順天堂大 – 関西大 / 全日本大学サッカー選手権2回戦


12月15日、味の素フィールド西が丘で行われた全日本大学サッカー選手権大会の2回戦。早稲田大が北海道教育大岩見沢校に1-0で勝利した第1試合に続いて、第2試合が行われ、関東の第6代表の順天堂大と関西学生サッカーリーグ1部で3位となり、出場権を得た関西大が対戦しました。

【全日本大学サッカー選手権大会2回戦 順天堂大 vs 関西大】

12月15日(土)午後1時半キックオフ 味の素フィールド西が丘 晴れ

1回戦の四国学院大戦を4-0で勝利した順天堂大。先発は、GK1佐藤久弥、最終ラインは右から15鈴木啓太郎、4村松航太、22長谷川光基、6石上輝、ボランチはキャプテンの10名古新太郎、28渡邉康平、右MF2柳澤亘、左MF23長倉幹樹、FW3三國スティビアエブス、11旗手怜央。2020年に川崎フロンターレに加入が内定している旗手怜央は1ゴールを決めた1回戦に続いての先発。また、フロンターレU-18出身の25小川真輝はベンチスタート。

関西大は1回戦をシードされ、この試合が初戦。先発は、GK1安川魁、最終ラインは右から2安田有輝、15羽田健人、キャプテンの4荒木隼人、12黒川圭介、ボランチは8中井英人、14森主麗司、右MF6塩谷仁、左MF11牧野寛太、FW10加賀山泰毅、18高橋晃平。

第1試合と同様、師走らしい寒さの味の素フィールド西が丘。それでもメインスタンドやバックスタンドには多くのサッカーファンや両チームの選手の家族らが集まり、順天堂大も関西大もともにメンバー外の選手たちがにぎやかにチャントやコールで声援を送り、熱気をつくりだすなか試合は始まりました。

立ち上がり、順天堂が柳澤の右サイドからの仕掛けや、名古のフリーキックなどでゴールを狙いにいくのに対し、それをしのいだ関西大。すると先にチャンスをつかんだのは関西大。スルーパスにうまく順天堂大の選手の間に抜け出すかたちで、塩谷がエリア内へ入ると、これに対してファールがあり、PKが関西大へ与えられます。

キッカーは塩谷。しかし、シュートは佐藤が粘り強くこれを止める好セーブ。エリア左でこぼれ球を拾った加賀山がこれまた枠をとらえたシュートを打ちますが、佐藤がまたもや好セーブ。順天堂はしのいでいきます。

なおも関西大は後ろでボールを動かしながら、牧野が左サイドから斜めにエリア前に仕掛ける動きでいいアクセントに。順天堂も高い位置で旗手がボールをカットしシュートに持ち込むもののミートしきれず。関西大がうまくサイドから折り返しのボールを入れ、エリア内で順天堂の長谷川がクリアするなど、序盤は関西大の攻めを順天堂が集中した守備で阻んでいく場面が続いていきます。

順天堂も15分近くになると、旗手がボールをおさめ、長倉や三國との連係から次第に前に出られるように。16分には長倉から右へ展開。三國がニアを狙いクロスを入れるもクリア。右コーナーキックに。関西大はこれをしのいだところから髙橋が縦へ仕掛け、カウンターに持ち込もうとしますが、順天堂は旗手が戻りこれをカバー。守備への切り替えの良さを見せていきます。

それでもゴールに近づく場面をよりつくり出していくのは関西大。中井や森主、牧野がボールをうまく動かし、厚みのある攻めに。22分には森主のパスに抜け出した加賀山が、エリア左でシュートを打つも長谷川が阻み、さらに24分には浮き球を高橋が競り、拾った加賀山がシュートを打つもGK佐藤がセーブ。さらに森主のスルーパスにエリア内へ高橋が抜け出すもオフサイドに。

加賀山や高橋、牧野がエリア前で起点となり、ゴールに迫る関西大に対し、人をかけ、守りしのいでいく順天堂大。すると37分、順天堂は長谷川のフィードに左サイド、高い位置へ三國が上がり、うまく関西大の選手をかわし、折り返しのボールを正面へ送ると、旗手がフリーでシュート。これがゴールネットを揺らし、1-0。先制点は順天堂へ。

さらに直後にも順天堂は旗手から左へ展開。三國に渡り、三國のクロスから旗手がシュートを打つもこれは上に。

追いかける関西大は、43分、エリア外右でのフリーキック、牧野がファーを狙い、ボールを入れると加賀山が頭で合わせ、ボールはゴール右に。しかし、長谷川がすばらしいカバーを見せ、クリア。なおも関西大が順天堂のゴールへ迫るも決めることはできず。前半は1-0。順天堂がリードして、ハーフタイムとなります。

後半立ち上がり、いきなり試合を動かしたのは関西大。加賀山のパスを受けた牧野が少し前へ仕掛け、GKの佐藤が前に出ていたところを突いて距離のあるところからループシュートを放つと、これがゴール左へ決まり、1-1。すばらしい一撃で関西大が追い付きます。

追い付かれた順天堂は4分には右クロスを三國が競り、こぼれ球を拾った長倉がシュートを打つも左へ。さらに村松や長谷川、名古や渡邉がかかわり、ボールを動かしながら前に出ていく順天堂。7分には旗手のサイドチェンジを、右サイドの高い位置で受けた柳澤がエリア右へ持ち込みシュート。しかし、右へ。

直後には関西大。エリア左へ攻め上がった黒川がシュートを打つも右へ。

順天堂は旗手がやや下がり目でボールを受け、パスの出し手に。右の柳澤に展開し、柳澤が高い位置から遠いサイドの長倉を狙い、クロスを入れるなどして勝ち越しのゴールを狙いにいきます。

関西大の出足や読みもよく、コーナーキックからグラウンダーのボールを狙い、虚を突きに来た順天堂に対し、そのボールを読みよくカットし決定的な場面をつくらせないなど、いい対応を続け、試合は一進一退に。

11分には関西大も左サイドで牧野と黒川の連係からゴールへ迫ると浮き球にエリア右に抜け出した中井がシュート。右へそれましたが分厚い攻めを見せていきます。

しかし、先に勝ち越しのゴールをものにしたのは順天堂大。12分、右サイドのスローインの流れから柳澤が高い位置へ。エリア内に進入し折り返すと、近いところでボールを三國がスルーし正面の旗手へ。旗手がシュートを放つとこれが決まり、2-1。順天堂大が再びのリード。

15分関西大は安田に代わり、15長井一真が右SBへ。さらに24分には髙橋に代わり17矢野龍斗。26分には牧野に代わり20澤嵩明。選手を入れ換え、流れを引き寄せに。左クロスにエリア右へ矢野が迫るなどにしますが、順天堂の守りも粘り強くシュートはブロック。

さらに交代で入った長井がパス交換から高い位置へ上がるなどする関西大。26分にはコーナーキックのこぼれ球を拾った黒川がエリア正面でシュートを打つも上に。

一方の順天堂もボールをものにすると、旗手の縦パスを受けた三國がエリア右の長倉を狙ってパスを出すなど、ここぞというところで追加点を狙う姿勢を見せていくと、30分には高い位置でボールカットし旗手からエリア右の三國へ。しかし、シュートは関西大の選手が阻み、決まらず。

ここで順天堂は鈴木に代わり20上野瑤介が入り、前線へ。三國が右MF、柳澤が右SBへ。

関西大の右からの攻め上がりに対して、石上がうまく長井に体を入れ、カバーするなどしていく順天堂。33分には旗手から左へ展開。長倉の左クロスに遠いサイドで三國がシュートを打つも上に。

関西大は34分、中井に代わり29青木真生都。

右サイドの高い位置からエリア前に斜めに長井が動き出すなど、変化も交えながらゴールをうかがいにいく関西大。しかし、順天堂は長谷川が右からの折り返しを体を張り、ブロックするなど、シュートには結び付かせず。

さらに関西大は塩谷に代わり19松井修二を入れ、羽田が高い位置へ持ち上がり縦へパスを入れるなどして攻撃へつなげに。しかし、順天堂は上野も中盤まで落ち、プレスバックにいき、エリア近くでは三國がボールを拾って縦へ運ぶなど、コンパクトに守り、流れを渡さず、しのいでいきます。

42分には順天堂。ルーズボールを中央で拾った旗手が縦へ運び、エリア正面へ。シュートは関西大に阻まれ、右へボールが流れ、三國が折り返すもGK安川がキャッチ。

ロスタイムは3分。荒木を前線へ上げ、ゴールを狙いにいく関西大に対し、高い位置でボールを長倉がカットし、エリア右で旗手がシュートを打つなど攻撃のかたちをつくっていく順天堂。左コーナーで名古と旗手がゴールをうかがう姿勢を見せながら時間を使い、関西大の攻めに対してもGKの佐藤を中心にしのいでいき、試合はタイムアップ。2-1。順天堂が準々決勝進出を果たしました。

前半1-0 後半1-1 計2-1

得点:旗手怜央2(順天堂) 牧野寛太(関西大)

順天堂大の先発:1佐藤久弥、15鈴木啓太郎、4村松航太、22長谷川光基、6石上輝、10名古新太郎(c)、28渡邉康平、2柳澤亘、23長倉幹樹、3三國スティビアエブス、11旗手怜央

交代:鈴木→20上野瑤介 

控え:30中塚勝俊 5長田健 17堀池亮介 8望月陸 12大谷京平 18岡本北斗 24白井海斗 25小川真輝

関西大の先発:1安川魁、2安田有輝、15羽田健人、4荒木隼人(c)、12黒川圭介、8中井英人、14森主麗司、6塩谷仁、11牧野寛太、10加賀山泰毅、18高橋晃平

交代:安田→25長井一真 高橋→17矢野龍斗 牧野→20澤嵩明 中井→29青木真生都 塩谷→19松井修二

控え:16鴨川優斗 3難波慶克 5河野貴志 21梅津克貴

関西大が主導権を握る時間をつくりながらもここぞというところで決定力を発揮し、試合を制した順天堂大。ゴールを決めただけではなく、前半には左足、後半には右足を痛めながらも最後までピッチに立ち続け、ゴールをものにした旗手のプレーは心に残るものがありました。

12月17日午後1時、味の素フィールド西が丘で行われる準々決勝では川崎フロンターレU-18出身の岡田優希が主将を務める早稲田大と対戦。フロンターレのサポーターとしてはどちらにも勝利をおさめてほしいような楽しみな一戦となります。

また、1回戦、2回戦と試合出場に備え、準備を重ねてきた小川真輝がピッチに立ったときにどんなプレーを見せるのかも、とても楽しみにしています。

(文中敬称略)

総理大臣杯を怪我のため欠場した川崎フロンターレU-18の小川真輝選手にとっては大学初めての全国大会
旗手怜央選手
小川真輝選手
多くの選手らが集った関西大のゴール裏
順天堂も多くの選手たちがにぎやかに声援を送った
旗手怜央選手
関西大のPKに対峙する順天堂大のGK佐藤久弥選手
見事に止め、ゴールとはさせず
こぼれ球を拾った加賀山泰毅選手のシュートも防ぐ
関西大の加賀山泰毅選手はたびたびシュートに持ち込んだ
関西大の牧野寛太選手は前線の選手とよく絡み起点に
エリア内、粘り強く守る順天堂大
長谷川光基選手のフィードに、三國スティビアエブス選手がエリア左へ
旗手怜央選手のシュートが決まる
1-0に
関西大、加賀山泰毅選手のシュートは枠をとらえるも
順天堂の守りで決まらず
ハーフタイム、出場に備える小川真輝選手
後半へ
牧野寛太選手のシュートが決まり、1-1

喜ぶ牧野寛太選手ら関西大の選手たち
柳澤亘選手がエリア右へ
旗手怜央選手がシュート
2-1。勝ち越しのゴールは順天堂大へ
ゴール裏の選手たちと喜びを分かち合う
ゴール前、粘り強く守る順天堂大
機を見て縦へ仕掛ける旗手怜央選手
静岡学園の先輩、名古新太郎選手とキープを図る
2-1でタイムアップ
ベンチの選手たちとタッチを交わす旗手怜央選手
小川真輝選手
ゴール裏の選手たちと喜びを分かち合う

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