桐蔭横浜大 – 中央大 / 全日本大学サッカー選手権準決勝


12月19日はNACK5スタジアム大宮へ。全日本大学サッカー選手権は準決勝。法政との準々決勝を2-1で制した桐蔭横浜大と、大阪体育大に6-1で勝利した中央大が対戦しました。

 

【全日本大学サッカー選手権準決勝 桐蔭横浜大 vs 中央大】

12月19日(木)午後1時キックオフ NACK5スタジアム大宮 くもり

 

桐蔭横浜大の先発は、GK21早坂勇希、最終ラインは右から2浅野嵩人、3遠藤凌、キャプテンの4眞鍋旭輝、5岩下航、ボランチは26神垣陸、6橘田健人、右MF8イサカゼイン、左MF10鳥海芳樹、前線には15松本幹太、11下村司。川崎フロンターレU-18出身の早坂、フロンターレに加入が内定しているイサカが、今大会の過去の2試合と同様に、先発に名前をつらねました。

 

中央大の先発は、GK1飯吉将通、最終ラインは右から28荒木遼太、18松本大輔、3深澤大輝、6今掛大貴、中盤の底に14小野智史、その前にキャプテンの7宮城和也、10加藤陸次樹、右に11本間椋、左に26鈴木翔太、前線には25高窪健人。フロンターレU-15、星稜出身の16髙岸憲伸はベンチスタート。

 

雲が広がり、冬らしい肌寒い気候のNACK5スタジアム大宮。それでも桐蔭横浜も中央も多くの部員たちがバックスタンドに集って、チャントやコールで熱のある雰囲気をつくりだし、メインスタンドでは、選手の家族らや多くのサッカーファンらが見守るなか、試合は始まりました。

 

立ち上がり、桐蔭横浜は下村を前に走らせ、ラインを高め、遠藤のフィードを右サイドの高い位置でおさめ、そこからサイドを変えながらゴールをうかがいにいきます。

 

しかし、中央はマイボールにすると、左サイド、今掛、鈴木との連係からゴール近くへ。4分にはエリア左、鋭い切り返しを鈴木が見せていきますが、桐蔭横浜は神垣がカバー。左コーナーキックに。こぼれ球を拾ったキッカーの小野が左クロスを遠いサイドに入れていきますが、桐蔭横浜は岩下がクリア。さらに鈴木が仕掛けて、ゴールへ迫る場面を中央はつくりますが、橘田が対応。鳥海もエリア近くに戻り、好カバーを見せるなどしていきます。

 

しのいだ桐蔭横浜は、10分には左に開いた鳥海のパスをうまく間で受けた橘田がエリア左へ仕掛ける姿勢を見せ、左コーナーキックに。キッカーの橘田がこぼれ球を拾い、左クロスを上げると、遠いサイドで下村が折り返し、ゴール左で遠藤が頭でシュートを打ちますが、飯吉がセーブ。

 

そこからペースをにぎったのは桐蔭横浜。橘田、神垣がセカンドボールをよくものにして、時には遠藤が持ち上がり、イサカへ縦につけるなどし、こぼれ球をものにした神垣が前に動き出す松本を狙い、際どい浮き球を入れるなどしていきます。

 

13分には、神垣の浮き球のパスに、下村がエリア左へ。これは飯吉の好守でシュートにはならず。コーナーキックのセカンドボールを浅野が拾い、右サイドから鳥海が入れたボール、エリア前でイサカがおさめ、岩下がシュートを打ちますが、中央はブロックしていきます。

 

中央も、16分には、今掛のパスに、エリア正面左へ高窪が迫りますが、橘田がカバー。さらに高い位置で今掛がカット、鈴木がエリア左へ。折り返しますが、遠藤が橘田につながるようなかたちで対応していきます。

 

すると20分、桐蔭横浜は左から松本が入れたクロスに下村が頭でシュート。これは飯吉が阻んで左コーナーキックに。コーナーキックのセカンドボールを拾い、左から橘田がクロスを入れると遠いサイドで下村が折り返し、ゴール左で眞鍋が押し込み、1-0。先制点は桐蔭横浜へ。

 

たたみかける桐蔭横浜は、橘田から右サイド開いたイサカへ。イサカは浅野との連係からエリア右へ抜け出しますが、中央の守備が阻んでいきます。

 

一方の中央も、小野の浮き球のパスに、本間が右サイド高い位置へ。本間のパスに正面へ高窪が迫りますが、早坂がセーブしていきます。

 

中央の中盤、宮城がボールをものにすると、すぐさまイサカが寄せ、ファールとなりながらも攻めにはつなげさせないなど、切り替えの良さで上回る桐蔭横浜。中央で受けた加藤から遠藤がボールを奪い取り、橘田にすぐさまつけ、橘田が正面へ動き出す松本を狙い、縦パスを入れるなど、攻めにもつなげに。早坂も鳥海を高い位置へフィードで走らせ、距離感よく下村がマイボールにするなど、起点をつくっていきます。

 

35分には、早坂が遠藤へ預け、遠藤から右サイド、イサカへ。松本にいったん預けたイサカはエリア外右へ。切り返して、イサカはゴール前に折り返しますが、中央の飯吉がクリア。

 

一方の中央も、飯吉が、松本、イサカの厳しいプレスをかいくぐり、そこから右へ展開。本間がクロスを入れていきますが、早坂がキャッチ。38分には、桐蔭横浜、右サイドでイサカが粘りクロスを入れると、こぼれ球を正面で拾った神垣がシュートを打ちますが、中央はブロック。最後は飯吉がセーブ。さらに早坂が下村へフィードを入れると、神垣がセカンドボールをものにし、神垣のパスを受けた、松本がエリア左へ仕掛けていきますが、ここは中央の守備に遭い、シュートを打てず。

 

前半終盤に入ると、中央も高い位置でボールをものにし、今掛がクロスを入れるなどしていきますが、桐蔭横浜は眞鍋を中心にしのいで、前半は1-0、桐蔭横浜がリードしてタイムアップとなります。

 

後半立ち上がりには中央、中へ寄った本間の浮き球に、高窪が正面へ。これを遠藤が橘田へつながるようなかたちで対応していく桐蔭横浜。さらにボールを奪ったイサカが下村とのパス交換からエリア右へ。ここは中央の守備に阻まれていきます。

 

一方の中央も加藤から左の今掛へ。今掛から受けた鈴木が仕掛けていきますが、浅野が奪い、ボールは下村へ。エリア外右に持ち込み折り返しますが、飯吉がセーブ。

 

中央も前半と比べると、中盤の宮城や小野がボールをうまく前に持ち出す場面が増え、6分には、松本、小野とテンポよくつながり、小野のパスに荒木が右サイド高い位置へ。桐蔭横浜は岩下が対応していきます。

 

さらに9分には、高い位置でボールをカットした宮城が切れ込んでエリア正面やや左へ。遠藤の守備でしのいでいきますが、ここも中央が決定的な場面をつくりに。

 

桐蔭横浜も、鳥海のパスに、下村が正面へ抜け出しますが、中央の松本が対応、そこから攻めに移った中央は、左から入ったゴール正面へ入ったボールが宮城へ。宮城から受けた加藤がエリア左へ出しますが、眞鍋がカバー。何とか防いでいきます。

 

中央はここで高窪に代わり9小山駿。

 

中央のフリーキックを早坂がキャッチしたところから正確に下村へつなげ、そこからイサカに渡して、追加点を狙いにいく桐蔭横浜。しかし、なかなかシュートまではいけず、中央がゴールへ迫る場面をつくっていきます。

 

16分には、正面の小野のパスに荒木がエリア内へ。シュートはゴール左をとらえますが、早坂がすばらしい反応でこれを阻む好セーブ。

 

コーナーキックをしのいで、左から鋭い動きで縦へ仕掛ける桐蔭横浜の鳥海を阻んでいく中央。21分には、左サイドに開いた、小野がエリア内へボールを入れると、遠いサイドに本間が飛び込みますが、触ることはできず。中央はここで荒木に代わり、12三ッ田啓希が入りCB、松本が右SBに。桐蔭横浜も松本に代わり9滝沢昂司。23分にはエリア外正面で、うまく前を向いた加藤が枠をとらえたミドルシュート。ここは早坂が弾きながらも防ぎ、さらに中央は一気に2人が詰めていくも早坂はセーブしていきます。

 

加藤のエリア左を狙った縦パスや、小野の浮き球のパスに加藤がエリア左へ抜け出そうとするなど、迫る中央。桐蔭横浜は浅野や早坂が阻んでいきます。

 

26分、中央は本間に代わり31太田翔。27分には、その太田がエリア外右へ持ち込むも岩下がブロック。中央のコーナーキックをしのいだ桐蔭横浜は、左サイドを仕掛けた鳥海が右サイドを突くパスを出すと、ボールはイサカへ。イサカから正面外やや右、滝沢へ。滝沢のシュートは枠をとらえられず。

 

桐蔭横浜は28分には、神垣に代わり12中井朗人。さらに32分には、下村に代わり20國場龍之介。

 

選手交代を重ねて、前へ出る力を取り戻した桐蔭横浜も、35分には、鳥海の左からの折り返し、中井が迫りますが、中央はクリア。中央は鈴木に代わり19三浦立。

 

ともにボールホルダーに対して厳しく囲い込むようにして対応していく両チーム。39分には、中央、左からクロスが入ると、ゴール右へ小野が迫りますが、岩下が対応。直後には桐蔭横浜、正面やや右から中井がシュート。鳥海が拾って前に持ち出しクロスを入れると、エリア内、イサカが合わせるも決められず。さらに拾った桐蔭横浜は、岩下の左クロスに國場が合わせますが、右へ。

 

桐蔭横浜は鳥海に代わり13中村響。中央は宮城に代わり16髙岸憲伸。加藤が前に巧みに持ち出すなどして攻める中央。45分、エリア右へ抜け出した小野がクロスを上げると、遠いサイド、小山がバイシクルシュート。これがゴールのなかへ。会場を揺らす同点ゴールが決まり、1-1。

 

ロスタイムは5分。髙岸のフリーキックを、早坂がセーブし、すぐさまリスタート。國場のボールキープからイサカが折り返すも中央はこれを阻み、中央もエリア外右へ加藤が抜け出すも早坂が飛び出てこれを防いで、シュートには至らず。後半は1-1でタイムアップ。試合は前後半計30分の延長戦へ。  

 

延長前半、立ち上がりには桐蔭横浜は間で受けた滝沢から右へ展開。イサカのクロスをしのいだ中央は縦に持ち込もうとしますが、遠藤が警告を受けながらも阻んで攻めを許さず。2分には中央、右から太田が折り返すと、エリア右へ、髙岸が抜け出すも桐蔭横浜はブロック。ともにエリア前に迫る場面をつくっていきます。

 

4分には桐蔭横浜、早坂のフィードを滝沢がおさめ、イサカから右へ展開。中井の折り返そうとしたボールは左へ流れ、中村へ。中村がクロスを入れると、頭で合わせたのは中井。途中出場の2人がかかわった見事なゴールが決まり、桐蔭横浜は勝ち越します。

 

リードを許した中央も、髙岸が最終ラインに下りるなどして、ラインを高めながら前に。7分には髙岸の浮き球のパスに、太田がエリア右へ抜け出しますが、中央の守備が阻んでいきます。

 

すると10分には桐蔭横浜、橘田がボールをものにしたところから攻めに持ち込むと、滝沢の右クロスを中村が折り返し、最後は國場のシュートが決まり、3-1。大きな追加点をものにします。

 

しかし、中央もこれで気持ちを落とすことはなく、三浦が高い位置へ仕掛けたり、髙岸の右サイドを突くパスに、太田が仕掛けていくなど、ゴールへ迫る場面をつくります。桐蔭横浜はイサカが自陣のエリア近くに戻り、カバーにいったり、橘田が中央で好カバーを見せるなどしてしのぎ、延長前半はタイムアップ。3-1。

 

延長後半は中央が前に出る展開に。深澤がエリア外右に顔を出し、髙岸がうまく前に持ち出すなど、押し込んでいきます。2分にはエリア外左、髙岸がエリア右へボールを入れると、太田、深澤が迫りますが、それを桐蔭横浜はしのいで中央の右サイドからのスローインに。その流れから右クロスが上がると、小山が頭で合わせますが、早坂がセーブ。さらに4分には、髙岸がエリア左を突く浮き球を出すと、正面でボールをものにした加藤がゴール左をとらえるシュート。しかし、早坂がここでもすばらしい反応で防ぐ好守。エリア左で三浦が拾い、さらに迫りますが、桐蔭横浜はブロックしていきます。

 

桐蔭横浜は5分、橘田に代わり16佐藤喜生。

 

6分には桐蔭横浜も、中村のパスに滝沢がエリア右へ抜け出す決定的な場面をつくりますが、飯吉がセーブ。

 

さらに高い位置でボールを動かしていこうとする桐蔭横浜に、髙岸らがカバーにし、マイボールにしていく中央。髙岸や小野、加藤が多くボールに触れ、浮き球を入れるなどしていきますが、桐蔭横浜は眞鍋や早坂がしっかり対応していきます。

 

11分には桐蔭横浜、高い位置でプレスをかけにいき、イサカが正面やや右でシュート。これはワンタッチあり、左コーナーキックに。中井と中村でキープを図りにいくも再びマイボールにした中央は、14分、右へ開いた髙岸のフィードに太田がエリア内へ。しかし、ここでも早坂がセーブ。

 

ロスタイムは1分、髙岸の左サイドを突くパスに、三浦が抜け出しますが、桐蔭横浜はこれをブロックし、左コーナーキックに。GKの飯吉も前に上げ、追いすがる中央でしたが、ゴールをこじ開けることはできず。試合はタイムアップ。3-1。桐蔭横浜はインカレ初出場で初の決勝進出を決めました。

 

どちらが勝っても不思議ではない好ゲームは、途中出場の選手たちがゴールを決めて、桐蔭横浜が底力を示す結果に。そんななかでチームを救う好守を連発し、流れを引き寄せるプレーを早坂が見せたことも、それに対して、髙岸が、好パスで何度もチャンスを演出したことも、とてもうれしくなるものがありました。フロンターレU-12からU-15にかけてのチームメート同士である早坂と髙岸が対戦するところを、これだけの大きな舞台で見られたことも、心に来るものがありました。

明治との決勝に臨む桐蔭横浜がどんな試合を見せるのか。早坂がどんなプレーを見せるのか、とても楽しみにしています。また、来年は髙岸が3年生として、中央を引っ張る存在になっていくことも期待しています。

 

前半1-0 後半0-1延長前半2-0 延長後半0-0 計3-1

 

得点:眞鍋旭輝、中井朗人、國場龍之介(桐蔭横浜) 小山駿(中央)

 

桐蔭横浜大の先発:21早坂勇希、2浅野嵩人、3遠藤凌、4眞鍋旭輝(c)、5岩下航、26神垣陸、6橘田健人、8イサカゼイン、10鳥海芳樹、15松本幹太、11下村司

交代:松本→9滝沢昂司 神垣→12中井朗人 鳥海→13中村響 橘田→16佐藤喜生

控え:1児玉潤 18近藤瑛佑 17桑原孝太郎 19平山郁居 20國場龍之介

 

中央大の先発:1飯吉将通、28荒木遼太、18松本大輔、3深澤大輝、6今掛大貴、14小野智史、7宮城和也(c)、10加藤陸次樹、11本間椋、26鈴木翔太、25高窪健人

交代:高窪→9小山駿 荒木→12三ッ田啓希 鈴木→19三浦立 本間→31太田翔 宮城→16髙岸憲伸 

控え:30間嶋佑弥 2相原旭 13縄昌也 27和田悠汰

 

(文中敬称略)

 

早坂勇希選手
髙岸憲伸選手
イサカゼイン選手

桐蔭横浜大の先発メンバー
イサカゼイン選手
円陣を組む選手たち
早坂勇希選手

両チームともにゴール前に迫る
眞鍋旭輝選手が決め、桐蔭横浜大が先制

控えの選手たちにと喜びを分かち合う
組み立てにも加わった早坂勇希選手

イサカゼイン選手

ハーフタイムへ
後半へ

決定的なシュートを好守で防ぐ

ミドルシュートを止めていく

存在感を放った鳥海芳樹選手

髙岸憲伸選手がピッチへ。早坂勇希選手とタッチをかわす

小山駿選手がオーバーヘッドシュート
1-1に

髙岸憲伸選手
セットプレーのキッカーを務めた

エリア外に出て攻撃の芽を摘んだ早坂勇希選手
イサカゼイン選手
1-1のまま後半はタイムアップ
延長戦へ

中井朗人選手が決めて桐蔭横浜大が勝ち越し

髙岸憲伸選手
イサカゼイン選手

國場龍之介選手が決め、3-1

髙岸憲伸選手
早坂勇希選手

パンチングで守っていく

再び好セーブを見せた

3-1でタイムアップ

試合後ねぎらい合う髙岸憲伸選手と早坂勇希選手

 

 

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