6月3日は、東京駅前から高速バスに乗り、前日に続いて千葉県旭市の東総運動場へ。日本クラブユース選手権関東予選敗者復活戦、SC相模原ユース戦を4-0で勝利した川崎フロンターレU-18は、栃木SCユースとの全国大会の出場権を懸けた試合に臨みました。
【川崎フロンターレU-18 日本クラブユース選手権関東予選敗者復活戦 vs 栃木SCユース】
6月3日(日)午後0時キックオフ 東総運動場 晴れ
フロンターレの先発は、GK21青山海、DFは右から17宮本ディアウ勇守歩、キャプテンの4高吉正真、2栗田悠巨、3島崎元、ボランチは6小川達也、32山内日向汰、右MF11有田恵人、左MF9山田新、FW18宮城天、10宮代大聖。
前日に比べるとやや強い風は吹くものの、夏を思わせるような日差しが照らす東総運動場。スタンドには両チームの選手の家族らやサポーターが駆けつけ、フロンターレの選手たちをサポーターたちがチャントで後押しすれば、栃木SCの選手たちの家族らもチームの名前を連呼し、選手たちを励ますなか、試合は始まりました。
立ち上がりは栃木SC。右サイドから5がエリア前へ切れ込む動きでゴールの前に迫ると、エリア前で受けた11のスルーパスにエリア外右へ9が流れ、折り返しに11が反応。シュートは右へそれましたが、フロンターレのゴールをおびやかしていきます。
さらに右からの攻勢を試みていく栃木SC。5が高い位置へ仕掛けていきますが、島崎が寄せ、最後はラインを割り、ゴールの前には近づけず。直後にはエリア内で11がカット。シュートはゴール左をとらえるも、青山が足で防ぐ好セーブ。これはやられたか、というピンチでしたが、すばらしいプレーでしのいでいきます。
フロンターレはそこから高吉が宮代へパスを入れ、左サイドの山田へ展開。島崎がかかわり、高い位置でボールを回して、最後はエリア前で宮城がシュート。栃木SCの体を張った守備に阻まれましたが、ここからフロンターレは落ち着きを取り戻して、パスを回せるように。
栃木も前線の9にボールを入れていきますが、6分にエリア外左へ抜け出した9に対しては青山がエリア外に出て対応。頭で宮本へつなげて、マイボールにしていきます。
フロンターレは栗田の縦パスを山田が受け、そこから宮代を経由して宮本が右サイドの高い位置へ。ボールを中盤まで戻し、今度は左へ展開するなどして、多くの選手がかかわった攻めに。
9分には左サイドの高い位置へ島崎が抜け出し、最後はエリア正面から山内がシュートを打つもブロックされ、左コーナーキックに。左から宮城が右足でボールを入れると、ニアに飛び込んだ宮本が頭で合わせますが、上に。この際に栃木SCはCBの3が負傷しピッチの外へ。14が入り、中盤の10が最終ラインに下がります。
さらに左サイドから攻勢に出るフロンターレ。パス交換からエリア内へ山田が抜け出してシュート。ブロックに阻まれ、こぼれ球に有田が詰めましたが、栃木SCの選手たちも粘り強く、またも阻まれ、枠へは飛ばせず。
フロンターレは宮城が中盤まで下りて、小川や山内をフォロー。ボールを失っても島崎がすぐに奪い返し、そこから攻撃へつなげていきます。
前に9を残してコンパクトにフロンターレと対峙していく栃木SCはボールをものにすると、サイドへ展開。
12分には左から8が仕掛けていきますが、宮本が粘り強く対応。フロンターレはそこから攻めに転じ、13分には高吉が持ち上がり、エリア右の有田へ縦パスを入れると、有田はシュート。ブロックされたこぼれ球を拾い、右へ展開し、山内や宮本、有田がパスを回していき、エリア右へ有田が抜け出すもクリア。
18分には小川のフィードをエリア内右で宮代がおさめるも、栃木SCの守備はここでも粘り強く、シュートは枠をとらえることはできず。
19分には栃木SCも9にボールがわたり、エリア前に迫りますが、高吉、栗田が寄せていき、対応。ボールを奪い返していきます。
22分には宮城がエリア前の宮代へ縦パスを入れ、再び人数をかけた攻めに。エリア外正面から宮城がミドルシュートを打つも上に。
給水タイムを挟んで、高吉や栗田に小川が間に下りて、両サイドを高く押し上げ、前に出ていくフロンターレ。島崎のパスに山田が左サイドの高い位置へ動き出したり、最終ラインの左に下りた山内が右サイドの高い位置の有田へボールを通し、そこから宮本や小川とのパス交換からエリア内へ近づいていこうとします。
栃木SCも28分には9が左サイドの高い位置へ抜け出してサイドを変え、右へ。7がクロスを入れますが、栗田がクリア。そこから切り替えよく栃木SCのエリア前に迫ると、エリア外右で宮城がファールを受け、フリーキックに。宮城がエリア内へボールを入れると、山田が頭で合わせますが、ボールは左へ。
フロンターレは有田が中に寄ってセカンドボールを拾ったり、宮本が1対1の場面でボールを奪うなど、流れを渡さず。33分には中盤で宮城、小川がパスを回して、高吉がエリア外右の高い位置へ。ミドルシュートを打つも上に。
栃木SCも、高い位置で9がボールをカットし左へ。右サイドへ4が上がりクロスを入れるも、島崎が頭でクリア。さらに右サイドでボールを拾った9が仕掛けていくも、山田がボールを奪い、エリア内へは近づかせず。
36分には、栃木SC。フロンターレの人数をかけた攻めをしのぎ、速攻へ。8が持ち上がり、エリア外右の9へ。9がエリア前に仕掛けていくも、シュートは高吉がブロック。さらに10のフィードを受けた5がエリア内へ。これに対しては、栗田がうまく寄せ、ボールをものに。フロンターレは再びパスを回す時間をつくっていきます。
42分にはエリア外正面で小川がファールを受けると、宮城のフリーキックはゴール右をとらえますが、GK16がキャッチ。さらに高吉のフィードを有田がエリア外右で競り、エリア右へ抜け出した宮代、宮城とつないで、宮城が右から折り返すも、山田は惜しくも触れず。
45分には宮本の右クロスに、エリア内で山田がダイレクトで合わせますが、上に。
直後には栃木SCも5の右クロスにエリア右で11が反応。しかし、またも高吉が体を張った守備でこれを防ぎ、しのいでいきます。
前半はタイムアップ。フロンターレが押し込みながらも、栃木SCもエリア前では粘り強い守備を見せ、ここぞという場面で鋭い攻めに。それでもフロンターレも切り替えよく対峙。高吉や栗田、青山らの好守で最後のところではやらせず0-0でハーフタイムとなります。
風は弱くなり、暑さが増したように思えるなか、始まった後半。立ち上がりはフロンターレ。後ろでボールを回し、左サイドの高い位置の島崎へ。島崎がエリア内へクロスを入れると、右から斜めに動き出した有田がエリア内へ。しかし、GK16がボールをキャッチ。
栃木SCはすばやく前にボールを送ると、エリア外左でうまく18がボールを受け、左へ展開。8が仕掛けていきますが、高吉がクリア。そこからフロンターレは、宮代が中盤まで下りてボールをおさめ、山田や小川がかかわってボールを回していき、ラインを高めて、左サイドからエリア前に動き出す山田を狙って、高吉がフィードを入れるなどしていきます。
4分には栃木SCも右へ9が流れ、起点をつくると、エリア前に18が迫りますがシュートはブロック。さらに7が右クロスを上げるも、島崎が拾い、5分には最終ラインのフィードからエリア左へ9が仕掛けていくも、栗田がボールをうまく奪い返して、シュートには持ち込ませず。
そこからフロンターレは小川が左サイドの裏を突くパスを出して、山田を走らせ、再び前に。6分、左サイドから山内がエリア前に縦パスを入れると、うまく前を向いた宮城がシュート。ボールはゴール右をとらえて、先制点はフロンターレへ。1-0。ついにゴールをこじ開けます。
フロンターレはさらに、小川のスルーパスにエリア右へ有田が抜け出すもここはGK16が対応。そこから栃木SCはエリア左へ18が抜け出していくも、宮本に加えて高吉も寄せていき、ボールはラインを割っていきます。
直後にはフロンターレ、有田が右サイドの高い位置へ。クロスを入れると、エリア外左からエリア内へ走り込んだ山田がダイレクトで合わせますが、ボールはGK16がキャッチ。
前線でフロンターレのパスを狙ってくる栃木SCは、9分には9がボールをカットするも、高吉がすばやく寄せてマイボールに。そこから宮城に縦パスを入れ、守備から攻撃へ。11分には宮代から右へ展開すると、宮本のクロスに山田、有田が飛び込みますが、触ることはできず。
栃木SCにボールが渡ると、宮代が高い位置からプレスをかけたり、右サイドを上がっていく5には、山田が粘り強く寄せていくなど、前線の選手たちも守備でもよい動きを見せていきます。小川もエリア外右へ仕掛けていく5からボールを奪い取り、そこから前へ運んでエリア外右を突くパスを出すと宮本が抜け出そうとするなど、攻撃へつながる守備を見せていきます。
17分には栃木SC、18とのパス交換から5が右クロスを上げると、エリア内でボールをおさめた11がシュートを打つも、高吉がここでも体を張った守備でブロック。そこからGKの青山に山内や小川、高吉や栗田がかかわって後ろからボールを回して、マイボールの時間帯を増やしていきます。
18分には宮城の縦パスを受けた宮代が、山田とのパス交換からエリア内に。栃木SCの粘り強い寄せに遭いますが、山田や山内がすばやく寄せていき、高い位置でのプレーを続けていきます。19分には、宮城からエリア右を突くパスが出ると、抜け出した有田が鋭い切り返しで栃木SCの選手を翻弄するもブロックされ、シュートは枠をとらえられず。
栃木SCも、最終ラインからエリア外右へ流れた11に、正確にボールを入れていきますが、島崎が寄せ、最後はラインを割り、エリア内へは近づかせず。
21分には再びフロンターレ、宮城がエリア前で前を向いて浮き球のパスを出すと、エリア左へ山田が抜け出しますが、栃木SCの選手はブロック。左コーナーキックとなり、宮城が入れたボールに高吉が合わせ、有田がボールを拾い、右サイドの裏を突くパスを出して、宮本が抜け出すも、ボールは最後はラインを割っていきます。
この日2回目の給水タイム、「テンポよくまわしていこう」「最初の5分簡単にいこう」。声を掛け合ってピッチへ戻っていくフロンターレの選手たち。
26分には山内がボールをカットし、右サイドを突くパスを出すと有田が抜け出して、リターンを宮代が受け、人数をかけた攻めに。有田が左へ流れてクロスを上げると、宮代がシュートを打つも、ブロック。
さらにセカンドボールを拾い宮城がシュート。ワンタッチあり、左コーナーキックに。宮城の入れたボールに、宮本が合わせ、エリア左へのこぼれ球に山田が反応するもオフサイドに。追加点には結びつきませんでしたが、次々に栃木SCのゴールに迫り、攻撃で終わらせる場面をつくっていきます。
28分には宮本のフィードを宮代がおさめて右へ展開。宮城の右クロスをエリア左で山田がおさめ、人をかけた攻めに。しかし、栃木SCの守備も堅く、シュートにはつながらず。
しのいだ栃木SCも30分には18がエリア外正面で受け、カウンターに。エリア左へ11が抜け出しますが、栗田がブロックし、右コーナーキックに。6が右足で入れたボールに、ファーで4が反応しますが、ボールは青山がキャッチ。そこからすばやく前に送り、宮城から右サイドの有田へ。有田のクロスにエリア内へ山田が走り込むも、GK16がボールはキャッチ。
栃木SCも31分に交代で40が入ると、再びフロンターレのゴール前に。32分には左サイドのスローインからエリア内へ9が進入し左へ。8がクロスを入れるもラインを割り、シュートにはつながらず。さらに34分には左サイドの高い位置へ40が抜け出して、ゴールの前にクロスを送るも栗田がクリア。右コーナーキックとなるも、青山がパンチング。集中した守りで栃木SCの攻勢に応えていきます。
35分にはフロンターレは宮本に代わり22松永竜之介が右SBに。栃木SCの左からの攻めに対して、ボールを読みよくカットするなどしていきます。
栃木SCのセットプレーをしのいだところから宮城がボールを拾い、エリア外右へ宮代を走らせ、さらにゴールを狙いにいく姿勢も見せていくフロンターレ。
栃木SCの8の左サイドの高い位置を突いたパスには、高吉が好カバーを見せ、攻撃へはつながらせず。栗田のフィードを宮代がおさめ、右サイドの松永のクロスにつなげ、終盤に入っても切り替えの良さを出していきます。
43分には有田に代わり8上野綜太が右MFに。直後には山田が高い位置でボールをカットしカウンターに持ち込むと、エリア右から宮代がシュートを打つもバーを叩いて決まらず。
栃木SCも9が前を向いたところからフロンターレのゴールに迫っていきますが、栗田のボールカットや高吉のカバーなどでしのぎ、浮き球に宮城が競ったところから宮代がエリアの正面へ。ここでファールを受け、フリーキックを得たタイミングで宮城に代わり、24鈴木大登がピッチへ。
宮代は直接ゴールを狙いますが、枠はとらえられず。
フロンターレはさらに左へ流れた鈴木がゴールへ向かっていき、高い位置でのプレーを継続。ついに試合はタイムアップ。1-0。フロンターレは、5年連続で日本クラブユース選手権の出場権を手にしました。
前半0-0 後半1-0 計1-0
得点:宮城天
フロンターレの先発:21青山海、17宮本ディアウ勇守歩、4高吉正真(c)、2栗田悠巨、3島崎元、6小川達也、32山内日向汰、11有田恵人、9山田新、18宮城天、10宮代大聖
交代:宮本→22松永竜之介 有田→8上野綜太 宮城→24鈴木大登
控え:19川合我空 15道間雄生 20澤田泰大 13古屋雄帆
予選を通して、攻守の粘り強さが増していったように思えるフロンターレ。敗戦となったFC町田ゼルビアユース戦も含めて、すべて後半にゴールを奪ったことも印象に残るものがありました。夏の厳しい暑さのなかでの試合に向けて、つながっていくと思います。
6月23日に再開となるプリンスリーグ関東、7月後半の日本クラブユース選手権でどんな試合を重ねていくのか。とても楽しみにしています。
(文中敬称略)
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