預け、村田から右へ展開。森璃太が仕掛けていきますが、ファールを受けてシュートにはつながらず。これで得たフリーキック、エリア外右から小川真輝がエリア内へボールを入れると、新井が合わせますが上に外れて枠をとらえることはできず。
給水タイムを挟んで、山梨学院も右コーナーキックを得ると、ショートコーナーから森田がクロスを入れてきますが、早坂がキャッチ。すばやく前線へボールを送って森璃太に正確にボールをつけるなど、切り替えよくフロンターレは同点を狙っていきます。33分、フロンターレは左サイドでテンポよくパスを回し、宮城のパスにエリア左へデュークが抜け出してエリア内へボールを入れると、これが山梨学院の選手のオウンゴールを誘って、1-1。フロンターレが同点に。
直後には自陣右サイドでのスローイン、小川真輝のボールを受けた大曽根が山梨学院の選手のプレッシャーをうまくかわして、前を向き、エリア右へパスを出すと宮城が抜け出しますがこれはオフサイド。山梨学院も34分には左コーナーキック、増村がニアに鋭いボールを入れ、こぼれ球を拾ってエリア右でシュートを打ちますが、早坂がよくブロック。勝ち越しは許さず。さらに天野菖梧の左クロスを加藤がおさめて、再び左へ展開。天野菖梧が左サイドから中へ切れ込んでシュートを放つと、枠をとらえますが、早坂が弾き出す好守。この直後のコーナーキック、森田が右からマイナス気味にグラウンダーのボールを入れると、最後は宮崎がシュートを打ちますが上に外れて枠をとらえることはできず。
フロンターレも新井のフィードにデュークが左サイド、高い位置へ抜け出し、エリア内へ仕掛けていきますがこれはオフサイドに。山梨学院は加藤が競り勝ったボールを、エリア左で野村が拾い、仕掛けていきますが、小川真輝がねばり強く対応。44分には、村田の浮き球をエリア右で宮城がおさめて右へ展開。森璃太が折り返し、桝谷がエリア内へ抜け出しますが、これには触ることはできず。同点となった後もともにゴールへ近づいていった両チームでしたが、勝ち越しには至らず。前半は1-1でタイムアップとなります。
ますます暑さが増す中、始まった後半。立ち上がりには人数をかけてエリア前、山梨学院が迫りますが、宮崎に対しては桝谷がよく対応し、シュートは高吉がブロック。森田の左クロスを早坂がキャッチし、前線へ。宮城が抜け出すもシュートは山梨学院の選手が必死のブロック。こぼれ球を桝谷が拾ってシュートを打ちますが、ここでも山梨学院の選手が体を張った守備で、ゴールとはならず。3分には高吉が野村からボールをカットして左へ展開。桝谷が持ち上がり、最後はエリア左へ大曽根が抜け出して、シュートを打ちますが、これはわずかに右にそれてきめることはできず。直後には山梨学院、天野祐介の右クロスを加藤がエリア内で折り返し、エリア右で宮崎が詰めますが触ることはできず。4分にはフロンターレ、宮城から右へ展開。小川真輝がクロスを上げると、エリア内へ宮城が抜け出しますがまたもオフサイドに。ここで山梨学院は、増村に代わって34丸山友輝がピッチへ。
縦へ山梨学院の選手の間を突くようなボールがよく出てきたフロンターレ、5分には後方からのパスに宮城が抜け出しますが、大嶌が前に出てくるのが速く、シュートはブロック。しかし、何度もオフサイドをとられながらもここでもひたむきに前に動き出していきます。
山梨学院も交代で入った丸山がよく中盤の選手とかかわって前に。6分には宮崎が折り返したボール、エリア内へ丸山が抜け出しますが、早坂が好セーブを見せ、さらに野村が左サイドからエリア前に仕掛けて最後は大塚のミドルシュートが枠をとらえますが、ここでも早坂がボールを弾き出す好セーブを見せて、しのいでいきます。
フロンターレも小川真輝のパスに宮城が抜け出したり、デュークが桝谷とのパス交換から左サイドの高い位置へ顔を出すなど、攻勢に出ますがシュートにはつながらず。それでも天野菖梧のエリア内へのパスには、デュークがよく戻ってカットするなど、厳しい暑さの中、切り替えの良さを見せていきます。12分にはフロンターレも交代、森璃太に代わって37有田恵人が右MFに。
14分にはデューク、村田、桝谷が左サイドでかかわってパスを回していき、大曽根にいったんボールを預けて、大曽根のパスに左サイド高い位置へデュークが抜け出して折り返すと、村田がこれに詰めますが、山梨学院の選手がブロック。さらに村田や桝谷がよくかかわって畳みかけていき、16分にはコーナーキックを得ると、大曽根がエリア正面で拾い、縦へパスを入れて、新井がダイレクトで合わせますがこれは大嶌の正面。さらに池谷の浮き球のパスに左サイドの高い位置へ宮城が抜け出してファールを受け、小川真輝がフリーキックのこぼれ球を自ら拾ってエリア内左へ。シュートは枠をとらえますが、大嶌が前に弾きながらもこれをふせぐ好守。最後は加藤がクリア。ゴールとはならず。
フロンターレは早坂や新井、高吉に池谷がかかわって後ろから組み立て。時折高吉が宮城を狙ってフィードを入れるなど、変化も付けながらゴールを狙っていきます。
給水タイムが明けて23分には山梨学院も加藤のパスにエリア右へ宮崎が抜け出すもシュートはまたも早坂が好セーブで防ぎ、こぼれ球を拾った加藤のシュートもまた枠をとらえますが、ここでも早坂が好守。勝ち越しは許さず。
フロンターレも直後には人をかけて前に。パスを回していき、宮城や村田が立て続けにシュートを打ちますが、山梨学院は大嶌らが体を張った守備。ゴールにはつながらず。山梨学院もコーナーキックをしのいで右へ展開。サイドチェンジが左サイド高い位置に通り、天野祐介がこれをおさめようとしますが、大曽根がしっかり体を寄せてボールを奪い取る好プレー。カウンターにはつなげさせず。
山梨学院は宮崎に代えて、19片桐奈央がピッチへ。高い位置で加藤らとかかわってエリア前に早速迫っていきますが、池谷が防ぎ、さらに左クロスがエリア右へ流れて加藤が1対1になりますが、早坂が前に出てシュートはブロック。31分、フロンターレは中盤への山梨学院の縦パスを池谷がカットして右へ展開。小川真輝が高い位置へ。小川真輝の縦パスを有田が受け、エリア内へクロスを入れると、ダイレクトで合わせたのは宮城。シュートはゴールの中へ。ポストをたたいて外へボールは出ましたが、副審によってゴールが認められて勝ち越し点はついにフロンターレへ。2-1。
ここでフロンターレは宮城に代わって9山田新がFWに。山梨学院は33分には天野祐介のクロスに野村が抜け出してエリア前、シュートに持ち込みますが。高吉がブロック。ここで山梨学院は、大塚に代わって29安田正太郎がピッチへ。加藤にロングボールを入れたところから攻撃につなげていこうとしていきますが、加藤が落としたボールに対しては村田がマイボールにするなど、流れは渡さず。山田が高い位置で仕掛けたり、桝谷が山田を狙ってスルーパスを送るなど追加点を狙う姿勢を見せていきます。
37分には桝谷に代わって4伊従啓太郎が入り、最終ラインは山梨学院にボールがあるときには、右から小川真輝、高吉、伊従、新井、デュークと5バック気味にして対峙。それでも守りに入るのではなく、40分には右サイドでファールを受けて、小川真輝がフリーキックの流れから右クロスを入れると山田がニアに抜け出してシュートを打ち、これで得たコーナーキックのこぼれ球をデュークが拾って、大曽根がエリア左から折り返すと、山田や有田が立て続けにシュートを打ちますが、大嶌の好守で追加点とはならず。
山梨学院も高い位置でマイボールにすると、片桐のロングスローからゴールを狙っていきますが、早坂や伊従がこれにしっかり対応。ロスタイムは3分、自陣で時間を稼ぐのではなく、山田を前に走らすなど、フロンターレは前線に起点をつくりに。46分には山田が前に抜け出してシュート。しかし、山梨学院の選手がブロック。さらに早坂のフィードに抜け出して、山田がエリア左から折り返し有田がシュートを打つも大嶌の好セーブで決まらず。
それでもリスク管理をしながらも最後まで高い位置でのプレーを試みていき、試合はついにタイムアップ。2-1。再開初戦をフロンターレは白星でスタートさせることになりました。
前半1-1 後半1-0 計2-1
得点:オウンゴール、宮城天(川崎)宮崎純真(山梨学院)
フロンターレの先発:1早坂勇希、5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、15池谷祐輔(c)、10村田聖樹、27森璃太、7桝谷岳良、13大曽根広汰、24宮城天
交代:森璃太→37有田恵人 宮城→9山田新 桝谷→4伊従啓太郎
控え:16安福祐一 2養日幹大 23島崎元 8奥山璃空 30山内日向汰 35中島大成
山梨学院の先発:1大嶌宏汰、2天野祐介、12西澤俊、3山田恵大、5森田和樹、7増村有哉、8大塚創太郎、6天野菖梧、10宮崎純真、11野村海、9加藤拓己(c)
交代:増村→34丸山友輝 宮崎→19片桐奈央 大塚→29安田正太郎
立ち上がりこそ、もったいない形で先制点を許してしまいましたが、次第にこれまで培ってきた好守と切り替えの良さを見せて勝利に結びつけていったことが印象的だったこの日のフロンターレ。厳しい暑さのなかでのアウェーの山梨学院戦では、過去には熱中症に近いような症状で選手がプレーすることかできなくなることもありましたが、この日はそのような場面はなく、しっかりと備えてきたことも、うかがわせられました。
次戦はホーム、麻生グラウンドへ舞台を戻しての横浜FC戦。9月3日午後3時にキックオフとなります。
(文中敬称略)
This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.