8月20日は、北海道音更町の音更町サッカー場へ。
U-15年代の夏の全国大会、日本クラブユース選手権(U-15)サッカー大会はラウンド16を迎え、川崎フロンターレU-15生田は、F.C.フェルボール愛知との試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-15生田 日本クラブユース選手権(U-15)サッカー大会ラウンド16 vs F.C.フェルボール愛知】
8月20日(日) 午前10時キックオフ 音更町サッカー場A 雨のちくもり 35分ハーフ
グループステージを3連勝、首位で通過。ラウンド16ではツエーゲン金沢U-15に3-0で勝利したフロンターレ生田。
先発は、GK1岩田幹太郎、最終ラインは右から2小川翔太、キャプテンの5山川陽平、3藤田明日翔、18長崎亘佑、ボランチは8小川尋斗、6木下勝正、右MF38小田脩人、左MF7三上瑛大、トップ下10奥田悠真、前線には11十河晟央。
フェルボール愛知は、グループステージを2勝1分け、2位で通過。ラウンド32では、FC LAVIDAに2-0で勝利し、ラウンド16に進出してきました。
先発は、GK1近藤慧、最終ラインは右から4高比良太輝、5今瀬薫、2中原朱紀、3三品奏斗、ボランチにキャプテンの8奥村琉、その前に6坂蓋祐飛、10相澤伶実、右に12社本碧斗、左に7山田斉輝、前線には11左藍斗。
多くの選手の家族ら、さらにはサポーターらも集まった音更町サッカー場。フロンターレのサポーターやフロンターレ生田のメンバー外の選手らが幕を掲出。チャントで選手たちを励ませば、フェルボール側も選手の家族らが多くの幕を出し、コールを送るいい雰囲気に。
主審のキックオフを告げる笛が鳴ったのとほぼ同時に、一時はやんでいた雨が再び降り始める中、試合は始まりました。
立ち上がり、フェルボールは、中盤の奥村から間にボールを差し入れながら、組み立てを図っていきますが、フロンターレ生田はそれをカット。
最終ラインに小川尋斗や木下、下がり目で奥田も受けるなどしながら、ボールを動かす時間をつくっていきます。
2分には、右へ流れた十河がクロス。これに三上が迫りますが、フェルボールの守りが阻んで、右コーナーキックに。
長崎は左足でニアにボールを供給。フェルボールが体を張って阻み、再び右コーナーキックとなり、これをしのいだフェルボールは、カウンターに持ち込もうとしていきますが、フロンターレ生田の戻りが速く、ふたたびマイボールに。
小川尋斗の縦パスに、十河尾がエリア右へ動き出しますが、GKの近藤が阻んでいきます。
フロンターレはさらに、右サイドで、小田脩人、十河、小川翔太がかかわり、右クロスを入れる場面をつくっていきますが、フェルボールの中央の守りが堅く、シュートまでは行けず。
それでも、右に展開し、社本が仕掛けようとしていくのに対して、長崎がカバーし、マイボールに。中央に寄った三上につなげ、再びフロンターレ生田がゴールへ向かう場面につなげていきます。
岩田や山川、藤田、長崎、下がり目に木下が下り、木下の縦パスに、三上が背後を狙う動きを見せるなどしていくフロンターレ生田。
フェルボールも1対1で粘り強さをお見せ、坂蓋や相澤が高い位置で動かし、下がって受け直した坂蓋は左に展開。最終ラインの中原が中央に速いパスを入れ、そこから前に出ていこうとしていきますが、小川尋斗がカット。
9分には、中央をうまく持ち上がったフェルボール、左から右サイド、社本へ。社本はオーバーラップしてきた高比良にパス。高比良がエリア外右から折り返すと、ニアに左が飛び出しますが、山川がカバーに入り、シュートは枠外。
決定的な場面でしたが、フロンターレ生田も集中したいい対応を見せ、しのいでいきます。
再び、自分たちでボールを持つ展開にしていくフロンターレ生田は、10分には、中央でうまく前を向いた木下がスルーパス。これにエリア正面へ三上が抜け出しそうになりますが、ここでもフェルボールは集中したいい守り。
さらに中央でセカンドボールを拾い、エリア右へ十河が抜け出しますが、フェルボールの守備に遭い、決定的なシュートにはつながらず。
フロンターレ生田がボールを持つ時間が続く中で、フェルボールも球際の強さ、寄せの速さを見せ、簡単には前を向かせない対応を継続。フロンターレ生田としては、なかなか決定的な場面をつくれない時間が続いていきます。
それでもフロンターレ生田は、フェルボールがエリア前に、浮き球を入れてくる場面では岩田がセーブ。ラインを高め、両サイドを使いながら、フェルボールが出てくる時間では、コンパクトに。
エリア前に入ったボールを小川尋斗がカットし、そこから再び自分たちでボールを動かすなど、落ち着いた対応を見せていきます。
19分には、フェルボール、左が下がり目でおさめ、左へ展開。山田が左サイドから、エリア前に仕掛けていこうとしますが、フロンターレ生田は右へ流れたボールを三上がカット。
右に展開し、十河、小川翔太、小田脩人がかかわり、左へパスが通ると、三上が背後を取り、エリア前への仕掛け。いったんはフェルボールにボールを奪われるも、すぐに奪い返し、22分には、センターサークルやや手前から山川がミドルシュート。これはGK近藤がセーブするも、雨の降り続いているピッチ状況を見て、長い距離からもゴールを狙いに行きます。
フェルボールは、右サイドでスローインを得ると、奥村のロングスローからゴールを狙いますが、しっかりエリア内で競り、セカンドボールは木下が回収。
再び、山川や藤田、小川尋斗、下がり目で小川翔太も受け、自分たちでボールを動かし、それに対してフェルボールも球際の厳しさを見せ、攻防が続いていきます。
28分には、フロンターレ生田、中央からの浮き球を、十河が競り、ボールをおさめた奥田はエリア外左へ。奥田はシュートを打ちますが、上に。
直後には小川尋斗が右サイド、高い位置を突くパス。これに抜け出した小川翔太から十河とつながり、十河は右サイド、高い位置からクロス。正面へ三上が迫りますが、フェルボールの守りに遭い、シュートは打てず。
セカンドボールをものにした小川尋斗は左サイドに展開。木下がエリア左へ仕掛けていきますが、フェルボールの守りが阻み、左コーナーキックに。
三上がボールを入れると、正面でこぼれ球を拾った長崎がミドルシュート。しかし、上に。
32分には、フェルボールも、最終ラインの今瀬から間で相澤が受け、左サイドへ展開。高い位置から山田が折り返すと、相澤がシュートを打ちますが岩田がセーブ。
さらに下がり目で左、相澤や坂蓋が受け、ボールを動かす時間をつくっていきますが、フロンターレ生田はコンパクトに、距離感の良い守りで対応。
フェルボールは、左サイドでのスローインの流れから、山田がエリア外左に顔を出し、三品がシュートを打つ場面をつくりますが、体を張り、しのいでいきます。
前半はタイムアップ。0-0でハーフタイムへ。
フロンターレ生田の応援に、ラウンド32でPK戦で涙をのんだ、同じ川崎を本拠とするFC Kanaloaの選手たちも加わるなか、始まった後半。
立ち上がりにはフロンターレ生田、十河がエリア前でボールをキープ。リターンを受けた木下がエリア内へ進入。フェルボールの守りに阻まれるも、いい形で後半へ入っていきます。
直後には、左サイドでのスローインの流れから、三上が中央を持ち上がり、エリア前に。ここでもフェルボールの守りに遭いましたが、前半、なかなか入れなかったエリア近くに、フロンターレ生田が迫る場面が続いてきます。
一方のフェルボールも、左や相澤、社本がかかわって、高い位置でボールを動かし、ロングスローの流れから、両サイドを使い、フロンターレ生田の陣内でボールを動かしていきますが、フロンターレ生田は、コンパクトに、焦れずに対応。最後はフェルボールのオフサイドに。
5分には、左サイドから山田が正面へ持ち出し、右サイド、下がり目で受けた高比良のパスに、エリア外右へ進入しますが、長崎がカバーしていきます。
再び、縦パスと、出してから前に出ていく動きを見せ、相手陣へ入り込んでいくフロンターレ生田。
6分には、木下から中央、奥田とつながり、奥田がドリブルで正面へ仕掛けると、フェルボールの守りが阻んだところ、こぼれ球を拾った三上がミドルシュート。しかし、上に。
さらにフロンターレ生田は、左サイド、長崎や三上がかかわって動かしていき、フェルボールが右サイドから攻勢に出る場面では、長崎や藤田がカバー。
しっかり、自分たちでボールを持つ場面へつなげていきます。
11分には、左サイド、下がり目で受けた木下の縦パスに、三上が高い位置へ。三上がクロスを入れると、エリア正面へ飛び出した小川翔太がシュート。しかし、枠はとらえられず。
山川のフィードを十河が競り、ボールをおさめた小田脩人が中央へ持ち出すなどしていくフロンターレ生田。
GKの岩田も、十河に正確なボールを入れ、中央でおさめた小川尋斗のスルーパスに、三上が正面へ抜け出しそうになる場面をつくるなどしていきます。
15分には、藤田がカット。藤田からうまく間で小田脩人が受け、右サイドに展開すると、十河が高い位置でクロスを入れますが、GKの近藤がセーブ。
直後には、中央でセカンドボールをものにした木下がスルーパス。奥田がエリア内へ抜け出していきますが、ここでも近藤がセーブ。
フェルボールは、左サイドに展開し、山田が仕掛けていきますが、小田脩人もエリア近くに戻りカバー。左サイドから速いクロスが入りますが、岩田がセーブしていきます。
飲水タイムをはさんで、20分にはフロンターレ生田、フィードを十河が競り、ボールを拾った小田脩人、小川尋斗と中央でつながり、小川尋斗はスルーパス。
エリア内へ十河が抜け出しそうになりますが、フェルボールは挟み込むように、粘り強い守り。
21分には、藤田から木下、小田脩人と中央でつながり、小田脩人の縦パスに、三上がエリア外左へ。
三上は折り返しますが、近藤がセーブ。
一方のフェルボールも、中央でボールを動かし、右へ展開。右サイドでスローインを得て、坂蓋が右から中央へ持ち出し、左サイドに展開すると、エリア外左で三品がミドルシュート。
しかし、岩田がセーブ。
フロンターレ生田は再び、最終ラインの藤田や山川がボールに触れ、うまく間で受けた十河が高い位置へ持ち出し、切り返しからコーナーキックを得るなど、攻勢を続けていきます。
25分には、うまく間で受けた奥田から左サイド、長崎へ。長崎が高い位置からクロスを入れると、エリア内、三上が迫りますが、フェルボールの守備に遭い、シュートは打てず。
直後には、フェルボール、山田が左サイド、高い位置でキープ。受けた三品が左クロスを入れていきますが、岩田がここでもしっかりセーブしていきます。
フロンターレ生田は、小川翔太に代わり4菊池京。
29分には、奥田、十河が中央で競り、ボールをおさめた木下は縦パス。三上が高い位置へ仕掛けていきますが、再三、粘り強い守りを見せていた高比良がカバー。
左コーナーキックに。
左コーナーキック、三上がボールを入れると、右サイドへ流れたボールは長崎がカット。
いったん最終ラインに戻し、山川から右へ展開していくと、小川尋斗と菊池の連係から右サイドでのスローインに。
菊地がボールを入れると、粘った十河がゴールの前に折り返し。すると、これがフェルボールのオウンゴールを誘い、1-0。
ついに先制したのはフロンターレ生田。
ピッチ脇で見守っていた控えの選手のもとへ、さらには反対側のネット越しで雨の中、チャントを歌い続けていた選手やサポーターのもとへ、二手に分かれて、駆け寄っていくフロンターレ生田の選手たち。
バスケットケースの歌声の中、喜びを爆発させます。
フェルボールはここで3人を交代。高比良に代わり16清本貴仁、山田に代わり9大澤俊哉、左に代わり13岡山昂生。
しかし、守りに入るのではなく、前に出ていくのはフロンターレ生田。エリア前で十河、奥田とつながり、奥田のパスに、エリア左へ抜け出したのは三上。
右足でシュートを打つと、これが決まり、2-0。
突き放したフロンターレ生田。今度も、選手たちは声援を送っているネット越しの選手たちとサポーターのもとへ。ゴールの喜びを分かち合います。
フロンターレ生田は、奥田に代わり20メンディーサイモン友が入り、前線へ。
アディショナルタイムに入り、フェルボールは坂蓋に代わり18城飛翼。
フロンターレ生田は、小田脩人に代わり9小林朝日。
下がり目、うまく間で受けた木下の縦パスに、小林が高い位置へ仕掛け、右サイドでのスローインに。
右サイド、菊池が正面へボールを入れていくと、エリア左、こぼれたボールを拾ったのは三上。
左足でシュートを打つと、これが決まり、3-0。さらに突き放したのはフロンターレ生田。3度目のバスケットケース。三上を先頭に、また選手たちは、声援を送り続ける選手たち、サポーターのもとへ駆けていきます。
フロンターレ生田は、さらにメンディーや十河が浮き球を競り、右サイド、小林との連係から菊池が高い位置へ。菊池がクロスを入れると、セカンドボールを拾い、両サイドを使いながら、三上や木下、十河が高い位置でプレーを続けていきます。
雨が上がり、アバンテの歌声も聞こえるなか、試合はタイムアップ。3-0。
フロンターレ生田は、準々決勝への進出を決めました。
球際の厳しさ、さらに素晴らしい連係からフロンターレ生田の陣内で時間をつくるなどしたフェルボールも、ここまで勝ち上がってきたことが実力通りである、ということを納得させられる好チームでした。
それでも、決して焦れることなく、チーム全員が難しい時間でも崩れず、試合の流れを引き寄せたフロンターレ生田。ピッチだけではなく、控えの選手、さらには声援を送り続けたメンバー外の選手も含め、一丸となってつかみとった勝利であったのではないか、と思います。
翌21日、準々決勝のガンバ大阪ジュニアユース戦で、川崎フロンターレU-15生田は5-1で勝利。GKの岩田が好セーブを連発するなど、守備での頑張りも光った素晴らしい試合運びで、前身のU-15時代を含め、初めての準決勝進出を決めました。
前半0-0 後半3-0 計3-0
得点:オウンゴール、三上瑛大2
フロンターレ生田の先発:1岩田幹太郎 2小川翔太 5山川陽平(c) 3藤田明日翔 18長崎亘佑 8小川尋斗 6木下勝正 38小田脩人 7三上瑛大 10奥田悠真 11十河晟央
交代:小川翔太→4菊池京 奥田→20メンディーサイモン友 小田脩人→9小林朝日
控え:19高橋壱梛 17富田周平 13橋本乃翔 15平尾玲旺 22玉木聖梛 42全天海
フェルボールの先発:1近藤慧 4高比良太輝 5今瀬薫 2中原朱紀 3三品奏斗 8奥村琉(c) 6坂蓋祐飛 10相澤伶実 12社本碧斗 7山田斉輝 11左藍斗
交代:高比良→16清本貴仁 山田→9大澤俊哉 左→13岡山昂生 坂蓋→18城飛翼
控え:19小林柊斗 25杉山悠 14宮川奏太 22道白匠真
◇試合後、2ゴールの三上瑛大に話を聞きました。なお、他のメディアの方との応答も含まれています。
〇ゴールシーンを振り返って。
1点目は中に入っていって、クロスが入ってきたので、そこで僕が行こうとしたんですけど。ディフェンスの方が速かったんですけど、うまく当たって入ったようなゴールです。
〇自分のサッカー人生では、最高のゴール?
最近ではなかったですけど、いいかたちのゴールだったと思います。
〇3点目はうまくボールコントロールをしていたかんじだったですけど、ああいうのは得意?
あのときは落ち着いて、相手も見られていたので。そこでうまくゴールにすることができました。
〇中ではいってプレーするのも得意なのかなと思ったんですけど、自分の中ではどうですか?
自分の中ではサイドから仕掛けるのが得意なんですけど、状況によっては中に入って、ボールにつながってっていうのはやるようにしています。
〇今日の得点に至るところまでのプレーで、自分で良かったなって思うところはどこですか?
前半から背後へのランニングというところは、相手をうまく剝がせていたんですけど、なかなかボールが来なかったので、最終的には足元で受けて、そこから自分のかたちにもっていけて、ゴールにつなげることができたと思います。
〇次はガンバということで厳しい相手ですけど、勝てば優勝も見えてきますし、東西対抗(メニコンカップ)というところも思うところだと思うんですけど。
次ガンバなので、今日以上にやらないと負けちゃうと思いますし、自分たちも自分たちのサッカーをして、勝てるように頑張っていきたいと思います。
〇今のポジションでやっているのっていつからですか?
中1、いや小5くらいからですね。
〇何かきっかけとかはあった?
いや、きっかけとかはなくて、自分がやってみたかった、自分でやったらうまくできたというのがあります。
〇自分がモデルにしているプレーヤーとかはいますか?
三笘さんとかよく参考にしていて、縦突破も、中もいけて、ゴールもアシストもできて、すばらしい選手だと思います。
〇今日はなかなか難しい試合だったと思うんですけど、どうでしたか、相手も堅くて。
相手の守備がけっこう硬くて、自分たちも苦戦したんですけど、僕たちが全員で目をそろえて、チーム全員で勝てたのが良かったんだと思います。
〇ああいった展開のなかでも、チーム全体で崩れなかったのが勝因という感じですかね。
そうです。
〇あらためてゴールシーンについて振り返ってもらえますか?
1点目は悠真(奥田悠真)からいいボールが来て、流し込むだけで、2ゴール目はこぼれ球で、うまく冷静になって、いいコースにけることができました。
〇次の試合に向けて、見せたいプレーなどはありますか?
特長としてはサイドからの1対1での仕掛けというところは、注目して見てほしいですし、ゴールもアシストも目指しているので、そこで活躍できればいいと思っています。
〇今日はメンバーに入らなかったチームメートやサポーターの人も応援していましたけど、それについては?
サポーターのみなさんが、声を出して雨の中でも頑張ってくれたので。僕たちもそれに応えようと、頑張ることができました。
〇画面越しに応援しているサポーターの方もいると思います。
家の中からだと思うんですけど、画面越しに応援してくれて、ありがとうございました。
(文中敬称略)
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