12月11日。等々力第一サッカー場で関東ユース(U-13)サッカーリーグを見たあとは等々力陸上競技場へ。プリンスリーグ関東はいよいよ最終節。7勝5分け5敗、4位の川崎フロンターレU-18は2位桐光学園と勝ち点差2、3位東京ヴェルディユースに勝ち点差1、プレミアリーグ参入戦の出場権を得られる可能性を残してこの日を迎えました。
【川崎フロンターレU-18 プリンスリーグ関東第18節vs帝京第三】
12月11日(日)午後1時2分キックオフ 等々力陸上競技場 晴れ 1520人
フロンターレは前節負傷交代した26宮代大聖、さらに15池谷祐輔がメンバー外に。先発はGK16早坂勇希、DFは右から14小川真輝、34高吉正真、22新井秀明、3川崎晶弘、ボランチはキャプテン10田中碧、7桝谷岳良、右MF17大曽根広汰、左MF8栗脇拓人、トップ下18村田聖樹、FW28山田新
帝京第三はGKキャプテン1松本大亮、DFは右から16阿川奎都、26菊地開世、32宮川将一、2大野広遥、ボランチは25原一輝、34平田和也、右MF14堀川直人、左MF7田中聖人、FW9佐藤玲央、36島袋優斗
第9節では、10山田海人にフリーキックを決められて、0-1。敗れています。
よく晴れ渡った空の下、U-18の試合としては多くのサポーターらが等々力には集まりました。
フロンターレは5分には右サイドで村田からパスを受けた大曽根が仕掛けてエリア右へボールを出すも山田はシュートは打てず。帝京第三もクロスやフリーキックからゴールを目指していきますが、新井や早坂が対応。9分にはこぼれ球を拾われてエリア右佐藤が迫るも高吉が体を入れてボールを取り返して攻撃の芽を摘んでいきます。
直後にはフロンターレ、山田が右サイド高い位置で折り返したところからパスをエリア前でつないで正面の田中から左へパスが出ると、川崎がエリア内左へ進入しシュート。しかし、枠はとらえられず。
さらに高吉のフィードに栗脇がエリア外左から抜け出してシュートに持ち込むも左へ。一方の帝京第三もエリア前で堀川がボールを奪ってゴールに迫りますが、田中がすばやく戻って再びマイボールに。14分には帝京第三の田中聖人が左サイドからフリーキックを蹴るとエリア内、平田が合わすもうまくミートせず、ボールは上へ。フロンターレも19分には大曽根が右サイドで倒されると、小川のフリーキックにエリア内、田中が飛び込むもさわることはできず。
帝京第三も阿川の右サイドから仕掛けてエリア内へ進入するも川崎が粘り強くカバー。裏のスペースを狙ってボールを入れていきますが高吉や新井がクリア。
テンポよくボールを回していくとフロンターレは29分、細かくパスをつなぎ、帝京第三の前線からプレスを受けた高吉がエリア内へボールを入れるとGK松本がキャッチしきれなかったところを村田が見逃さず、エリア右からシュートを打つとゴールネットが揺れます。1-0。先制点はフロンターレへ。
多くのゴールも必要とするフロンターレはさらに高い位置でプレスをかけて攻勢に。31分には高吉が高い位置まで上がり、スルーパスを出すとエリア右、村田が抜け出して折り返すもクリア。さらに大曽根が右サイドをドリブルで仕掛けてエリア右へボールを出すと山田が角度のないところから狙いますがブロック。さらにセカンドボールを拾った桝谷がいったんボールを預け、再び受けて左サイドからいい軌道のクロスを入れますが山田はわずかに触れず。さらに左サイドで川崎と栗脇がいい連係を見せ、起点となります。
帝京第三も42分には右サイドのフリーキック、菊地が左足で入れたボールを島袋がファーで折り返しますが早坂がキャッチ。直後には栗脇が左サイドから仕掛けてエリア前へ。パスを受けた山田のシュートはブロック。さらに栗脇のパスに左サイドの裏のスペースに抜け出た川崎が駆け上がりクロスを上げるも山田にはわずかに届かず。前半は1-0でタイムアップ。
この時点でヴァンフォーレ甲府と対戦している2位桐光学園は1-0でリード。3位東京ヴェルディユースは前橋育英と0-0。このままならば、フロンターレは3位という状況でハーフタイムを迎えました。
後半、フロンターレは立ち上がりに帝京第三の大野のクロスなどを起点にエリアへ迫られますが新井らがしっかり対応してしのいでいくと、田中が最終ラインの間に下りて組み立てにかかわるなどしながら、高い位置へ押し上げていきます。
5分には右サイドで小川がエリア前へ縦パスを入れ、細かくボールを回して村田のパスにエリア右、大曽根が抜け出してシュートを打つも上へ。帝京第三のカウンターに対しては桝谷や大曽根らがよく戻ってカバー。田中も山田や大曽根にボールを預けてエリア内へ顔を出すなど厚みのある攻撃を見せていきます。
しかし、12分帝京第三はコーナーキックを得ると右から田中聖人が入れたボール、エリア内右でこぼれ球を拾った大野が右足を振り抜くとゴールネットが揺れます。1-1。同点に。
直後にはフロンターレは山田が村田にエリア前でボールを預けて、村田のスルーパスにエリア内へ抜け出しますがGK松本が飛び出してシュートを打つことはできず。
ここでフロンターレは山田に代わり6小泉靖弥が入り右MF。大曽根がFWに。帝京第三は18分佐藤に代えて42武井潤が入ります。
帝京第三は平田がよくセカンドボールを拾い縦にパスを入れてフロンターレのゴール前へ。ロングスローなどからおびやかしていきますが、早坂がシュートには対応。24分には桝谷に代えて13奥山璃空がボランチに。再び切り替えよくボールを拾ってから攻撃へつなげるようになると、28分エリア前で村田がスルーパスを出すと最後はエリア左から大曽根がシュートを決めて2-1。ピッチ脇のアップをしている選手たちのもとへ走り、喜びを分かち合う選手たち。フロンターレが再びリード。
ここでフロンターレは栗脇に代わり11道本大飛、帝京第三は堀川に代わり19小林颯耶。さらに島袋に代わって33雨宮優翔。
積極的に縦パスを入れてさらにゴールを求めるフロンターレに対して、帝京第三は田中聖人が左サイドから仕掛けるなどしますが、小泉がカバー。奥山もよくセカンドボールを拾っていきます。
42分には左サイドから道本が仕掛けてエリア前へ。村田が抜け出てシュートを打つもGK松本が対応。
ロスタイムは3分。ボールを握ってうまく時間を使いたいところでしたが、ボールは帝京第三へ。ボールをつなげ人数をかけて前へ出てくるとエリア右から田中聖人がシュートを決めて2-2。残りはあと1分ほどというところで同点となってしまいます。
このまま、終わってしまうのか。しかし、あきらめなかったフロンターレは、大曽根がドリブルでエリア前へボールを運び、左サイドへ展開。最終ラインから上がっていた新井がエリア左から左足を振り抜くとゴールネットが揺れます。3-2。選手たちも家族たちもサポーターたちも歓喜に湧く等々力。試合はここでタイムアップ。
1試合1試合ひたむきにプレーし、何度も苦しい状況から追い付いたり逆転したりしてきた2016年の川崎フロンターレU-18らしさを最後の瞬間まで見せてプリンスリーグの最終戦を飾りました。
前半1-0 後半2-2 計3-2
得点:村田聖樹、大曽根広汰、新井秀明(川崎) 大野広遥、田中聖人(帝京第三)
フロンターレの先発:16早坂勇希、14小川真輝、34高吉正真、22新井秀明、3川崎晶弘、10田中碧=cap、7桝谷岳良、17大曽根広汰、8栗脇拓人、18村田聖樹、28山田新
交代:山田→6小泉靖弥 桝谷→13奥山璃空 栗脇→11道本大飛
控え:21浅川将輝 2横山尚貴 4伊従啓太郎 23デューク・カルロス 29横田大祐 31上野綜太
帝京第三の先発:1松本大亮=cap、16阿川奎都、26菊地開世、32宮川将一、2大野広遥、25原一輝、34平田和也、14堀川直人、7田中聖人、9佐藤玲央、36島袋優斗
交代:佐藤→42武井潤 堀川→19小林颯耶 島袋→33雨宮優翔
他会場では2位桐光学園は2-0で勝ち点31、3位東京ヴェルディユースは3-0で勝利し勝ち点30。首位浦和レッズユースとともにプレミアリーグ参入戦へ進みました。
フロンターレは8勝5分け5敗、得点25、失点23、勝ち点29。4位でシーズンを終えることになりました。プレミアリーグ参入戦への出場は叶いませんでしたが、あと勝ち点1足りなかったというよりも、「よくここまで」と感じさせるシーズンでした。春のうまくいかなかった時期から盛り返し、日本クラブユース選手権ではベスト4、最後まで上へ行ける可能性を残し来年もプリンスリーグで戦えることになったのは立派な結果だと思います。
さまざまな経験を重ねたフロンターレU-18が来年どうなっていくのか。期待をしています。また、卒業していく三年生たちがこれからどうなっていくのか。大いに楽しみにしています。
(文中敬称略)
写真はかんちさんから多くのものを使わせていただきました。ありがとうございます。
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