6月19、20日、関東大学サッカーリーグは第10節を迎え、第2日目の20日、三ツ沢陸上競技場では、4位の早稲田大と首位の法政大が対戦。早稲田はフロンターレU-18出身のDF森璃太(2年)、DF神橋良汰(1年)、法政大はフロンターレへの加入が内定しているMF松井蓮之がそれぞれ、試合に臨みました。
なお、当日三ツ沢陸上競技場に入場できたのは前半途中からではありますが、記事を書かせていただきます。
【関東大学サッカーリーグ1部第10節 早稲田大 vs 法政大】
6月20日(日)午前11時半キックオフ 三ツ沢陸上競技場 晴れ
早稲田の先発はGK46ヒル袈依廉、最終ラインは右から25森璃太、15中谷颯辰、5鈴木俊也、6大西翔也、ボランチは7山下雄大、キャプテンの8田中雄大、右MF33安斎颯馬、左MF19水野雄太、トップ下28丹羽匠、前線には10加藤拓己。DF35神橋良汰はベンチスタート。
法政の先発は、GK12中川真、最終ラインは右から3宮本優、16萩野滉大、34落合毅人、29今野息吹、ボランチは6松井蓮之、キャプテンの14田部井涼、右MF7安光将作、左MF11田中和樹、前線には10飯島陸、20佐藤大樹。
好天で汗ばむような陽気の三ツ沢陸上競技場には、両チームの家族や多くのサッカーファンが集まり、新型コロナウイルス対策として、座席の指定がなされたこともあり、長蛇の列ができており、入場できたのは前半30分ころ。座席についた直後、カウンターに持ち込み、19水野の仕掛けから早稲田が左コーナーキックを獲得。
キッカーの森はショートコーナーキックを選択。右足でクロスを入れると、頭で合わせたのは大西。ボールはゴールのなかへ。1-0。先制点を挙げたのは早稲田。森は、前節桐蔭横浜大戦に続き、2試合連続のアシストを記録します。
追いかける法政は、松井と田部井のボランチが多くボールに触れ、宮本、今野がそれぞれ、高い位置へ。飯島のパスに抜け出した田中がクロスを入れるなどしてきますが、早稲田は中谷がエリア内で好カバーを見せるなど、集中力を保って対応。森も中へ絞って、好カバーを見せるなど貢献していきます。
37分には、中央へ寄った安斎から右サイドを突くパスが出ると、抜け出した森が仕掛けてクロス。きわどいボールがエリア内へ入りますが、加藤は惜しくも合わせることはできず。早稲田がチャンスをつくっていきます。
直後には法政、右に開いた田中へ渡り、田中の右クロスは左サイドへ流れ、拾った安光は縦へ仕掛ける姿勢を見せていくも、森が厳しく寄せていき、それをさせず。リターンを受けた松井はエリア左を突くパス。今野が抜け出し、エリア前にボールを送ると田部井がミドルシュートを打ちますが、ヒルがセーブ。
切り替えの良さを見せる早稲田は、ここから攻めに転じ、ボールは左サイドへ流れた加藤へ。加藤が前に持ち出していき、リターンを受けた田中はエリア正面でミドルシュートを打つも、法政のGK中川真がセーブ。
松井が最終ラインの間に下り、田部井も右サイドの下がり目に下り、両サイドを押し上げながら、組み立てを図っていく法政。一方の早稲田も、大西のボール奪取から右へ展開。流れた丹羽が仕掛けて折り返すなど、守備から攻撃へのつながりを見せていきます。
43分には、法政、左サイド高い位置へ抜け出した安光がクロスを入れると、ニアに飛び込んだ佐藤のシュートは枠をとらえますが、ヒルがセーブ。
左コーナーキックとなり、セカンドボールを拾った法政は、松井がパス交換から前に持ち出していこうとしますが、早稲田は加藤がプレスバックからマイボールに。そこから左サイドへ展開し、ボールは水野へ。宮本のファールに阻まれたものの、ここでも切り替えの速さを見せていく早稲田。ロスタイムには、法政が田部井の縦への持ち出しから左へ展開。エリア前で前を向いた飯島がシュートに持ち込もうとしますが、早稲田の体を張った守備に枠へは飛ばせず。
前半は1-0。早稲田がリードしてハーフタイムとなります。
ますます気温が上がっていくなか、始まった後半。立ち上がりは法政、左サイドへ流れた飯島が、エリア正面へボールを送ると、田部井がミドルシュートを打ちますが、早稲田はブロック。一方の早稲田もフィードに抜け出しが水野が縦へ仕掛け、左コーナーキックを得ると、鈴木が左足で入れたボール、ニアで水野がシュートを打ちますが、枠はとらえられず。
ともに得点の気配を漂わせて、いいかたちで後半へ入っていきます。
法政は、萩野、落合が開いて、松井が間に下り、後ろから丁寧に組み立てながら前に。5分には、左サイド、安光が縦へ仕掛けようとしていきますが、森が粘り強く寄せていき、さらに間で受けた飯島が再び左サイドを突くパスを出すと、安光が前に持ち込もうとしていきますが、早稲田は安斎もエリア近くに戻り、献身的な守りでそれをさせず。コンパクトな守りで、ボールを握る時間を重ねていく法政に対抗していきます。
10分には再び法政、左サイドの高い位置へ抜け出した佐藤がクロスを上げると、早稲田が処理しきれなかったところ、エリア内へ顔を出した松井がゴール前でセカンドボールを拾いますが、松井はパスを選択。最後は早稲田のカバーに遭い、惜しくもゴールはならず。
さらにボールを奪った松井は右へ展開。佐藤がエリア内へ仕掛ける姿勢を見せていきますが、中谷が阻み、ボールは安斎へ。安斎から右サイド、高い位置へ抜け出した森へ渡りますが、法政が奪い返し、今度は飯島が左サイドの高い位置へ。
しかし、そのパスにエリア内へ抜け出した安光に対しては、安斎が好カバーを見せ、最後はヒルがセーブ。ともにゴール前での場面をつくり、すばらしい攻防を続けていきます。
法政は12分、安光に代わり36中川敦瑛、飯島に代わり4中井崇仁。早稲田は水野に代わり12倉持快。
早稲田がコーナーキックからゴールを狙えば、それをしのいだ法政がカウンターに持ち込むなど、ともに攻守で切り替えの速さを見せていく両チーム。
16分には、法政、田部井の縦パスをおさめた田中から右へ展開。ボールは宮本へ渡り、宮本のパスに、エリア右へ抜け出した田中がシュートを打ちますが、早稲田はここでも体を張った守り。シュートは枠をとらえられず。
右コーナーキックとなり、田部井がボールを入れると、遠いサイド、松井が合わせますが、早稲田はブロック。しのいできます。
最終ラインに、松井が下りる一方で、田部井が前に積極的に顔を出して厚みのある攻めを見せていく法政。それでも早稲田は安斎や田中がエリア近くで何度も好カバーを見せるなど、粘り強い守りを見せていきます。
20分には、早稲田、山下がエリア左を突くパスを出すと、倉持が抜け出し、中川真が処理しきれなかったところ、最後は加藤が押し込みますが、オフサイド。ここぞというところで出し手と受け手の好連係から早稲田は、チャンスもつくっていきます。
21分には法政、田部井の縦パスを受けた佐藤から左へ展開。高い位置へ抜け出した今野が折り返していきますが、森がカバー。右コーナーキックとなり、飯島がボールを入れると、佐藤がヘディングシュート。さらに中井が詰めていきますが、押し込むことはできず。
23分には、早稲田、左サイド、倉持へボールが渡り、仕掛けた倉持は一気にエリア内へ。しかし、中川真が粘り強く寄せていき、最後はボールを抑えてシュートは打てず。
しのいだ法政は24分にはカウンターに。エリア右、田中へ渡り、田中はシュートを打ちますが、鈴木がブロック。
25分には今度は法政。加藤のプレスバックからマイボールにし、右へ展開。森が高い位置へ仕掛け、折り返すとエリア内、加藤がシュートを打ちますが、中川真がセーブ。
直後には法政、右サイド、下がり目に下りた松井から中央の田部井へ。田部井のスルーパスにエリア内、田中が抜け出しますが、森がカバー。最後はヒルがセーブ。さらに浮き球に、中川敦瑛がエリア内へ抜け出しますが、森がしぼって対応していきます。
29分、法政は佐藤に代わり19大塚尋斗。早稲田は30分森に代わり35神橋良汰、加藤に代わり32駒沢直哉。
早稲田の最終ラインは右から大西、中谷、神橋、鈴木に。神橋は関東大学サッカーリーグ初出場に。
直後には法政。エリア外右でフリーキックを得ると、飯島が入れたボール、遠いサイド、大塚がゴールネットを揺らし、オフサイドの判定はいったんはくつがえり、得点となるも再び判定は変わり、結局はオフサイドに。
法政はここで田中に代わり、8伊藤綾汰。
法政が松井や最終ラインの萩野、落合がボールを左右に動かし、両サイドを高くして攻めていく時間が続きますが、早稲田はエリア内で粘り強い守りを披露。神橋もクロスに対し、しっかり頭で跳ね返し、。さらにはヒルも大塚の枠をとらえたヘディングシュートをセーブするなどしていきます。
38分には法政、左サイドからの攻めに。中川敦瑛のパスに抜け出した今野が折り返していきますが、神橋がゴール前でカバー。さらにセカンドボールを拾って、攻めていく法政。田部井の左サイドを突くパスに、またも今野が抜け出し、クロスを入れると、宮本のヘディングシュートは枠をとらえますが、ヒルがセーブ。さらにパス交換から大塚がエリア右へ。シュートに持ち込むもこれは左へ。
早稲田は41分、安斎に代わり14田部井悠。前橋育英時代には、双子の田部井兄弟として、フロンターレU-18と対戦した田部井涼と田部井悠が同時にピッチに立つことに。
法政の攻勢は続き、42分にはフリーキックのセカンドボールを拾った田部井がミドルシュート。しかし、ここでもヒルがセーブ。こぼれ球に詰めた中井のシュートは上に。44分にはパス交換から中井が前に持ち出し、そのパスに中川敦瑛がエリア左へ。しかし、シュートはヒルがセーブ。
ロスタイムには、左クロスが流れたところ、右サイドで拾った伊藤がクロスを入れると、ニアに松井が飛び込みますが、惜しくも枠はとらえられず。試合はタイムアップとなり、1-0。早稲田が勝利をおさめることになりました。
ともにゴール前での場面を何度もつくりだし、上位同士の息詰まるような攻防が続いた好ゲーム。そのなかで決勝点を導き出した森、初出場で逃げ切りに貢献した神橋の活躍は、フロンターレのアカデミーを応援するサポーターにとってもとてもうれしくなるものがありました。
SBとして出場の機会を重ねている森、これから多くの手ごわいFWたちと対峙していくであろう神橋が、どんな成長をとげていくのか、期待が高まります。
そして、好パスと最後には攻撃参加であわやという場面をつくった松井が、フロンターレでどんな選手になっていくのかも、とても楽しみです。
前半1-0 後半0-0 計1-0
得点:大西翔也(早稲田)
早稲田の先発:46ヒル袈依廉、25森璃太、15中谷颯辰、5鈴木俊也、6大西翔也、7山下雄大、8田中雄大(c)、33安斎颯馬、19水野雄太、28丹羽匠、10加藤拓己
交代:水野→12倉持快 森→35神橋良汰 加藤→32駒沢直哉 安斎→14田部井悠
控え:31公文翔 36須藤友介 4小倉陽太 13平松柚佑 34光田脩人
法政の先発:12中川真、3宮本優、16萩野滉大、34落合毅人、29今野息吹、6松井蓮之、14田部井涼(c)、7安光将作、11田中和樹、10飯島陸、20佐藤大樹
交代:安光→36中川敦瑛 飯島→4中井崇仁 佐藤→19大塚尋斗 田中→8伊藤綾汰
控え:21近藤壱成 23市川侑生 26高嶋修也 25吉尾虹樹 9久保征一郎
(文中敬称略)
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