川崎フロンターレU-18がザスパクサツ群馬U-18とのJユースカップ1回戦に臨んだ10月14日は、前橋育英高崎グラウンドへ。関東ユース(U-15)サッカーリーグ2部は第22節。2位以上を確定させ、来季の1部昇格を決めた川崎フロンターレU-15は前橋FCと対戦しました。
フロンターレは、9月30日に予定されていた第21節ワセダクラブForza’02戦が台風24号の影響で、延期に。10月6日から8日にかけ、宮城県選抜や青森県選抜、鹿島アントラーズジュニアユースなどとともに、宮城県で行われたカメイカップに参加し、準優勝という結果を残しました。
関東ユース(U-15)サッカーリーグ2部は、湘南ベルマーレジュニアユースが第21節で4-0で勝利し1試合を残して勝ち点は48に。2試合が残されているフロンターレは勝ち点47で暫定2位という順位でこの日の試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-15 関東ユース(U-15)サッカーリーグ第22節vs前橋FC】
10月14日(日)午後3時キックオフ 前橋育英高崎グラウンド 晴れ 40分ハーフ
フロンターレの先発は、GK16宮地健輔、DFは右から2高畠捷、23高井幸大、3田鎖勇作、28浅岡飛夢、ボランチはキャプテンの10小室愛樹、8秋葉拡人、右MF22石原央脩、左MF18入江流星、FW11五十嵐太陽、9田中幹大。
前橋FCの先発は、GK21後藤太希、DFは右から17山越結平、キャプテンの4桑子流空、3清水翔馬、8山内恭輔、中盤は16設楽陸斗がアンカーに入り、その前に6和田桜輔、23黒田成吾、右に7吉田遥汰、左に11野本京佑、前線には9佐藤伶。
好天に恵まれ、上着がいらないほどの陽気の前橋育英高崎グラウンド。ピッチ脇のベンチには多くの両チームの選手の家族らが集まり、このあとにメトロポリタンリーグを控えたフロンターレU-15の二年生たちが応援の打ち合わせをするなか、試合は始まりました。
立ち上がり1分にはフロンターレ、小室から左へ展開、浅岡が左クロスを入れるとニアに走り込んだ五十嵐がシュート。前橋FCのブロックに阻まれましたが、いい形でゲームへ入っていきます。
フロンターレは、フリーキックのこぼれ球を拾いカウンターに持ち込もうとする前橋FCに対し、石原がすばやい戻りからボールをものにして、そこからラインを高め、さらに攻めに。秋葉が右サイドの高い位置へ動き出す高畠を狙い、パスを入れるなどして、押し込んでいきます。
しかし、6分には前橋FC、山内の左クロスに黒田が合わせると、ボールはゴールの中へ入りそうになりますが、浅岡がクリア。さらに8分にはGK後藤が前線へボールを送ると、エリア左へ佐藤が抜け出し、シュート。これには宮地がわずかに触り、こぼれ球に詰めた野本のシュートはポストに。フロンターレとしてはひやりとする場面が続いていきます。
ここから前橋FCが設楽もエリア外右へ顔を出すなど厚みのある攻めを見せに。フロンターレは、石原や入江もエリア近くに下がり、コンパクトにして対峙。10分には浮き球のパスにエリア右へ抜け出した佐藤がシュートを打つも右へ。
11分には負傷した野本に代わり14田中稜夢。アクシデントを経てもなおも続く前橋FCの攻めに対して、高井の厳しい寄せや高畠のカバーリングなどでしのいでいくフロンターレ。高畠がボールを預け、高い位置へ上がったり、秋葉や小室が縦へボールをつけて再び人をかけて前に出られるようになっていきます。
しかし、18分前橋FCは左サイドからの攻めに。山内がエリア前に仕掛け、シュートを打つとボールはゴールの中へ。0-1。前橋FCが先制点をものにします。
追いかける展開となったフロンターレは、浅岡が前線へ動き出す田中幹大を狙い、フィードを入れるなど揺さぶりに。19分にはエリア外正面で小室がボールをカット。ミドルシュートを打つもGK後藤がセーブ。
さらに21分にはエリア左へうまく抜け出した入江がシュートを打ちますが右へ。続けて右サイドのスローインからエリア右へ田中幹大が抜け出すも前橋FCはブロック。24分には、高畠が右サイドの高い位置へ五十嵐を走らせ、右コーナーキックを得ると、秋葉が右足で入れたボールのこぼれ球に、田中幹大が詰めますがクリアされ、シュートは打てず。
前橋FCは、ここで黒田に代え、15松田翔平。
なおも五十嵐や石原がエリア前でうまい切り返しを見せ、ゴールに迫りますが、前橋FCの粘り強い守りをなかなか崩せず。それでも高い位置から連動してプレスをかけ、前橋FCの前線の佐藤にボールがわたりそうになっても高井がうまくカバーするなどしていきます。
33分には前橋FC、佐藤から左へ展開。設楽がクロスを上げるも、エリア内へ入ったボールは浅岡がクリア。こぼれ球を拾い、さらに右から前橋FCが攻めに出てくるも、田鎖や浅岡がうまくカバーし、シュートにはつなげさせず。そこから田中幹大のボールキープから石原が高い位置へ抜け出したりするなど、攻めにつなげていきます。
35分には、高い位置で田中幹大が寄せてボールをものに。センターライン付近から秋葉がロングシュートを試みますが、左へ。
攻め続けるフロンターレでしたが、前橋FCも中盤でボールをものにし、37分には左サイドの高い位置でスローインを得ると、田中稜夢が左サイドから斜めにエリア前に仕掛け、エリア外からシュートを打つと、ゴールネットが揺れ、0-2。フロンターレは突き放されます。
2点差にも気持ちを落とさず、コーナーキックやフリーキックを得て、ゴールを狙いにいくフロンターレ。前橋FCがカウンターへ持ち込もうとしても、入江がうまくカバーし、それを阻むなどしていきます。ロスタイムに入り、42分には田中幹大のプレスバックから五十嵐がエリア左へ仕掛け、シュート。しかし、GK後藤がセーブ。前半はタイムアップとなり、0-2でハーフタイムとなります。
後半、3分センターライン付近でフリーキックを得た前橋FC。4桑子のフリーキックのこぼれ球を拾った山内がエリア左へパスを出すと、佐藤が抜け出すも高井が寄せ、フロンターレのボールに。フロンターレはそこから攻撃へつなげ、右サイドへ。高畠がエリア外右に上がり、クロスを入れると、ニアで合わせたのは田中幹大。前橋FCの選手がクリアにいこうとしたものの、ボールはゴールの中へ。1-2。守備から攻撃へうまくつながったいい形で追撃のゴールが入ります。
フロンターレはラインを高め、小室が五十嵐を狙い、スルーパスを出したり、浅岡のパスに、うまく前を向いた入江が前橋FCの選手を振りきって、エリア左へ仕掛けるなどしていきます。
9分には高畠の右クロスにゴール左で入江が頭で合わせるもGK後藤がこれを阻み、左コーナーキックに。秋葉が入れたボール、高井が合わせるも右へ。
フロンターレは田中幹大がボールをキープし、そこから左サイドの高い位置へ五十嵐が仕掛けるなどして、さらに前へ。石原がうまい寄せからマイボールにしたり、エリア前でも粘り強くブロックにいくなどして、攻撃の機会をさらにうかがっていきます。
15分にはエリア外左で入江がファールを受け、フロンターレのフリーキックに。秋葉が入れたボールを高井が競り、最後は五十嵐がシュートを打つもGK後藤がセーブ。19分には石原が右サイドから仕掛け、エリア右へボールが出ると、田中幹大がシュートを打つもポストを叩き、惜しくも決まらず。
フロンターレは高畠や小室、よくボールをカットし、そこから縦へボールを入れに。田鎖がインターセプトからボールを預け、エリア内へ入り込むなど、攻めに厚みを持たせようとしていきます。
24分には、左コーナーキックのこぼれ球を石原がエリア外正面で拾い、エリア内に浮き球を入れると、田鎖が抜け出すもブロック。直後には前橋FC、山越の右クロスからエリア前で設楽が打つも左へ。
フロンターレは26分、石原に代わり13山田新己。田鎖が前線に上がり、最終ラインは右から高井、小室、浅岡、ボランチは秋葉、山田、右に高畠、左に入江、前線には五十嵐、田鎖、田中幹大という形に。
後ろからボールを動かそうとする前橋FCに対し、田鎖が高い位置からプレスをかけ、入江につなげるなど、相手の陣内でプレーする時間を増やしていきます。
29分、前橋FCは松田に代わり10青木暖。
31分には左サイドの高い位置でスローインに。入江が左から折り返すと、エリア内、田鎖が迫るもクリア。なおも五十嵐のスルーパスに抜け出した田中幹大が右クロスを上げたり、小室のパスカットから田中幹大を経由して五十嵐の左クロスにつなげるなど、ゴールに迫りに。
高い位置でスローインを得ると、高畠もエリア左でボールを競りにいくなど、前に圧力を強めに。田中幹大が競ったボールを右サイドの高い位置で高畠が拾い、山田がそれを追い越してクロスを試みるなどしていきます。
試合はロスタイム近くになり、前橋FCは、田中に代わり22飯島巧貴、吉田に代わり18内山凌来。フロンターレは、高井が前線へ。最終ラインは右から山田、小室、浅岡に。42分、スローインを高井が競り、エリア右で拾った田中幹大がシュート。しかし、ワンタッチあり、これは決まらず。
これで得た右コーナーキック、エリア正面でシュートに持ち込んだのは五十嵐。ついにボールはゴールの中へ。2-2。試合はここでタイムアップ。ラストワンプレー、フロンターレの執念が実った形での引き分けとなりました。
前半0-2 後半2-0 計2-2
得点:田中幹大、五十嵐太陽(フロンターレ) 山内恭輔、田中稜夢(前橋FC)
フロンターレの先発:16宮地健輔、2高畠捷、23高井幸大、3田鎖勇作、28浅岡飛夢、10小室愛樹(c)、8秋葉拡人、22石原央脩、18入江流星、11五十嵐太陽、9田中幹大
交代:石原→13山田新己
前橋FCの先発:21後藤太希、17山越結平、4桑子流空(c)、3清水翔馬、8山内恭輔、16設楽陸斗、6和田桜輔、23黒田成吾、7吉田遥汰、11野本京佑、9佐藤伶
交代:野本→14田中稜夢 黒田→15松田翔平 松田→10青木暖 田中→22飯島巧貴 吉田→18内山凌来
他会場では首位の湘南ベルマーレジュニアユースがGRANDE FCに5-0で勝利し、勝ち点51、得点54、失点12、得失点差+42で日程を終了。2位のフロンターレは1試合を残して、勝ち点48、得点45、失点18、得失点差+27。最終戦で勝てば、勝ち点では並ぶものの、首位に立つためには多くのゴールが必要になることになりました。
昇格を決めたあとの目標だった優勝は、数字の上では、難しいものになりました。しかし、ゴールにこだわり、土壇場で引き分けに持ち込んだこの日の試合は、必ず11月に始まる高円宮杯の関東予選にもつながるものになると思います。
リーグ戦の最終戦、台風で延期となった第21節のワセダクラブForza’02戦は、10月20日午前10時15分、等々力第一サッカー場にて。最後のホームでの試合をとても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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