8月25日はヴェルディグラウンドへ。海外のクラブやJクラブや街クラブなどのジュニアチームが競うU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジが始まりました。4回目となった今大会は海外からはFCバルセロナ(スペイン)とマンチェスターシティ(イングランド)が参加。16チームが4つのグループに分かれて、初日と二日目に予選リーグを行い上位2チームが決勝トーナメントへ進むことができます。
春にあった予選を勝ち抜いて出場権を得た川崎フロンターレU-12は予選リーグでは、FCバルセロナ、サンフレッチェ広島ジュニア、U-12熊本県選抜と同じAグループに入りました。
【川崎フロンターレU-12 U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジvsU-12熊本県選抜】
8月25日(木)午前9時50分キックオフ 晴れ ヴェルディグラウンド天然芝 11人制 25分ハーフ
初戦の対戦相手は熊本県選抜。熊本を襲った4月の地震でサッカーをできる環境がなくなって苦しんでいたところを招待された選抜チーム。GK16佐々木幸史朗、DFは右から7北浦壮真、3安田青嵐、5田上晧晟、2今村真仁、ボランチは14内田愛斗、15岩川晴彦、右MF9小林左京、左MF6安達秀郎、FWは4村上遼太郎、8清永賢志郎
フロンターレはGK19長田澪、DFは右から11山下陽生、5高井幸大、3松長根悠仁、7塩澤延有、ボランチは4戸田将、30山田新己、右MF18名賀海月、左MF8茅野直希、トップ下10城田優、FWは9松尾凛久。山田は一学年上のフロンターレU-13所属ですが、2004年1月1日以降に生まれた選手に参加資格があるという規定のため昨年に続いてワールドチャレンジに出場することになりました。
試合は立ち上がりからフロンターレが押し込む展開に。1分にはエリア右から松尾が抜け出てシュートに持ち込みますがこれはGK佐々木の正面。その後も塩澤がドリブルで仕掛けたり、高い位置まで持ち上がった高井がミドルシュートを放つなどして熊本県選抜のゴールへ迫っていきます。
熊本県選抜も清永の仕掛けからフロンターレのゴールへ攻勢に出ますが高井と松長根が粘り強く守ってシュートは打たせず。
7分には山下が右から仕掛けて左へ展開。ボールを受けた塩澤が中へ切れ込みシュートを打ちますがGK佐々木が反応。
11分には左から塩澤がサイドチェンジをするとエリア外右からボールを受けた名賀が仕掛けてあまり角度のないところからシュートを放つとこれがゴールネットを揺らして1-0。先制点はフロンターレへ。
熊本県は今村に代えて10佐藤喜一を入れて前線に。右MFと左MFを守備時には最終ラインに下げて5バックにして、フロンターレの攻勢をしのいでからの反撃を狙っていきます。
フロンターレは最終ラインを高い位置まで上げてコンパクトにしてさらに熊本県選抜のゴールをおびやかしていきます。19分には戸田の縦パスから茅野が抜け出て、キープをすると最後は戸田がエリア正面からミドルシュートを打つもこれはバーへ。
23分には山田がエリア前へ縦パスを入れるとうまくトラップで熊本県選抜の選手のマークを外した茅野、エリア外正面からミドルシュートを放つとゴールネットを揺らして2-0。直後には山田から右裏へ大きくパスを出すとこれを受けた名賀が右サイドから仕掛けて、折り返したボール、合わせたのはパスを出した山田。エリア正面からゴールネットを揺らして3-0。前半はここでタイムアップ。フロンターレ、優位に進めて前半を折り返します。
後半は茅野に代えて、2前田陽向が入り右MF、名賀は左MFに。山下に代えて6北村健を入れて左SB、塩澤が右SBに入ってのスタート。一方の熊本県選抜は再び4バックに。立ち上がり、佐藤を起点にフロンターレのゴールへ迫った熊本県選抜でしたが、フロンターレは高井を中心にこれをしのぎ、佐藤のシュートは決定的なものとはならず。
すると次の1点もフロンターレへ。山田がエリア前右名賀とのパス交換から抜け出すとエリア左からシュートを放ち、これもゴールネットを揺らして4-0。
さらに畳み掛けるフロンターレ、北村からボールを受けた名賀がシュート、これは熊本県選抜のブロックにあい、こぼれ球に詰めた前田のシュートも阻まれてゴールとはならず。しかし、前からプレッシャーをかけていくと城田が熊本県選抜の選手のパスミスを誘ってエリア正面からシュートに持ち込むとこれもまたネットを揺らして5-0。
フロンターレは緩めることなく、前線の松尾も熊本県選抜の中盤にプレッシャーをかけて、ボールを奪うなど切り替え速くプレーしていきます。
10分にはGK長田に代えて1中山智稀、城田に代えて24田中陸人、名賀に代えて13岡野一恭平。前田が左MF、岡野一が右MFに。さらに15分には戸田に代わり15藤野心魂、松尾に代わり11山下陽生。細かくパスをつなぎながらもさらに攻勢に出ていきます。21分には山田が前へ仕掛けて折り返したボールに藤野が合わせますがこれは佐々に代わって入ったGK1松尾悠がキャッチ。
22分には藤野のパスから山下が抜け出てエリア正面左からシュートを放つもこれはブロックに阻まれてゴールとはならず。しかし、ここで得た左コーナーキック、山田の選択はショートコーナー。エリア外左でボールを受けた前田がシュートを放つとこれがゴール右をとらえて6-0。さらに緩めず攻勢に出るフロンターレは直後にもコーナーキックのこぼれ球を高井が拾って左へ展開、山田の折り返したボールにエリア内右岡野一が詰めて、これもまたゴールネットを揺らして7-0。ここで試合はタイムアップ。メンバーを入れ換えながらも目に見える形での結果につなげたフロンターレ、勝利でこの大会のスタートを切りました。
前半3-0 後半4-0 計7-0
得点:名賀海月、茅野直希、山田新己2、城田優、前田陽向、岡野一恭平
フロンターレの先発:19長田澪、11山下陽生、5高井幸大、3松長根悠仁、7塩澤延有、4戸田将、30山田新己、18名賀海月、8茅野直希、10城田優、9松尾凛久
交代:茅野→2前田陽向 山下→6北村健 長田→1中山智稀 名賀→13岡野一恭平 城田→24田中陸人 戸田→15藤野心魂 松尾→山下
【川崎フロンターレU-12 U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジvsFCバルセロナ】
午後2時12分キックオフ 晴れ ヴェルディグラウンド人工芝
続いての対戦相手はFCバルセロナ。フロンターレは昨年の大会でも対戦しており、その際は1-3。
FCバルセロナの先発はGK25オスカル・メディナ、DFは右から12マルク・フラード、3ディエゴ・アルメイダ、20ジェラール・ゴンサレス、15アレックス・バジェ、中盤の底にキャプテン6アドリア・カプデビラ、その前に11ジャン・オリベラース、10パブロ・バエス、右に21イケル・アルメナ、左に17アドリアン・ボビ、FWは22ナルシス・コスタ。初戦はサンフレッチェ広島ジュニアに4-0で勝利しています。
フロンターレはGK19長田澪、DFは右から11山下陽生、3松長根悠仁、5キャプテン高井幸大、7塩澤延有、ボランチ4戸田将、30山田新己、右MF18名賀海月、左MF8茅野直希、トップ下10城田優、FW9松尾凛久
立ち上がり、前からプレスをかけたのはフロンターレ、前線の松尾や名賀が連動してバルセロナのDFからボールを奪おうとしていきます。3分にはアレックス・バジェから名賀がうまくボールを奪ったように見えましたがここはファール。しかし、フロンターレはいい試合の入りかたをしたように見えました。
しかし、次第にボールを持てるようになったバルセロナの攻勢を受けるように。7分には左サイドからバルセロナが仕掛けていくと中へ切れ込んだパブロ・バエスがエリア外正面からシュートを放つとこれがゴール左に決まって0-1。先制されてしまいます。
さらにバルセロナはサイドを起点にフロンターレのゴールへ迫っていきますが、フロンターレは高井や松長根を中心に中でしっかりした守りを見せてさらなるゴールは許さず。バルセロナの激しいプレスにもさらされますが、次第に山田や戸田が中盤でうまく相手選手をはがして、前へボールを運べるように。テンポのよいパス回しも次第に出せるようになっていきます。
18分には左サイドでボールをつないでいくと、バルセロナの選手がこれに対してファール。フロンターレはフリーキックを得ます。キッカーは山田。右足を振り抜くとこれがゴールネットを揺らして1-1。山田のもとへ駆け寄って喜びをあらわにするフロンターレの選手たち。見事にフロンターレは追い付きます。
バルセロナは勝ち越しを狙って再び前から激しいプレスを仕掛けてフロンターレのゴールへ迫りますが、パブロ・バエスのミドルシュートは長田がしっかりキャッチ。切り替え速く自陣に戻って攻勢をしのいで前半はそのままのスコアでタイムアップとなりました。
後半のバルセロナはアドリア・カプデビラ、マルク・フラード、ジェラール・ゴンサレス以外の選手は交代し、GK1アライン・マルティネス、DFは右からマルク・フラード、16ポール・ムニョス、ジェラール・ゴンサレス、5フアン・ラリオス、中盤の底にアドリア・カプデビラ、その前に14アントニオ・カラバカ、8アレイシ・ガリード、右に18ニコラス・フエンテス、左に7パウ・セガーラ、FW9チャビエル・プラナス。
立ち上がりからペースはバルセロナに。1分には右からアントニオ・カラバカの折り返したボール、チャビエル・プラナスがエリア内へ進入し力強いシュートを放つもこれはGK長田がしっかりキャッチ。さらに左サイドの裏をとってクロスを上げるとこぼれ球にマルク・フラードが反応しますがこれは枠外。
フロンターレは松尾を前へ残し、バルセロナの分厚い攻めにもエリア内でしっかり対応。反撃の機会をうかがっていくと、再びボールを回せるように。しかし、エリア内へは進入するには至らず決定的なチャンスをつくることはできず。
中盤で山田や戸田に城田がかかわって打開を図るフロンターレに対してプレッシャーをかけてくるバルセロナとのせめぎあいが続いていきます。
12分にはバルセロナ、チャビエル・プラナスがエリア前でヒールパスを出すとこれにアントニオ・カラバカが抜け出てエリア内へ。しかし、放ったシュートは左へ。
ここでフロンターレは名賀に代えて13岡野一恭平。さらに給水タイムを挟んで城田に代えて24田中陸人。パス交換からバルセロナへ攻勢に出ていきます。
バルセロナはマルク・フラードに代わり、再びディエゴ・アルメイダが入り右のCBに。ポール・ムニョスが右SBに。さらにニコラス・フエンテスとパウ・セガーラの位置を入れ換えます。
17分にはパス交換から早速パウ・セガーラがエリア内へ。しかし、フロンターレも切り替え速くこれに対応。
このままの状況が続けばきっとまたフロンターレの時間帯が来る。そう期待を抱かせるプレーを見せていたフロンターレでしたがバルセロナは18分エリア内左でファールを得て、PKを獲得。キッカーはチャビエル・プラナス。ゴールネット右を揺らして1-2。
「切り替えろ、切り替えろ! 点取るぞ! 点取るぞ!」。失点にも下を向かず鼓舞する長田。フロンターレは茅野、塩澤に代わり、2前田陽向と6北村健。バルセロナは足をつったアントニオ・カラバカに代わり再びパブロ・バエス。
最後までゴールを目指したフロンターレでしたが再びネットを揺らすには至らず。試合はタイムアップ。主審の笛が鳴った際、フロンターレの選手だけではなく、バルセロナの選手もその場に座り込む姿が見られたのが、互いに全力を尽くしたことをうかがわせる場面でした。
フロンターレの先発:19長田澪、11山下陽生、3松長根悠仁、5高井幸大=cap、7塩澤延有、4戸田将、30山田新己、18名賀海月、8茅野直希、10城田優、FW9松尾凛久
交代:名賀→13岡野一恭平 城田→24田中陸人 茅野→2前田陽向 塩澤→6北村健
得点:山田新己(川崎) パブロ・バエス、チャビエル・プラナス=PK(バルセロナ)
翌26日フロンターレはサンフレッチェ広島ジュニアに山田新己が2ゴールを決めて、2-0で勝利し、グループAの2位で決勝トーナメントへの進出を決めました。決勝トーナメントは27日ヴェルディグラウンドにて行われ、勝ち抜けば準決勝へ進出することに。準決勝、3位決定戦、決勝は28日、味の素フィールド西が丘で行われます。
(文中敬称略)
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