10月13日Anker フロンタウン生田で行われた関東ユース(U-15)サッカーリーグ1部の最終節、第18節で鹿島アントラーズジュニアユースと対戦、3-1で勝利した川崎フロンターレU-15生田。
4位に入り、冬の全国大会、高円宮杯の出場権を獲得しました。
試合後に久野智昭監督、キャプテンの全天海、同点ゴールを決めた對馬羽琉に話を聞きました。
試合の記事は◇フロンターレU15生田 – 鹿島アントラーズジュニアユース / 関東ユース第18節
「すばらしい景色を見たなかで、もう一度そういう景色を見れるようにっていう話をして。
まだ2カ月あるので、そこで成長できればと思います」
久野智昭監督
〇まずは関東リーグの最後ということで、フロンターレらしいサッカーはできました?
そうですね、前半はかなり圧力があって、鹿島のプレスにちょっとひるんだ部分はあったんで。ちょっと足先のプレーだったりとか、審判に要求するプレーだったりとかはまだ弱さがあったかなと思ったんですけど、後半ちょっとハーフタイムに話をして。
そういうところはまだまだ足りないんですけど、やろうとしたかなっていう印象はありました。
〇相手が2位の鹿島ということで、相手の戦いは想定通りの感じでしたか?
そうですね、クロスとハードワークというところは、ミーティングで話をして、試合に入りました。
〇高円宮杯に向けて、大事な戦いだったと思うんですけど、どう声をかけて試合に入りました?
全国大会の時もそうですし、今日も応援に来てくれたサポーターがいましたし。
あとは昨日も話しましたけど、ここでちょうどOB会をやっていたので、ここまで来れたのはOBたちの積み上げがあったからであって。
ここで1部で戦えたのは先輩たちが上げてくれたから1部で戦えたんだ、できたんだという話をして、しっかりと感謝しながら、頭に入れながら、戦おうという話をしました。
〇前半はなかなかフロンターレらしい戦いはできなくて。ハーフタイムはどんな修正をしましたか?
ボールサイドが少しあまかったので。しっかりボールに行くことと。ちょっとCBを見てしまったりとか、「いっちゃえよ」という。前節話していたことを意識しながらやるということと。
攻撃でいうと、ランニングというところと、前からきているかきていないかということをしっかり頭に、整理させて、入りました。
〇セットプレーでとれたことが大きかったと思うんですけど、セットプレーの練習はかなりしてきたんですか?
毎週前日にはするんですけど、すごいしているわけじゃなくて。
キッカーはもともといい。武内がいいキックを蹴ってくれるので。そこのポイントに入っていくだけなので。
そこは整理して入りました。
〇関東リーグが終わって、これからいろいろ整理していくと思うんですけど、終わって率直にどんな思いですか?
優勝目指したなかで、最低限の結果というところは、得られたのかなと思いますけど。
まだまだ、高円に向けてというところでは、選手たちにも言いましたけど、夏にチャンピオンになって、すばらしい景色を見たなかで、もう一度そういう景色を見れるようにっていう話をして。
そういうなかで、まだまだタフに戦えない、と。まだ2カ月あるので、そこで成長できればと思います。
〇春先の彼らに比べて、どんなところが成長したと思います?
そうですね、全国大会を経験して、今日もそうですし。点を取られても、追いついて引き離したり。
大宮戦でも1-2にされて、(追いついて、勝ち越して)引き離したところは、あきらめずに戦えているかなと思うんですけど。
全国大会を優勝したということで、相手が打倒フロンターレというなかで、そういう部分では、受けているわけではないんですけど、もう、ひとギア上げないと、戦えないかなと思います。
〇初めて1部の強い相手と戦ったことで、そこで得られたものも大きい?
そうですね。やっぱり関東はレベルが高いので。いろんな特徴があるチームがいたなかで、去年とは違って、なかなか点を取れない試合が続いたり。
1点の重みというところは、僕も含めて。選手たちも感じたんじゃないかなと思います。
〇高円で、サポーターの皆さんもクラブユースに続いての優勝を期待していると思うんですけど、この2カ月どんなことをやってきますか?
フロンターレらしいサッカーを、技術と内容にこだわって、というところと、クラブで掲げている技術もそうですし、フィジカルでも圧倒できるようなチームにしていく。
一人一人の積み重ねがチームにつながっていくと思いますので。そこはあと2カ月間、縮めないといけない選手もいるし、さらに引き離さないといけない選手もいるので。
一人一人の選手が成長できればなと思います。
〇関東リーグ、1年を終えて、サポーターのみなさんにメッセージをお願いします。
長いシーズンでしたけど、うれしい試合もありましたけど、応援してくれるサポーターがいたなかで、チームが成長できたと思うので。
引き続き、また高円もありますし。これからも、高校行ったりする選手もいるんですけど、引き続き、応援していただけたらと思います。
〇後半戦、リーグ戦再開してからは苦労した試合もあったと思うんですけど、そういったなかでも選手たちは成長したのではと思うんですけど、それについてはいかがですか?
最初は3連敗したりもしたんですけど、そんななかで、さっきも言いましたけど、打倒フロンターレという中で受けた部分もありましたけど。
大宮に勝って、F多摩と深川に引き分けましたけど。前回(FC東京U-15深川戦、△1-1)も勝ち点3取りたかったですけど、残りロスタイムに1点を取って。
そのときにも話しましたけど、勝ち点3ほしかったですけど、この勝ち点1が、あきらめない姿勢が生きてくるんじゃないかとっていう。
その結果が今日勝ち点で、(ヴェルディと)並んでつながったと思うので。そういうところは成長できたのかなと思います。
〇けしてたくさん勝てたわけじゃないですけど、最後の最後に追いついたり、今日も逆転で勝ったり。そういった部分での成長が見られたということですかね。
そうですね、そういう部分は成長できたかなと思っています。最後まであきらめない。
あきらめなければ、勝ち点を積み上げられるということは選手たちは感じ取ってくれたのかなと思います。
「精神的にも、プレーのところでも、どのチームよりも、誰よりも成長できたと思っています」
MF10 全天海
〇関東リーグ最後の試合でしたけど、フロンターレらしい戦いはできました?
そうですね、関東リーグの1節から通して、うまくいかないこともありましたけど、一個一個成長してきて、僕たちの特長は攻撃的なサッカーというところで。
得点も試合を重ねるごとに、大量得点することができてきたので。
自分たちらしい戦いというのは全節できたのかなと思います。
〇4位以内を目指す中で、相手が2位の強い鹿島ということで、どういう気持ちでピッチに入りました?
そうですね、サポーターだったりとか、試合に出たくても出られない選手が出られないということもあるので、気持ちを背負って、試合に出る人はその人たちの思いを背負っていましたし。絶対ここは落とせないゲームで、僕たちは2冠を目指しているので。出場するために、この状況を楽しんで絶対に勝とうという思いで、臨みました。
〇鹿島を相手にどんな崩しをイメージしていました?
前から、鹿島の狙いとしては来るというのがあったので。ワンタッチで、トップチームのような、相手を剝がしながらも、個人の力を生かすというところで、しっかりやってきました。
〇前半先制されて、なかなかチャンスをものにできなかった前半だったと思うんですけど、どんなところが良くなかった前半でした?
前半は入りのところはけっこう自分たちのかたちで入れたんですけど、球際とかを落としてしまったりとか、あとはチーム全体が少しうまくいかない時間に、息が合わなかったりとか、ちょっとバランスが保てていなかったなっていうところがありました。
〇後半から天海君を含めて、かなり前から追っていたなっていう印象があるんですけど、そこはどうでした?
フロンターレらしいサッカーをするにあたって、守備は欠かせないですし。あそこから、前線からプレスすることによって、後ろも連動してくれると思うので。
チーム全体として、狙いがあってできたと思います。
〇まだ順位は確定じゃないけど、おそらく4位以上というところだと思うけど、1年間1部でやってみて、どんな手ごたえがありました?
そうですね、まずは去年の先輩たちが1部に上げてくれて。1部の強度だったり雰囲気だったりというのは、なかなか2部では味わえないものですし。
1年間を通して、僕たちはなかなかうまくいかないことも経験してきたなかで、一人一人が成長してきて、自分の力も発揮できるようになってきて。
精神的にも、プレーのところでも、どのチームよりも、誰よりも成長できたと思っています。
〇3冠を目指してきたなかで、悔しさも大きい?
そうですね、シーズンが始まるときに、3冠ということで、関東リーグも取ろうというなかで。関東リーグの初戦からなかなか勝てない試合が続いて、悔しい思いっていうのはチーム全体で持っていますけど。
まだ高円があるということで、絶対気持ちを落としちゃいけないですし。次につなげようということはみんなで話していました。
〇高円にむけて、どんなことを積み上げていくのか聞かせてください。
高円の本戦まで、まだまだ期間もあるので、チームとして、個人の能力をまずは上げるというところと、チームとしてはどの試合でも苦しい状況というのが絶対にあると思うので。そこでも勝ち切れるようなサッカーをしていきたいと思います。
〇関東リーグ、応援してくれたみなさんに、メッセージをお願いします。
サポーターのみなさま、いつも応援ありがとうございます。
うまくいかないときも、サポーターを含めて声を出してくれたおかげで、自分たちの走る原動力になりましたし。
いつもサポーターが声を届けてくれるおかげで、自分たちはサッカーができているので。
高円に向けて、自分たちはさらに積み上げていくので、これからも応援してほしいです。
〇後半戦、リーグ戦再開してからはうまくいかなかったこともあったと思うんですけど、チーム全体でみんなでどんな話をしていました?
うまくいかないときは、どのチームでもあるので。
そのなかでもチームとして崩れないということと。
一体感をもって次の試合につなげようということで、ポジティブにみんなでとらえていました。
〇うまくいかない試合があったからこそ、得たものって何かあります?
そうですね、クラブユース明けからなかなか、関東リーグのチームが対策してきて、うまくいかない試合も続いてきたんですけど。
そのなかでも僕たちは崩れずに、毎試合毎試合つなげようということでやってきましたし。
けっして内容のところではどのチームにも負けていなかったと思うので。
あとは勝ち切るというところで、そこからどんどん積み上げていきたいです。
〇それもまた全国大会につながっていくということですね。
そうですね、全国大会があって、ということですね。
「勝たなければいけないという気持ちで。心ひとつでした」
DF2 對馬羽琉
〇大事な同点ゴール。セットプレーからでしたけど振り返ってどうでした?
コーナーキック、何回もあったんですけど。
1回目とか2回目、決められなかったので。自分の1対1で勝てなくて。決められちゃったので。
流れ的にも自分が決められるんじゃないかって思っていて。そうしたらいいボールが来て。あとはヘディングで決めるだけでした。
〇對馬君のところにボールが来るというのはイメージどおりでした?
はい。
〇今日は4位以内がかかっていた試合だったと思うんですけど、どんな気持ちで入りました?
これを勝たないと行ける確率は低いということだったので。勝たなければいけないという気持ちで。心ひとつでした。
〇相手が鹿島ということで、球際も強い相手で。どんなイメージで試合に入りました?
球際とかハードワークができるチームだと思うので。それを上回れるように。自分たちもやっていこうということで入りました。
〇なかなか前半、チャンスも生かせなくて、先制点も取られて。どんな反省がありました?
守備的には、失点しなければ前が決めきってくれると思うので。もっと改善していきたいと思います。
〇あとはこれから高円もあるんですけど、それに向けてどう調整していきたいですか?
2カ月ぐらいあるので、今課題としているところをどんどん追求していって、またクラブユースみたいな感じにしていきたいと思います。
〇個人的にこの1年、どんなところが成長したと思います?
筋トレとかもやってきているので。
体も大きくなって、太くなってきているので。1対1は、勝てる部分が多くなってきたと思います。
〇技術的に伸ばしたいなと思うところは?
止める、蹴るとかパスの質はもっと上げていきたいと思います。
〇リーグ戦の再開後はうまくいかない試合もあったと思うんですけど、それについて自分なりに思うところってあります?
みんな、クラブユースの時には、自分的には心がひとつになっていたと思うんですけど、もっと心をひとつにすることが必要だったかなと思います。
〇今日の試合も最初はけっしてうまくいかなかったとは思うんですけど、今日の試合はまた、そういう心をひとつにということが出たという感じですかね?
はい。
〇じゃあまた高円宮に向けてもそういった雰囲気を大事に?
はい。大事にしていきたいです。
〇ファン、サポーターに向けてメッセージをお願いします。
関東リーグは4位という結果で終わってしまったんですけど。高円も1位を取って、2冠を達成したいと思います。
◇
夏の日本クラブユース選手権での優勝の後は、苦しい時期もあったフロンターレ生田。
しかし、その時期があったからこそ、得たものもあるように思います。
12月に行われるもうひとつの全国大会、高円宮杯まで2カ月ほど。
また、どのチームよりも、どの選手よりも成長して、もうひとつのタイトルを手にすることができますように。どんな試合を重ねていくのか、とても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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