川崎フロンターレが等々力陸上競技場に横浜F・マリノスを迎え、ホーム最終戦に臨んだ11月30日は群馬県伊勢崎市のあずまサッカースタジアムへ。プリンスリーグ関東は第17節。川崎フロンターレU-18は桐生第一との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第17節vs桐生第一】
11月30日(土)午後3時キックオフ あずまサッカースタジアム 晴れ
フロンターレの先発は、GK33青山海、最終ラインは右から31高畠捷、15松永竜之介、4栗田悠巨、5森璃太、ボランチは18戸水利紀、27田中慶汰、右MF11有田恵人、左MF13常安澪、前線には26五十嵐太陽、ゲームキャプテン10宮城天。
桐生第一の先発は、GK92塩澤玲央、最終ラインは右から21荻原礼士、キャプテンの24丸山佑大、2青木脩悟、23眞玉橋綺人、17竹下諒、ボランチは39金沢康太、63落合遥斗、右に7遠藤青空、左に53寶船月斗、前線には26若月大和。
ここまでの戦績はフロンターレが5勝3分け8敗、勝ち点18、得点32、失点43、得失点差-11、8位。桐生第一は3勝6分け7敗、勝ち点15、得点26、失点34、得失点差-8、9位。プリンスリーグ関東への生き残りのためにはともに勝利が望まれるという一戦に。
年の瀬も迫ってきたこともあり、どこかひんやりとした空気を帯びたあずまサッカースタジアム。その一方でピッチを見下ろすスタンドを、両チームの家族らが埋め、熱気を感じる雰囲気のなか、試合は始まりました。
立ち上がり、ラインを高め、落合に荻原、右に流れた若月がかかわり、前に出てくるのは桐生第一。2分にはたて続けにコーナーキックを得ると、右コーナーキック、遠藤が左足で入れたボール、遠いサイドで荻原が合わせますが左へ。
一方のフロンターレは、常安が左サイドでボールをカット。宮城へ預け、左サイド高い位置へ。これに五十嵐も加わり、ボールを回し、常安が中央へ。これを桐生第一は落合がボールをカット。パス交換から右へ出ていきますが、戸水が寄せ、前には行かせず。さらに左サイドからエリア内へ、寶船が折り返してきますが、松永が宮城へつながるようなかたちで対応。戸水や栗田、田中慶汰に、有田も中に寄って組み立てに加わり、自分たちでボールを動かす時間をつくれるようになっていきます。
6分には有田が中央へ。有田が正面へ浮き球を入れると、五十嵐が抜け出しそうになりますが、塩澤が前に出てシュートは打たせず。
一方の桐生第一も、フィードに竹下がエリア左へ。竹下は後ろから駆け上がってきた眞玉橋へ渡そうとしますが、高畠が寄せ、これをクリア。さらに若月のサイドチェンジを受けた荻原が、右サイドから中央へ仕掛けるなどしていくと、8分には金沢の浮き球に、遠藤が正面へ迫りますが、中へしぼった有田が対応していきます。
再び攻めに転じたフロンターレは、9分には、田中慶汰から右へ流れた五十嵐、五十嵐から受けた有田が高い位置へ仕掛け、右クロス。桐生第一はクリアするも、戸水や田中慶汰がボールをものにし、10分には戸水から右へ展開。高畠、有田と右でつなげ、有田のパスに宮城がエリア右、さらに常安がエリア内へ。常安が正面へ戻したボール、走り込んだ戸水がシュート。これはブロックされるも、エリア外正面、こぼれ球に詰めた常安がファールを受け、フロンターレはフリーキックを得ます。
キッカーは宮城。右足で直接狙ったシュートはクロスバーへ。さらに詰めた宮城が再びシュートを打ちますが、桐生第一は体を張ってブロックしていきます。
桐生第一はGKの塩澤も外に出て組み立てに加わり、エリア左へ動き出す落合を狙い、フィードを入れていきますが、フロンターレは高畠が対応。そこから攻めにつなげていくと、13分には戸水の縦パスから宮城がうまく相手を外して、正面へ。ループ気味にシュートを打つとボールはゴール右へ向かっていきますが、惜しくも決まらず。それでも守備から攻めに、切り替えの良さと最後のところのアイディアで、決定的な場面をつくっていきます。
14分には、田中慶汰の縦パスに、中央で前を向いた宮城、有田とつないで右へ。高畠のパスに五十嵐がエリア右へ抜け出し、リターンを受けた常安がエリア正面へ。桐生第一の守備に遭うも、正面で拾った五十嵐がシュート。ここはワンタッチあり、右コーナーキックに。戸水が入れたボール、栗田が競り、最後は松永が頭でシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
桐生第一も直後には、塩澤のフィードに、荻原が右サイドの高い位置へ。遠藤とのパス交換からエリア右へ持ち込もうとしていきますが、フロンターレは森が粘り強く対応。
さらに攻めに持ち込もうとする桐生第一に対して、右サイドでは高畠、有田との連係からマイボールに、さらに戸水がボールをカットするなどしていくと、20分には、ボールを中央でおさめた宮城が前を向いて縦へ仕掛けカウンターに。宮城のスルーパス、エリア内右へ有田が抜け出すと、桐生第一にファールがあり、フロンターレはPKを得ます。キッカーは宮城、これを決めて、1-0。先制点はフロンターレへ。
盛んにボールを受ける塩澤に対して、五十嵐がプレスにいき、戸水や田中慶汰がセカンドボールをものにし、そこから前に出ていくフロンターレ。宮城から受けた有田が中央から左へ運び、栗田へ預け、栗田から中央で有田が受け、田中慶汰から栗田、戸水と動かし、田中慶汰の縦パスを五十嵐がダイレクトで右の高畠へ展開するなど、ピッチの幅を使い、人をかけて前に出ていきます。
21分には、松永の縦パスを五十嵐がおさめ、宮城がエリア左、有田へスルーパスを出しますが、これは惜しくもつながらず。フロンターレはさらにスローインから攻めにつなげようとする桐生第一に対して、戸水がボールをカットしていきます。
戸水や田中慶汰がサイドにつけ、有田から中央で受けた宮城が、高い位置へ高畠を走らせるなどしていくフロンターレ。25分には、戸水の浮き球に、五十嵐がエリア正面へ抜け出しそうになりますが、ここは桐生第一の守備に。さらに高い位置で戸水がボールを奪い、栗田が持ち上がり、左の森へつなげるなど、相手陣内でプレーを重ねていきます。
28分には、桐生第一、右サイドからの攻めに。遠藤のパスに、若月がエリア右へ抜け出し、枠をとらえたシュートを打ちますが、青山がセーブ。フロンターレはそこから攻めにつなげていくと、右の高畠から戸水とつなげ、戸水の左サイドを突くパスに、抜け出した森がエリア左へ仕掛け、左コーナーキックに。戸水が入れたボール、松永が遠いサイドで合わせますが右へ。さらに31分には、五十嵐のパスに、宮城がエリア右へ。シュートは塩澤が足で止める好セーブを見せ、追加点とはなりませんでしたが、決定的な場面をつくっていきます。
32分には、桐生第一、遠藤、荻原と右サイドからの攻めに。高い位置の荻原からリターンを受けた遠藤がクロスを入れますが、栗田が対応。直後にはフロンターレ、ボールをカットした有田が右サイドの高い位置へ。クロスに五十嵐が迫りますが、塩澤がセーブ。桐生第一も切り替えよく攻めにつなげ、若月のサイドチェンジを受けた荻原が、右クロスを入れますが、遠いサイドに入ったボールは高畠がクリア。33分には、塩澤のエリア外左を突くフィードに、竹下が抜け出し、クロスを入れていきますが、青山が対応。さらにエリア左へ若月が抜け出しますが、松永が粘り強く寄せ最後はクリア。フロンターレの選手たちそれぞれが、集中力を保ち続けていきます。
桐生第一がフロンターレのエリア前に迫る時間は続き、35分には、中央を持ち上がった落合から右へ展開。遠藤が左足でクロスを入れると、遠いサイドで若月が頭で合わせますが、右へ。さらに左で寶船がボールをカット。エリア内でボールを若月がおさめ、正面へ走り込んだ金沢が枠をとらえたシュートを打ちますが、青山がセーブ。次々に迫られながらも、しのいでいきます。
フロンターレも、37分には森の浮き球に、有田がエリア内へ。有田から正面で受けた宮城がシュートを打つも塩澤にセーブ。右サイドに下り、起点になろうとする若月に対し、森が粘り強く寄せにいき、マイボールにしていくフロンターレは、再び桐生第一の陣内で時間をつくれるように。松永や栗田、時には田中慶汰や戸水が最終ラインに下りるなどして、後ろから縦パスを入れながら、前に出られるようになっていきます。
40分には、戸水から右へ展開。エリア外右、有田がボールをキープ。正面へ走り込んだ戸水につなげようとするも、ここは桐生第一がカット。しかし、フロンターレは田中慶汰、戸水との連係から再びマイボールに。五十嵐、有田とつなげ、有田から左へ展開。常安が仕掛けていくと、エリア外正面やや左、ライン際でファールを受け、フリーキックを得ます。
キッカーは宮城。直接狙ったシュートはポストをたたくも、こぼれ球を森がダイレクトでシュート。ボールはゴールの中へ。2-0。突き放したのはフロンターレ。大きな追加点をものにします。
桐生第一も直後には若月の右サイドを突くパスに、落合が上がりますが、栗田に加え、戸水も寄せていき、ラインを割りゴールキックに。さらに塩澤の右サイドを突くフィードに、荻原が抜け出しシュートを打ちますが、上に。
フロンターレは有田や常安が中へ寄りボールをものに。奪われても、宮城がファールとなりながらも、自陣の中央へ下りて寄せにいくなど、切り替えの良さを見せ、攻撃の芽を摘んでいきます。前半はタイムアップ。2-0でハーフタイムとなります。
後半沈んでいく太陽の光を受け、逆光のなか、桐生第一と向かい合うかたちになったフロンターレ。立ち上がりには、センターサークル付近で桐生第一がフリーキックを得ると、落合がエリア内へ精度の良いボールを入れるも、青山がパンチング。こぼれ球を拾った荻原が、正面でシュートを打ちますが、ここは体を張って阻み得点とはさせず。
フロンターレも、2分には、カウンターに持ち込むと、宮城のパスに常安がエリア左へ。これは桐生第一の守備に遭うも、左サイドでマイボールにした有田が中央を仕掛け、エリア右へ。シュートは上に。さらにフロンターレは、高畠のスルーパスに、五十嵐がエリア外右でボールをおさめたり、高畠の縦パスに宮城が右サイドの高い位置へ流れ、相手陣内でボールを回し、さらに有田が自陣の右サイドに下りるなど位置を入れ替え、松永や戸水、栗田がボールを動かしながら、攻めの機会をうかがっていきます。
4分には正面でマイボールにした有田のパスに、戸水にエリア外正面でミドルシュートを打つも、塩澤がセーブ。
一方の桐生第一もうまく若月がボールをキープ。最終ラインのフィードに、前に走り出すなどしていきますが、高畠や松永がクリア。スローインで入れてきたところを田中慶汰が奪い取り、マイボールに。宮城がうまく間で受けて、田中慶汰のパスに常安が左サイドの高い位置へ上がり、森が常安を追い越し、攻めに厚みも加えていきます。
10分には五十嵐、正面の有田とつないでシュートがブロックされたところを左へ展開。森へ渡り、森から受けた戸水がエリア外左へ。シュートを打つも右へ。
さらにフロンターレは、松永の縦パスを五十嵐がおさめ、有田が右から左へ動き、セカンドボールをものにし、松永がエリア左、動き出した五十嵐を狙い、浮き球の入れるなど、長いボールも交えていきます。
16分には、戸水のエリア左を突くパスに、常安が抜け出し、左コーナーキックに。これをしのいだ桐生第一は中央からカウンターに持ち込もうとしますが、宮城がすばやくカバー。守備でも、好プレーを重ねていきます。
17分には、ファールを受け、すばやく戸水がリスタート。左へ展開すると、常安が中央へ仕掛け、そのパスに高畠がエリア外正面やや右へ。シュートはゴール右をとらえますが、塩澤がセーブ。コーナーキックをしのいだ桐生第一は左へ展開しますが、高畠がうまく体を入れマイボールに。さらに左に開いた眞玉橋のエリア内へのパスを松永がカットし、攻めにつなげさせず。20分には、栗田に代わり3道間雄生が最終ラインへ。
フロンターレは、青山の縦パスを受けた戸水が中央で前を向き、左へ展開。森が左へ流れた宮城へ縦パスを入れ、これをカットされても、田中慶汰が奪い返し、左裏、五十嵐を狙い縦パスを入れ、高い位置でプレーを重ねていきます。中央から攻めに持ち込もうとしていく桐生第一に対して、有田が中央に寄りコンパクトに。戻したボールを、青山がしっかりクリアし、拾った田中慶汰が宮城へつなげ、宮城がエリア左を突くパスで常安を走らせ、シュートまではいけずとも、ゴールを狙う姿勢を示していきます。
24分には、桐生第一、竹下の左クロスに、若月がエリア左へ抜け出しますが、道間が粘り強く寄せ、シュートは左へ。さらに左から竹下が折り返しますが、中央で戸水が対応。さらに竹下のパスに、エリア左へ、寶船が抜け出しますが、これはオフサイド。桐生第一は前線へ丸山を上げ、若月との2トップにして、長いボールを交えて、前で時間をつくろうとしていきます。
一方のフロンターレも、26分には有田が中央でマイボールに。右へ展開すると、高畠の右クロスに遠いサイドで宮城が頭で合わせますが、桐生第一はこれをブロック。桐生第一は直後には、中央の浮き球に、若月が正面へ抜け出そうとしますが、道間や松永が寄せ、最後は青山がセーブ。
さらに間で受けた若月が縦パスを出していきますが、田中慶汰が対応。直後には中央の縦パスに、落合がエリア左へ抜け出そうとしますが、青山がセーブ。
桐生第一はエリア内へ浮き球を入れ、迫りますが、フロンターレは、松永が田中慶汰へつながるかたちで対応。戸水もかかわり、ボールをものに。有田に渡し、有田の縦パスに、高畠が高い位置へ仕掛け、守備から攻めに持ち込んでいきます。
32分にはエリア左を突くパスに、遠藤が抜け出しそうになりますが、高畠がカバー。34分にはエリア外右でフロンターレにファールがあり、桐生第一はフリーキックを得ると、遠藤が左足で直接放ったシュートはゴール右をとらえますが、青山が左手1本で防ぐ好セーブを見せて、阻んでいきます。
35分、桐生第一は荻原に代わり6上野山信也。直後にはエリア正面で若月が縦パスを受け、キープを図るも、フロンターレは人をかけて囲い込むようにして寄せにいき、最後は松永がクリア。さらに竹下のフィードに、若月が抜け出しそうになりますが、青山が前に出てセーブ。集中した対応で、桐生第一の攻めに向き合っていきます。
37分には、さらにエリア左へ寶船が抜け出し、シュートを打ちますが、右へ。一方のフロンターレも、高畠が右サイドでファールを受けて、フリーキックを得ると、正面で宮城がおさめ、有田とのパス交換からエリア内へ。ゴールに背を向けるかたちになるも、正面へパスを出すと常安が抜け出しますが、桐生第一はこれをクリア。
そこから攻めに転じた桐生第一は、若月の縦パスに、丸山がエリア右へ。しかし、ボールはラインを割っていきます。
マイボールにすると、戸水がエリア左を突くパスを出し、宮城が高い位置へ仕掛け、コーナーキックを得て、相手陣内で時間を重ねようとしていくフロンターレ。桐生第一にボールが渡っても、自陣のエリア左へ五十嵐が下り、丸山の折り返しをブロックするなど、コンパクトに対応していきます。
45分には、桐生第一は足をつって担架で外へ出た遠藤と、寶船に代わり、49関根大就、25山本直。ロスタイムに入り、フロンターレは五十嵐に代わり20鈴木大登。
クロスを道間が跳ね返し、桐生第一がボールを持つ場面でも、鈴木が高い位置から寄せにいき、宮城も自陣に下り、守っていくフロンターレ。試合はついにタイムアップとなり、2-0。フロンターレは最後まで攻守にひたむきにプレーを重ね、大切な試合を勝利で飾りました。
フロンターレはこれで6勝3分け8敗、得点34、失点43に。最終戦で対戦する帝京と同じ勝ち点21となり、勝利をおさめれば、さらに上の順位に上がるという大きな可能性を、自分たちでつかみとりました。
最終戦は12月8日午後1時、等々力陸上競技場でキックオフ。選手たちそれぞれのコンディションの良さと、切り替えの良さが際立ったこの日のようにプレーを重ねていけば、結果にも必ず表れると思います。寒さや怪我にも気をつけて、練習を重ね、いいかたちでシーズンを締めくくれますように。多くのサポーターが最後の試合をとても楽しみにしています。
前半2-0 後半0-0 計2-0
得点:宮城天=PK、森璃太
フロンターレの先発:33青山海、31高畠捷、15松永竜之介、4栗田悠巨、5森璃太、18戸水利紀、27田中慶汰、11有田恵人、13常安澪、26五十嵐太陽、10宮城天(c)
交代:栗田→3道間雄生 五十嵐→20鈴木大登
控え:21川合我空 2神橋良汰 34田鎖勇作 6澤田泰大 32秋葉拡人 9宮本ディアウ勇守歩 29田中幹大
桐生第一の先発:92塩澤玲央、21荻原礼士、24丸山佑大(c)、2青木脩悟、23眞玉橋綺人、17竹下諒、39金沢康太、63落合遥斗、7遠藤青空、53寶船月斗、26若月大和
交代:荻原→6上野山信也 遠藤→49関根大就 寶船→25山本直
控え:92近藤秀吉 4飯島圭一郎 5板橋黎 16高橋裕真 45小林凌大 67田中陸翔
(文中敬称略)
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