フロンターレU15 – 横浜F・マリノス追浜 / 高円宮杯関東大会決勝


川崎フロンターレがJ1リーグ2連覇を果たした翌11月11日は、栃木SC宇都宮フィールドへ。冬のU-15年代の全国大会、高円宮杯全日本(U-15)サッカー大会の予選、高円宮杯全日本(U-15)サッカー大会関東大会は決勝戦。前日の準決勝、GRANDE FC戦を秋葉拡人、五十嵐太陽、石原央脩、田中幹大がゴールを決め、4-0で勝利した川崎フロンターレU-15は、横浜F・マリノス追浜ジュニアユースとの試合に臨みました。

フロンターレとF・マリノス追浜は、今季の関東ユース(U-15)サッカーリーグの2部では、第2節は2-1、第13節は1-0とフロンターレの2勝。ともに接戦の末での決着となってます。

 

【川崎フロンターレU-15 高円宮杯全日本(U-15)サッカー大会関東大会Bブロック決勝 vs 横浜F・マリノス追浜ジュニアユース】

11月11日(日)午前11時キックオフ 栃木SC宇都宮フィールド 晴れ 40分ハーフ

フロンターレの先発は、GK21青山海、DFは右から2高畠捷、23高井幸大、3田鎖勇作、25松長根悠仁、ボランチはキャプテンの10小室愛樹、8秋葉拡人、右MF22石原央脩、左MF18入江流星、FW11五十嵐太陽、9田中幹大。

横浜F・マリノス追浜の先発は、GK1木村凌也、DFは右から2秦英志、3米山悠葵、4馬場拓己、19出田海瀬、中盤の底にキャプテンの5角田惠風、その前に13相馬梓希、7植木颯、右に11大貫裕斗、左に10大西達也、FW20徳田凌真。

 

好天に恵まれ、羽織るものもいらないような暖かな陽気の栃木SC宇都宮フィールド。両チームの選手の家族、さらにはサポーターも見守るなかでのキックオフとなりました。

 

立ち上がり、ラインを高め最終ラインから組み立てを図りにいくフロンターレ。F・マリノス追浜は前から連動してプレスをかけ、サイドへ追い込みに。

それでもフロンターレはボールを失っても、石原がすばやい寄せから右サイドのスローインへつなげるなど、切り替えよく対峙。3分には右サイドでの攻勢、秋葉、石原とテンポよくボールが渡り、エリア右に五十嵐が抜け出し、次第にゴール前での場面が増えていきます。

5分には高畠の縦パスを受けた五十嵐が前を向いて、右に展開。石原がF・マリノス追浜の選手に囲い込まれながらも高い位置に運んでスローインに。こぼれ球を拾い、エリア左へ抜け出した入江がゴール前にボールを送ると田中幹大が反応しますが、惜しくもさわることはできず。

さらに6分には右サイドの高い位置へ開いた五十嵐がエリア内へクロスを入れると、ゴール正面で田中幹大がボールをおさめ、リターンを受けた秋葉がエリア左へパス。抜け出した入江がシュート。F・マリノス追浜の守備も粘り強く、ブロックに阻まれましたが、ゴールに迫っていきます。

一方のF・マリノス追浜はサイドからの攻めを試みに。7分には高い位置で大貫がボールをカット。エリア右に仕掛け、ニアを狙ってクロス。しかし、フロンターレは高井がしっかり寄せ、最後は青山がボールをキャッチ。フロンターレは、高畠、石原の連係から攻勢に出て、高井がルーズボールを頭でコントロールし小室にボールを渡すなど、守備から攻撃へつながるようなプレーを重ねていきます。

13分にはF・マリノス追浜も大貫の右サイドからの仕掛けや秦も高い位置に顔を出して、フロンターレのゴールに迫っていきますが、松長根に加え、入江もエリア近くに戻るなどして粘り強く対応。ラインを割らせて、決定的な場面をつくらせず。15分にもF・マリノス追浜、角田、植木と中央でボールをつなげ、左に展開。大西がニアを狙いクロスを入れるも、ボールは青山がキャッチ。

16分には小室、秋葉が中央でマイボールにし、右に。高畠がGKと最終ラインの間を狙い、浮き球を入れると田中幹大が迫りますが、F・マリノス追浜もしっかり寄せ、ボールは最後は木村がキャッチ。それぞれ集中力を保ち、一進一退の攻防が続いていきます。

フロンターレは入江が時には中央へしぼり、マイボールにするなど、守備から攻撃へつながるような場面をつくりに。22分には秋葉の縦パスを受けた五十嵐から右へ。石原がエリア右でボールをキープし、エリア正面へパスを送ると、五十嵐がシュートを打つも左へ。

F・マリノス追浜も、23分には左サイドでスローインを得ると、出田が左クロスを上げるも、エリア内へ入ったボールは高井がしっかり頭で小室に落とし、そこからエリア内の田鎖へ戻し、入江につなげ、ボールを持つ時間をつくっていきます。

24分には、F・マリノス追浜、大貫がエリア右に進入しますが、田鎖が粘り強く寄せ、シュートは打たせず。コーナーキックもしのいだフロンターレは、後ろからの組み立てを図り、前からの圧力をかけてくるF・マリノス追浜に対し、小室がプレスをうまくかわして前へボールを運んでいくと、27分には松長根のパスをエリア正面やや左で受けた秋葉が前を向き、エリア左へスルーパス。入江が抜け出そうとしますが、惜しくもシュートには持ち込めず。

石原や高畠が右サイドの高い位置へ上がるなど、攻勢を強めていくフロンターレ。

28分、五十嵐から右に展開。石原が右サイドの高い位置でボールを受け、エリア正面へパスを送り、うまく受けた秋葉がエリア内の田中幹大へパスをつけると、F・マリノス追浜の選手の寄せに遭いながらも田中幹大がうまく体を使い、放ったシュートが決まり、1-0。

ゴールが決まるとピッチ脇の控えの選手たちのもとへ飛び込む田中幹大、そしてそのほかのフロンターレの選手たち。全員で、先制のゴールを喜びます。

直後にはF・マリノス追浜も秦の右クロスからゴールに迫る場面をつくりますが、フロンターレは石原がエリア内に入ってマイボールに。切り替えの良さを見せて、攻撃の芽を摘みに。左サイドの高い位置でボールを受けた大西に対しては高畠や石原、秋葉がすばやく囲い込み、右サイドの大貫に対しては、松長根に加え、小室も寄せにいき、マイボールにするなど、いい距離感でプレーしていきます。

F・マリノス追浜は、馬場や米山、角田らにGKの木村も加わり後ろからボールを動かそうとしていきますが、小室や五十嵐がうまくプレスをかけ、田中幹大もF・マリノスの中盤の選手に寄せ、ボールをものにするなどしていきます。

39分には、F・マリノス追浜、左サイドの高い位置へ仕掛けた出田がクロスを上げると、ニアで相馬がシュートを打つも左に。前半は1-0でタイムアップ。フロンターレがリードしハーフタイムとなります。

 

後半、フロンターレのメンバーは前半と変わらず、F・マリノス追浜は大西に代わり、9小松幹汰が左に入ってのスタート。1分にはF・マリノス追浜、米山がボールを持ち上がり、右に展開。米山が前へ動きだし、右から大貫がクロスを上げようとしますが松長根がブロック。しかし、ここからF・マリノス追浜がラインを高め、サイドから斜めに仕掛ける動きなどでゴールに迫る場面をつくっていきます。  

3分には植木が左サイドからエリア前に仕掛けると最後はエリア正面で相馬がシュート。しかし、青山がセーブ。4分には大貫が右サイドの高い位置からゴールに向かって仕掛け、エリア右にパスを出すも青山が前に出て、シュートは打たせず。さらにエリア左へ相馬が抜け出し、コーナーキックを得たり、エリア右でファールを受けてフリーキックを得るなど、F・マリノス追浜の時間帯が続いていきます。

フロンターレは、なかなかセカンドボールをものにすることができず。それでも右サイドの高い位置の大貫へ入りそうになったボールに対して、エリア近くまで戻った入江が頭でクリアにいくなど、体を張って、対応。 

9分には、F・マリノス追浜、左サイドの高い位置から小松が仕掛けていきますが、高畠がうまく体を入れ、ラインを割らせ、フロンターレのゴールキックに。

マイボールの時間をつくると、10分、右サイドで田中幹大、石原の連係からF・マリノス追浜のゴール前に。石原のパスを受けた五十嵐が、エリア右に持ち込み、シュートを打つとボールはゴールの中へ。2-0。苦しい場面をしのいだところからゴールを生みだしフロンターレが突き放します。

リードを広げたフロンターレは、落ち着きを取り戻し、攻守の切り替えがうまくいくように。入江が高い位置でボールをカットし、相手陣内での展開を続けていくと、11分には小室からエリア左の秋葉へ。シュートを打つもGK木村がキャッチ。さらに13分には秋葉からエリア外右の石原へ。前へうまく持ち出しシュート。枠をとらえますが、木村がわずかにさわり、惜しくも決まらず。

F・マリノス追浜は16分大貫の右サイドでの仕掛けからフリーキックを得て、セカンドボールを拾い、左サイドから展開に。植木のクロスを相馬が競り、エリア右から徳田がシュートを打つも上に。

フロンターレは18分、石原に代わり13山田新己が右MFに。田中幹大が左サイドから縦へ仕掛け、ファールを受けてフリーキックを得れば、五十嵐が中央でプレスをかけ、マイボールに。松長根の浮き球を田中幹大が競り、秋葉がボールを拾い、そこから後ろへ戻してボールをうまく動かしにいきます。

ところが22分、F・マリノス追浜は右サイドの高い位置でボールをカットし、エリア右に抜け出した徳田が青山と1対1となりシュート。ボールはゴールの中へ。2-1。1点差に。

勢いを取り戻したF・マリノス追浜は直後には、クロスのこぼれ球をエリア正面で拾った相馬がシュートを打つも左に。さらに右サイドからエリア内へ大貫が仕掛けるシュート。青山が阻んだこぼれ球を拾い、ゴール正面で相馬がシュート。しかし、青山がここでもセーブ。好守でゴールは許さず。

さらにF・マリノス追浜は小松が左サイドからエリア左へ仕掛けるなど、フロンターレのゴール近くに迫る時間をつくりに。28分には右コーナーキックのこぼれ球をエリア外右で拾った小松が迫るも田中幹大が寄せ、シュートは上へ。直後にはスルーパスにエリア右へ徳田が抜け出すもエリア外右からのシュートはワンタッチあり、左コーナーキックに。

30分、このコーナーキックのセカンドボールを拾ったフロンターレ。懸命に走り、ボールをものにした山田が、F・マリノス追浜の選手に寄せられながらも、左サイドを縦へ仕掛け、ようやくフロンターレボールのスローインに。スローインの流れから秋葉がエリア左へ持ち込み、ニアを狙ってシュート。追加点とはなりませんでしたが、決定的な場面をつくり、流れを引き戻していきます。

すると34分、フロンターレは左サイドで田中幹大が前へ運びボールをキープ。ボールを受けた入江が、左サイドからエリア正面に仕掛け、パスを送ると、五十嵐がエリア正面から放ったシュートが決まり、3-1。最終ラインから高井や田鎖もゴール前に駆け上がり、全員で喜びを分かち合うフロンターレの選手たち。大きな大きな追加点で突き放します。

F・マリノス追浜はここで相馬に代わり24尾上飛翔。

F・マリノス追浜はラインを高め、左サイドの小松の仕掛け、右からは大貫が折り返すなどしていきますが、フロンターレは松長根や高井がエリア内に入ったボールに落ち着いて対応。五十嵐や入江もエリア近くまで戻り球際に厳しく寄せていくなどしていきます。

ロスタイムは2分。41分、F・マリノス追浜は右サイドからの折り返し、エリア内に攻撃参加した米山がシュートを打つとこれが決まり、3-2に。フロンターレはここで入江に代わり15南暖。

さらに右サイドからの攻勢などで同点ゴールを目指すF・マリノス追浜の攻めをしのいだフロンターレ。試合はついにタイムアップ。3-2。フロンターレは2年ぶりに高円宮杯の出場権を手にしました。

前半1-0 後半2-2 計3-2

得点:田中幹大、五十嵐太陽2(フロンターレ) 徳田凌真、米山悠葵(F・マリノス追浜)

フロンターレの先発:21青山海、2高畠捷、23高井幸大、3田鎖勇作、25松長根悠仁、10小室愛樹(c)、8秋葉拡人、22石原央脩、18入江流星、11五十嵐太陽、9田中幹大

交代:石原→13山田新己 入江→15南暖

控え:16宮地健輔 4佐々木輝大 5安江海ラウル 17レオニ楓真 28浅岡飛夢 29戸田将 37五木田季晋

横浜F・マリノス追浜の先発:1木村凌也、2秦英志、3米山悠葵、4馬場拓己、19出田海瀬、5角田惠風(c)、13相馬梓希、7植木颯、11大貫裕斗、10大西達也、20徳田凌真

交代:大西→9小松幹汰 相馬→24尾上飛翔

最後まで追いすがったF・マリノス追浜の戦いぶりもすばらしく、タイムアップまで苦しみながらも全国大会の出場権を得たことは、さらに強いチームが集う大きな舞台での戦いに必ず生きてくることになると思います。苦しい時間帯でもひとつのプレーで流れを引き戻し、そこからゴールにつなげるようなたくましさも備わりつつあるようにも思えます。

12月22日開幕の高円宮杯全日本(U-15)サッカー大会まで1カ月余り。チームと選手がどんな進化を遂げていくのか。とても楽しみにしています。

(文中敬称略)

試合を前にした選手たち
青山海選手
戸田将選手
山田新己選手
小室愛樹選手
宮地健輔選手

五木田季晋選手
田鎖勇作選手
宮地健輔選手
レオニ楓真選手
円陣を組む選手やスタッフ
タッチをかわし先発メンバーを送り出す

コイントスに臨む小室愛樹選手
五十嵐太陽選手
石原央脩選手
高畠捷選手
青山海選手
円陣を組んで試合へ
石原央脩選手
小室愛樹選手
秋葉拡人選手
入江流星選手
青山海選手
田鎖勇作選手
田中幹大選手
田鎖勇作選手
高井幸大選手
青山海選手
青山海選手
高井幸大選手
高畠捷選手
高井幸大選手
田中幹大選手が粘り強くシュート

1-0に

控えの選手のものへ

一緒に喜びを分かち合う

高畠捷選手
石原央脩選手
入江流星選手、松長根悠仁選手
高井幸大選手
秋葉拡人選手
前半は1-0

レオニ楓真選手
佐々木輝大選手
浅岡飛夢選手
安江海ラウル選手
宮地健輔選手
南暖選手
五木田季晋選手
山田新己選手
戸田将選手
長橋康弘選手の言葉に耳を傾ける
後半へ
青山海選手
入江流星選手
小室愛樹選手
五十嵐太陽選手が仕掛けていく
シュートに持ち込む

2-0に
五十嵐太陽選手

次々に選手が折り重なっていく

入江流星選手
石原央脩選手がシュートを打つ
松長根悠仁選手
高畠捷選手
青山海選手

セットプレーからゴールを狙う
石原央脩選手
山田新己選手
松長根悠仁選手
秋葉拡人選手
徳田凌真選手が持ち込む
2-1に

小室愛樹選手
入江流星選手
松長根悠仁選手
青山海選手がセーブ
さらにシュートを打たれるも
青山海選手が再びセーブ
高畠捷選手
高畠捷選手
松長根悠仁選手
田鎖勇作選手
山田新己選手

ドリブルで前に

田中幹大選手
秋葉拡人選手
入江流星選手がパスを送る
五十嵐太陽選手がシュート
3-1に
五十嵐太陽選手

全員で喜んだ

山田新己選手
高井幸大選手
松長根悠仁選手
田鎖勇作選手
米山悠葵選手が決め3-2に
南暖選手
南暖選手

3-2でタイムアップ

試合の行方を見守っていた選手たちも喜んだ

全国大会へ

 

 

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