11月12日は、キンチョウスタジアムへ。Jユースカップは準決勝。セレッソ大阪U-18との準々決勝を3-2で制し、2013年以来2度目のベスト4への進出を果たしたフロンターレU-18は、初めての決勝進出を懸けて、ガンバ大阪ユースとの試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 Jユースカップ準決勝 vs ガンバ大阪ユース】
11月12日(日)午後2時キックオフ キンチョウスタジアム 晴れ 1106人
京都サンガユースがサンフレッチェ広島ユースを2-1で下した第1試合に続いての第2試合。
フロンターレの先発は、GK1早坂勇希、DFは右から5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、ボランチはゲームキャプテンの15池谷祐輔、7桝谷岳良、右MF37有田恵人、左MF24宮城天、トップ下10村田聖樹、FW18宮代大聖。
ガンバの先発は、GK1桑原瑠真、DFは右からキャプテンの2奥井大貴、5中島大雅、4岸田悠佑、46臼井貫太、中盤は右から8山下諒、15奥野耕平、47梅津英貴が3ボランチのような形に。トップ下に25岩本翔、FWは41原田烈志、11宮脇和輝。
冬が近づいていることを思わせるやや肌寒い空気が漂うものの、好天に恵まれ、青空の広がるキンチョウスタジアム。フロンターレもガンバも多くの選手の家族やサポーターが駆けつけ、少しでも選手たちを勇気づけようと、チャントを歌い、コールを送る非常にいい雰囲気。前回フロンターレが準決勝まで進んだ際にはキャプテンを務めた脇坂泰斗(阪南大)も見守るなか、試合は始まりました。
立ち上がり、ガンバは右サイドのスローインから宮脇がエリア右へ抜け出そうとしますが、デュークがよくカバーしてボールをカット。シュートにはつなげさせず。フロンターレも3分には小川真輝のクロスがブロックされてコーナーキックを得ると、右から桝谷が左足で入れたボールに新井が飛び込みますが、ガンバのGK桑原にキャッチされてシュートにはつながらず。
ガンバは宮脇、原田が裏を狙って動き出してチャンスメークを試みていきますが、フロンターレは新井が1対1でねばり強く対応し、エリア内へのボールは高吉がしっかりケア。6分には宮代のボールキープから右へ展開。小川真輝、有田恵人の連係から人をかけてガンバのゴールヘ迫っていくと、池谷がエリア前へ進入。シュートを放ちますが、ガンバの選手にブロックされて枠はとらえられず。
ガンバは8分には、人をかけて左サイドからの攻勢。エリア左へ梅津が抜け出しますが、リターンパスは池谷がカット。シュートにはつなげさせずに流れは渡さず。その後も10分には山下の原田を狙ったパスを新井がカット。11分には左サイドでキープした原田が、駆け上がった臼井へパスを出そうとするも有田が自陣まで戻ってカバーする好対応。攻撃から守備への切り替えの速さを出していきます。
フロンターレはマイボールにすると、村田が時には自陣まで下り、池谷が最終ライン横に下りて後ろから組み立て、デュークや小川真輝が機を見て前に。13分には池谷が高い位置でボールを奪い返して左サイドの宮城へ。宮城のパスに高い位置へデュークが抜け出して折り返しますが、これはクリア。さらに高い位置でまたもボールを奪い返し、デュークが左サイドからクロスを入れるもこれは右へ流れてシュートには結びつかず。次第にサイドを生かした攻撃を出せるように。18分には村田がエリア内へ送ったボールにデュークが抜け出し、シュートはゴールネットを揺らしますが、これはオフサイド。
ガンバも山下や奥野、梅津がかかわって中央からの組み立てを図っていきますが、フロンターレは池谷や桝谷の寄せが速く中盤でボールをよく奪っていきます。20分には桝谷がボールをカット。切り替えよく、エリア左に動き出した宮代にボールを送るも、奥津にカットされてシュートには結びつかず。ガンバも梅津が持ち上がり、エリア内左の原田へパスを送るも、高吉がカットしマイボールに。ラインを高く上げて、さらに攻勢に。いい距離感で機を見て、桝谷らが縦へパスを入れ、宮代が前線に張るだけではなく、中盤まで下り、空いたスペースに宮城が飛び出すなどして、ゴールをうかがっていきます。
30分には池谷のスルーパスに、エリア右へ有田が抜け出すも、ガンバの選手に寄せられてシュートを打つには至らず。それでもセカンドボールを拾って、切り替えよくゴール前に迫っていくフロンターレ。31分、ガンバの攻めに対して、高吉がカバーしマイボールに。池谷から左へ展開、宮城のパスを受けたデュークがドリブルで左サイドの高い位置を突破。エリア外左から放ったクロス性のシュートが、エリア前でやや右寄りにポジションをとっていた桑原の頭上を抜ける形でゴールの中へ吸い込まれていきます。1-0。先制点はフロンターレへ。
波に乗るフロンターレ。直後には宮城のパスに宮代がエリア左へ抜けるも、ここは寄せられてシュートには結びつけることはできず。それでも、デューク、宮城が左サイドで連動してプレスをかけて、ガンバに前を向かせず、パスを自由に回させないなど、良い守備を見せていきます。ガンバは岩本が下りて、奥野や梅津らとかかわって打開を図りに。37分には、中盤でパスを回して、最後はエリア外正面から梅津がミドルシュートを打つも、これは力のあるものにはならず、早坂が落ち着いてキャッチ。
38分にはフロンターレ、原田を狙ったパスを中盤で奪った桝谷が前を向いて、パスに宮代が抜け出してエリア外右から仕掛けていくも、ガンバもよく寄せてシュートには結びつかず。39分には桝谷がボールを持ち上がり、池谷から右へ展開。小川真輝がエリア外右からクロスを入れるも、これはクリアされてシュートには結びつかず。
ガンバは、山下が左、梅津が右へポジションを入れ替え、さらに中盤でボールを回して同点ゴールを狙いに。40分には奥野のパスにエリア右へ原田が抜け出し、シュートを打ちますが、これは早坂の正面。ここからガンバがゴール前へ迫る場面が続き、42分には臼井の左クロスに宮脇が抜け出してくるも、シュートを打たれる前に早坂がパンチング。臼井が高い位置取りでサイドからエリア内へボールを入れて、ガンバが押し込む場面が続いていきますが、高吉や新井、小川真輝、デュークがよく体を張って、シュートは枠へは飛ばさせず。
43分には右サイドのパス交換からガンバ、奥津がエリア外右へ仕掛けていくもデュークがしっかり付いていき、シュートやクロスには結びつかせず。44分には岩本から左サイドへ流れた宮脇へ展開したガンバ。リターンを臼井が受けて、前を向いてエリア内へ抜け出した原田へ縦パスを入れ、原田がシュートに持ち込もうとしますが、デュークがブロック。
さらにコーナーキックからガンバがゴールヘ迫る場面が続いてきますが、それをしのいで、前半は1-0でタイムアップとなります。
後半、立ち上がりから前に出てきたのはガンバ。中島や岸田がラインを上げてコンパクトに。高い位置で臼井や奥野、岸田もかかわってボールを回していきます。すると2分左サイドからのガンバの攻勢。エリア外左から山下が送ったボールに、エリア右へ抜け出した岩本がゴール前に仕掛けていき、シュートを打つとゴールネットを揺らして、1-1。ガンバが同点に。
フロンターレは4分にはデュークが左サイドの高い位置に。エリア内へボールを入れると村田が抜け出すも、ガンバの選手に寄せられてシュートを打つことはできず。直後には小川真輝がエリア前へ抜け出そうとした宮城を狙ってパスを入れていくも、ここもカットされて決定機には結びつかず。ガンバも奥野がよくかかわってボールを動かしていき、8分には奥野の浮き球にエリア内へ山下が抜け出していくも、早坂がこれには対応。フロンターレは池谷や桝谷がかかわってボールを回していこうとしますが、前半に比べるとガンバの出足やポジショニングが良くなり、パスをカットされる場面がやや目立つようになっていきます。10分には左サイドからのガンバのフリーキック、中島がエリア内で合わせますが、シュートは左へ。
12分にはガンバ、宮脇に代わって37塚元大がFWへ。
フロンターレは、宮城が左サイドだけではなく、中盤まで下りて池谷や桝谷とかかわり、デュークが左サイドの高い位置へ上がるなどして攻撃を試みていきますが、なかなかシュートには結びつけられず。ガンバがゴール前に迫る場面は続き、14分にはエリア正面でのフリーキック、岩本の入れたボールを中島が折り返すも早坂がボールはキャッチ。シュートには結びつかせず。
フロンターレは16分には有田に代わって、13大曽根広汰が右MFへ。なおもガンバが岩本や塚元がエリア前へ迫る場面が続いていきますが、奥野のエリア内へ抜け出した岩本へのパスを高吉がカットするなど、フロンターレはしのいでいきます。19分には村田とのパス交換からエリア前正面へ宮城が仕掛けていき、ミドルシュート。これは左に。さらにデュークが左サイドからドリブルで仕掛けていくなど、ゴールヘ迫っていきます。24分は右サイドからの攻め。村田がかかわってパスを回し、大曽根のパスに小川真輝が右サイドの高い位置へ。エリア内へボールを送ると抜け出したのは宮代。うまくDFとGKの間に入り込んで、右足でボールをゴール左へ押し込み、2-1。フロンターレが勝ち越します。
ガンバは原田に代わって28丹羽匠がピッチへ。26分にはガンバにエリア前でのフリーキック、岩本が入れたボールに中島が合わせ、シュートは枠をとらえますが、早坂がすばらしい反応を見せ、得点とはならず。その後もガンバはラインを高くし、多くの人がかかわってフロンターレのゴールを脅かしていきます。28分には、フリーキックのセカンドボールを拾い、右からのクロス、岩本が合わせますが、早坂が枠をとらえたシュートをしっかりキャッチ。なおもガンバがボールを回しながら、ゴールをうかがっていきますが、28分、小川真輝の自陣からのボールをセンターライン右サイド寄りで受けた大曽根が、ガンバの選手を一人かわして一気に前に。エリア前の村田が自らのシュートのこぼれ球をキープ、リターンを受けた桝谷がエリア内へ縦パスを入れ、最後はエリア内左から宮城が右足を振り抜くとゴールネットが揺れます。3-1。
直後にはガンバ、臼井が左サイドの高い位置へ。エリア内、塚元を狙ってパスを出すも、高吉がクリア。ガンバはここで、奥野に代わって32大谷優斗が入り前線へ。ガンバがコーナーキックや奥野が高い位置からクロスを上げるなど、ゴールヘ迫る場面が続きますが、高吉や新井、デュークらがクリアをしたり、連係して寄せるなどして対応していきます。34分には塚元の浮き球のパスにエリア外右へ、大谷が抜け出すも、ここはデュークがしっかり対応してシュートには持ち込ませず。
35分、ガンバは岩本に代わって6森永耀晟。直後にはガンバ、森永から左へ展開。臼井のクロスに大谷が頭で合わせ、枠をとらえるも、早坂が再び好セーブでゴールを割らせず。しかし、39分、ガンバはエリア外左でのフリーキック。山下が左足でボールを入れると、再三セットプレーによく合わせてフロンターレのゴールをおびやかしていた中島がエリア右で頭で合わせると、ボールはクリアしようとしたデュークも及ばず、ゴールの中へ。3-2。
ここでフロンターレは村田に代わって9山田新が入り、FWへ。40分には宮城がうまく中央で前を向いて仕掛け、エリア前に。左へパスを出すとデュークが抜け出してシュートを打つもブロック。さらに宮代がこぼれ球に詰めますがこれはオフサイドをとらえれてしまいます。
さらに追加点を狙いにいく、フロンターレ。直後には宮代から左へ展開。山田が一気にエリア左へ進入。シュートを打つもガンバのGK桑原がこれを防ぐ好守。追加点とはならず。
桑原がすばやく前にボールを送り、ボールはフロンターレのエリア外に。塚元のシュートは早坂が防いだものの、こぼれ球に詰めた大谷がゴールネットを揺らします。3-3。42分、フロンターレにとっては準々決勝に続いて2点差を追いつかれ、試合は振り出しに。
準々決勝と同じように決して気持ちを切らすことなく、勝ち越し点を狙いにいったフロンターレの選手たち。44分には桝谷から左へ。デュークが左サイドの高い位置へ仕掛けて、折り返すと、森永のクリアボールがエリア前の宮代のもとへ。宮代はシュートを打ちましたが、ここでもまた桑原が素晴らしい反応を見せて、ゴールネットを揺らすことはできず。
ロスタイムは4分。小川、デュークが機を見て高い位置取りでゴールを狙っていくフロンターレの選手たち。そして、ガンバの選手たち。46分には左サイドのスローインの流れから大谷が枠をとらえたミドルシュートを打つも早坂がここでもよく反応。続いて47分、ガンバは左サイドからの攻勢。梅津のパスをエリア前で受けた丹羽がボールを入れ、森永がエリア内に。こぼれ球に詰めた丹羽がシュートを放つと、ボールはゴールの中へ。3-4。勝ち越しのゴールはガンバへ。
フロンターレは宮城に代わって4伊従啓太郎が入り、前線に。48分には大曽根がエリア前でシュートを放ちますが、これは上に。なおも池谷や桝谷がエリア前でよく粘り、前を向いてゴールを狙っていくフロンターレ。しかし、ゴールネットを揺らすには至らず。試合はタイムアップ。3-4。フロンターレのJユースカップは、ここで終わることになりました。
前半1-0 後半2-4 計3-4
得点:デューク・カルロス、宮代大聖、宮城天(川崎)岩本翔、中島大雅、丹羽匠(ガンバ大阪)
フロンターレの先発:1早坂勇希、5小川真輝、34高吉正真、3新井秀明、11デューク・カルロス、15池谷祐輔(c)、7桝谷岳良、37有田恵人、24宮城天、10村田聖樹、18宮代大聖
交代:有田→13大曽根広汰 村田→9山田新 宮城→4伊従啓太郎
控え:16安福祐一 27森璃太 30山内日向汰 20上野綜太
ガンバの先発:1桑原瑠真、2奥井大貴(c)、5中島大雅、4岸田悠佑、46臼井貫太、8山下諒、15奥野耕平、47梅津英貴、25岩本翔、41原田烈志、11宮脇和輝
交代:宮脇→32塚元大 原田→28丹羽匠 奥野→32大谷優斗 岩本→6森永耀晟
控え:23駒井幸弘 24吉木大喜 17山森裕平
初めての決勝進出とはならず、最後には涙を流すことになりましたが、過去最高に並ぶ3位はとても立派な結果。11月25日には残り3試合となったプリンスリーグ関東が再開されます。「もっともっとこのチームを見ていたい」という多くのサポーターがいます。この日の涙を糧に、また立ち上がっていく選手たちの姿を楽しみにしています。
(文中敬称略)
写真はかんちさんからもいただきました。ありがとうございます!
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レポートありがとうございます。
すごい試合でしたね。
負けて悔しいのは、もちろんなのですがこのチームで観れる試合がひとつ減ってしまったと思うと複雑な気持ちになりましたがここまで素晴らしい戦いをみせてくれた選手に感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にもっとみたい!多くの人にみてもらいたい!というチームになってますね。そして、プレミアリーグにやっぱり行きたいと思いました。
読んでいただきありがとうございます!
応援させてくれてありがとう、という気持ちです。おっしゃるとおり、多くの人にもっとこのチームを見てもらいたいですね。多くの笑顔と涙があったシーズン、笑顔で終えることができたらいいなあ、と思います。