川崎フロンターレが、等々力陸上競技場にて、サンフレッチェ広島とのJ1リーグ第10節に臨んだ4月18日、富士通スタジアム川崎では、プリンスリーグ関東第3節が行われ、川崎フロンターレU-18が東京ヴェルディユースと対戦しました。
開幕戦で桐生第一に3-2で勝利したフロンターレは、第2節の帝京戦を入江流星の2試合連続ゴールを守りきり、2連勝。一方、昨年のプリンスリーグ関東を制したヴェルディは開幕から2連敗という状況で、この日の試合を迎えました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第3節 vs 東京ヴェルディユース】
4月18日(日)午後3時キックオフ 富士通スタジアム川崎 晴れ 300人
フロンターレの先発は、GKキャプテンの1青山海、最終ラインは右から2高畠捷、15高井幸大、17浅岡飛夢、20松長根悠仁、ボランチは5田鎖勇作、6田中慶汰、右MF7入江流星、左MF9田中幹大、前線には8秋葉拡人、10五十嵐太陽。
U-17日本代表候補の合宿に参加していた18大関友翔はメンバーに入らず、CBでの先発が続いていた田鎖がボランチ、浅岡がCBに入るという陣容に。
ヴェルディの先発は、GK12金木虎太朗、最終ラインは右から2青木瑠星、5原圭佑、3大下峻太、23伊藤竜海、ボランチに18江口逢寿、その前に17岩崎壮真、キャプテンの10根本鼓太郎、右に14橋本陸斗、左に11尾又雅仁、前線に9吉田崇幸。
前日、荒天だった川崎市は、すっかり天気が回復。スタジアム外の飲食ブースなどの設置に苦労するほどのやや強い風が時折吹くものの、青空が広がり、気持ちの良い陽気に。開放されたメインスタンドには、両チームの家族やサポーターらが集い、幕や太鼓のリズムで選手たちを励ますなか、試合は始まりました。
立ち上がり、金木や大下、原がボールにかかわりながら後ろから組み立てを図っていくヴェルディ。しかし、フロンターレは前からプレスをかけにいき、すぐにマイボールにすると、1分には左サイドのスローインを田中幹大が競り、こぼれ球を拾った五十嵐がゴールの前に浮き球のパス。これに入江が、動き出していきますが、金木がセーブ。
フロンターレはさらに秋葉らを起点に前からプレスをかけにいき、高い位置で入江がボールをカット。田中慶汰が右サイド、高い位置へ上がった高畠を狙い、縦にパスを入れるなどして、相手陣内で時間をつくれるように。田鎖や田中慶汰、浅岡や高井がボールを動かし、機を見て、高井がフィードを入れ、田中幹大がゴール前に飛び出し、長いボールも交えて、揺さぶりをかけていきます。
4分にはゴール前へのルーズボールを粘り強く追っていき、エリア外左で拾った秋葉がミドルシュートを打ちますが、これは右へ。直後には、ヴェルディ、下がり目で前を向いた根本が右サイド突くパスを出し、橋本を走らせていきますが、松長根がカバー。田中幹大につなげ、攻めに結びつけていきます。
再びボールを動かしていくフロンターレは、5分には浅岡のフィードを田中幹大が日立市のサイドでおさめ、サイドを変えて入江が右クロス。遠いサイド、五十嵐が折り返すと、エリア内に秋葉、田中幹大が迫りますが、ヴェルディはクリア。
直後には、田中幹大から左へ展開。五十嵐がエリア外左へ仕掛けていき、折り返すもヴェルディはブロック。コーナーキックはシュートには結びつかなかったものの、ヴェルディの後ろでのボール回しを狙い、高い位置で再び入江がボールをカット。秋葉が田鎖とのパス交換からエリア内への飛び出しを図るなど、攻勢を強めていきます。
10分には、ヴェルディ、右サイドを狙い浮き球が出ますが、松長根が田中幹大につながるように対応。田中幹大が前に持ち出し、受けた五十嵐がエリア外左へ仕掛けていき、正面へマイナスに戻すと田鎖がミドルシュート。枠はとらえられませんでしたが、いい連係を見せていきます。
浅岡や田鎖、田中慶汰や高井がテンポよく左右にボールを動かして、攻撃の糸口をさぐるフロンターレ。13分には、ボールを失ったところ、自陣に戻った五十嵐が奪い返し、中央の田中慶汰から田中幹大とつなぎ、左に開いた田中幹大はエリア右へ浮き球のパス。金木に阻まれたものの、入江が飛び出していき、おびやかしていきます。
直後には、右サイド、入江が高畠とのパス交換から高い位置へ。入江のパスに秋葉がエリア右へ飛び出しますが、金木がセーブ。15分には、田中慶汰がボールを中央でカット。そのパスに秋葉がエリア右へ。折り返しはヴェルディ守備陣も集中した対応を見せて、シュートには結びつかなかったものの、なおも相手陣内でプレーを重ねていくフロンターレ。
16分には、田中幹大が自陣で頭で競ったボールを、秋葉が粘り強く追っていきマイボールに。秋葉はエリア外正面、田中慶汰に展開。田中慶汰のミドルシュートはブロック。直後には、ヴェルディ、左サイド、尾又が縦に仕掛けエリア左へ進入しますが、浅岡がカバー。さらに伊藤のフィードから揺さぶりをかけていきますが、浅岡が田中幹大につながるようにして対応していきます。
右サイドに展開し、起点をつくろうとしていくヴェルディに対して、松長根や田鎖、田中幹大が囲い込むように、球際に厳しく対応するなど、フロンターレはいい距離感で対峙。ファールを受けてフリーキックを得ると、すばやくリスタート。高畠の右クロスに五十嵐、秋葉がエリア内へ飛び出していくなど、切り替えの良さで上回っていきます。
ややパスのずれが重なったヴェルディも、22分には尾又が仕掛けて、左クロスを入れるとニアに飛び出した岩崎がシュートを打ちますが、これは左へ。
23分にはフロンターレ、高畠から田中慶汰、田中慶汰から中央、秋葉へつながり、秋葉のパスに田中幹大がエリア左へ。切れ込んでシュートを打つもヴェルディはブロック。右コーナーキックとなり、秋葉が右足で入れたボール、走り込んだ高井が触れ、遠いサイド、浅岡が迫りますが、さわることはできず。
ヴェルディは直後、金木からのボールを、中央でおさめた根本が縦に仕掛け、右へ展開。受けた橋本が仕掛けて、エリア外右、ミドルシュートを打ちますが、右へ。さらに原や大下、伊藤がボールを回していこうとするヴェルディ。しかし、フロンターレは、田中慶汰がボールをカット。入江を右サイドの高い位置へ走らせ、フロンターレボールのスローインに。
高畠のスローインに、エリア右へ飛び出した田中慶汰は、折り返すことはできませんでしたが、なおも前から連動してプレスをかけ、五十嵐もプレスバックからボールをものに。ヴェルディの右サイドを狙った浮き球に対しても、松長根が田中幹大につながるように対応するなど、フロンターレは攻撃の芽を摘んでいきます。
34分にはヴェルディ、右サイド、橋本がエリア右へ仕掛けていこうとしますが、松長根が粘り強く対応して、それをさせず。フロンターレボールとなり、中央の秋葉が左サイドを突くパスを送ると、抜け出したのは、五十嵐。寄せてきた原をかいくぐるようにして左足でシュートを打つと、ボールはゴールのなかへ。1-0。ついに先制したのはフロンターレ。
なおも前からのプレスで奪いにいき、さらには入江が自陣のエリア右近くに戻り、ヴェルディの攻めに対応するなど、距離感よくプレーしていくフロンターレ。38分には、中央で高井が粘り強く寄せにいき、ボールを奪い取り、エリア右を突くパスを出すと、抜け出したのは入江。シュートを打つと、これも決まり、2-0。開幕から3試合連続となる入江のゴールでフロンターレは突き放します。
ヴェルディは中央への縦パスからエリア右を突くボールを入れ、岩崎が飛び出して、チャンスをつくろうとしていきますが、松長根がよくしぼり、それをさせず。40分には、再びフロンターレ、田中慶汰がボールを奪い、受けた五十嵐から左へ展開。田中幹大のパスにエリア左へ松長根が飛び出すも、ヴェルディの寄せに遭いシュートまでは至らず。
41分にはヴェルディ、根本がエリア右を突くパスを出すと、青山が飛び出し、処理しきれなかったところ、吉田がシュートを打ちますが、高井がゴール前で好カバー。好守でしのいでいくフロンターレに対し、ヴェルディは、エリア外正面やや左でファールを受け、フリーキックを得ると、こぼれ球を拾ったキッカーの根本がミドルシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
なおもボールを回そうとしていくヴェルディに対し、田中慶汰がよくボールをカットしそれをさせないフロンターレ。青山や高井、浅岡らがボールを動かす時間もつくっていきます。
アディショナルタイムに入り、46分にはフロンターレ、田中慶汰がボールをカット。そのパスに、五十嵐がエリア外正面へ。シュートはブロックされ、右コーナーキックに。秋葉が右足でボールを入れると、頭で合わせたのは高井。ネットを揺らして、3-0。高井の初ゴールで、フロンターレはさらに突き放し、前半はタイムアップ。3-0でハーフタイムとなります。
後半、フロンターレは交代はなし。一方のヴェルディは、吉田に代わり20新鉄兵、伊藤に代わり16佐藤陽輝。最終ラインは右から青木、原、佐藤、大下、岩崎がやや下がり目で江口と組み、右に橋本、左に尾又、前線に根本、新というようなかたちに。
立ち上がり、ゴールに迫ったのはフロンターレ。五十嵐がボールをおさめ、右へ展開。駆け上がった高畠がクロス。遠いサイド、田中幹大が拾い、さらに高い位置へ松長根が上がっていきますが、ヴェルディはカット。それでもフロンターレはすぐさま寄せにいき、前にはいかせずに対応していきます。
フロンターレは、さらにヴェルディゴール前に向かっていくルーズボールを、秋葉が追っていき、五十嵐から高畠へつなげると、中央へ上がった高畠はエリア外正面でミドルシュート。これは左へそれたものの、前半と同様に、ゴールへ向かう姿勢を続けていくフロンターレ。直後には、中央で田鎖がボールをカット。五十嵐へつなげ、五十嵐の浮き球のパスに入江がエリア右へ飛び出し。これは入江がファールを取られたものの、チャンスをつくっていきます。
4分には、さらに田中慶汰から受けた浅岡が前に持ち出し、左サイドの高い位置を突くパスを出すと、抜け出した松長根がゴール前へ折り返しのボール。これはブロックされ、今度はヴェルディ、根本が左サイドの高い位置へ。クロスは遠いサイドへ向かうも松長根がクリア。すぐさま自陣に戻り、切り替えよく対応していきます。
入江や高畠、田鎖や秋葉が囲い込むようにしてボールを奪い、相手陣内でも入江がボールを奪いにいくなど、球際に厳しく、プレーを重ねていくフロンターレ。ヴェルディが攻める場面では、田中幹大が自陣のエリア近くでクロスに対して、対応していくなど、献身的にプレーを続けていきます。
11分には、秋葉から田中慶汰とつないで、田中慶汰は左サイドの高い位置を突くパスを出すと、松長根がまたも折り返しますが、ヴェルディも集中力を持ってこれに対応。今度は尾又にボールが渡り、尾又は左サイド、上がった大下につなげようとしますが、入江が戻り、これに対応。直後にはフロンターレ、五十嵐がボールをカット。右へ展開すると、高畠のクロスのこぼれ球を正面で拾った松長根がミドルシュートを打ちますが、上に。
ヴェルディも右からの攻めに持ち込み、折り返しますが、高井がカバーし右コーナーキックに。ヴェルディはショートコーナーを選択し、大下が頭で合わせますが、右へ。
ヴェルディはここで尾又に代わり13瀬川サーシャ、岩崎に代わり22足立稀渚。瀬川が左に張り、根本が前線、橋本が右、江口の前に新、足立というようなかたちに。それでもゴールに迫るのはフロンターレ。18分には右サイド、田中慶汰、高畠、入江とテンポ良くボールを動かし、最後はエリア右へ抜け出した秋葉がシュートを打ちますが、上に。
さらに田中慶汰のパスを起点に、五十嵐が正面へ。シュートがブロックされたところ、拾った田中幹大がエリア左でシュートを打ちますが、これは上に。追加点にこそならなかったものの、立て続けに迫っていきます。
一方のヴェルディは瀬川が左サイドからパス交換を交えて、エリア右へ。これにはフロンターレ、必死に足を伸ばし、最後には青山がセーブ。さらにボールを動かし、瀬川がエリア外正面へ。エリア内に浮き球を入れていきますが、青山がセーブ。すばやくリスタートした青山は左サイドを駆け上がった五十嵐へつなげ、守備から攻めにつなげる姿勢を見せていきます。
フロンターレは22分、秋葉に代わり25五木田季晋。
飲水タイムをはさんで、五木田が前からプレスをかけていき、高い位置から奪いにいくフロンターレ。ヴェルディも、大下から瀬川につなげ、瀬川がゴールへ仕掛ていきますが、高井がカット。五十嵐へつなげ、五十嵐は右に流れた五木田、さらに五木田から入江へつなげ、守備から攻めに。また、入江のプレスバックから田中慶汰、田中慶汰から浅岡へつなげるなど、終盤へ向かっていく時間帯でも献身的にプレーを続いていきます。
29分にはヴェルディ、右サイドからのパス交換からエリア内へ新が飛び出しますが、高畠がカバー。そこから五十嵐、右の入江、中央の田鎖へ。ボールを粘り強くキープした田鎖は左へ展開。松長根が駆け上がっていきますがシュートにはつながらず。それでも機を見て追加点を狙う姿勢を見せていきます。
フロンターレは31分、入江に代わり3徳久湧大。
33分にはヴェルディ、パス交換から青木がエリア外右、高い位置へ上がっていきますが、浅岡がカバー。さらに中央でボールを回していこうとするヴェルディに対し、五十嵐がプレスバック。田中幹大にいったん預けて、左サイドを仕掛けて、左サイドでのスローインに。スローインから五木田がエリア内へ飛び出しますが、金木がセーブ。
ヴェルディのボール時にはコンパクトにして、対応していくフロンターレ。田鎖がボールを持ち上がり、前線へ動き出す五木田を狙い、スルーパスを試み、交代で入った徳久も、うまく間で受け、空いたスペースをドリブルで駆け上がるなど、ゴールへ向かう姿勢を見せていきます。
41分には、ヴェルディ、パス交換から青木がエリア右へ。しかし、高井が足を伸ばし、対応。さらにゴール前に浮き球を入れてくるヴェルディ。フロンターレは浅岡や田鎖がしっかり対応していきます。
44分、フロンターレは田中慶汰に代わり11小野寺瑠、五十嵐に代わり14大瀧螢。ヴェルディは原に代わり31池ヶ谷悠。
アディショナルタイムは3分。大瀧がボールを預けたところから前に飛び出し、また、小野寺が中央でボールをカットするなど、相手陣内で時間をつくろうとしていくフロンターレ。右サイド、青木を起点にしようとするパスには浅岡が対応し、それをさせず。徳久がゴール前へ仕掛けていき、ヴェルディがボールを奪ったところを大瀧がプレス。最後まで前へいく姿勢を崩さなかったフロンターレ。試合はまもなくタイムアップとなり、3-0。3連勝を飾ることになりました。
攻守にハードワークを重ね、高い位置からのボール奪取をゴールにつなげるなどしたことが、心に残るものがあったフロンターレ。3-0というスコアは選手たちのプレーのひとつひとつが結びついたからこそ、と感じさせられます。
前半3-0 後半0-0 計3-0
得点:五十嵐太陽、入江流星、高井幸大(フロンターレ)
フロンターレの先発:1青山海、2高畠捷、15高井幸大、17浅岡飛夢、20松長根悠仁、5田鎖勇作、6田中慶汰、7入江流星、9田中幹大、8秋葉拡人、10五十嵐太陽
交代:秋葉→25五木田季晋 入江→3徳久湧大 田中慶汰→11小野寺瑠
五十嵐→14大瀧螢
控え:16宮地健輔 24吹田航晟 30由井航太 31尾川丈 32岡野一恭平
ヴェルディの先発:12金木虎太朗、2青木瑠星、5原圭佑、3大下峻太、23伊藤竜海、18江口逢寿、17岩崎壮真、10根本鼓太郎(c)、14橋本陸斗、11尾又雅仁、9吉田崇幸
交代:吉田→20新鉄兵 伊藤→16佐藤陽輝 岩崎→22足立稀渚 尾又→13瀬川サーシャ
原→31池ヶ谷悠
控え:1小野耀路 32高須侶歩 7福西翔太 28大久保祐希
(文中敬称略)
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